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大輝が目を開けると、そこは暗い教室だった。
目の前には『込田純一』の影がある。彼は、神妙な目で大輝を見ていた。敗けを認めながら、それでも憎しみのこもった目で、大輝を見ていた。
扉が向こうから、ドンドンと叩かれている。向こうには和義、美月、愛がいるようで、大輝の名を口々に叫んでいる。
大輝の目の前には、赤い縄跳びが落ちていた。どこまでが幻で、どこまでが現実だったのか。彼にはわからない。
大輝は純一を睨んだ。どこまでが本当だったのかはわからないが、純一の人生を追体験していたので、全く同情していなかったわけではない。それでも、彼は純一の大輔への復讐のために、理不尽に辛い目に合わされたのだ。それは、『いじめ』となんら変わりないと、大輝は思っている。
睨み合う時間が少しの間続いて、口を開けたのは大輝だった。
「おれは、謝らない」
純一の影は、闇に溶けるように消えた。
途端、扉が勢いよく開いて、和義達が飛び込んでくる。
「大丈夫か? ダイキ!」
「大輝! 何があった?」
「白井くん! 心配したよぉ」
つい先ほどまで、幻とはいえいじめられていた大輝は、急に仲間が返ってきたので戸惑った。
苦し紛れに笑うと、マァマァ、と三人をなだめて、言った。
「大丈夫。ホラ、ちゃんと、生きてる」




