20 魔王幹部
「それにしてもだいぶ進んだのに、魔物の一匹にもでくわないとは運が良いのか悪いのかわからないな」
「そんなこと言って本当は速く新しい力を使いたいんでしょ」
言われたとおりだ。ステータスを確認した後再びダンジョンを歩いていても魔物と全く会っていないのだ。正直戦いたくてさっきからむかむかしている。
「魔物に会わないことはいいことですが、少し様子がおかしいです」
「様子がおかしいってどういうことだ」
「普通ダンジョンは魔物がたくさん生息しており下に行けば行くほど魔物の数は大きくなります。ですが、魔物の気配が全くしません。なのでこの先のボス部屋は気を引き締めた方がいいと思います」
エミはいままでに見たことのないほどに警戒をしている。
しばらく歩くとボス部屋についた。
「ここがボス部屋か⋯⋯⋯」
「ゼロト君なら大丈夫かもしれないけど、一応気を付けてね⋯⋯」
「そう言えばゼロト様、私のスキルを見てみてください」
エミに言われたので、エミの固有スキルにある【パワーハンド】の文字にふれてみた。
パワーハンド⋯⋯⋯所有者が手で触った人の能力を上げる。ただし、所有者が心から信頼している人に限る。
「エミの固有スキルを使えば俺と知音は一時的だがパワーアップできるということか?」
「はい、そうなります」
ボス部屋にはなにがあるかわからないから先に知音をパワーアップしてもらった。
「それじゃあ、いくか」
「「はいっ」」
そして俺は前にあった扉を開けた。扉の中には、部屋がありその少し奥に一人の男が立っていた。
「これはこれは、人間ふぜいがよくこの場所までたどり着くことができましたね」
男は笑みを浮かべながら言った。
「お前誰だ?」
「フフッ、今から死ぬやつに名乗るのは面倒ですがいいでしょう。私の名前はロック、悪魔で、魔王様の執事をしており、魔王幹部の一人です」
まさかここで魔王幹部に会えるとは思っていなかった。とりあえずあいつのステータス見るか。
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名前 ロック
年齢 139
種族 悪魔
職業 執事 魔王幹部
レベル 149
HP 493889/567489
MP 767382/897621
攻撃力 19340
防御力 7826
敏捷力 5863
魔攻力 10238
魔防力 9981
運 0
【スキル】
炎魔法 Lv.4
水魔法 Lv.4
風魔法 Lv.4
光魔法 Lv.4
闇魔法 Lv.4
【固有スキル】
呪縛 Lv.9
【称号】
魔王に認められし者
【加護】
なし
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「魔王の幹部もだいぶ弱いな」
「⋯⋯⋯なるほど、貴方は鑑定が使えるのですね。確かに、私は弱いですけど、なめていたら後悔しますよ。それに私は魔王幹部の中で最も最弱ですが、これまでたくさんの人間を殺してきました。貴方がたも殺してあげましょう。そこのお嬢さんは片腕がないからといって容赦する気はないので逃げるのなら今のうちですよ」
そう言えば知音の腕治してなかったな。
「知音戦うか?」
「私はどんなことがあってもゼロト君と一緒に戦うよ」
「そうか。でも無茶はするなよ」
「うんっ」
「それでは行きますよ」
そう言ってロックは攻撃してきた。
『最弱スキルかと思ったらチートスキルだった』を読んでいただきありがとうございます。
もうすぐ高校受験で1週間程度投稿することができないかもしれません。
質問などは答えられるので質問はいつでも受け付けます。
これからもよろしくお願いします。