ぴえろ
幼い頃からずっと病院のベッドで過ごしてきた君。
見えるのは窓の外からの景色だけで、その景色が君の世界の全てだった。
希望を見出せない日々、変わる事の無い日常。
虚空を見つめる君の瞳。
だから僕は君を一目見た時決めたんだ。
君の視界を照らす光になると。
僕は神様でも無いし、医者でも無い。まして君と僕は知り合いでもなく恋人ですらない。
だけど僕は決めたんだ。
たとえ周りからバカだと言われても僕は君の側に居る。
君の側に居て、君を笑わせて生きる希望を与えるんだ。
ただのお節介だというのは理解している。
迷惑な行為だというのも理解している。
それでも僕は君のピエロになろう。
まだまだ、この世界に生きる希望がある事を教えるために。