指先から始まる甘いひととき

えっちです。

閲覧注意。

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「どうだ、綺麗か？」

　白い生地に青い花柄が描かれた浴衣を身に纏い、皐が僕に見せる。うん。すごく綺麗です。黒髪がまた似合っていますよ、皐さん。

「何故何も言わない？」

「綺麗だよ、髪の毛あげたら？」

「そうだね」

　僕に言われ、皐が長い黒髪を片手で持ち、襟足が見えるぐらいまで持ち上げる。手首にはめられたヘアゴムで、お団子を作り始めた。僕をその様子をただ、見つめる。

「どうかな？」

「いいと思うよ」

　アップしたらなんて、言わなきゃ良かった。

　首筋から見える後れ毛が色っぽい。浴衣が上手に着れなかったのか、胸元は少し緩み、白い肌が見える。浴衣から溢れ出る、いつもと違う色気に体の中が少し熱くなった。

「縁側でスイカを食べよう」

　皐がキッチンからカットされたスイカを縁側まで持ってきた。スイカか。暑いし丁度いいが、気持ち的には貴女を食べたい。いやらしい目で皐を見る。

「湊、食べよう」

　縁側に座り、皿の上のスイカに手を伸ばす。口の中でスイカの甘みと冷たさが広がった。美味しい。横目で皐を見る。

「おいひぃ」

　口元はスイカの水分が垂れ、指先までドロドロになって食べている。子どもか。白い浴衣にはスイカの汁が染み、赤みが移っている。

「子どもじゃないんだからさぁ……」

　彼女は33だ。僕より10も年上。なのにいつも子供っぽい。童顔で、整った目鼻の顔立ちは33には見えない。

　縁側から立ち上がり、キッチンへ向かう。布巾を手に取り、水で濡らした。軽く絞り、縁側に戻る。

「せっかくの浴衣が染みになっちゃうよ」

　汚れた胸元を布巾で優しくトントントンと叩く。叩けば叩くほど、濡れた布巾のせいで浴衣が濡れて透ける。いやらしい。

　ぼとっ。

「湊、スイカ落ちた」

「今拭いてるんですけど」

　皐の膝の上に落ちたスイカを拾い、皿の上に乗せる。あぁ、膝も汚れてしまった。スイカの水分で濡れている。

　太腿の上も布巾でトントントンと叩く。ふと、手を止め、皐を見た。汚れた口元。緩んでいる胸元。指先から滴るスイカの水滴。濡れた布巾で叩いたことにより、浴衣は着崩れしていく。

　えっちです。皐さん。はぁ、僕はもう、我慢出来ません。

「ちょ……湊？」

　皐の手首を掴み、指先を自分の口の中に入れ、舐めた。甘。

「皐さんが悪いんだよ？」

「湊、ここでするの？」

　皐の肩にそっと触れ、押し倒す。衿の隙間から手を入れた。

「ダメ？」

「ん……近所に聞こえる……」

　皐の口元についたスイカの汚れを舌で舐めとる。皐の頬がほんのり赤く染まった。可愛い。

「……分かったよ」

「わわっ……」

　皐を両腕で抱き上げる。なんて軽いんだ。寝室まで運び、ベッドへ仰向けに寝かせた。

　さてと。

　浴衣の衿を広げ、ブラジャーの上から両手を乗せ、軽く揉む。

「湊っ、あっ……んっ……」

「はぁ、邪魔」

　帯をしゅるしゅるっと解く。少しずつはだける姿に唆られる。背中に手を回し、片手でホックを外した。露わになる白く大きな柔らかな胸。皐の脚の間に体を入れ、覆い被さった。

「綺麗だよ」

　片手で胸を揉みながら、下腹に手を伸ばし、下着の上から割れ目に沿い指先で撫でていく。

「ぁあっ…湊っ…あっ…ん……あっ…」

　焦ったいのか、頬を赤らめ、物欲しそうに僕を見つめる。

「折角の浴衣なのに、こんなに乱れて意味ないね。皐さん」

「それは湊が脱がしたからでは……？」

　今、僕のせいにした？

　お仕置き。下着の隙間から指を差し込み、淫華へ指先を激しく押し引きした。

「あっぁっ…みなとっ…あっぁっ…んっあっ」

　指で奥を突くほど、皐は甘い喘ぎ声を出す。もっと、その甘い鳴き声が聴きたい。

「どこ、どこがいい？　ここ？」

　指を引き、二枚の扉の周辺を撫でる。

「あっ…んっ…悪くないけど…っあっ…もっと…んっ奥……あっ」

「この辺ですか～～？」

　指先を移動させ、最も敏感なところを掻き回す。

「んっあっ…もっと…あんっ……奥っあっ」

　感じているのか、皐の脚が閉じようとする。手で押さえ、脚を広げた。

「ここ？　ここかなぁ？」

　指で奥を突きながら、片手で下着を脱がせる。割り開いた脚の間に顔を埋めた。もう脚の間はとろとろだ。指先で刺激しながら、舌を這わせた。

「ぁあっ…あっあっあ…んっあっあっ」

　段々と激しくなる喘ぎ声。それだけ、感じてくれているということ。やりがいがある。

「…あっ…はぁっ……湊……あっ……キスして…」

「こんなに濡れてるよ」

　蜜液でどろどろになった指先を皐に見せると、皐が顔を真っ赤に染めた。目の前で濡れた指先を口に入れ、舐める。

「……見せなくていいから早くキスして」

「早く挿れての間違いじゃない？」

　首の後ろに腕が回る。首に絡まるその腕を愛しく想う。

　顔を近づけ、唇を重ねた。口唇の小さな隙間から、舌を捩じ込む。舌が絡み合えば絡み合うほど、感情が昂っていく。もう挿れたい。緩急をつけながら、ゆっくり舌を抜いた。体を起こし、片手に避妊具を手に取る。

「……はぁっ……今日はつけてあげるよ、湊」

「そう？　じゃあ、お願いしようかな～～」

　不慣れな手つきで、僕の陽根に、はめる姿は愛おしい。

「挿れるよ」

　脚を再度、両側に開く。ゆっくり、少しずつ、痛みを感じさせないように、濡れ窟に沈み込ませる。皐の手に自分の手を重ね、指を絡めた。

「んっあんっ…ぁっあっ…あんっ…ぁっあっぁっ」

　腰の動きに合わせ、皐が身体をビクビクと震わせながら喘ぐ。あぁ、締まる。気持ち良い。

「……はぁ…ここ？　ねぇ、ここ？　ここが気持ちいいの？　教えて？」

「やっだめっあっぁっあっあんっ」

　激しく腰を振りながら、締まる蜜肉の奥へ奥へと突く。奥を突くほど皐の手に力が入り、僕の手を締め付けた。皐からそっと、手を離し、抱きしめる。細い腕が背中に回るのを感じた。

　抱き合うってなんて気持ちが良いのだろう。

　密着した身体は、お互いの下腹が擦れ合い、先ほどとは違う気持ち良さに支配される。はぁ、もう出そうだ。皐の顔を見る。目尻が下がり、瞳は快感で潤んでいる。半開きの口からは唾液が垂れていた。

「……はぁ…気持ち良い…はぁ…出していい？」

「うん、みなーーぁっあっあっあっきもちっ…あっはっあっ…んっあっぁっあぁあっ」

　絶頂に向け、激しく腰を動かす。皐の脚からは震えが伝わる。もうお互いあと少し。皐に強く抱きしめられ、自然と自分の腕も強く力が入る。

　もう出るーー。

「……んっ…はぁあ……」

　快感が背筋を駆け上がり、溜まっていた全てを吐き出した。そのまま倒れ込み、しばらく皐の上で甘える。皐の脚からブルブルと振動が伝わり、片手で優しく脚を撫でた。

「湊……愛してる」

「僕の方が愛してると思うけどね」

　皐の言葉に笑みが溢れる。貴女はずっと、僕のものだ。唇を舌で湿らせ、皐の首筋に思いっきり吸い付いた。

「み、湊ダメ！　見えるところは！」

「髪長いから大丈夫でしょ」

　身体を起こし、赤い痕の付いた首筋を指の腹で触る。誰にもあげないよ。

「そういう問題では……」

「もう寝る？　もう1回する？」

「もう1回はちょっと……」

　皐が身体を起こし、イヤそうに僕から目を逸らす。ひどいなぁ、その反応。傷つく。

「僕まだイケるよ～～？」

「あっ！！　ちょっと！！　湊！！　今日はもう～～ぁあっ」

　起こしたばかりの皐の体に手を掛け、もう一度、覆い被さる。

　ごめんねぇ～～。皐さんも、そう言いつつ、気持ち良いの好きでしょ。今日は夜遅くまで付き合ってね。

「ん～～～～っ」

　ちゅ。

　口唇を押し付け、長めにキスをする。

　なんだかんだ、僕のわがままを受け入れてくれる愛しい皐。僕を見つめ、目を細めて笑った。

「もう、ばか」

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　あとがき。

　カクヨム自主企画、エロ短編の集い参加作品。キャラが思いつかなかったため、自身の小説【如月さん、拾いましたっ！】よりサブキャラ使用。

　日常の顔と違い、ベッドの上ではいつもと違う甘い一面が見えるところがえっちの魅力ですかね。