12 最高神
「初めまして。南鳥 零斗君、織本 知音さん」
「ようこそ、境界へ」
俺と織本さんは、知らない場所に倒れていた。
そこには、二人の女性がたっていた。
「お前達は、誰だ?」
俺は少し警戒しながら聞いた。
「自己紹介がまだでしたね。初めまして。私はアルダナと申します。神のトップで最高神をしています。以後お見知りおきを」
「私の名はイーリスと言います。よろしくお願いします。」
「イーリスって、私の加護⋯⋯⋯?」
「はい、そうです。」
(ふ~ん、アルダナは神のトップ、最高神で、イーリスは織本さんの加護ね~)
そう思いながら、俺はアルダナを睨みつけるかのように見た。
「そのような目で見ないでください。言いたいことはわかっています。どうして自分には加護がないのか、ですよね?」
「もしかして思っている事がわかるのか?」
「はい」
「一つ聞きたいんだがいいか?」
「答えられる範囲でしたら⋯⋯⋯」
「何で俺には加護がないんだ?」
「実は、今回、あなたをここに連れてきたのは、あなたに加護を与えるためなのです」
「どういうことだ?」
「あなたに加護がないのはこちらの事情なんです。本来なら一人に一つの加護を与えなければなりません。しかし、最後の一人だけ加護の神が足りなかったのです。」
「だから俺に加護がなかったのか。まぁ、事情だけに、しょうがないか」
「しかし、今回、南鳥君に与える加護がついに誕生したのです。正確には新しい神が誕生したのですが」
「それじゃあ、俺も加護が与えられるのか?」
「はい、その前にそこの部屋で勉強をしてきてください。」
「なぜだ?」
「それは、今のあなたでは加護を制御できません。制御するためにはあなたのスキル、学習の能力を使うのです。あなたのスキルを使えば、すぐに強くなれます。」
「わかった」
そういって、俺は部屋に入って行った。
~~~知音 said~~~
神たちに自己紹介された後アルダナさんと南鳥クンが話していた。
私はそれを見ており、やがて話終わると南鳥君は部屋に入って行った。
「それでは、今のうちに織本 知音さんの用事を済ませておきましょうか」
そう言いながらアルダナさんはこちらを向いた。
私に用事?
何だろう?
「そのことについては、私が説明しましょう。知音さん」
そう言って、今まで黙っていたイーリスさんが、前に出てきた。
「イーリスでいいですよ、知音さん。」
「私も呼び捨てでいいよ。それにしてもイーリスも心が読めるんだ」
「はい、話がそれてしまいました。本題に入りましょう。あなたをここに連れてきたのは、ステータスを更新するためです。」
「ステータスを更新?」
「はい、本来ならこの場に呼び出すようなことはしないのですが、知音が南鳥君と一緒にいたので一緒によびました。」
「ステータスを更新ってことは、私は強くなれるの?」
「はい、強くなれます。」
「南鳥君を守れるぐらいに?」
「はい」
「でもあなたは、彼に守られる側になりますよ。」
今まで黙っていたアルダナさんがしゃべった。
「それって⋯⋯⋯どういう――」
私が聞こうとした時、南鳥君が部屋から出てきた。
それと同時に私は驚いていた。
なぜなら、南鳥君の目は赤くなっており、髪は白色になっていた。
何より⋯⋯⋯なくなっていた右手がもとに戻っていた。