27 ベルム・マトリナ
「そういえば、まだ名前を教えておりませんね。私の名はベルム・マトリナといいます。これからしばらくの間よろしくお願いします。こちらにいるのが・・・」
「ロンだ。俺は人間が嫌いだが、王女様を助けてくれたことには感謝している、ありがとう。だがお前たちと馴れ合う気は無い。エルフの国で問題でも起こしたら直ぐに殺す。覚悟しておけ」
どうやら、この男・・・ロンさんは相当人間が嫌いのようだ。さっきから腰にある剣に手を添えて警戒している。
「よろしければあなた方のお名前も教えてもらってもよろしいでしょうか?」
「俺は零斗だ。よろしくな王女様」
「私は知音。よろしくねベルム王女。こっちは妹の咲音」
「咲音です。よろしくお願いします」
「私はエミといいます。ベルム様、よろしくお願いします 」
「妾はレグレス。エルフの国の王女よ、しばらくだがよろしく頼む」
「お、王女何て呼ばないで下さい。あなた方は私の命の恩人です。気軽にベルとお呼び下さい」
王女・・・ベルは顔を真っ赤に染めて恥ずかしそうに言うと、
「王女様!!」
ロンは叫んだ。流石に呼び捨てはいけないと思ったらのだろう。
しかし当の王女は
「ロン。あなたが大の人間嫌いなのは知っています。ですが人間にも悪い人ばかりではないことはこの前分かったでしょ。彼らには少しくらい気を許してもいいんじゃないかしら?」
「王女様がいうのであれば・・・。しかし何かしたら即殺します。」
「ありがとう。ゼロトさん、お見苦しいところを見せてしまい申し訳ございません。それでは行きましょうか。」
そう言われ、20分ぐらい歩けエルフの国に着いた。