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ファンキーガール! 瞳を、光らせて!

『ところで、この着ぐるみって、何か特殊だったりするのか?』

「ほよ? 特殊ってなに?」

『ほら、よくあるじゃん、力が10倍になるとか、透視が防げるとか、防御力が高いとか、嘘つくと鼻が延びるとか』

「なんで鼻なんか延びるのよ!! 確かに防御力は高いと思うけど!」

『おお、高いのか!』

「そりゃあ世界に4匹しか居ない神龍の皮だもの、聖剣でもなきゃ傷もつかないわよ」

『す、すげーなそりゃ。じゃあこのまま着とくかな』


さらに聞くと、その他に、耐熱性、耐寒性、対透視性、対鑑定性に優れるらしい。

あるのか、鑑定。


ちょい恥ずいが、これ着てれば人の居るところへ行っても大丈夫そうだな。

スライムなのがばれたら、また殺られるかもしれん。

おとなしくしておこう。


『で、近くに人里かなんか無いか?』

「んー? すぐ近くに王都ってゆー小さな街があったと思ったけどぉ、、、これからその服で行ってみるつもりだったから、詳しくはしらないわよ」

『は? 小さな王都???』

「うん、上を飛んだとき、ああもしここに降りたら、少し歩くだけで全部踏み潰しちゃうなぁー、って思ったもの!」

『おい、、、この巣の大きさからして、ベルって前はでかかったんじゃね?!』

「あ、そう言われると、この部屋少し狭かったかも、、、」

『あー、うん、わかった。じゃ、あれだな、近いってのもダメダメそうだな』

「そんなことないわよ! ピゅーっと飛んで3ミニツくらいよ!!」

『3ミニツって何分だよ?』


まぁ、しかし、このままここにいても、何もわからん。

移動は必須だろう。


と話していると、急にお姫様が崩れた。

すっかり存在を忘れていたよ。

分子間結合が保てなかったらしい、ただの粉末みたいである。


これでは何も調べるどころではないので、さっくり忘れることにしよう。


そういえば、外に兵隊がいるみたいなことを言ってたような気がする。

どうすべぇ。


「焼き払えばいいんじゃない?」

『魔法は無理だ。この粉作るの、大分無茶だったらしい』

「服のポッケに前の体のブレスを込めた火焔玉が幾つか作りおきしてあるから、ひとつ使ってもいいわよ!」


この流れでポッケだと!

まさかお約束のアレか!?

アレなのか!!


恐る恐る指定された方法を試してみる。

どうやら手の甲に有る白熊の刺繍が、件のポッケだったようだ。カンガルーの着ぐるみを選ばないで良かった。

いざ取り出そうとすると、自然とその膨大な内容物が思い浮かぶ。


はっはっは!

はっはっはっはっはっっ!!


本当にお約束のアレやんの!

いわゆる異次元のポッケでやんのな!!!

スゲー、お約束どーりだわ!

はっはっは!!


ひとしきり笑ったあと、外で出待ちしていた兵隊さんにはさくっと消し炭になってもらった。

ドラゴンブレスの貯金、半端ねーし。

戦闘シーンまるでなしやん。

、、、この着ぐるみ、絶対返さんどこ。




さてさて、それでは行きますかね、王都とやらに。


『って、なに、この道!?』

「? 王都に続く専用の一本道だけど?」

『なんでそんな物が』

「この巣を人間が気にしてて見に来るからじゃない? たまに来るわよ、さっき位の軍隊さん。見に来るだけですぐに帰るからほってあったけど」

『はぁ、それでわざわざ黄色い煉瓦で道作ったんかい、、、』

「大勢で来るのに便利みたいだったよ!」

『さいで』


まぁ、なんだ。

気にせず、とっとと出発しよう。


『ベルには何か街でしたいこととか有るのか?』

「美味しいもの! ってゆーのを食べてみたいわ! その為に人間を模した服を作ったんだし!!」

『ほう』

「あんたは?」

『もとの国、に戻るのは無理そうだし、人として暮らせれば御の字かな』

「ふーん」


お約束のチートの数々を手にいれ、さぞやいまの俺(が着ている熊の着ぐるみ)の瞳は、輝きまくっていることだろう。

『ま、のんびり行っても、そのうちいつか俺らの夢がかなうって!』

「ホントかしら?」


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