4 国王との対面
騎士に言われてついて行った先は、さっきの部屋の何倍もある大きな部屋だった。
部屋の中には身分の高そうな男達が立っており、その奥には、王らしき人が大きな椅子に座っていた。
「よくぞいらっしてくれた。勇者よ。
私は、この国の国王、ランドル・ミアネットだ。
早速本題に入ろう。
勇者達には、魔王を倒して欲しい。」
その後の国王の話は長かった。
要約するとこうだ。
・数日前、魔王が復活した。
・魔王を倒すため僕たちが召喚された。
そんなことを聞いたクラスメイト達は、
「おい、かってに召喚してなんだよそれ。」「さっさと、俺達を元の世界に戻せ。」「私、戦いたくない。」
そんなことをクラスメイト達が言っている。
(さっきまでステータスを見ながらわーわー騒いでいたくせに、さっきまでの喜びはどこいったんだ?)
そんなことを思っていると、
「私達に戦う力なんてありません。それに生徒を危険な目に合わせることは、できません。早く私達を元の世界に帰して下さい。」
今まで黙っていた山奈先生がそう言うと、
「かってに召喚したことは、申し訳ないと思っている。しかし、私達も帰す方法は知らない。知っているのは魔王だけらしい。勇者達には、戦う力がある。どうか魔王を倒してくれ。」
国王は、深く頭を下げた。
まわりにいるみんなが戸惑っているいると、
「頭を上げてください、国王様。俺達が、元の世界に帰れない今、魔王を倒したら帰れるなら力を貸します。みんなもそれでいいよな?」
「光輝が言うなら」「魔王を倒さないとどうせ帰れないし。」「よっしゃ、やってたろうぜ。」
さすが、宮本が言うと説得力があるな~。
そんなことに、感心しているうちにいつのまにか絶対参加の空気いなっていた。
「それでは、この水晶に触って【ステータスオープン】と念じてください。」
そう言われ、光輝が実行すると、さっきは目の前だけだったのに、今度はまわりにも見えるようにステータスが映し出された。
まわりにいた人達や国王は、光輝が勇者だったことに、喜んでいる。
次々と順番が進み僕の番になりステータスが表れるとそれを見た人達は固まった。
そして、
「ぷ、あははは、ステータス低っ。あはははは」
「うっわ~、お前低すぎ、マジつかえね~。」
「やべ、おかしくて腹が痛い。ってか、【固有スキル】が【学習】とかまじ笑える。」
まぁ、こうなると思ったらけど、この3人ひどすぎない。
霧島、岡村、山口、こいつらいつも僕に嫌がらせしてきたよな。学校では関わっちゃいけない三人組で有名だった。
「はぁ~」
ため息をつきまわりを見ると、やはり何人かは、笑っている。
美子達は、少し殺気をたたせていた。
そんなことをよそに、部屋のすみに行こうとした時、
「申し訳ありません、ゼロト様。私のせいで巻き込んでしまい⋯⋯⋯」
ユリス王女が申し訳なさそうに謝ってきた。
「顔を上げて下さい、ユリス王女。ステータスが低かった、それだけです。ユリス王女が気にやむことは、ありません。気にしないで下さい。」
「そう言っていただけますと嬉しいです。」
そう言ってユリス王女の顔に笑顔が出来た。
とても可愛いかった。
その後、食堂でご飯を食べ、メイドに寝室まで案内され、そのまま眠ってしまった。