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前編

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 おまえってさ。怪談って好きか? 学校の怪談。トイレの花子さん? まあ、そんなだな。

 俺さ。その学校の怪談に詳しいんだよね。嘘じゃねぇぜ。多分この学校で一番だ。信じろよ。

 例えば、おまえの言うトイレの花子さんだって、広めたの俺なんだぜ。後、花子さんには夜子さんって言うライバルがいるの、知ってるか? 毎日あっち向いてほいで勝負をしているんだ。本当だよ。

俺が広めた怪談はかなりの数に上るぜ。ヤモリ男とか、十三階段の祟りとか。俺の人脈は凄くってね、簡単さ。

 で。俺がこれから広めようと思っているのが、今からする話ということになる。うん? そんな胡散臭い前口上垂れられると、話をまったく楽しめない? いやいや。本当におもしろい話っていうのは、どんな風にして聞いても楽しめるもんさ。増して今から話すのは、本当にあった話なんだからな。

 いいからまあ聞けって。ちびらせてやっから。

 この学校の校舎が、以前小学生に使われていた物だってのは知っているよな? 前も似たような冒頭の話があったって? だからちゃんと最後まで聞けって!

 ある日の放課後、少し蒸し暑いくらいの体育館に、小学生が何人も入って来た。彼らがそこで何をしようとしていたのかと言うと、バスケットボールというスポーツさ。おまえはバスケ好きか? ……まあ、そうだよな。おまえ筋金入りの運動音痴だし。

彼らは物好きババアがやってるバスケ教室に通う連中で、そこでの練習がない日は決まって学校の体育館に現れる。よっぽどバスケが好きだったんだね。

二つあるコートの内一つを高学年が、もう一つを低学年が使うことになっていて、大体の奴はそれに満足していたんだが、一人だけそうじゃないのがいる。中で一番下手糞の一年坊主だよ。

 バスケが嫌いな訳じゃなかった。むしろ大好きだったよ。ただ、生まれつきとろくて不器用だったんだ。それでシュートが一つも決まらなかった。それで、そいつはその練習がしたかったんだが、学校の体育館だと、四つしかないゴールネットを全部他の奴に占拠されちまう。だから無理だ。

 じゃあ何で学校の体育館まで来るのかって? そりゃ、何かに取り組んだ経験の一つもないおまえだから、そう思うのさ。好きなことっていうのは、見ているだけで楽しいもんだぜ。増して、自分より断然上手い奴らのプレイなんだ。一年坊主に退屈な訳がない。うん? その一年は、どうして自分より上手い奴らを見て腹が立たなかったのかって? そう思うのは、おまえが歪んでいるからだ。

 上級生の一人がボールを取りに用具室に行った。異変はまず、ここから始まる。用具室にあるボールというボールが、片っ端から裂かれて使い物にならなくなっていたのさ。低学年の子には酷な映像さ。泣き出す子もいたらしいぜ。可哀想に。

それでも熱心に、まだ使えるボールを捜し続ける奴も少しはいた。高学年の、男子がほとんどだったな。女子はそれを嘲るようにしばらく眺めて、それからグループごとに帰って行った。残ったのは、四人だけの高学年男子と、シュートの決まらない一年坊主だけさ。でもボールがなきゃゲームは始まらない。

 途方にくれる小学生達。そこにやって来たのは、一番に家へと帰ったはずの男子だった。皆が彼に注目して、それから歓喜したさ。家の近いそいつは、自分用のバスケットボールを取りに帰っていたのさ。これでバスケができる。

 楽しげに体育館を走り回る上級生の隅っこで、一年坊主は呆けたように立っていた。試合には混ぜてもらえたけれど、ずっと大きなお兄ちゃん達のボールを取りに行くなんてできやしない。自分もゲームに参加しているのに、何もできない。上級生はこっちを邪魔そうな目で見ている。だからその子は、端で見ていることにした。

 そこにもう一人、体育館にやって来た男があった。

 男は小学生達よりもずっと背が高く、でぶだった。饅頭みたいな体付きだよ。

 「なんだよ、おっさん」 

 男はおっさんと呼ばれるに相応しい年齢に見えた。で、そう言って近づいて来た少年を、おっさんは日本刀で切りつけた。

 ひゅー

 真っ赤の虹が体育館に掛かって

 がつん。

 少年の頭部は、バスケットリングにぶちあたった。

 少年は友達と目が合った。信じられない目をしていた。でぶのおっさんはでぶの癖に素早い動きで少年たちに近寄って、二人の首を跳ねた。悲鳴をあげることもできない子供に、おっさんは容赦しない。さらに一人の首を跳ね、それが体育館の西口に命中した。それを追いかけるようにでぶのおっさんは西口に突っ込み、そこから逃げようとしていた二人をぶっ殺す。それを見て、逃げても無駄だと悟った残りは、おっさんに命乞いをし始める。お願いします。殺さないでください。痛いのはいやです。お母さんが泣きます、お父さんがあなたに復讐します。人を殺すのはいけないことです。そうでしょう。ぶしゃー。首が跳んだ。

 おっさんは転がっていたバスケットボールに日本刀を突き立てる。今度は、ぷしゅー、なんて、間抜けな音がしてボールから空気が抜けた。それから体育館を見回す。赤いラインが体育館中に引かれ、そのラインの端っこには、転がった首がどうにかおっさんの方を見ようと目玉をぎょろぎょろさせている。おっさんは身震いして、それから首を傾げ、逃げるように体育館を去って行った。

 残状を目の当たりにして震えるばかりだった一年坊主が立ち上がった。それからゴールをじっと見据える。ボールを拾った。これも空気が抜けている。絶望的な気分だ。他にボールはないのか上級生に尋ねようかと考えたけれど、彼らはさっき首を跳ねられたばかりだ。

 しょうがなく、一年生は上級生の首を拾った。人間の生首だとは思えないほど軽かった。それでも、妙にやわらかくて、温かくて、しかも血でぬるぬるになっていたものだから、使い心地が悪いのは否めない。でもしょうがない。

 ゴールに向かって、上級生の頭を放り投げる。途中、上級生はこちらを向いて、講義するような顔で口をぱくぱくと動かした。それが怖くて、一年生は目を瞑る。落下した頭部は一年生の傍に落ちて、バウンドして肩に噛み付いた。凄い力だったけれど、ただの首には違いない。引き剥がすのに苦はなかった。それが一年生には意外だった。あんなに強かったはずの上級生が、こんなに簡単に引き剥がせるなんて、思ってなかったんだ。

 そいつは体育館中から首を集めた。沸騰したように湯気が立ち、底なし沼のように深い、真っ赤な血溜まりの中から首を拾うのは大変だった。何度も足に噛み付かれ、転んで地しぶきを起こし、服を真っ赤にしてしまう。でもそんなのは気にならなかった。

 七つの首の内の二つは、直に見るのが始めてのものだった。

 リングに首があたる音が何度も響いた。何度も何度も。何度も何度も。百回二百回と練習を続けるごとに、確かにシュートが入るようになって来る。一年生は満足だった。嬉しくて、嬉しくて、泣きそうで、でも泣けなかった。

帰るのが遅いと心配する両親の元に、ようやく我が子が返って来る。玄関の扉を開けると、ただいまも言えない、首のない死体が靴箱に向かって倒れた。


「用具室には七つの首が行儀良く片付けられていたんだそうだ。育ちの良い子だったんだね」

自分の語った怪談が気に入ったのか、真田は嬉しげな顔で人差し指を振るった。それに対し、ぼくは肩を竦めてやり、こう言った。

「その話には欠点が二つある。まず一つは、その話を最初に誰が伝えたのかということ。それから、死体の数と、首の数が合わないということだ」

「んなこたどうでも良い」

 真田はおかしそうに笑って

 「怖かったか?」

 「もちろんさ。だってそれ、怖い話なんだろう?」

 視聴覚室の窓には黒いダンボールが張られて、明かりと言えるのは腹の立つ笑顔の子供を表示したテレビ画面くらいだった。薄暗く、鼓膜に張り付くような不愉快な声のする落ち着かない空間は、怖い話をするのに良くあっていると言えた。

 「ふうん。まあ良いもんね、別におまえに怖がってもらわなくたって」

 余裕の表情を見せる真田。どういうことなのかと、ぼくは首を傾げた。

 「おい真田。何で御堂なんかと話してんの?」

 クラスメイトの神埼が真田にそんな声を掛け、間に割り込んだ。ぼくは体を捩じらせて、嫌いな神埼の為のスペースを用意してやる。真田は笑いながら

 「ちょっとびびらせてやろうと思ったんだよ。もうこいつ怖がりまくり。爆笑」

 言って、殊更激しく笑う。真田の話を聞いていたのだろう神埼は、人を嘲るような声で「バカじゃん」とそれだけ言った。一方、自分の好きな映画が真剣に視聴されていないのが不愉快なのだろう、家庭科教師がこっちを見て眉をひそめ、怒鳴りつけた。真田はおどけた顔で両手を晒す。

 なるほど真田は今の怪談を、ぼくだけに話していたわけではないらしい。真田は声の大きなお調子者タイプだ。こいつが何か話していたら、周囲の連中も耳を傾ける。増して今流れている映画は酷く退屈だ。明日には、今の話が学校中の噂になっているに違いない。

 真田は古い友人で、唯一まともに話をするクラスメイトだったが、ぼくに対して敬意というものをまるで持っていなかった。時には、こんな風に人を自分の道具のように行使する。

 とは言え、こいつの作戦はなかなか優れているかもしれなかった。怖い話というのは直接聞けば身構えてしまうものである。多分、この神崎だって後から思い出して怖くなったりするんだろう。そうして情けなくなり、ぼくが怖がっていたことを思い出して溜飲を下げるのに違いない。それから真田の狙い通り、噂の流布に貢献するようになるのだ。

 背中に何かを感じた。

 振り向くと、背後の生徒がぼくの背中にシャープペンを突き立てていた。深く食い込んだシャープペンが背中を抉り、血を出させていることを感じる。

 痛みはなかった。

 

 二時間に及ぶ映画が終わり、ぼくらはようやっと教室から開放された。授業数が余ったのだろうか、受験を控えた三年生にあんなくだらない映画を見せるなんて、随分と頭の沸いたことをする教師である。

 「わわわわわ」

 などと、クラス委員の佐藤君が大げさな声で近付いた。

 「これはなんだ? 背後から刃物で刺されたみたいじゃないか! 君は不良なのか?」

 「違うよ」

 教師も見てみぬ振りをしたのだというのに、こいつはお節介が過ぎる。なんとも鬱陶しい男である。

 「関口にシャープペンで突かれただけだよ。ペンじゃ人は殺せない」

 「素晴らしい!」

 佐藤君は突然に叫ぶ。

 「君は優しいな。怪我をさせられておいて、平常心を保っていられるなんて、ふつうじゃ無理だ」

 「別に」

 騒いだってみじめになるだけなのだ。下を向いて平気な振りをしているのが一番良い。

 「しかし。視聴覚室の席は自由だったろ? どうして最後尾に座らない?」

 それは気付かなかった。

 「真田の奴に隣に座るよう言われたんだよ」

 「スウィート!」

 拳を利かせて、佐藤君が喚く。

 「真田君の近くにいたから、君は背中を刺されたようなものだ。それでも傍にいようとするなんて、麗しい友情ではないか!」

 確かに、真田の近くには決まって鬱陶しい奴らが集まるものだ。蝿か、さもなくば蛾に例えられるだろう。奴は人気者で、ぼくのような、認めてしまえばいじめられっ子が近寄るのは危険である。

 「まあ。こいつは俺にべったりだからな」

 と、実に嬉しそうに真田が言った。いつの間にいたのか、とぼくは思った。

 「スウィート!」

 佐藤君がもっと嬉しそうに真田に叫ぶ。

 「佐藤は感激した。末永い幸せを願おう」

 何とも気持ち悪いことを言う奴である。これでこの佐藤君、女子には人気があるらしい。真田は首をかしげながらそう言うが、運動、勉強共に基準以上の実力があり、少し気持ち悪いくらいで笑えるこいつは、すかしたバカよりモテるのだろう。何せ血も凍りそうな美形だ。

 運動も勉強も駄目で何もできないぼくがこんな知ったようなことを言えば、真田のプライドが傷つくだろうから、黙って話を聞いているが。

 神埼を含む何人かがこちらを一瞥し、それから自分の話に戻った。『本当におまえは真田がいないと何もできないよな。真田、おまえもこんな奴にかまうなよ』などと言って、真田を引き離した上でぼくをからかってやりたいところなのだろうが、佐藤君がいるからそれができないのだろう。

 「ところでおまえら。トイレの壁に付いた血痕について、何か知っているか?」

 と、真田が訳の分からないことを言った。

 「あれが血だとは限らない」

 佐藤君が彼にしては珍しく、否定するようなことを言う。

 「濡れ雑巾で擦っても完全には綺麗にならなかったそうじゃないか。血液なら、もっと綺麗に掃除できるはずだよ」

 「そうなのか?」

 と、無知な真田は目を丸くした。とは言え、ぼくも佐藤の言うことが本当なのかは分からない。

 「ああ。この暑さで怪談が流行っているんで、それに乗っかろうと思った者がいたんだろう。なかなか斬新なジョークじゃないか」

 「ふうん」

 つまらなさそうに、真田は頷いた。新聞部長のこいつは、いつでも学校新聞のネタに困っている。最近は怪談について調べているらしい。

 「そんなことより、真田君。いい加減にぼくの小説を載せてもらえないものかな? 傑作が書けたところなんだよ。実にスウィートな作品だぜ」

 「勘弁してくれよ」

 絡み付くように接近して来る佐藤君を、心底迷惑そうに遠ざける真田。

 「俺は新鮮なネタを求めているんだ。おまえの小説はネットに上がってるだろ」

 「今度のは、君の新聞だけで扱ってもらっても良い」

 「ふざけんな!」

 佐藤君の小説はかなりの確率で、途中で主人公が死んだことになる。でも最後は生き返る。一パーセントの手術は千回連続で成功し、ビンに詰めた手紙は地球の裏側まで届くのだ。

 こいつにかかれば、さっきの怪談だって甘ったるい恋愛小説になるに違いない。

 「残念だなぁ。まあ、真田君が言うなら、それが一番良いことなんだろう」

 佐藤君は本当に残念そうに肩を落として

 「それじゃあ。御堂君、関口君については、佐藤の方から叱っておくことにするよ」

 話題を切り替えるようにそう言った。

 「頼むよ」

 ぼくはそれだけ言った。

 ざまあみろだ。

 

 「『首無しバスケットボーラー』知ってる?」

 放課後、美術室。すぐ近くで女の声が聞こえた。知っているよ、と心の中で返答してやる。つまはじき者のぼくですら知っているのだから、誰でも知っているはずだ。その質問に意味はない。

 などと思ってその女子に顔を向けてみると、果たして質問者は宮崎さん、回答者は木曽川さんだった。

 「しらない」

 木曽川さんはそれだけ言って、画用紙に向かってHBの鉛筆を滑らせる。その白い右手は鉛筆のインクで真っ黒に汚れてしまっていた。画用紙のほとんどを黒に塗りつぶし、その濃淡で何者かを表現しようとしているのだろう。席が隣だけに分かる。紙の上から起立し、暴れだしそうな墨色の化け物は、蛇のようであり、龍のようであった。今にも飛び出して天井を破ってしまいそうである。

 「そう。それはね、自分の頭を使ってシュートの練習をする男の子のことなんだけれど……」

 真田みたいに長ったらしい語り口は用いず、話の要点を先に語ってしまう宮崎さん。そりゃ、木曽川さんを相手に長々と神経を使う話をする甲斐性は、宮崎さんにはないのだろう。

 「おもしろい?」

 木曽川さんは答えない。芯の短くなった鉛筆に爪を立て、木の部分を少し剥く。それを口の中に入れて、木の部分に歯を立てて噛み千切るように、一気に芯を露出させた。鉛筆削りを用意するのも億劫らしい。なかなかの一発芸だった。

 「ねぇ」

 宮崎さんは、木曽川さんの画用紙の上に手を置いて、顔を近づける。その熱心さに、美術室の隅っこが失笑を浮かべた。

 木曽川さんとコミュニケーションを取ろうとする宮崎さんを、陰で笑う美術部員も少なくなかった。全ての生徒に部活動を強制するこの学校で、怠惰な連中はほとんどここに来る。怠惰な奴は自分を高めるより人をあげつらって自尊心を守るものだ。美人で人望ある宮崎さんを嘲笑できるネタなら、性格の暗い女子に高く売れて良い。

 その時、木曽川さんが右腕を大きく振り下ろした。小さな悲鳴、苦悶の表情。宮崎さんの右手からHB鉛筆が生えて、根本から血が滲んでいる。

 「さわんないで」

 木曽川さんが静かに言った。宮崎さんが画用紙に触れたのが、気に食わなかったらしい。それだけ言うと、木曽川さんは鉛筆をグーに持って紙の上にぐりぐりやり始める。

 「何よ、あんた」

 村瀬がそう言って、木曽川に手を伸ばそうとし、それから宮崎さんの顔色を窺った。宮崎さんは自分の右手を確認し、それから木曽川さんの方を見る。

 ぼくはそそくさと、自分の画材道具の整理を始めた。

 すっと、木曽川さんが立ち上がる。画用紙を手に持ち、鉛筆一本を赤いランドセルに突っ込んだ。それを持って美術室を出る。岸谷先生はそれを冷静に観察すると、黙って木曽川さんの開けた戸を閉めてしまった。

 「許してやれ」

 それだけ言った。

 

 部活動が終わった。木曽川さんは結局帰ってこなかった。彼女の絵を好きなのに、とても残念である。

 「あいついないし、ここ使っちゃって良いかな?」

 と言ったのは村瀬さんで、ここというのは古い美術準備室のことであった。美術室の奥、掃除用具入れの隣にある扉から入れるその部屋を、木曽川さんは自室のように使っている。画材用具のだいたいは美術室の近くにある倉庫に片付けられているので、木曽川さん以外がそこに入ることはほとんどなかった。部活が終わると、岸谷先生から鍵を受け取り、中に篭って絵を描き続ける。人に見られたくない絵を描いているというのが定説で、それは殺人鬼の絵だのセックスの絵だの色々と言われているけれど、どんなものであれ、彼女が人目をはばかってまで作った作品だ。見てみたくない訳がない。

 「良いんじゃない。でもあの子が来たら代わってあげてね。自分の空間だと思っていたところに、誰かが居座っているのって、倫理的にはどうあれ不愉快なものよ」

右手を怪我させられたばかりだというのに、木曽川さんを思いやって成熟したことを言う宮崎さん。感心したような目で村瀬さんが見詰める。

ぼくは二人に背を向けてそそくさ美術室を出た。今日の部活動は随分と早く終わった気がする。自分の創作も、あまり充実しなかった。

 教室に向かうまでの道すがら。床に座り込んで壁に絵を描く木曽川さんの、赤いランドセル。ガムテープがたくさん張られていて、年代を感じさせる傷みがあった。周囲にはちびたHB鉛筆がいくつも転がっている。一つの絵をかくのにこんなに鉛筆がいるものだろうか。

 「いよお。奇遇だな御堂君、美術部の活動は終わったのかい?」

 その隣にいたのは佐藤君だった。木曽川さんと一緒にいたらしい。おもしろい組み合わせだな、とぼくは思った。

 「ああ」

 ぼくは下を向いたまま呟いて

 「あまりおもしろくなかったよ」

 木曽川さんに向けてそう言った。

 「それは残念」

 佐藤君が肩を竦めて言う。木曽川さんはと言えば、床に座り込んで絵を描き続けるばかりだ。

 この絵が学校の大きな噂の一つで、そこら中の壁に落書きされる生徒や先生の絵。鉛筆で描かれたそれはやたらにリアルで、巧みだった。描かれた人間としては、よほど自分のルックスに自信がない限りはたまったもんじゃない。

今回の被害者は眼鏡をかけた知的な青年。岸谷先生だろう。

 「ところで、御堂君」

 やや深刻な声を使って、佐藤君。

 「神埼君が君の鞄に悪さをしようとしているのを見掛けたんだが。すまない、何もしなかった」

 何もしなかった、という言い回しにぼくは一瞬、思考力を奪われた。何もできなかった、とどう違うのだろう。だがそんなことよりも

 「黙っていれば良いのに」

 ぼくが言うと、佐藤君は「ノンノン」首を振って

 「まあ事情を聞いてくれ。佐藤はね、神崎君とその友達が家に帰っているのを見た。ここで、木曽川さんと一緒にいるときだ。こんな時間にどうしてこの廊下を歩いているのかと思ったよ」

 それはこの佐藤君も同じだろう。何でこんなところで、木曽川さんといる?

 「だが、それだけで何かを疑い、事情を訊くのは失礼だというものだ。だから佐藤は、彼らの特徴をなるべく多く把握することにした」

 と、そこで佐藤はオーバーアクション気味に肩を落とし、それから頭に手を添えて

 「愚鈍だと思ってくれ。その時は何も気付かなかった。……後から彼らの特徴を一つ一つ思い出していた時に、彼らが持っていた鞄の数が、彼らの人数よりも一つ多いことが分かった」

 「そうなんだ」

 ぼくはそう生返事を返して

 「それで?」

 「彼らが提げていた鞄。そのうちの一つが! 君の使っている鞄と同じものだった!」

 「なるほどね」

 女の腐ったようなことをする奴らである。ぼくに対して恨みがある訳でもないだろうに、どうしてそんなことをするのだろう? 奴らがぼくに行なっている理不尽な暴力は、とどのつまり、弱者に対して優越感を得たいという思いによるもの。ぼくを困らせるにしても、困る様子を確認できるようにしてくるはずである。

 「つまり、教室に帰っても鞄はないということだ」

 「そうとも!」

 佐藤君は片腕をこちらに突き出す。

 「すまない。佐藤の責任だ」

 などと、仰々しく礼をした。少し頭の変な奴だというだけで、おおよそ欠点のないこの男に頭を下げさせているというのは楽しかった。同時に、先程真田の奴に歪んでいると言われたことを思い出される。ぼくはこう言った。

 「良いよ。もとはと言えば、ぼくが教室に鞄を置きっぱなしにしたのがいけないんだし」

 「スウィート!」

 佐藤君はバカみたいに大きな声で叫んだ。そしてこちらへ擦り寄って来て、ぼくの手を取る。

 「君との友情を、ずっと大切にしたいと思う」

 こいつとの間に友情なんてものがあっただろうかと思ったが、こいつが言うからには、まああるのだろう。

 「君は優しい。佐藤の過ちを自分で引き受けようとする。なんと思いやりのある! 人間の鏡だ」

 「人間をナメるのは程ほどにしておいたほうが良いよ。そういう奴は、絶対に後で致命的に失敗するんだ」

 ぼくは肩を竦めて。

 「ぼくは無用心なんだよ。間抜けだな。自分に敵が多いことが分かっているのに、それに対して何かしようともしない。一番的確な表現は怠惰かもしれないが」

 なんて、すかしたことを言ってやる。

 「そこの木曽川さんなんて。凄いよね。物怖じしないっていうかさ、自分のしたいことをしながら、他から害を受けないように立ち回っている」

 ぼくは赤いランドセルを指差す。

 「……鞄だって、持ち歩いている」

 「これは鞄じゃない」

 木曽川さんは突然立ち上がって、壁に向かって鉛筆を振り下ろす。突き刺さんばかりの勢いで何度も叩きつけられた鉛筆は、力強い曲線を無数に生み出し、ランドセルの形を取る。次に、学校指定の学生鞄の絵を素早く並べて、二つの違いを示すように両者を円で囲んだ。

 「ランドセルです」

 ランドセルらしかった。

 「あはは。彼女がランドセルを使っているのには、ちゃんと理由があるんだよ」

 と言って、佐藤君は木曽川さんを向いた。木曽川さんはその意味を理解したように頷いて、それから

 「他に使えるものがないから」

 断言した。

 木曽川さんという人物は学校中の噂で、その実態についてはあることないこと好き勝手言われている。基本的な人物像として、何を言ってもまず絵が上手い。HB鉛筆一本で森羅万象を表現する。次にコミュニケーションがほとんど成立しない、端的に言うとバカみたいだ。ランドセルを背負って、痩せぎすでちび。そして童顔。

 それから、これはあまりメジャーではないが、家では虐待を受けているという噂も。夜中に路上で寝ているのを岸谷先生に保護されたことや、人の弁当を漁って食べていたことから流れた噂だ。

 「鞄を持っていないのかい?」

 彼女の話を聞いてみるに、虐待の噂にしろ、根も葉もないということもなさそうであった。こうなると好奇心が沸いて、色々と調べてみたくなる。

 こういうのが、人が噂を欲する理由なのかもしれなかった。

 「うん。いらない」

 木曽川さんは再びその場で座り込んで、岸谷先生の絵を仕上げに掛かった。手を真っ黒にしながら鉛筆を壁に叩きつけ、すぐに使い切ってその場に捨てる。それからどうするのかと思ったが、ランドセルの中に無造作に突っ込まれたHB鉛筆のダースを引っ張り出して、それをグーに持った。

 少し考えれば分かることだ。

 やっぱり、ぼくは間抜けだった。


 ぼくが鞄を探してから帰るというと、佐藤君は自分にも手伝わせてくれと主張した。あの男がずっと隣についているというのはぼくにとって迷惑以外の何でもない。自分の面倒を見られないで鞄を隠されたぼくが、鞄を探すのに人の助けを借りるなんて、とんだみじめだ。しきりにそれは悪いよと繰り返せば、その意思は通じてくれたらしい。佐藤君はぼくの謙虚さを褒め称え、それから折れてくれた。

 ところで、鞄を探さなければならない。

 神埼はどこに鞄を隠したのだろう。まさか、燃やしてしまっているということはないはずだ。奴にはそこまでの残酷さはない。そもそも人の持ち物を簡単に燃やしてしまえるような人間であれば、部活に行く前のぼくを捕まえて、どこかトイレででも、殴る蹴るの暴行をしていたはずだ。大方、部活が早く終わって仲間と共に教室で駄弁っている時に、ちょうど良い遊び道具としてぼくの鞄を発見し、それをどこかに隠したのだろう。それはつまり、神埼にとっては良い隠し場所のアイデアがあったことを意味する。さもなければ、鞄隠しなんてくだらんことはしない。

 おそらく、隠し場所は女子トイレだろう。

 女々しい神崎の性格から考えれば、そこが一番妥当のように感じられた。男のぼくに入りにくい女子トイレ、どうしても探すのを後回しにしてしまう女子トイレ。

 神埼が北側の階段へ向かったことを聞いて、ぼくはそれになぞらえるよう進んだ。北側というと靴箱があるが、まさかぼくの鞄を持って外に出たりはしないはずだ。まずは一階北側のトイレから順に、二階三階と調べて行こう。そう考えた時

 「待て。それはいけない」

 そんな声がした。

 最初に確かめたのは頭上だった。次に後方、最後に、間抜けなぼくなら前からした声の主に気付いていないこともあるだろうと思い、前を向き直る。誰もいない。

 幻聴か、さもなくば窓の外からの会話でも拾ったのだろう。そんなことを考えて、ぼくは歩みを再開する。

 そこで、ぼくは振り返った。

 「何をしているんだ?」

 佐藤君がこちらを見て言った。ぼくは薄く笑って、その脇を通り過ぎて、南側の階段へ向かう。訝しげにこちらを見る佐藤君だったが、何も言わなかった。これ以上ぼくに構うと、鬱陶しく思われると思ったのだろう。

 南側の階段を、ゆっくり一段ずつ三階まで登る。

ひた、ひた、ひた。

ぼくの足音。ぼくは、会談の脇のトイレを覗いた。

ひた。

足音が一つ、余計に聞こえた。

ぼくはそこの女子トイレへと、足を勧める。幸いにして、誰もいなかった。誰かがいたところで、ぼくは不振にこちらを見る女生徒に会釈しながら、或いは悲鳴に耳を塞ぎながら、個室を一つ一つ調べなければならない訳なのだが。

まずは一つ目、個室を開ける。足音が三歩分、近付いた。

二つ目。何もない。足音は一歩だけ動いた。

三つ目。トイレットペーパーの芯がいくつも転がっている。

四つ目。足音が二歩分近付いた。

何もなかった、そこを出る。次で最後だと思うと、心細い気分になる。なので、ぼくはそっと窓を見た。

男と目が合った。

壁に張り付くようにしてこちらを見るその若い男は、ぼくと目が合ったのに気付くなり、壁を旋回し、真下に下りていく。ぼくはそれから目を逸らし、五つ目の個室の扉を開く。

ない。

ぼくは個室に入り、扉を閉めた。そして、あらためて個室の中を見回す。何もない。壁に染み一つ、落書き一つない、不気味なほど清潔な個室だった。便器の中を覗いてみる。女子トイレでそれをやるぼくは、まるで変態だった。

まさか便器の中に鞄がある訳もない。ぼくは壁によりかかり、息を吐いた。

残念だ。

確かに、ここにあると思ったのにな。

その時、個室の扉が大きく揺れた。がつん、という音がして、空から銀色の物体が落下して来る。ぼくの肩幅ほどあるそれは、頭上に降り注いで、視界に火花を散らさせた。

タイルの床に転がったそれは、良く見るとぼくの鞄であって

外から、何者かがこれを投げ入れたものらしい。

ぼくはゆっくりと、個室の扉を開けた。

そこにいたのは、おかっぱ頭を伸ばして前髪だけ切ったみたいな長髪の、酷く端正な女の子だった。悪戯っ子めいた笑顔を浮かべた彼女は、白い歯を見せ、楽しげな声で

「ばーか」

と、ぼくにそう言った。

「君は。誰?」

彼女は嘲るような表情のまませせら笑って、それから思い付きみたいに

「長谷川花子」

 そう名乗りを上げる。

 「御堂新一でしょあなた。あたしと同じ三年生で、かわいそーないじめられっ子。それで、ものすごいばか。女子トイレに鞄がある訳無いでしょ、いじめっ子だって女子トイレには入れないに決まってるもん」

 「でも、鞄はここにあるよ」

 と、ぼくは床の鞄を拾い上げて主張する。花子さんはけらけら笑って

 「あたしがいじめっ子からちょろまかして来たの。あたしってば幽霊みたいなもんだから、簡単だよ。それからあなたを付けてここまで来たって訳」

 そう言って、花子さんは誇るような顔をする。

 「ちょろまかしたって?」

 「そうよ。あなたの鞄、靴箱で神埼ってのが尻にひいてた」

 「ふうん」

 それをどうやってちょろまかして来たと言うのだろう。

 「あなたがやって来たら、それを持ってそこら辺走り回るつもりだったのかもね」

 けらけら笑って

 「楽しそう。でも小学生みたい」

 「本当だよ」

 ぼくは肩を竦める。

 「あなたもよ。幼稚な奴は幼稚なお友達を欲しがるもんでしょう?」

 「ぼくはあいつらほどに幼稚なのかい?」

 「そうね」

 花子さんは人差し指を顎に当てて、何か考えるように天井を見る。それから

 「あたしより背、低いし」

 目測で分かるだけの身長差が、花子さんとぼくにはあった。だからってそういう問題じゃないと思う。

 「コロコロコミックの漫画、好きなんでしょう?」

 「ドラえもんは年代問わず読まれる名作だ」

 それから、人の鞄を覗かないで欲しい。

 「でも。派手な色の鞄よね、銀に光っているじゃない」

 「学校指定だろう?」

 ぼくが言うと

 「そうだったかしら?」

 首を左に折る花子さん。とぼけている訳ではないらしい。

 「そうだよ。まあだいたいみんな好き勝手な鞄で登下校しているけれどね。ぼくのクラスには、ランドセルを背負った女の子がいるんだ」

 「そう」

 興味もなさそうだった。他人の噂には興味がないらしい。その割には、神埼の名前などさらりと口をついていたが。

 「それより。ねぇ、あなた好きな食べ物は何なの?」

 小学生がするみたいな質問をぶつけて来た。それも、プレゼントの中身を尋ねるみたいなわくわくした声で。

 「カレーだよ」

 「へぇ!」

 ぼくがカレーを好きなことを心底喜ぶような声色だった。

 「じゃあ好きな遊びは何?」

 「ゲームかな」

 「ゲーム? どんな?」

 「特に拘りはないよ」

 「好きなスポーツは?」

 「ない」

 「好きな本は?」

 「星新一」

 「じゃあ……そうね。好きな鉛筆の種類は?」

 この子はどうも、ぼくが何かを答えるだけで楽しいようである。幼げと言えばそうなのだけれど。

 「ふうん。じゃあ、勉強は好き?」

 ぼくにとっては鬼門な質問だ。肩を竦めて、シニカルな風に

 「勉強が好きな奴なんていないよ」

 と、そう答えた。

 「勉強嫌いはみんなそう言うのよ」

 花子さんはおかしそうに言った。

 「何だよ」

 「数学が二十六点」

 ぼくの中間成績だ。

 見たのかよ。

 「勉強しなかっただけだよ」

 苦し紛れに、そんなことを言う。花子さんはにやにやと

 「国語は五十八点」

 「勉強しなくてもそれくらい取れるよ」

 「英語は十一点ね」

 「ぼくは日本人だ」

 何も問題はない。

 「歴史に至っては?」

 「ぼくは未来だけ見据えて生きるんだよ」

 過去になんて、まったく興味ないね。だから零点で何も問題ない。

 「ああ、そう」

 花子さんはおもしろがるように笑う。この人は笑ってばかりだ。どの笑顔も純粋なものには程遠いのに、どうしてか人に憎ませない魅力がある。

 「とりあえず、回答の整理くらいしましょうか。間違えた問題をそのままにする人は、その成績はどうあれ実力は一つもあがらないものよ」

 「そういう君はどうなんだよ?」

 いじめっ子から鞄盗んで人の後ろを付けて歩いて。頭の良い人がやることじゃない。

 「あら。あたしは秀才よ」

 「どうだか。君の名前が成績優秀者として張り出されていたら、絶対に忘れないと思うけどな」

 などとぼくは肩を竦めて

 「花子さん」

 「やめなさい」

 花子さんは笑顔を崩してぼくの目の前まで進み、それから苦虫を噛み潰すように言った。

 「小学生の頃、あたしがそのネタでどれだけからかわれたと思って……」

 「……分かった。悪かったよ」

 花子さんはとても真剣だった。

 「長谷川さん」

 「なに? 新一」

 名前で呼ばれた。ぼくは苦笑するだけでそれを受け流し、それから

 「どうしてぼくの鞄を持って来てくれたの? それだけ気になるんだけど」

 「ああ。そんなこと」

 花子さんは驚いたように。

 「本当に気になるんだったら、最初に聞きなさい。あたしは良く喋る方だけれど、だからって遠慮しないでよ。つまらない」

 「ごめんよ」

 ぼくはいい加減に笑っておいて

 「それからありがとうね。途方にくれていたんだよ。酷く助かった。まったく君のような親切な人間がもっと増えれば良いんだ。そうすれば猟奇殺人だって少しは減るに違いない。君はまるで人間の模範、いいや君を人間ごときにしておくのは良くないな。そう、まるで優しい天使のようだ。天使の長谷川さん」

 佐藤君の真似をして、花子さんを褒めちぎってみる。花子さんはだいぶん気持ち悪そうな顔をした。

「……別に。ただ相手にして欲しかっただけ」

 「何それ」

 ぼくは噴出した。少し迷惑なくらいに持ち上げておくことで、邪な本音を引き出せる相手がいることを、ぼくは知っている。飄々としているようでいて、我意の顕著な花子さんはやはりそのタイプ。花子さんは舌打ちでもしそうに眉を潜め、口の中で何かを呟き、斜めに床を見る。

 「あんたが、あんまおもしろい奴だったから」

 「そう」

 花子さんが自分のことを幽霊に例えたことを思い出しながら、ぼくはせせら笑った。

 「明日も来ようかな、ここ」

 「女子トイレに? あなた変態かしら?」

 辛辣だった。それがまた、心地が良かった。

 「大丈夫。もし誰か女子がここに入ってきても、長谷川さんがなんとかしてくれそうだ」

 「……別に。あなたを助ける筋合いなんてないんだけれど」

 憮然とした顔で、花子さん。

 「まあ。あたしが偶然、その時ここにいたら、気紛れに助けてあげても良いわよ。何かの縁じゃない? 一つのトイレに、しかも男女が二回も顔を合わせるなんて」

 「そっか」

 ぼくは笑った。

 「それじゃあ。また遊ぼうか、長谷川さん」

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