第45話 騒動のその後②
王女も、ルヴァンも物置から引越ししました。
王女は、物置前の“石造りの邸宅”へ。
ルヴァンは、ヴァレルというおっさんと、ログハウスで同棲中。
ワンルームならぬ、ワンモノオキで、初めてのひとり暮らしを堪能する、哲治です。
王女の元へは、王都から侍女の方々が、沢山来られました。
マーリンが、侍女頭を務めているそうです。
これからは、マーリンを“お頭”と、呼ぶことに決まりました。
ルヴァンとヴァレルが、通信の魔法陣の件で、相談にきた。
なんでも、通信出来る距離が、1m位しかないらしい。
魔法陣を大きくしても、誤差くらいの距離しか広がらない。
壁があると、通信出来ないと。
魔素を揺らしてとか言っていたから、障害物あったら駄目でしょ。
それに距離もそうでしょ。
大体、いきなり無線は無理じゃね。
有線から始めなさい。
銅線ありますか?
あっても、まったくアドバイス出来ませんけど、何か?
ミスリル?
何ですか、それは?
魔素を通しやすい金属?
ご都合主義ですね。
知っております。
こらこら、走って帰らない!
ルヴァン君。
君の仕事は、返還の魔法陣!
そうそう、返還の魔法陣。
召喚出来て返還出来たら、瞬間移動出来るねって言ったら、止まったね。
クルンって振り返って、こっちに走ってきた!
怖い怖い。
出来たらい~いな。
はい、“どこまでもドア”!
ドアを開けると、またドア!
……あれ⁉
ブルーやライナーと話をしていた時、下水の話題を出したら、なぜか、リリアーナ王女が食いついてきた。
この国では、下水が無いらしい。
汚物は、堆肥にするようだ。
そう言えば、親父から聞いたことがある。
親父が子供の頃、親の田舎に帰ると、汲み取り式の便所で、落ちないか怖かったと。
ここから、哲治重機有限会社のお仕事です。
魔物領の開拓です。
違います。
川から水を引くための水路と、川に戻す水路を掘ります。
しかも、地下を通すため、深めに掘っていきます。
川の手前から、鍬とシャベルを使い、ガンガン掘っていきます。
後は、石大工とレンガ職人が、下水道を作っていきます。
あれ⁉
ガンツ!
なぜ、下水道メンバーに居るの?
川に戻す前に、浄化を少しでもするため、深めの穴もいくつか掘りました。
微生物に有機物を分解させる、何とか汚泥法でしたか?
うろ覚えなので、どうなるかは責任持てません。
こうして、一大公共事業が始まりました。
ログハウスは、簡単にどかせます。
リリアーナ王女。
あなたの家は、持ち上げられません。
下水の設置、諦めて下さい。
また、話が変わります。
シータとラムダの話です。
ラムダも治癒魔法陣が、描けるようになったようです。
ラムダの方が、シータよりも少しお姉さんで、見た目は、20代中盤くらいです。
石大工、他職人たちに人気があり、擦りむいたとか、腹が痛いとか、頭が悪いとか、何かにつけ、ラムダ治療院へ通っています。
こらこら、仕事しなさい!
金取りますよ!
あっ。
国民皆保険ならぬ、物置前シティー皆保険設立しましょう。
これは、リリアーナ王女に響きませんでした。
ブルーが、食いついていました。
シータも、それなりの人気者です。
通っていらっしゃる方たちは、口々に
「シータ神、尊し!」
「今日も推しごとです」
……何の意味か、よく分かりません。
分かりません!
シータは、採石作業に良く付いてきます。
クラケン号を愛しているようです。
ラムダは、シータに誘われても、クラケン号に乗ろうとしません。
何かあったのでしょうか?
最後になりますが、ブルーが、下水道のことと、保険のことを、辺境伯に話して良いか聞いてきました。
大口スポンサー様なので、構いません。
すると、ブルーが、
「貴重な情報なので、高く売りつける」
と言っていました。
ブルー(タス)、お前もか!
……言ってみたかっただけです。




