宇宙人につかまった -2-
「何をするんや。やめーや」
我々は宇宙人。今日もチキュウジンを拘束して、隅々まで調べてやろうと思っているところだった。
今日拘束したのは日本人の10代後半の女性であった。
「離しーや。離さんと痛い目見させるでー」
暴れるチキュウジンを我々は3人がかりで、拘束台に乗せようとしている。
「いたい。いたい。」
私の部下の一人が何発も蹴りを喰らって辛そうだ。
やっとのことで拘束台に乗せると、拘束台からベルトが射出され、チキュウジンを拘束した。
「あんたら。こんなことしてうちのカレシが黙ってないからなー」
チキュウジンは喚いている。
まあしかし、拘束さえしてしまえば、後はこちらの好きなようにやるだけだ。
「では準備を始めてくれ。早速取り掛かろう。」
私は部下たちに指示を出した。
部下たちは迅速に準備を始める。
「な...何をする気や。私に指一本触れてみー。呪い殺したるさかいなー」
チキュウジンはこれから自分の身に起こることを想像して、恐怖しているように見える。
まあ、せいぜい彼女には期待させてもらうとしよう。
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「第一回!!本当に面白いのはどっちだ!?チキチキ宇宙大喜利ぃぃぃぃぃぃ!!!」
私はなるたけ大きな声で企画発表を行った。
観客役の部下たちが思い思いの歓声を上げた。
チキュウジンは目をパチクリとさせていた。
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先日、地球に訪れた際に拘束したチキュウジンに大変興味を持った我々は、月一で母艦にて行われる"定例ミーティング"にて、そのチキュウジンのことを発表した。
すると、すごくウケた。
会議が終わったあと暫くすると、"関西人の生態を調べよ"との上からの指令が下りた。
その指令を伝えにきた私の直属の上官は、私の耳元でこんなことを言った。
「...何でも”提督”から直々の指令らしいぞ。表向きは士官長からということになっているがな...」
"提督"。我らが母星の第三宇宙空域偵察部隊のトップだった。7つの母艦を統べる指揮官。その人。
私は膝を折りそうになるのを必死で堪えた。
上官は、顔面が真っ青になった私の肩をポンポンと叩くと
「ここで結果を出せば、来年には私と同じ階級かもな。頑張って」
とエールを送ってくれた。
私は自艦に戻ると早速部下たちと今後の方策を決める会議を行うことにした。
宇宙人につかまった -2- 終