異世界でなら飽きはないのか!?
まだまだつたなく読みにくい部分も多数あると思いますが暖かい目で読んでください。読者様の数分の暇つぶしになれば幸いです。
「これもだめかぁ。」
手にしていたバイオリンをベッドに放り投げる
俺こと比留間キリ《ヒトマキリ》は高校生二年生にいて普通の日常に飽きていた。
日常に刺激を求めるために。芸術やスポーツ、プログラミングに手を出したが初めてすぐに数多くの大会やコンテストで優勝できる実力になる。本当に飽き飽きするこの才能に。
「死んでみよっかなぁ。」
出来もしないことをつぶやく。何でも出来るのに手順が一番簡単な死ぬことが出来ないとはとんだ笑い話だと鼻で笑う。
すると突然声が頭の中に広がる。
「じゃあ、いっその事死んでしまおう!」
物騒な内容とは裏腹に声のテンションは異様に高く何か不気味ものを感じた。と、同時に幻聴にしてはやけにリアルだと思った。
「幻聴じゃないよ!今から君には死んでもらう!そしてこっちのセカイに来てもらうよ!」
・・・・・幻聴じゃない、今から俺は・・・・・死ぬ・・・・?え、普通に嫌だ。まだ日常に刺激を与えることに成功していないのに、死ぬなんて・・・・・
負けず嫌いな性格が出た。
「じゃ!とりあえずあっちで待ってるから!またね!」
突然視界がぼやける。体が上手く動かなくなる。消えゆく意識の中でたった一言今まで生きてきた中で言うことを切望していた言葉を虚空に零す
「やっと死ねるのか・・・・・」
・・・・・目が覚める、意識がまだ覚醒しきっていない状態の視界に飛び込んできたのは一面真っ白で霧が立籠めているようなセカイだった。
目の前から人影が歩いてくる妙に安心するような雰囲気の人が・・・・・、目の前に来たそいつはまるで子供のようだった。身長は140cmとちょっとだろうか。顔は子役でも出来そうなほど整った童顔だ。赤みがかったピンクの唇が動く。
「いらっしゃい!自己紹介はまだだったね、僕は強欲を司っている神・・・・リヒトただの(リヒト)だよ!よろしく!」
強欲・・・・・?、あの7つの大罪の?あれって悪魔じゃないっけ?というかなんだただのリヒトって。
・・・・・まぁそんなことはどうでもいい、今一番知りたいことを聞こう。
「なぜ、俺をこのセカイに呼んだ。」
「それはね、君にこっちのセカイで生活してほしかったからだよ。君があっちのセカイで生活しているのを見ていてもおもしろかったけど、こっちで生活している姿を見た方がもっと面白いと思ってね!」
とんでもないことを事も無げに言うこいつに率直な意見を思い浮かべる。
なんて自分勝手な考えだろう、そんな事のために俺は殺されたのか、こいつ神なんかじゃなくてやっぱ悪魔なんじゃないのか?
「それに、君にも得があると思ったから。」
「・・・・・得?」
「そう得、君元のセカイでの生活に飽きていたでしょ。見ていたから君のことなら何でも知っているよ。」
・・・・なるほど、納得だ。確かに飽き飽きしていた死ぬことを考える程に。ということはこっちのセカイでは飽きることのない生活を送れるということか
胸が躍った、高揚している。今までに感じ事のない程気分が良い。
するとリヒトがすべてを見透かしたかのように言う
「納得してくれたみたいだね、じゃ、後のことは自分でなんとかしてね!情報を集めるのも一種の刺激でしょ!」
あまりにも身勝手な物言いに言い返してやろうとするも、声が出ない、胸躍る感覚をも覆い隠すように眠気が襲ってくる。消えゆく意識の中で声が聞こえた。この一瞬の間で嫌いになったやつの声だ。
「僕を楽しませるような生活を送ってね!では、また次の機会に」
恍惚な表情でそう言うあいつからは眠気を上回る程の寒気を感じた。