第0話 プロローグ
よろしく。
「痛った・・・」
頭に鈍器で殴られたような衝撃が走った。何事かと思い、痛みにこらえながら後ろに振り向くとそこにはニタニタと気味の悪い笑みを浮かべながら棍棒を振り上げる緑色の醜悪な生物がいた。
「やばっ!」
咄嗟に机の上にあったノートパソコンで頭を守った。
ゴンッ
鈍い音がしたがこちらにダメージはなく衝撃だけが伝わってきた。
この生物はなんなのか、なぜ俺に襲い掛かってくるのかはわからないが理不尽に一方的に嬲られるのは気に食わない。
俺は手に持ったPCをそのまま相手に投げつけ、相手がよろけるのを確認した後ペン立てに立ててあるカッターを手に取り相手に切りかかった。
最大まで刃を出したカッターで突進するように相手にぶつかる。ブチブチと筋肉を切断する感触が手に伝わってくるがためらわずに刃を突き入れる。背中を殴ったり肩に嚙みついたりと激しい抵抗をしていたが傷口をえぐるようにグリグリとカッターを差し入れていると徐々に力が弱まっていき後ろにばたんと倒れた。
「はぁはぁ・・・」
肩で息をしながら、倒れた生物を見る。カッターが胸に深く突き刺さり赤い血が流れ出ている。しかしまだ息があるようで口から血を吐きながら起き上がろうとしている。
とどめを刺した方がいいだろう。そう思った俺はじくじくと痛む体を引きずりながら足元に転がっていたPCを手に取り完全に動かなくなるまで何度も頭を殴った。
そいつが死んだことを確認した後、俺はその場に倒れこんだ。肩の肉は嚙み千切られたし頭からも血が流れている。そろそろ体力の限界だ。次第に寒くなっていく体に危機感を覚えながらも満身創痍でどうすることもできない俺の意識は深い闇の中に沈んでいった。
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