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28 エルフの国

エルフの国の入口には大きな門があり、その前にエルフの騎士が二人立っていた。

その二人はベルを見た瞬間急いでこちらに走ってッ来た。


「王女様!!誘拐されたと聞いておりましたが、ご無事でなによりです!」


二人の騎士は片膝を地面につけ頭を下げた。


「心配をおかけしました。申し訳ありません。」

「いえっ、お気になさらずっ!」

「それに賊も捕まえてきたようですし!」


そう言い、二人の騎士は俺たちを睨みつけてきた。

人間というだけ疑われることは分かっていたが、睨みつける目からは、殺気、憎しみ、恨みなどの不の感情が混ざっていた。


「彼らは賊ではありません、むしろ命の恩人です」

「お、王女様、それは⋯⋯⋯どういう⋯⋯?」

「連れていかれる私を彼らが助けてくれたのです」


それを聞き騎士たちは驚きを隠せずにいた。


「人間が、王女様を助けた?」

「あの人間が⋯⋯」

「とりあえずこの方々にお礼をしたいのでそろそろ通りたいのですが、よろしいでしょうか?」

「こっ、これは失礼を⋯⋯⋯!?」

「どうぞお通りくださいっ!?」


そして俺達は門をくぐった。

エルフの国は簡単に言うと⋯⋯⋯⋯⋯⋯すごかった。ミアネット王国の町は少ししか見ていないがスキルの『学習』のおかげではっきり覚えており、地球の生活とあまり変わらなかったが、エルフの国は魔法がたくさん使われていた。


「⋯⋯⋯スゲェ⋯⋯⋯」

「先輩!?後でデートしましょう!!」

「咲音ずるいっ!ゼロト君、私と」

「ゼロ様、その私ともよろしいでしょうか?」

「今はこの国の人達が怖がるから、また今度な」

「「「うんっ!!」」」


とりあえず今はこの国の人達のことを考え先延ばしにしたが、3人はこの国でデートしたがっている。


(何とかしないとな)


俺はどうやってエルフの国の国民に怖がられないかを考えていると、


「ゼロトさんは優しいのですね」

「どうしてそう思う?」

「貴方は今彼女たちのためにこの国の国民に信頼を得るために何をしようか考えましたよね?」

「まぁな、あの3人は俺と共に生きて行くと言った嫁でもあるし、彼女たちのためなら俺はなんでもする覚悟だし」

「彼女たちがゼロトさんの嫁になれてどれだけ幸せだったかと思うと、私も⋯⋯⋯⋯⋯⋯!?」

「どうした?」

「なっ、ななな、なんでもありませんっ!!それより着きましたよっ」


ベルに言われて前を見ると、大きな城があった。


「どうぞ、お入りください」


そう言われ、城の中に入って行った。城の中は地面は赤いジュータンで道ができており、天井がとても高く、壁は真っ白だった。


「ゼロトさんこちらです」


ベルに付いていくと一つの扉の前に来た。


「お父様、ベルムです。私を救ってくださった恩人方をお連れしました。入ってもよろしいでしょうか?」

「うむ、入れ」


そう言われ、扉の中に入った。そこのは一列に並んでいる身分が高そうなエルフがおり、その奥には王様らしき男が座っている。


「お主が、我がエルフの国の王女、ベルム・マトリナを救った人間か?」

「はい、一応そうです」

「一応とはどういうことだ?お前が助けたんじゃないのか?」

「俺は女の子に暴力をしていたようにみえ、女の子は泣いていたのでイラついて人間を殺した、ただそれだけです」


その言葉を聞いた瞬間エルフたちの警戒心が緩くなるのを感じた。


「お主は、エルフをどう思う?」

「どうって、特に何とも思わない」

「お主は、エルフたちとどうなりたい?」

「出来れば仲良くなりたい」


このように王様からの質問は続いた。

そして最後の質問になった。


「お主は、人間とエルフが闘ったらどちらの味方に着く?」

「俺が正しいと思ったほう」


そういった瞬間、王様は脱力して、


「皆の者、この人間の言っていることは全て本当だ。もう警戒せんでよいぞ。」


王様が言い終わった時、部屋の空気が軽くなった。


「すまんかったなゼロト殿、色々な質問をして」

「いいですよ別に」

「そういやまだ名乗ってなかったな。トロス・マトリナだ。よろしくゼロト殿」

「こちらこそ」


そして俺とトロスさんは握手した。

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