遠き未来に思いを馳せて。
“タイムマシン”
私はこれを開発しようと日々、研究を重ねていた。そして、遂に完成したのだ…!夢にまで見たあの機械が!
しかし、ここで私は考えた。
「仮に、タイムマシンができて時間旅行が可能になったとしたら……」
「なんで未来人が私に会いに来ないのだ!!」
ワシはタイムマシンを作った偉人だぞ!偉いんだぞ!歴史に名を残す天才科学者だぞ!サインくらいもらいにきてくれたっていーじゃんかよ!こんにゃろこんにゃろ…。
しかし、ここで一つの仮説が浮かんだ。
「もしや、未来人は我々に会った後、彼らの記憶を我々の脳内から消し去ったのでは…?」
こころあたりはない。もちろん、サインをした覚えもない。だが、皆さんはこんな経験は無いだろうか?
「触ってもいないのにものが落ちる」
「誰もいないはずの部屋から音がする」
「誰も食べていないというのに、おやつのプリンが消えている」
もしかしたら、私たちは未来人は接触しているのかもしれない…。
だったら、その記憶消すヤツ作った人の方が偉いじゃん!!実質、そいつのお陰で時間旅行できるようになったんじゃん!あー、ちくしょー!悔しいー!
よ~し、ワシがその記憶消すヤツを、作った人になる!そして、偉大な科学者にワシはなる!
こうして、博士はタイムマシンのことを忘れ、記憶を消す機械の開発に全力を注いだ。だが、彼はその研究を達成することなく、失意のうちに、この世を去った。記憶を消す機械に全力を注ぎ過ぎた博士は、タイムマシンに乗って性能を確かめることも、タイムマシンの設計図を残すことも忘れてしまった…。
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