表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/89

第67話 巨人崩壊

 物置前シティー。


 ブルーはルヴァンの家の通信室にいた。

 「ふー、モールスというのは慣れんな。ルヴァン卿、早く会話出来るようにしてくれよ」


 「今は駄目だ」

 ルヴァンは、顔も上げず

 「返還の魔法陣で手一杯だ」

 と言う。


 「それは、転送魔法陣じゃないのか。ふたつ対で有るよな。そろそろ本格的に返還の魔法陣に取り掛からないと、テツジ殿が暴れるぞ」

 そう突っ込んだのは、ヴァレルである。


 ブルーは、

 「ヴァレル卿の方はどうだ?隷属の首輪は無効化出来そうか?」


 ヴァレルが答える

 「仕組みは分かった。後は解除の手法だな。それと、これはシギリードの首輪だ。王家の首輪の現物が欲しいが、国王の許可は出ないだろう……」


 「だろうな。無効化だからな。バレたら極刑だな。カカカ」

 ブルーが笑う。


 ルヴァンが何か気付いたように

 「そういえば、テツジの召喚の時の首輪があるはずだ。瓦礫の下か?ガンツたちに聞いてみれば良い」


 そんな危険な会話をしていると、玄関の扉がノックされ、返事をする間もなく扉が開く。

 そこにはライナーが居た。


 「おっさん!テツジ殿が大怪我を負って、防壁の所で倒れていると、見廻りから連絡があった」

 叫ぶように、ライナーは言った。


 ブルー、ルヴァン、ヴァレルは、驚きの表情を見せる。


 「テツジが大怪我!?」


 ブルーが問う

 「何があったか分かるか?」


 ライナーは首を振り

 「詳しく分からない。意識がないようだ」



 ブルーは、ライナーに

 「第2大隊を集めて、防壁へ向かわせろ。シータとラムダ。それと、クルーガに声を掛けろ。馬車は有るか?無ければ荷車で行ってもらえ」


 ブルーはさらに

 「大工や職人にも声を掛けよう。言ってくる」

 直ぐに外へ走り出した。



 ヴァレルが、ライナーに

 「クルーガには、防壁まで行ってもらう。シータとラムダはこちらで治癒の魔法陣を大量に描いてもらおう」

 そう言って、ヴァレルは駆け出そうとしたが、ルヴァンが止める。


 「まて、これを持っていけ」

 と言って、植物紙を大量に渡す。


 ルヴァンが、ライナーに向かい

 「テツジ殿の状態、詳しく分かるか?」


 ライナーは、

 「大怪我と……直ぐに確認する。分かったら治療院に伝える」

 と言うとともに走り出した。



 ブルーは目に付いた男たちに声を掛け、人を集めて行く。


 石大工のガンツが、ブルーに

 「テツジが大怪我だって?それで、こっちに運んでくるのか?クラケン号はテツジハウスに立て掛けてあるから、直ぐに使えないぞ」


 ブルーは物置を見る。


 確かに人輸送用クラケン号は立て掛けてあった。

 倒して使おうと思えば、時間が掛かる。

 怪我人が出る可能性もある。


 荷物運搬用のクラケン号は、テツジが持って行っているのだろう。


 防壁前で治療するしかないか。

 ブルーがそう考え出した時、ガンツが

 「あれ使えねーか?」


 指差した先には、返還の館の屋根部にかかった青いシートがあった。


 ブルーはガンツに

 「降ろせるか?」


 「直ぐに降ろす。少し待っていろ」

 ガンツが、返還の館へ走る。


 「ブルーシート降ろせー!テツジの一大事だ!それでテツジを運ぶぞー」

 ガンツの叫び声が聞こえた。


 ブルーは苦笑いを浮かべる。

 「"ブルー"シートとは、ライナーだけじゃなく、勝手に人の名前使いやがって」

 独り言を言いながら走り出した。


 『叱ってやるから、元気になってくれよ』

 そう思いながら、ブルーは父親であるルイーゼ辺境伯の元へ、馬を駆ける。



 何が起こったのか分からない。

 分からない恐怖が心を染める。



■■■


 ライナーは部下を二人伴い、馬で防壁へ向かう。

 代わりの馬も用意し、並走させる。


 いつもの道程が遠く感じた。



 ほどなくして、倒れたテツジが視界に映る。

 うつ伏せで、ピクリとも動かない。


 近付くにつれ、状態が見える。

 左の袖が途中からなくなっている。

 そこから見える左前腕が焼けていた。


 火に包まれた!?

 テツジは火を使わない。


 魔物領の木は火に強く、火災は起こらない。


 何が起こった……。


 焦りと不安。

 ライナーは、部下2人に指示を出す。

 「テツジは、大火傷。直ぐに治療院へ連絡!馬を乗り換えて走れ!」


 テツジは大丈夫なのか。

 テツジを失うかもしれない恐怖が心を染める。


皆様、お読みいただきありがとうございます。


次話は2話連続投稿いたします。

宜しくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ