衝動
僕は、なんとなくという感情しか持ち合わせていない。
食事も、呼吸も、動くこともなんとなく。
そんな僕は、ある人に会ってからずっとなんとなくイライラを感じていた。
そいつは、どこにでもいるような女教師だった。
僕はそいつが嫌いな訳ではない。むしろ、親しくなりたかった。
だが、動きや言葉を聞くだけで、イライラしてしまうのだ。
イライラに耐え続け、とうとう二年生としての学校生活が終わりそうな頃、僕はふっと糸が切れた。
教室から出てきたその教師を、思いっきりぶん殴ったのだ。
それだけでは足りない。
僕は首も絞めた。腹も蹴った。
とにかく教師が苦痛に歪んだ顔をすると、嬉しくてたまらなかった。
僕は退学させられた。
でも、後悔は別の方向、そう、もっと殺すくらいまでやるべきだったと僕は思っていた。
どうしてそこまで僕の殺意を駆り立てたのかは分からない。
もう一度会う時があるならば、今度はカンゼンに殺してやろうと思う。
・・・その前に、僕は消えるだろうけど。