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佐藤、チェインジ!?

要素、要素はどこかで聞いたことがあると思いますが、風味だけです。

このままほぼずっと闇鍋の状態になりますので、そのつもりでよろしくお願いいたします。(汗


ムシャムシャと言うか、ズルズルと言うか、気が付けば俺は何かを食っていた。

頭がまだぼんやりとしていて、はっきりしない。


『あー、どこだここ?』


見渡すと知らない部屋だ。


見渡す? 今、俺はどうやった? 自分自身に、何かとてつもない違和感を感じる。

視点が低い? 自分より上側が全部見えている・・・・寝転がって、見上げているのか?

いや、しかし、ゴリゴリと体の下でまだ何か食べているし・・・・。


「コラー! やめてやめてやめて!! あたしの体を食べないでー!!!」


ん? すぐ上に何か飛んでいる。 


『えーと、コオロギの妖精?』


言葉にしたつもりだが、音は何も出ていない気がする。俺は話せないのか?


「ちっがーうっっっ!! 誰がコオロギよっ!!!!!」


なんだ違うのか。

コオロギの着ぐるみを着た、身長5cmほどの人間に見えるソレは、背中に有るトンボのような羽で、俺の上に浮いていた。


というか、あれ?


『俺の声が聞こえるのか?』

「声なんか聞こえないわよ! 思念伝達でしょこれ! ってアレレ? あんた急に話せるようになったの!?」

『思念・・・って何だ? っつかやっぱ妖精さん? 夢かこれ?』

「しらないわよ! 生意気なスライムね!! そんなことより食べるのやーめーてーーーーー!」


す、スラ・・・???

え、俺の事か?

いやなんの冗談・・・・と思い自分に注意を向けてみる。

手も足も感覚がないが、幸い体の一部を持ち上げる事ができ、自分が視界に入った・・・・・って、なんだこれ!?

なんか、アメーバ状の半透明のシースルーな物体が、うねうねぐねぐねとしている。

なにやら小さな動物を食べているようで、その体を丸ごと俺の体が包み込んで、咀嚼するかのように体を収縮させている。

ほぼ消化されかかっており、捕食対象物も半ば以上溶けて俺に混ざりこんでおり、今は対象の骨と骨が収縮に揉まれてゴリゴリとかすかな音を立てている。

体が半透明なこともあって、すべて丸見えで、端的に言って大変に気色悪い。


これが俺?

うーむむむ。 ・・・・・・マジ?

いやしかし、そうと認識して観察してみれば、食っている感触は視覚と確かに一致する。

なんで視覚があるのか謎なんだが、その気になれば体の表面のどこにでも視点が移動できるな。

これは便利かもしれない。


いやしかし、これじゃドロドロ系のスライムだよ、なんだよこれ、せめてド〇クエみたいなかわいいスライムが良かったよ。


って、違う、そーじゃない、そーじゃなくって、なんでこんなことになってるんだ。

俺は誰だ? ・・・佐藤次郎だ。

さっきまで俺何してたっけ!?

えーと、そうそう、確か会社の帰りに後輩の川端と飲みに行って、・・・・・えーと、・・・・・あ。


そういえば帰り道で、前からこわばった顔の変な男が走ってきて、周りの人混みが急に騒々しくなりながら奴を避けて左右に散り散りになり、まるでモーゼのごとき光景の中、川端に向かって走ってきたんだっけ。

手には鈍く光る金属製の鋭利な何かを持ってたな・・・。

あれ、ナイフか包丁だよな。もしくはその類の何か。いや種類なんかどうでもいいんだが。


ああ、うん。思い出した。

とっさに飛び出したんだわ、俺。

は、ははは、・・・・・・じゃあ,これはあれか、昨今ハヤリの・・・。

いや、まさか、ねぇ。

うーむむむ。 ・・・・・・マジ?


「こらーっ! 聞けーーぇっ!!!!」

『うぉっ! びっくりした!』

「はー、はー、突然沈黙しないで聞きなさいよぉ! 食べるのやめてよぉ! あたしの体ぁーーー!!!」


いかん、いかん、つい思い出すのにふけっちまったわ。

しかして、それはすでに手遅れだろ。回想してる間に、骨ももうそろそろ消化完了っぽいし。


『あー、悪かった。もう手遅れだから・・・ごめん』

「わーーーーーーーーーー、ばかばかばかばかばかばかーーーっ!!!!!」




その後、このちんちくりんな妖精っぽいのから聞いた話をまとめると、

どうやらこいつは不滅の四神龍とやらの内の1匹で、大地を司るドラゴンだったらしい。

彼女の名前はベル。メスだそうだから彼女でいいよな。

ほんとはもっと長~い名前だったが、わかりずらかったんで適当に略させてもらった。


どこぞの火の鳥のような感じで、ある期間が過ぎると古い体を捨て、卵からやり直すんだそうだ。

ソコで新しい体にこの妖精っぽい精神体が入って、ボディリフレッシュ完了となるところだったのを、俺が卵から出てきたばかりの意識なしボディを食べてしまった、と。

いやー。悪かった。許せよベル。

まぁ、時間はかかるがこんな場合でもボディはまた再生するらしい。さすがわ不滅の神竜だ。


そして、もう一つ分かったのは、どうやら俺の意識が戻ったのは、最強生物たるドラゴンを食ったかららしい。

普通のスライムには脳ミソなぞなく、人間並みの思考力なんて望むべくもなかったのだとか。

改めて自分のスペックを確かめてみると、かなり高い魔力を有しているようだった。

比較対象がないので詳しくはわからないが、それは後で外に出た時に確かめてみよう。


改めて部屋を見回してみると、あまり広くない小部屋のようだ。

ベルがボディリフレッシュする間だけの隠れ部屋だからだとさ。

この隠れ部屋の外がベル本来の住処らしい。

部屋の壁には何やら・・・・着ぐるみが何着もつる下げてある。

なんで着ぐるみ、と聞くと、転生直後の弱い体を守るためと、ベルの趣味を満たすため、

かつての自分の体の外皮で服を作ったのだとか。

いや、それ趣味のほうに全振りだよな。


ウサギ人間とか、クマ人間とか、そんなんばっかだぞ、おい。

大体、頭の被り物だけいろんな動物の顔を模してはいるが、どうみても体は人間だ。

模様を変えれば互換性がありそうなくらいだ。

ぶっちゃけ、しましまトラじろーとか、そーいう類の着ぐるみにしか見えん。

これを着て人間の街に行くのを楽しみにしていた、って、この着ぐるみで街へ!???

うーむむむ。 ・・・・・・マジ?


それはさておき、とりあえずは外へ出てみるかな。

ほら、だってさぁ、せっかくなんだし、魔法とか使ってみたいじゃん。

オタク魂が騒ぐってもんだ。

先の事は、一渡り遊んだ、ごほん、テストした後に考えるとしよう。

うん。


『ベル、扉を開けてくれ』

「あーもうなんであたしが、、、いいわ、その代わり体が再生されるまで、あんたについていくからね!」

『へいへい、じゃあ、しゅっぱぁ~つ!進行!!』



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