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第36話 隠れ家回収計画

 異世界生活18日目。

 今日も晴れています。

 洗濯日和です。


 哲治さんは、川へ洗濯に……です。


 洗濯は水洗いですが、出来るようになりました。

 問題は、どうやって干す?です。


 物干し竿、ありません。

 ハンガー、ありません。

 

 はい、正解は、物置の屋根に並べる。でした。


 地味に面倒。

 地味に怖い。



 そんな人の苦労も知らず、人質たちは、優雅に朝食です。


 物も、なぜか増えています。

 王女様、タンスは要らないでしょ⁉

 毎日、クリーニングでしょ!

 でも、同じ服見たことないぞ⁉

 ……摩訶不思議。



 今日は、お出かけです。


 王国から、ルヴァンへ協力を惜しまないとのお墨付きを貰った。

 そういうことで、本日はルヴァン隠れ家を回収しに行きます。


 そんなに、大きな建物ではないらしい。

 ルヴァンに、“クラケン号”を見せて、乗るか尋ねたら、引きつりながら頷いた。

 

 ルヴァンと、道案内にライナー、なぜか、治癒魔術師のシータ。

 それに、本当になぜか、王女と侍女。

 

 遊びに行くわけではありません。

 おやつは、300円(税込)までです。

 

 

 (から)の道具箱に、水や食料を入れ、クラケン号に積み込む。

 自分は、水筒持参。


 昆虫飼育ケースを、二つとも持ち出し、横向きにしてクラケン号へ乗せる。

 動かないように、万能PPテープではなく、提供されたロープで、クラケン号の柵に縛り付ける。

 更に、提供された藁を飼育ケースに敷き詰め、布を掛ける。

 

 昆虫ケースは横にしても、高さが20㎝あるので、彼らは立って中に入れる。


 なぜ、“藁”を持っているかって?

 いい、質問だ。


 寝具を作ろうと思って、頼みました。

 ハンモックで、解決しました。


 藁を集めた、第八の兵士の方々、申し訳ありませんでした。



 ゴルフバッグの中身を全部出し、鍬やシャベルなどを突っ込む。

 これも、紐で柵に縛り付け固定する。

 家を乗せた後に、道具を乗せるスペースがないと困るので、担いで帰れるように用意した。



 ルヴァンから聞いた距離と、ライナーが予測した距離で、400㎞くらいと判断。

 哲治から見れば、27㎞弱、元の世界で走ったことのない長距離だが、ジョギングの感じで走れば、何とか行けるだろう。

 目標は、休憩合わせて片道4時間。


 さあ、急ぐよ、乗った乗った。


 

 ジョギング程度の速度で、走って行く。

 ライナーから、街や村へ近づかないよう言われ、とんだ回り道だ。

 この巨体、かなり遠くから見えると思うけど。


 魔物が出ないので、快調に走って行く。



 “魔物”と、“動物”の違いをライナーに聞いた。

 “魔物”は、魔物領に居る生物全部。

 気性が荒く、大型が多いそうだ。

 

 大きな違いは、魔石を体内に持つこと。

 魔素を体に帯び、動物よりも外皮が硬いそうだ。



 休憩中に皆を見ると、ライナーは、“クラケン号”に慣れたみたいだ。

 今までで、一番乗り心地がマシと言っていた。

 シータは、いつもの無表情ではなく、ニコニコ顔だ。

 好きだね、アトラクション。

 ルヴァンは、紙に何か描いて、難しい顔してブツブツ言っている。

 酔うよ。

 王女と侍女は、二人とも寝てた。

 王女、白目ですよ。はしたない!



 休憩を含め走って、日がまだ高いうちに、無事にルヴァン隠れ家へ到着。


 竹林のようなところに、20㎝くらいの塀に囲まれた、建物があった。

 クラケン号に、乗せられる大きさで安堵した。


 塀も緑色に塗ってある。

 上から見ているから丸見えだが、横から見たら、建物があることが分からないだろう。

 まさに、隠れ家だ。

 秘密基地……憧れだね。



 ルヴァンが建物の様子を見に行く。


 誰かに入られた様子は無いようだ。

 魔法の鍵は開けられるが、物理的な鍵がないので、王都に行ってほしいと言われた。

 

 そしたら、ライナーにも王都に行ってほしいと、言われてしまった。


 王女にも聞いたら、

 「わたくしは、ここでお待ちしておりますわ」

 と言われたが、残れないよ。

 一緒に行くよ。



 王都は、かなり高い壁に囲まれているから、ある程度近付いても、大丈夫だと言われた。

 門の無い、南から近付いてほしいとのこと。

 見張りの兵士は居るが、軍部で報告は行っているはずだから、大騒ぎにはならないとのこと。


 それは良いけど、行くとなると、1時間はかかるよ。

 付与魔法のせいか、疲れはないから行けるけど、ルヴァンの用事、ライナーの用事、別々に出来ないから時間かかるよね。


 お泊りコースになるよ。

 お泊りセット持ってないよ。


 

 分かりました、ライナー課長。

 残業手当と、深夜手当お願いします。

 

 渋々、皆を乗せ、王都に向かった。



 大周りの挙句、南側から近付いていく。


 ただ、城壁が見えた時、テンション上がったわ~。

 城も見えた!


 近くで見たいな~。

 駄目かな~。



 ライナー課長に、止まるよう指示される。


 ライナーは、一人で走って行く。



 空が赤く染まってきた頃、三角座りで待つ哲治の元へ、馬に乗ったライナーと、馬車が一台近付いてきた。

 馬車に、王女と侍女、更にルヴァンが乗り込む。


 哲治は、自分の顔を指さし、

 「俺は?」

と、ライナーに聞く。


 ライナーは、目線を外し、

 「ここで、明日まで待っていてくれ」

と、非情な言葉を残し、馬車を追って行った。



 クラケン号を見ると、シータが笑っていた。

 

 朱から藍色に変わる空を見上げると、頬に一筋の流れ星が流れた。


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― 新着の感想 ―
結構王女様好き サイズ差がなければなぁ…。
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