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ツンデレとロリコン 人助けに行く 下  ツンデレの怒り

「乙女の尊厳を傷付けるなんて……この変態っ!」


 自分のミスでパンチを便所に脱ぎ忘れていたラビトだが、完全に俺への責任転嫁ってか完全な冤罪をおっ被せ、涙目でスカートを押さえてやがる。いや、そんな状態でドロップキックしますぶちかまして来たのはそっちだし、絶対俺は悪くねぇだろ。


 正直言って涙目の女を前にすりゃ良心が痛むし、一般人相手なら向こうに非があっても俺は謝っていただろう。だがな、魔族は敵なんだ。敵に一切容赦する気は無い俺は弁明の言葉すら口にせずに魔族の女、確かラビトとか名乗っていたな、に向かって行った。この時、一縷の望みを俺は抱いていた。無駄だと分かっていたが、それで正解だというのを心の底から望む。


 今から戦う敵が自分の名前に様付けをした一人称の馬鹿っぽい多分間違い無く馬鹿じゃなく、ラビトサマという名前で、一人称が自分の名前なら心の平穏は保たれるんだよ。……戦闘中だからちっとも平穏じゃないだろってツッコミの受付期間は終わってるぞ。


 まあ、あれだ。一撃で叩きのめせる雑魚だったら速攻でこの世からも記憶からも消すんだが、生憎な事にラビトサマは強い。少しは楽しめそうだって思っちまった程度にはな。つまり結論は何かと言うと……。


「……所でお前の名前はラビトサマさんで正解だよな?」


「はっ? お前、絶対馬鹿だっピョンッ! 普通に考えてラビト様の名前がラビトだって考えるまでも……あっ、成る程っピョン。お前、馬鹿だから祭の会場でもないのにキグルミ着て来てるんだピョンね?」


「お前にだけは言われたくねぇよ! 便所にパンツ脱ぎ忘れたまま蹴りを放つ、自分の名前に様付けして喋る奴には言われたくねぇよ!! 馬鹿にだけは馬鹿って言われたくねぇよ!!!」


「……悪かったピョン。でも、三回言う意味って……」


「そりゃテメェが戦うのも嫌な程に馬鹿だからに決まってるだろうがぁああああっ!! この短時間でテメェがどれだけ馬鹿かって理解しちまった俺の気持ちを少しは考えろっ!」


 ラビトは完全にドン引きだし、俺だって勢いに任せて必要以上の事を言ったのも認める。でもな、マジで嫌なんだよ。こんな馬鹿と命懸けの戦いをするのがな。無能な味方は有能な敵よりも恐ろしいし、それが敵側の話だったら構わないだろって? いや、本当に嫌なんだよ。ラビトが凄い馬鹿だって気が付いたのは今し方だし、気が高ぶって相手が馬鹿かどうか気にならない段階に入ってねぇもん。味方だったら有能な敵より恐ろしい馬鹿だって知っているのに集中出来るかよ、出来るって奴がいたら教えて欲しいね。


 俺がそんな風に悩む時、ラビトは馬鹿なりに頭を働かせているのか腕組みで頭を傾げている。馬鹿の考え休むに似たりって言うし、ありゃ俺を前にして堂々と休んでるのと同じだな。……腹立つなぁ、おい。地上を見れば黒子の奴がさっき助けた奴を庇いながら戦っている。俺があっちに行けば良かったぜ。


「……あれ? もしかしてラビト様を完全に馬鹿だと思ってるっピョン?」


「寧ろ完全無欠な馬鹿だろ、テメェは。今頃気が付いた時点で間違い無く大馬鹿だよ、テメェはよ」


「ピョーンピョンピョピョピョーン! ぶっ殺すピョーン!」


 さっきから思ってたんだが、此奴がダーリンだって呼んでるのはどんな奴だよ? ほら、ミニスカートな上に両手を万歳のポーズで飛び上がるもんだからスカートが翻ってるし、本人は気が付きもしてねぇし。もっと前に何か馬鹿を直す努力とかさせろよ。いや、無理か。俺が流石に自分の意見でも理不尽だなと思った時、翻ったスカートは折り目がついて前部分に引っ掛かっていた。


「……おい、前側が全開だぞ」


「ピョン? ……ピョォオオオオオオオオンッ!? この変態! 痴漢! ラビト様が舌戦……いや、絶世の美女だからって敵なのを良い事に犯す腹積もりだっピョンねっ!? 助けてビリワックゥウウウウ!」


「マジでその辺にしておけよ、テメェッ!? ったく、何奴も此奴も俺をどんだけ変態扱いすりゃきがすむんだよっ!? あと、馬鹿! テメェ、マジで究極の馬鹿!」


「えっと、個人差が有るから一が……が……何だったピョン?」


「……一概には言えないって言いたいのか? もう構わないから。マジでテ?

アンノウンのコメント  ギリギリだったよ。黒子君への説明が面倒!

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