表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

おまけ

 私、アケミは友達三人と共に近所で有名な廃屋敷、『お化け屋敷』にやって来た。それも夜に。

 私が持つ懐中電灯で辺りを照らしながら屋敷の中を歩く。こんな真夏なのに屋敷の中は少し肌寒い。クーラーも無いはずだし……実に不思議だ。


「本当にここで肝試しするの?」

「もっちろん! なんか雰囲気が良いよね! ぞくっとする!」

「えー? そうー?」

「私は早く帰りたいです……」

「べ、別に怖くなんかないんだから。」


 いつものように皆でペチャクチャ喋りながら暗い屋敷内を散策する。


「もーいーかい」

「「「「っ!」」」」


 その時私達の真後ろから声が聞こえた。それも少年の声で。


「もーいーかい?」

「……。」

「もしかして……ゆ、ゆ、」

「そんな怖いこと言わないでよ!」


 トシコもルミもタエミも私もサッと顔を青ざめさせる。ここには私達四人しかいないはずなのに。それも四人とも女であるはずなのに……。ということはこの声の主は絶対ゆ、ゆ、ゆ……


「ねぇねぇ、無視しないでよ。無視されると……殺してしまいそう!」


 無邪気な声で物騒なことを言う少年の声。殺されたくはないので私達は意を決して後ろを振り返り、声の主を懐中電灯の明かりで照らす。


 そこにいたのはニコニコ笑顔を浮かべた少年だった。


「やぁーっと向いてくれた! もう少し遅かったらこれで殺してたかもねー?」


 そう言って少年は手に持っていた斧を見せてきた。少年の細っこい腕で持つには重そうなそれにはベットリ黒いものが付いていた。


「僕はコウスケ。ねぇねぇ、僕とかくれんぼしよう?」


 コウスケと名乗る少年は、にぃ、と口角を上げる。







 その目に涙を浮かべて。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ