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第61話 牛と鶏

 はい、どーも哲治です。


 スパイ事件から、数日が経ちました。

 スゴイね〜。

 『不可能な任務』的な感じ?


 でも、見つかっちゃったからな。

 何か酷いことになるのかな?


 あの後、何人か消えたらしい……。

 物置前シティーは、スパイ天国!



 最近、ボア系を多めに倒してくるように、ライナー課長から命令が出ています。

 食糧難?


 俺が、巨体だから?

 でも、意外と少食です。

 だって、高燃費魔法かかっていますから。


 ほら〜ルヴァン。

 国民にも、かけちゃいな、"ご都合"高燃費魔法!


 ボア系以外、食肉になる魔物は居ないの?


 ライナーに聞いたら

 「牛の魔物と鶏の魔物が居るらしいが、噂で聞いただけで実際に見たことがない」

と、言われた。


 焼き肉!

 鶏の唐揚げ!


 腹は減らないが、食欲……食事欲が無い訳ではない。



 早速、魔物領へ食材探し。


 よし、川を渡ろう。

 第六感が、叫んでいた……気がする。



 いつものように、川まで行きます。

 川を渡るのは、実は初めて。


 木の伐採をしながら、奥へ奥へ。


 見付けた!

 牛だ!

 うし!?

 バイソンじゃん。

 食えるのかー?


 体高20㎝くらい。

 突っ込んで来た。

 木が邪魔で、金属バットが振れない。

 バイソンの角がレガースに当たる。


 スパイクの歯が地面を……削らない。

 バイソン……倒れている。

 Oh、脳震盪!?


 とりあえず、ごめん。

 と言いながら、バットを縦に落とす。


 グシャという音がして、バイソンの頭が潰れた。

 最近、力も強くなっている気がする。


 倒したバイソンを川の近くに置いた三代目Jクラケン号まで運び、積載する。

 まだ、余裕はある。


 バイソンは群で行動するはず。

 他にも居るかな?



 奥に進んで行くと、池があった。

 水辺に生物が集まるかと、周囲を注意して見回すが、生物らしいものは居ないようだ。


 はぐれバイソンだったか。



 池の周りの木を伐採して行く。

 池越えショートホール作成のために……目的が変わったのは仕方がない。



 少し休憩。

 立ち上がり、伸びをする。


 鶏が居た!

 普通に鶏の大きさ。

 "しかし魔物はこちらに気付いていない"


 腰に吊るしたスパイクケースから、手頃な大きさの石を取り出す。

 野球のボールより、少し小さい程度の石。


 テークバックを小さく取り、投げる。

 外れた!

 鶏の手前にあった木に当たってしまった。


 鶏は驚いたように、こちらを見る。

 しまった!

 森の木が邪魔で、すぐには追撃出来ない。


 石が当たった木が、鶏の方へ倒れていく。

 その瞬間、鶏の目が赤く光った気がした。


 倒れていく木が、茶色から灰色に変わる。

 重い音を響かせ、鶏は木の下敷きに。


 唐揚げゲット!

 違う、鶏ゲット!



 木を倒しつつ、鶏の元へ行く。

 鶏を押し潰した木を退かすため、持ち上げたが異常に重い。

 手触りも木ではなく、石だ。

 石の木?


 良く見ると、先端の方は木のままだ。

 不思議に思いつつ、石木を退かし鶏を確認する。

 息絶えているようだか、念のため首を鉈で斬っておく。


 変わった鶏だった。

 尻尾はヘビのようになっている。

 持ち上げて、川まで運ぶ。

 珍しい石木も、木の部分を切り落とし持っていく。



 牛と鶏を確保したので、今日は上がりです。



 物置前シティーに戻り、ブルーやライナーたちに"ドヤ顔"をしてみる。


 ライナーが、

 「これは……アイアンバイソン!?……この大鶏は……何だ?」


 「アイアン?鉄で出来てるの?食べられない?」

 哲治のドヤ顔が曇る。


 ブルーがすかさず

 「いや、食べられる。幻の食材だ。角が鉄のように硬いことから、その名前になったはず……角……破壊されているな……」


 「良かった〜。で、こっちは?」

 哲治は、ホッとし鶏を指差す。


 「大鶏?尻尾がヘビみたいになっているな……」

 ライナーにも分からないようだ。


 「そうか〜。毒持ちじゃないと良いけど」

 哲治は、せっかくの唐揚げが食べられないことが残念だった。

 「そうそう。こいつの近くに変な木があったんだよね。これ、石みたいな木。バンスか、ガンツに聞いたら分かるかな?」

 そう言って、石化した木を見せた。


 ブルーが、青い顔して

 「……ヘビ尻尾。……石化。これ、コカトリスじゃないか!?」

 周りの兵士が固まった。


 「コカ(トリ)ス?」


 「……そうだ。思い出した。二十年くらい前に、このコカトリスに遭遇した一中隊が全滅したと聞いたことがある。」

 ブルーが何か思い出したらしい。


 「え!?全滅」


 「全滅と言っても、全員が死んだわけではない。それでも、3割くらいは戦闘不能になっている。」

一旦言葉を切り、ブルーが続ける

 「確か、目が赤く光った後、視界にいたものが石に変わったという話だった。鶏のような体で、尻尾がヘビだったと。」


 「石に変わった!?」

 哲治は、唾を飲み込む。


 「その時居た異世界人が、同じ魔物が自分たちの世界にも居たようで、"コカトリス"と呼んでいた。……食えるし、美味いらしいぞ」

 ブルーは言い終わると、サムズアップしてきた。


 また、運に助けられた。

 今度は、肉を欲張らず、散弾石で倒そう。


 と、反省した哲治だった。



■■■


 その頃、王国では魔物領産の肉が国民に振舞われていた。


 皇太子が先導し、貴族も庶民も皆平等に配られている。

 貴族ですら滅多に口に出来ない魔物肉。

 新鮮なうちに食すよう通達し、一斉に配布した。


 しかし、その肉を食べた数人が体調不良を訴えた。


 王国はすぐに、『体調不良を訴えた者には、補償金を出す』とお触れを出し、体調不良者を集めた。



 各エリアの兵士たちが、体調不良を訴えた人間の背景を探る。

 軽度の体調不良者は、過去にこの王国に流れてきた末裔と、虚偽の申請者だった。

 重度の体調不良者は、背景が曖昧な者が多かった。



 重度の体調不良者は、各街から消えていった。


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