9.5 織本 知音の思い
ボク、織本 知音は、恋をしていた。
ボクが恋をしたのは2年前。
~~~2years ago~~~
「はぁ、はぁ、寝すぎた~」
ボクは、中学校に通うために、電車を使っている。
「うぅ~」
今日の電車は人が多い。
いつもなら、もう少し速い時間に来て人の少ない電車に乗る。しかし、昨日は、受験勉強を夜遅くまでしていたため、いつもより遅くなってしまった。
(明日は、今日より早く起き――――――――)
そんなことを思っていると、
「ッ!!」
誰かがボクのお尻を揉んできた。
(えっ、ち、痴漢⋯⋯⋯声を出さなきゃ!!)
そう思っていても声が出ない。
そんなとき、
「そこの女の子のお尻を触っている男の人。今あなたがそこの中学生?のお尻を触っているのを見ました。次の駅で降りてもらい、駅員さんに事情を話します。」
そう言って、彼は次の駅で降り、痴漢の男も一緒に降ろされた。男は、抵抗しようとするが、電車に乗っていた人達によって、すぐに降ろされた。
ボクも一緒に降りた。彼には「学校があるだろうか学校に行っていいよ」と言われたが、ボクは、「ボクがいたほうがいいと思います」といいのこった。
結果的に、痴漢の男は警察の人に連れて行かれた。
その後、ボクは助けてくれた彼にお礼を言おうと思ったがもういなかった。
ボクは、いつの間にか彼のことを考えることになった。
そして気付いた。ボクは彼のことを好きになっていた。もう会えないかもしれない。でも、会えることができた時、お礼を言って、友達になってから、仲良くなって、告白しよう。
そう決意して残りの中学生活送った。
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~~~1years ago~~~
ボクは、無事に高校に入学することができた。
そのとき、ボクは気付いた。あの時の彼だ、ボクの好きな彼がいた。
だけど彼は、ボクのことを覚えていなかった。だからボクは彼があの時のことを思い出すまで、助けてくれたことを話さないことにした。
彼の名前は南鳥 零斗。とてもいい名前だと思った。
それから南鳥クンとはたまにしゃべるくらいの仲になれた。
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高校に入学してから1年がたち、ボクは、2年生になった。
3ヶ月すぎたら、南鳥クンの周りには、美少女四天王が集まっていた。
ボクから見たら彼女達は、南鳥クンのことが好きだということがわかった。
(ボクも負けてられない)
そう思った瞬間、足元に魔法陣が出てきたいつの間にか、知らない場所にいた。
ボクは、すぐに理解した。『異世界召喚された』と。
その後、ボクはステータスを見た。
とても強かった。その後、国王の前でステータスを公開していたら南鳥クンだけステータスが低かった。
(だったらボクがまもろう)
そう決意して訓練をしていった。
南鳥クンがいじめられているのをみると、ボクは、助けに入った。助けるにつれて南鳥クンとの距離が近づいた気がした。
ついにダンジョンに行く日になった。やはり、美子ちゃんたちが南鳥クンの周りに集まった。
ボクも、南鳥クンの近くで戦おうと思い、近くにいた。
順調にダンジョンを進んでいきついに5階層についた。
5階層に突入した。
「がおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
壁が突如崩れ、そこから3つの首がある魔物が出てきた。
「相手が悪すぎる。全員撤退しろ!!」
アイザックさんが、撤退する指示を出し全力で撤退しはじめた。
「キャッ」
ボクは、転んでしまった。ケルベロスはボクの前にいる。
(これで、ボクの大好きな南鳥クンは助かるんだ。そしてボクは、死ぬんだろう。ボクの大好きな南鳥クンはボクのおかげで助かるなら、死ぬ意味もあるだろう。でも、告白⋯⋯したかったな)
諦めていたら南鳥クンがボクを助けてくれた。
「南鳥クン、どうして?」
ボクが聞くと南鳥クンは、
「僕が霧島たちにいじめられていた時にできた傷、織本さんが直してくれたでしょ。その時、僕とても嬉しかったんだ。それから僕は君を守りたいと思うようになった。」
嬉しかった。もう泣きそうになった。
「だから僕は織本さんを守る。この命に代えてでも」
それを聞いて、ボクは決心した。生きている時は一緒にいよう。死ぬ時は、一緒に死のう。
そして、ボクと南鳥クンはケルベロスとの戦いを始めた。