エピソード1~スマホ~
「そうだ、ねえ圭ちゃん」なにかを思い出したかように佳祐に話しかける。
「何?」圭佑も先程蹴られたことを忘れて、桃華の方を見て話す。
「今日ね友達と遊びに行った時に、知らない人が喋りかけてきたんだよ」
「へえ~それで」圭佑は、また自分の自慢話かと思い適当に聞き流していた。
「それでね、って圭ちゃん聞いてる?」少し不機嫌そうに圭佑に言う。
「き、聞いてます」何かの殺気を感じたのか、何故か正座になり話を聞いた。
「本当に~?」ドS心が働いたのか桃華の目が細くなり口元が緩んでいた。
「はいぃぃぃぃ。最初から最後まで生まれた時からずっっっと聞いてました」
桃華の顔が、獲物を狩るライオンみたいに見え、圭佑の体がけいれん
したかように震えていた。
「まあ、いっか。それで話戻すけど、その人がこんなスマホくれたんだ」
恐怖という嵐がさって安堵しながら桃華の話を聞いた。
「見して」圭佑は桃華からスマホを手に持ち画面を開けた。
「なんだこれ?」圭佑は頭上に?マークを浮かばせスマホを弄る
「ね、おかしいでしょそれ。検索しかできないなんて不良品かな?」
姉弟そろって頭上に?マークを浮かばせた。
「それ、圭ちゃんにあげる」
「いらねえよ、こんなわけもわからないもの」圭佑がそう呟くと
「え、要らないのそれ」先程の顔で圭佑を睨んだ。
「わーい。桃華さんのプレゼント嬉しいな」圭佑はもう限界だった。
「それにしても変な携帯だな」自分の部屋のベットで例のスマホを弄る。
「何か、検索してみるか」圭佑はふとテレビに顔を向けると子ども向けの
勇者アニメが放送されていた。
「へえ、勇者か」圭佑は小さい頃、勇者に憧れを感じていた。
「懐かしいな、よしゆ、う、しゃと検索」勇者と検索するといきなりスマホ
が光り出した。「な、なんだ」その光は圭佑を包み込むように光と共に
圭佑はその場から消えてなくなった。