29 再び境界へ
トロスさんとの会見が終わり食堂に行った。
トロスさん曰く、エルフの国で他の種族が歩くと問題になるらしい。
咲音ちゃんとのデートの約束があるため、どうしたら街を歩いていいかを聞くと、エルフの国で英雄になればいいらしい。
そんなこんなで、今日からしばらくは王宮で過ごすことになった。
にしても、
「ちゃんとした飯なんて久々だなー!」
「ゼロトさんは今まで何を食べていたのですか?」
ベルは興味を持ちながら聞いてきた。
そして俺はしばらく考えた。
ダンジョンにいた時に食ったものって何だったか?
たくさんあったがその中でも一ばんおいしかったのは⋯⋯⋯
「ケルベロスの肉⋯⋯⋯かな」
それを聞いてベルとその周りにいたエルフのメイドたちが驚いていた。
やがてベルが口を開く。
「ケルベロスってあのケルベロスですか?」
「どのケルベロスかは知らないけど、多分そのケルベロスだと思う」
「あの肉はおいしかったよね。ゼロト君が炎魔法で焼いてくれて、がぶりつくのはどうかと思ったけどがぶりついたほうが美味しかったー」
知音はケルベロスの肉の味を思い出したらしく幸せそうな顔をする。
エミは知音の言葉にうなずきを返す。
ケルベロスを食べていなかったレグレスと咲音ちゃんは知音の言葉に興味を持っていた。
そんな時メイドの一人が俺のもとにちかずいてきて、
「に、人間様。そ、そのケルベロスの肉って、まだありますか?」
「ありますけど、それが?」
「い、いえ、ちょっと興味がありまして⋯⋯⋯、も、申し訳ありません、おこがましいことを聞いて」
やっぱり、人間が怖いらしい。
それなら、
「あの、ケルベロスの肉いりますか?」
「くれるんですか?」
メイドが目をキラキラさせて寄ってきた。
「はい」
「ありがとうございます。明日早速料理させていただきます」
そう言ってメイドはケルベロスの肉に一部を持っていくと上機嫌で食堂を出ていった。
「申し訳ありません。ゼロトさん。後できつく言っておきます」
「いいよ、美味しい料理を食べられるなら」
そう言って俺は食堂を出て風呂に入り眠りについた。
気がつくとそこは境界だった。
そこにはアルダナと老いたおじいさんが立っていた。
「おぬし今、わしのこと老いたおじいさんと思ったじゃろう」
「考えが読めるってことはあんたも神なのか?」
「うむ、いかにも。わしの名は元最高神、現創造神のガイアじゃ、よろしくの~」
「元最高神ということは」
俺はアルダナのほうを見ると、彼女は目を瞑り、
「私の父です」
「やっぱり」
「そういやおぬし、うちのアルダナと結婚したようじゃな」
「はい」
「今度からわしのことは、お義父さん(おとうさん)と、呼んでくれ」
「⋯⋯⋯⋯は?」
この神は何をわけのわからないことを言っているんだ?
そう思ったとき俺は一瞬で理解した。
「だっておぬしは、わしにとっては、義息子じゃからな」
その言葉に反論しようと思ったがすぐに察知した。
断ったら永遠にこの会話が続くことに。
だから俺は、
「わかった」
承諾した。
「それで俺をここに呼んだ理由は」
早速俺は本題を聞いた。
正直、何で境界に呼ばれたかがまだわかってない
「それは加護を与えるためじゃ」
ガイアが口を開いた。
加護とはやっぱりガイアの加護のことだった。
俺はどんな能力が加わったかがきになった。
「早速ステータスを見てもいいか?」
ガイアが頷いたので、俺はステータスを見た。
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名前 ゼロト ミナミトリ
年齢 17
種族 半人半神
職業 不明
レベル 64
HP 536481/536481
MP 573819/573819
攻撃力 91026
防御力 115340
敏力 119800
魔攻力 137590
魔防力 127840
運 1000
【スキル】
炎魔法 Lv.9
水魔法 Lv.8
風魔法 Lv.9
光魔法 Lv.9
闇魔法 Lv.8
回復魔法 Lv.7
鑑定 Lv.MAX
偽装 Lv.MAX
剣術 Lv.7
拳術 Lv.6
槍術 Lv.5
武術 Lv.7
種族用語認識 Lv.MAX
錬成 Lv.5
【固有スキル】
学習 Lv.MAX
能力略奪
能力模倣
転移 Lv.5
蘇生 Lv.7
能力創造
【オリジナルスキル】
なし
【称号】
召喚に巻き込まれし者
神に愛されし者
【加護】
邪神エミの加護
最高神アルダナの加護
創造神ガイアの加護
【嫁】
トモネ オリモト
邪神エミ
最高神アルダナ
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能力創造⋯⋯⋯スキルを作れる。作ったスキルはオリジナルスキルと呼ばれる。
「どうじゃいいスキルじゃろ」
「ああ、ありがとう」
「いいってことじゃよ。そろそろ時間か。」
「はい、残りの内容は、エミに連絡しますので、アナタは今から部屋に来る人の相手をしてあげてください」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯はい?」
その言葉を残して俺は元の部屋に戻ってきた。
その数秒後、俺の部屋に誰かが入ってきた。
その人物は、
「咲音ちゃん?」
咲音ちゃんだった。
新作品も投稿しまいした。
ぜひ、そちらも読んで下さい。