出会い
「ここは?」
気が付けば見知らぬ大草原の真ん中を歩いていた、鎧に兜に剣まで身に付けてまるでRPGの勇者じゃないか。
「もう少しで王都ですね」
白いローブを着た金髪の神官のような女がそう言い放つ。
「やっと休めるよ~僕もうクタクタ」
魔法使いのような格好をした少女だ僕っ子なんだな。
「オデはまだまだ行けるど!」
見るからに脳筋の巨漢の男だ、修行僧みたいな格好してる。
「君には聞いてないから少し黙ろうか?」
「それにこの先には当分人里はありません」
「君もそれで良いよね?」
ん?俺に話しかけてるのか?
「あっはい···」
「録な男がいないねこのパーティー···」
「何を考えてるか分からず気味が悪いです」
ボロクソやん···コミュ障ボッチ歴年齢を舐めんな!ん?そもそも俺の年齢っていくつだ?てか俺の名前って···
「おっモンスターいるど」
「早く言え!肉ダルマ!」
「チッ本当に使えないですね···」
言い過ぎでしょ···神官が俺に身体強化魔法をかけ魔法使いは詠唱を始めた、俺は後衛2人を護りつつ向かってくるゴブリンとウルフを斬り殺して行く。
「おめー弱えーなー」
脳筋が殺したゴブリンとウルフの首を引きちぎり入れ替えたりして遊んでいる···あれは放置でいいや。
「死ね」
魔法使いの詠唱が終わりモンスターの群れが悲痛な断末魔をあげながら炎に包まれていく。
「はい勝ちー」
「では行きましょうか」
「飯が食えるどー」
流石に虫すら殺さなかったわけでは無いが生き物を殺すという行為を自然と行い受け入れている自分に驚愕した。
だがこの世界ではこれが当たり前なのだろう殺らなきゃ殺られる。
「さて···」
日没で空が暗くなり始めた頃、俺達は城門をくぐり街に入ったのであった。