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I am Aegis 1  作者: アジフライ
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第2話【冒険者になろう】

邪神軍を打ち倒し、 死域 オベロニクスから出たイージスは新しく街を見つけた。

イージスは街の前に降り立った。

看板にはカロスナと書いてある。

「さてと、 早速入るとするか」

街に入ろうとしたその時、 門の前に立っていた門番二人に止められた。

「待ちなさい、 ここでは見ない顔だな。 冒険者か? 」

「え、 いやまぁ……」

「ギルドカードを見せてもらえるかい? 」

ギルドカード……何だそれ……持ってない……どうしよう、 このままだと怪しまれて捕まるかもしれない……

俺が悩んでいると

(緊急時発動スキル、 自動魔法展開が発動します。)

え、 緊急時発動スキル? こんなのあったんだ。

すると門番達の様子が変わった。

「ん? あっ、 失礼しました。冒険者の方でしたね、 どうぞ」

「……え? 」

「いやぁ、 私どもの記憶違いでした。申し訳ない」

「は、 はぁ……」

イージスは何が起きたのか解らずそのまま門を通してもらった。

一体何が起きたんだ、 急に門番達の様子が変わったぞ?

もしかして緊急時発動スキルのお陰?

すると声が説明し出した

(緊急時発動スキルにより記憶変換魔法を発動させました。状況に応じて発動するべき魔法は変わります。)

へぇ、 これは便利だ。

ていうかこの声って自分の意思を持っているのか?

「どうなんだ、 謎の声さん? 」

(はい、 私は意思を持っております。主様が疑問に思っていること、 状況に応じて私がサポート致します。)

まさかの意思を持ってたー!

「名前とかあるの? 」

(いいえ、 名前はありません。)

名前が無いのか……無いと不便だしなぁ……後でも考えておくか……

そんなことを考えながら街を歩いていたら街のギルドに着いた。

ここがギルドか、 早いところギルドカードってやつを手に入れないとな。

「うぉぉー! ! 」

中はとても広く、 沢山の冒険者が集まっていた。 どこを見てもファンタジー小説とかで描かれていた魔法使いや剣士、 他にも色々な職業の冒険者がいる。

これを見ると本当に異世界に来たんだなって思えるよ。

イージスは早速受付カウンターの人に話しかけた。

「あの、 ギルドカードってどうすれば貰えます? 」

「はい、 冒険者登録を希望ですね。ではこの紙にあなたの名前と職業を書いて下さい」

「あ、 どうも……」

以外とすんなり貰えるんだな。

俺は紙に名前と職業を書いて受付の人に渡した。

「確認しますね。……名前はイージス・カイマさん」

このカイマというのは御門屋の名前をローマ字に変えてその文字を抜き取り、 並べ替えたものだ。

他にいい名前が思い付かなかったし……

「職業は……覇者……? 」

あれ、 何かおかしいところがあったかな?

すると受付の人が

「すいません、 一度ステータス確認をしてもよろしいでしょうか? 」

「え、 はい」

そう言われるとイージスの前に水晶が置かれた。

「手をかざして貰えます? 」

「はい」

イージスが水晶に手をかざした瞬間、 水晶からとんでもない数の文字のような物が飛び出してきた。

これは、 見たこともない文字だ。でも何故だろう……見たこともないはずなのに何故か読めるぞ。

女神様が俺に何かしてくれたのか?

その文字を見た受付の人が驚愕した。

「こ、 こんな数の魔法とスキル……そしてこのレベルは……見たことありません! 職業もしっかりと覇者と刻まれています! 」

周りの冒険者達もざわめいている。

参ったな……今はあまり目立ちたくないんだが……

「あの、 早く終わらせて貰えます……? 」

「あっ、 申し訳ありません! 冒険者登録でしたね、 職業の確認は問題ありませんでしたのでこのまま登録しますね。 少々お待ち下さい」

そして受付の人は奥の部屋へ入っていった。

中から話し声が聞こえた。何か議論をしているような感じだった。

しばらくして受付の人が戻ってきた。

「お待たせしました。 どうぞ」

「ありがとうございます」

イージスはギルドカードを確認した。

するとカードと一緒にペンダントのような物を渡された。

「すいません、 これって……」

「え、 知らないんですか? それは冒険者の強さ、 階級を示す重要な情報になるペンダントなんです。 階級が高ければ報酬の多いクエストを受注できる仕組みになっているんですよ」

なるほど、 強ければ強いほど稼げるって訳だな。

「階級は下から順に水晶、 赤水晶、 青水晶、 翡翠、 黒曜、 銅、 銀、 金、 ダイヤ、 のようになっています」

「へぇ……えっ、 じゃあ……」

俺が渡されたのはダイヤのペンダント……ということは……

「はい、 イージス様はダイヤ等級の冒険者です」

「あの、 この事例って過去に……」

「これが初です。しかもダイヤ等級は世界でたった五人なんですよ」

マジかぁ……今そうなると結構目立っちまうぞ。 何とかして他の冒険者からは隠さないと……って遅いか……

しかも受付の人の俺に対する呼び方が様になってるし……

「そう……ですか。 ありがとうございました」

「はい、 また何かあればお聞き下さい」

イージスはとりあえずギルドから出て一旦落ち着いて今後のことについて考えようと、 一目散にその場から離れようとした。

すると突然

「おい、 ガキ! 」

凄い強面の大男が声をかけてきた。

「え、 はい……? 」

「てめぇ、 さっきから見てたがどうも怪しいぞ。 さっきのステータスはインチキなんじゃねぇのか! ? 」

『お、 喧嘩か? 』

『いいぞやれやれ! 』

周りに冒険者達が集まってきた。

これ以上面倒なことにはしたくない! 穏便に済まそう。

男はイージスの胸ぐらを掴んできた。

「何とか言えやガキが! 」

ヤバイヤバイヤバイ! ! !

すると突然邪神剣が飛び出し、 男の首の両脇に刃が突き付けられた。

え、 ちょっ……!

「ヒッ! 」

男は怯んで手を離した。

イージスはすかさず剣を回収し

「すんませんしたぁーーー! ! ! 」

と叫び一目散にギルドから飛び出した。

しばらく街中を駆けて行き、 ギルドからだいぶ離れた所で止まった。

「ひぃー……そうか、 俺が身の危険を感知すると自動的に剣が動いちゃうんだよな……気を付けないと……」

この剣を使いこなすにはまだまだ練習が要るようだ。

しばらくは目立たないように行動しないと……

その後しばらく街中をぶらついていると

(報告、 守護者が主様を探しております。召喚しますか? )

守護者? そんなの身に覚えがないんだが……

とりあえず別の場所で召喚してみるか?

イージスは人気の無い路地裏に入った。

「召喚」

イージスがそう言うと目の前に魔方陣が現れ、 その中から一人の女の人が出てきた。

年齢は二十代程だ、 髪は夜空のように黒い長髪をしており、 イージスと同じ赤い瞳をしている。

すると女の人が話しだした。

「イージス様、 探しましたよ! 一体どこへ行ってたのですか! ? 」

「えぇ、 いや、 ちょっと待って! 君は誰! ? 」

この人が守護者なんだろうけどまずは事情を説明してもらいたいんだが。

「あっ、 そうでした! 失礼しました、 私は元邪神 ガイン様の守護者、 ザヴァラムと申します。 ガイン様を倒した今、 イージス様の守護者に成り変わりました」

ガインの守護者か……どれくらい強いんだろう。

イージスは能力透視を使った。

レベルは978! 俺程ではないけどガイン並の強さだ!

主が俺になったってことは仲間になってくれるのかな? だとしたら心強い。

「守護者って俺の仲間ってことだよね? 」

「失敬な、 仲間なんてものではありません! 私にとってイージス様は至高なる王なのです! 」

お……王って……

まぁいいか……一応協力してくれるってことだし。

そういえばザヴァラムの見た目……普通の人間とは少し違う感じだけど……ザヴァラムって人間じゃないのかな?

「ザヴァラム、 君って人間じゃないのか? 」

聞いてみた。

「はい、 私は龍人族です。 龍人族はこの世界でも最も強いと言われる種族なんです。 私はその中でも最強の名を持つ龍、 覇王龍 ザヴァラムと呼ばれています」

何かめっちゃ強そう、 実際強いけど。

「そうか、 それじゃあまぁ……とりあえずよろしくってことでいいのかな? 」

「はい、 よろしくお願いします。 イージス様」

イージスはこの世界に来て初めて仲間を手に入れた。

さて、 今日は色々ありすぎてどっと疲れが来たな。 本格的に冒険者活動を始めるのは明日からにしよう。

イージスはその日はザヴァラムと一緒に宿屋に泊まり、 眠りに着いた。

この時、 イージスは15年ぶりに寝ることができたのだった。

続く……


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