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第二十二話「たたかいの後に」③

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第二十二話「たたかいの後に」③

---3rd Eye's---

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 一方……西方海軍で唯一生き延びたフリゲート……バラクーダとオイギスの艦上。


 両艦ともマストは破れ、甲板中穴だらけで、そこらかしこで煙が燻り続け、負傷兵が所狭しと横たわり、もはや敗走状態に近い有様で、その上つい先程まで帝国艦隊の追撃を受けていたのだが。

 

 アオイ達が合流し、鮮やかに追撃艦隊を撃退した事で、それまでの絶望的な雰囲気はどこへやら、アオイ達と共に生還したアリーからの戦勝報告を受けて、両艦の艦上はもはや宴会状態になっていた。 

 

 敗走から一転……帝国に痛撃を与えた英雄と共に勝利の凱旋ともなれば、こうなるのも当然といえば当然だった。

 

 西方の皇都殴り込み部隊は、アリー以外全員未帰還と言う惨状だったが。

 

 ……アオイ達が無事帰還し、おまけに魔王軍や帝国の守護者を撃破し、帝都に大損害を与えたと言う事実は、もはや大勝利を収めたと言ってよかった。

 

 追い打ちとばかりに、夜明けと同時に東方各国の首都で、ビラ撒き作戦が決行される手筈だったので、今頃は東方各国では大騒ぎとなっているのは間違いなかった。

 

「やぁ、アリーさん! やっと開放されたよ……そう言えば、この言葉、言ってなかったよね。お疲れ様……無事生還……おめでとう! そっちも大変だったみたいだね」

 

 船員たちの手荒い歓迎から解放されたアオイがそう言って、アリーに笑いかける。

 

「ア、アオイ様……とんでもないです……アオイ様達がご無事で……私は……」

 

 アリーはそう答えると今頃、緊張の糸がぷっつり切れたのか、フラッと倒れそうになる。

 すかさず、アオイが手を伸ばして、抱きかかえる。

 

「おっとっと……アリーさん……大丈夫? 君は……戦場に立つようなタイプじゃないからねぇ……。疲れたなら、船室でも借りて休む?」

 

「ごめんなさい……私……皆を裏切っちゃった……皆立派に戦って、戦死して……私だけが生き残って……」


 どこか遠い目でブツブツと呟くアリー。

 明らかに様子がおかしかった……。


(ああ、これ……サバイバーズ・ギルトって奴なのかな……。生き延びたことに罪悪感感じて、ストレスでおかしくなるとかそんな感じになるんだっけ……)

 

 別にアオイは心理カウンセラーでもないのだけど、映画の題材や、災害で生き残った人のインタビューなどで見たことがあった。

 けれど、こう言う時にかける言葉なんて、全然思いつかなかった。

 

「あの状況で、助け出せたのは……アリーさんだけだった。他の人は……あいつらの足止めをしてくれた……そのおかげであの場から無事逃げ切れた。それに、帝国軍の追撃も激しかったからね……他の人を連れて逃げ切れたかどうか……正直、かなり怪しかった。アリーさんだけでも助け出せてよかったよ。運が良かった……そう思いなよ」

 

 そう言って、アオイはアリーを抱きしめると背中を優しく叩く。


「そんな風に簡単に思えませんよ! 自分も死ねばよかったなんて、言いませんけどね! 私は……カンザス君や……他のみんなを犠牲になんてしたくなかった……」

 

 そう言って、アリーはアオイの胸に顔をうずめると泣き崩れる。

 ……実は、そのカンザス本人から、アオイへの個人的な頼みということで、イザという時は、アリーだけでも何とか逃してやって欲しいと懇願されていたのだけど……。

 

 困ったなぁ……とばかりにカヤに救いを求めるように目線を送ると、カヤが隣までやってくる。

 

「アリーさん、どうしちゃったのです? はぁ……身体が熱い……思わず脱ぎたくなっちゃいますね……」

 

 祝勝会で、付き合い酒でも飲まされていたのか、ほろ酔い加減の様子。

 おまけに、せっかく船長が気を利かせてくれて用意してくれた水兵服に手をかけて脱ごうとしていた。

 

「カ、カヤちゃん! ストーップ! それ脱いだら、スッパだって言ってたじゃないっ!」


 こちらの世界に来て、一緒に暮らしているうちに解ったのだけど……カヤは酔うと脱ぐ癖があった。

 だから、外で飲ませるのはアオイ的には厳禁だったのだけど……。


「ああ、そう言えばそうでしたね……うふふっ! ところで……アオイ様、アリーさんに何かされたのです? なんか様子が変みたいですけど。」


「わ、私は何もしてないんだけどね。カヤちゃんなら、解るでしょ……サバイバーズ・ギルトって奴。何か、自分だけ生き残っちゃって、自分を責めてるみたいで……どうしよう」

 

「はぁ……そんな事ですか。解りました……じゃあ、そう言う事なら、やっちゃいましょう。」

 

「な、何を……?」


 アオイが戸惑いがちにそう返すと、カヤは上気した顔で艶っぽく微笑む。

 アルコールが入っているのもあるけど、元々色気過多な部分のあるカヤだから、アオイも思わずドキッとする。

 

「傷心の女の子への特効薬……それは、男の方にたっぷりと可愛がってもらうことです。ホント言うと、アオイ様はわたくし専用なのですけど、今日は特別……三人でってのも悪くないですよね?」


 アオイもカヤが何をしろと言いたいのか、何となく悟った。

 一応、あの約束もあるし、こうなったら色々有耶無耶にしちゃうしかないかなーとアオイも腹を決めた。


「二人相手なんて、さすがに経験ないけど……それも悪くないね。んじゃ、アリーさん……ちょっと休もうか……ちょっと失礼してっと」

 

 そう言って、アオイはアリーをお姫様抱っこにすると、船室に向かう。

 そして、無造作に、アリーをベッドに下ろすと、アオイとカヤは揃いも揃って、怪しく微笑む。


「あ、あの……アオイ様、カヤ様……な、何をされる……おつもりなので?」

 

 戸惑いがちのアリーさん。

 ついでに言うと、アリーさん……年齢=彼氏いない歴の喪女と言うやつなので、そんな経験は皆無だった。

 

「うんうん、こう言うときは、こうするに限るよね? 安心して、優しくするからさ……ここはひとつ三人で楽しもっか!」

 

 それから……。

 二人がかりでアリーさん相手に「色々」しまくった訳なのだけど……。

 無粋な邪魔が入ることもなく……それは滞りなく遂行された。


 具体的には、大人の事情で省略する。


 命懸けの戦場帰りで、こんな事……よくやると言う話なのだけど。

 アオイ様もカヤ様もこう言う人達なので……。


 少なくともアリーさんはサバイバーズ・ギルト云々どころじゃなくなったのは確かだった。

 

 何と言うか……めでたしめでたし……と言う奴だった。


はい、アウトーッ!(笑)


こいつらのせいでR15タグが付いたようなもんですよ! まったく…。

でも、カヤ様はこう言う人なのですよ!


ガンフロの方では、色々やらかしてる過激派肉食系女子なのです。(笑)


属性アライメント的には、アオイはカオティックライト、カヤはダークよりのカオティックニュートラルってとこですかね。

どっちも秩序とかルール無用だけど、悪人じゃないですからね。


くろがねはローフルニュートラル、しろがねはニュートラルライトってとこです。

これで分かる人は、メガテン好きかTRPGやってた人かな…。


属性の話は奥深いので、詳しくは活動報告でっ!

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