おかあさん
私は物事ついた時から母がヒステリックで怯えていた。
母親は導火線の短い人で、些細な事でも喚き散らしたり、または自分の虫の居所が悪いと、子供の私によく八つ当たりをし 酷い時は殴る、蹴る、などの暴力も絶えなかった。
勿論、殺意はないのだけど台所から包丁を持ちだし振り回すような人だった。
そんな親だったから私はいつも物心ついた時から母の顔色を伺うようになっていた。
小学校から帰ってきたある日母はその日も昨夜の夫婦喧嘩が原因で虫の居所が悪かった。
ただいまーと、帰ってきた私に急に「さやっ!!」
と、急に怒鳴りつけた母は
「お前なんか生きてる価値がない!死んでしまえ」そういいながら私を殴ったり蹴ったり 罵り続ける。
母はこうなると長く 3、4時間に渡り怒鳴り声を上げ続ける。
父はその時間は仕事に行っていた為、母からすれば八つ当たりするには絶好のチャンスだったんだろう。
そうするとある本棚から母は 1冊の本を取り出した。
(あ…!あれは、おばあちゃんに買ってもらった!!)
私はおばあちゃんっ子で父方の方の祖母が好きだった。多分それも母は面白くなかったんだろう。
母親は「こんなもの!!」っと奇声をあげながら本をビリビリに破きゴミ箱へ捨てた。