表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
I am Aegis 1  作者: アジフライ
17/19

第13話【ドラゴン達の問題】(前編)

メゾロクスに帰ってきて二日後、 エメが気になったイージスはエメの所へ向かった。

最近相手してやってないけど大丈夫かなぁ?

そんな心配をしながら中庭に入るとエメがいた。

「エメ、 ごめんな最近ほったらかしにして……」

(いえいえ、 私も最近忙しかったので大丈夫でしたよ。)

そういえば中位龍達が集まって会議してるとか何とか聞いたけど……何かあったのかな?

「忙しかったって何があったんだ? 」

(はい、 実は最近……色んな所の龍の里で上位龍が襲撃し回っているという話が出まして……)

「龍の里? 」

聞いたこと無いな……もしかしてラムもそこら辺の出身だったりするのか?

イージスがそんなことを考えているとザヴァラムが中庭に入ってきた。

「龍の里……懐かしい響きね」

「ラムか……龍の里って何なんだ? 」

イージスはザヴァラムに聞く。

「はい、 そこは龍達にとっては憩いの場、 すなわち故郷のようなものです」

へぇ、 そんなところが……でも何故上位龍達がそこで暴れ回ってるんだ?

(そこでなんですが……この間中位龍達で集まって会議をしていたんです……それでこの問題を解決できそうな方で挙がったのが……)

「……俺か? 」

(はい……)

まぁそりゃそうなるよな……でも上位龍達が暴れているのには何か理由があるのかもしれないし……無闇に殺す、 と言うわけにもいかないな……まぁ、 理由も無くただ暴れ回って殺しているなら……その報いを受けてもらうしかないな……

その時、 イージスはザヴァラムを見てある考えが浮かんだ。

そうだ、 ラムなら龍人族なんだしお互い龍同士で何か話し合えるかも!

「エメ、 俺よりももっと適任な人……龍? まぁいい、 ここにいるじゃないか! 」

そしてイージスはザヴァラムを指す。

「え、 えぇ、 私ですか! ? 」

(おぉー、 確かにザヴァラム様の方が適任ですね! )

「えっ、 いや……まだ行くとは……」

ザヴァラムは戸惑う。

「ラム、 そこは何とか! 」

(お願いします! )

イージスとエメは頭を下げる。

「あ、 頭をお上げ下さいイージス様! ……分かりました、 ではイージス様の命により私ザヴァラムが龍の里の問題を解決してきます! 」

「ありがとう、 頼むぞ! 」

(では早速ついてきて下さい! )

エメはそう言うとザヴァラムに背中を授ける。

しかしザヴァラムは

「必要ないわ、 私を誰だと思っているの? 」

そう言うとザヴァラムは変身し、 ドラゴンの姿になった。

その姿にエメは驚愕した。

(えぇっ! ? あ、 あの……ザヴァラム様って一体何の龍なのですか……? )

『覇王龍、 そう言えば分かる? 』

(え……あ、 はい……)

そしてエメは怯えながらザヴァラムと一緒に飛んでいった。遠めでエメがザヴァラムに置いて行かれそうになっていた。

「……大丈夫かな……エメ」

それを見たイージスはそう呟いた。

……てか、 ザヴァラムの真の姿……俺、 初めて見たけど……カッケぇ……

《ここからザヴァラム視点に切り替えます。》

龍の里に向かっている途中、 ザヴァラムはエメに質問する。

「エメ、 上位龍達が暴れ回っていると言ったが……その上位龍達の種類は分かるか……」

(な、 何か口調が変わってないですか……? )

「この姿になると癖が出てしまうんでな……で、 分かるのか、 分からないのか、 どっちなんだ……」

(あ、 はい……それに関しましては情報が出てます。種類はアークドラゴンです。)

アークドラゴンか……ドラゴンの中でも珍しい魔法展開が可能な種類か……確かに中位龍達では相手にならんだろうな……

「……そうか、 種類が分かっているなら話が早い、 早く里へ行くぞ」

(は、 はい! )

するとザヴァラムは突然超高速で飛び始めた。

それにエメは置いて行かれる。

(ま、 待って下さぁい! ! )

しばらくしてザヴァラムは龍の里へ着いた。そこはどこかも分からない高い山の上、 その森の奥にドラゴン達が集まる巣がある。

相変わらず貧相な場所だなここも……まぁ隠れるには最適だがな。

ザヴァラムが巣穴の前に降り立つと後からエメも追い付いてきた。

(はぁ、 はぁ……ひ、 酷いじゃないですか……)

「遅いお前が悪い」

(そ、 そういえば何でザヴァラム様はここが分かったんですか? )

「それぞれの里の場所は全て把握しているからだ、 私は覇龍族なのだから当然だ」

ザヴァラムの出身である覇龍族はこの世界のドラゴン達を管理する龍人族であり、 その龍人族に生まれた者達は皆全ての龍の里の場所を覚えなくてはならないのだ。

まぁ私は覚えるのに一日もかからなかったがね。

(そ、 そうなんですか……凄い……)

すると巣穴から何匹かのドラゴンが出てきた。

(おぉ、 帰ったか……ってぇ! ? )

ドラゴン達はザヴァラムを見て驚き、 そのまま平伏した。

(ま、 まさか貴方様が来て下さるとは……ありがたやぁ……)

「やめろ、 貴様らに平伏されても嬉しくなどない」

(は、 はい、 申し訳ございません……! )

そしてザヴァラムはドラゴン達に案内され、 巣の中へ入っていった。

しばらく進むと広い空間に出た。そこには多くのドラゴン達が集まっており、 その奥には年老いたドラゴンがいた。

あいつが頭か……

(長老様、 ケルナ森のドラゴンがこの方を連れて来てくれました! )

「名乗らずとも分かるだろう……我が主、 イージス様の命によりここへ来た」

ドラゴンの長老は驚いた。

「何と……まさかザヴァラム様が来て下さるとは……! 」

うん? この老いぼれ……思念会話ではなく普通に話せるのか……中位龍も捨てたものではないな。

「話は聞いている、 さっさとそのドラゴン達の居場所を教えろ……」

私はイージス様のお側にいなくてはならない、 なるべく早く終わらせたいところだ……

「それが……」

ドラゴンの長老は困り顔で言う。

「ん? 何か問題でも? 」

「実は……その……居場所がまだ判明していなくて……」

……これは面倒なことになりそうだぞ……

話を聞くとどうやらそのドラゴン達、 暴れては別の場所に拠点を変え、 居場所が特定されないように対策されているらしい。

下等種の癖に小賢しい真似をしてくれるじゃないか……だが私にとっては造作も無いこと……

「問題ない、 探知スキルを使って探すまでだ……」

「何と、 探知スキルを使えるのですか! ? 」

周りのドラゴン達もざわめく。

「では早速探すぞ」

そしてザヴァラムは探知を使った。

…………ほぅ……そう来たか……

「……長老、 どうやら向こうから来てくれたようだ……」

「な、 何ですと! ? 」

探知に反応した場所はザヴァラム達がいる巣のすぐ近くだったのだ。

「お前達はここで待っていろ」

そう言うとザヴァラムは外へ出ていった。

外へ出た後すぐ、 上空から何匹ものアークドラゴン達が降りてきた。

こいつらか……下等種の癖して各地の里で暴れ回っている愚か者共は……一応中のドラゴン達に隠蔽魔法をかけておいたが……どうなるか……

するとアークドラゴン達がのリーダーのようなドラゴンが前に出てきた。

「……何だ、 貴様は? 」

私を知らない……いや、 正確には姿を知らない者か?

次の瞬間、 そのドラゴンは驚くべき発言をした。

「この覇王龍、 ジュラザム様の前だぞ……平伏せよ! 」

……なるほど……ここまで愚かだとはな……逆に清々しいわ……ここは乗っておこう。

ザヴァラムはジュラザムの前でひざまづいた。

「これは申し訳ありません、 ジュラザム様……」

「貴様、 この巣に住む者か? 」

「はい」

ふむ……バレていない、 このまま仲間に加わってこいつらを根元から絶つとするか……

ザヴァラムはジュラザム達の拠点を見つけ出し、 そのまま破壊するつもりだ。

「ふむ……貴様、 中々いい魔力を持っている……我が配下に加わるのならばこの巣を見逃してやっても構わんぞ? 」

やはりそう来たか……これなら話が早い。

「はい、 喜んで……」

「では我についてくるがよい」

そしてザヴァラムはジュラザムについていった。

……さて、 この先どうなるか……

ザヴァラム達が飛び去った後、 巣穴からドラゴン達が出てきた。

「ザヴァラム様……どうかお願い致します……」

ドラゴンの長老は空を見上げながら呟いた。

……………………

見えた、 あれか……

ザヴァラムはジュラザム達の拠点を見つけた。

後編に続く……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ