第51話 ツアーの思い出
オーシャンリゾート弾丸ツアーも終わり、魔物領の森林破壊に精を出す、哲治です。
――vs大タコ。
死闘を繰り広げました。
大物を釣り上げましたが、もう釣りは懲り懲りです。
あの大タコですが、何と、ルアー食っていました。
しかも、刺さったシャフトが、上手い具合にラインに絡んで、自由に動けなくなっていたようです。
運も実力の内
先輩の言葉が、思い出される。
「運で結果出すと、後が大変だよー。次も同じか、高い成果求められるから。運が良かったと思ったら、実力つけるため、より一層努力だねー」
先輩、良く分かりました。
海には二度と行きません。
海鮮への憧れは捨てます。
……努力します。
釣り上げた大タコは、辺境伯に提供しましたが、この国でタコは、“デビルフィッシュ”と呼ばれ、忌み嫌われているそうです。
廃棄になるようです。
勿体ないですが、蛸のぬめり取りとか知らないので、全てお任せしました。
また、あの大タコは魔物ではないそうです。
“クラーケン”と呼ばれる、伝説級の生き物だそうです。
大イカじゃなかったのね。クラケン号。
相棒のクラケン号は、かなり大きな損傷を負いました。
大タコにやられたのは勿論のこと、弾丸ツアーの帰り道、不幸な事故があったんです。
ちょっとした段差で跳ねた相棒。
手摺とか無くなっていたからね。
人って、あんなに飛ぶんだ。
王女をすかさずキャッチした俺、エライ!
大丈夫!
ケガ人は、シータが治しました。
帰り着いた時の死傷者は“0”です。
安全運転お疲れ様です。
ただ、役人さんは死んだ顔していました。
ブルーとライナーは、「二度と乗らねー」とフラグを立てます。
王女様は、鼻血で服が汚れていました。
鼻血は、シータが治したので、ノーカンです。
シータは、クラケン号を乗りこなしています。
皆、見習え!
二代目“クラケン号”は、職人たちが作ってくれました。
組み立て係は、哲治です。
毎月パーツが届くのが、何とももどかしくて……定期購読です。
それから、辺境伯からお昼に海鮮を頂きました。
残念ながら刺身はありませんでした。
生魚を食べる風習はないようです。
10㎝級の魚の塩焼きや唐揚げを頂きました。
ワカサギの唐揚げを思い出します。
唐揚げ……タコの処理方法を知らない自分がクヤシイ……。
辺境伯から、すごく感謝されました。
海運の船を襲っていたのは、あの大タコだったようです。
出来る哲治は、辺境伯に言いましたよ。
「感謝の言葉は要らないので、誠意を見せて欲しい」
“誠意を見せろ”、良い言葉です。
カスタマーセンターの皆様、いつもありがとう。
辺境伯は、笑いながら
「フォフォフォ。何かと便宜を図ろうの」
と言ってくれました。
さすが“妖怪”、いや、“老獪”。
はっきりと約束していません。
“便宜図る”って、そっち基準じゃん!
出来る男、哲治はその場では
「宜しくお願いします」
と言ってやりました。
ええ、戻ってから、“あれぇ⁉”と思いましたよ……何か?
それから、ブルーの名前の件ですが、本名は“ブラッド・ルイーゼ”。
偽名は、“ブルー”。
そりゃバレるわ!
涼の季節も、もうすぐ中日です。
こちらの冬の寒さが良く分かりません。
一応、辺境伯に、防寒具と布団をお願いしました。
継ぎ接ぎ下着も、王国ではなく辺境伯が提供してくれたそうです。
スポーツの秋が終われば、ウインタースポーツのシーズンです。
雪が降って積もったら、皆(大工たち)と雪合戦しましょう。
大丈夫!
シータとラムダが居ます。




