33 エルフの国代表
「何言っているんですか、織本咲音さんの中にいる赤ちゃんも合わせて九人じゃないですか」
……この精霊神は何言って言ってるんだ?
咲音ちゃんが妊娠している?
いや、…はっ?
「ちょっ、どうゆうことだ……?」
「そのまんまの意味ですよ?」
いや、分からん。
「実は自然の精霊は生命の流れを見れる目を持っているんです」
「なるほど……って、なんで一日たっただけで分かるんだよ!?」
「それは咲音さんを鑑定してみれば分かりますよ」
俺は言われるがままに咲音ちゃんを鑑定してみた。
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名前 サキネ オリモト
年齢 15
種族 人族
職業 時間使い
レベル 26
HP 7003/7003
MP 6087/6087
攻撃力 6427
防御力 6382
敏捷力 6833
魔攻力 5972
魔防力 5898
運 114
【スキル】
鑑定 Lv.5
偽装 Lv.5
種族用語認識 Lv.MAX
【固有スキル】
時間操作
【称号】
ゼロト ミナミトリの妻
時間を操りし者
【加護】
邪神アルダナの加護
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時間操作……時間を操ることができる。二人以上同時に使うことはできない。
「分かりましたか?これが咲音さんが妊娠した事実です」
「あぁ、一応分かった。ところでどのくらい時間を戻したんだ」
「九ヶ月と三週間程度ですね」
「ふ~ん、それじゃあもうすぐ……って、おい精霊神、なんでそんなことが分かるんだ?」
「話すと長くなるので後でいいですか?今は咲音さんのほうが優先ですので」
精霊神に言われ俺は咲音ちゃんのほうを見ると少し顔色が悪い状態だった。
そこに精霊神が行き、
「咲音さん、もうその子産んじゃいましょう」
そう言い残して精霊神は壁の場所まで行き、壁に向かって魔法を唱えた。
「自然の部屋」
刹那、壁に緑色のドアが出てきた。そのドアからは異様な感じがしてきた。そのドアを精霊神が開けると、その中から圧倒的にこの場と違う空気が流れてくる。
「さあ女性陣の皆様はこちらに来てください。あっ、男性陣は外で待ってて下さいね~」
そのまま精霊神たちはドアの奥に入っていき、俺とトロスさんだけがその場にとり残された。
しばしの沈黙が続いたがトロスさんが口を開いた。
「ゼロト殿、少し聞きたいことがあるのだがいいかね?」
「なんでしょう?」
「君はどこかのギルドに所属しているのかい?」
「いいえ、所属してない……、というか、俺たちにとってこの国が旅に出て初めての国なんで」
「そうか……、実は2週間後にこの世界の中心の国、グリモアル帝国でグレイアムという大会が行われるのだが、ゼロト殿、エルフの国の代表としてでてみないか?」
「あの……、それはいったいどんな大会なんだ?」
「簡単に言うと参加できる種族は全種族なのだが悪魔族は今どこかの国に戦争を吹っかけて今回は参加を認めないようだ。そして優勝したチームは創造神ガイア様によっていくつかの願いを叶えてもらうことができる。」
「なぁ、優勝したチームって言ったけどチームじゃなくてギルドじゃないのか?」
確かにトロスはギルドで散会して欲しいと言った。だが、優勝したチームとなると参加できる数が決まってないということになる。
トロスは焦って言いなおした。
「申し訳ない。説明が足りなかったな、人族はギルドの冒険者・騎士団から自由に参加できるが、その他の種族はギルドから一チームしか参加できないルールになっているになっているんだ」
「そうなのか、それで俺たちにエルフの国の代表チームとして出てほしいと?」
「ああ、引き受けてくれるか?」
「一つ条件がある。叶えられてもらえる願いの半分を俺が使っていいか?」
「承諾した」
その後、数分経ってようやくドアが開いた。そこから女性陣と、五歳くらいの女の子が出てきた。