一人と一台の教室
僕の名前は吉原 真今年から高校生になる15才のどこにでもいる男の子だ。
どうしても独り暮らしがしたかった僕はお母さんに
「東京の学校に行きたい!!!」
と言い土下座したら何とか了承してもらえた。してもらえたのだが、独り暮らしがしたかっただけで特に行きたい学校があったわけではないのでいく高校に困っていた。
ネットで高校を調べていると、『大学園』という私立校をみつけた。
最近設立されたばかりの学校らしく、とても安い金額で通えるというメリットもあり僕がすみたいなーと思ってた場所に近かったのでここに通うことにした。
受験も見事受かった。
東京の町並みにドキドキしながら僕は通う学校の真新しい制服に身をつつみ学校に行った。
徒歩十分なのでかなり近いと思う。
そして入学式で校長の長い話があったがどうせ聞かなくてもいいとおもい、軽く聞き流していた。話が終わった後、僕は自分のクラスになった1ーAの教室に向かった。
「お、ここかな?」
ガラッ
僕はドアを開けた瞬間にすぐドアを閉めた。だってそこには信じられない光景があったのだから。
「なんで…」
僕は寝不足だと思いドアをもう一度開けた。しかし同じ光景だった。
「なんで机と椅子が一人分しかないの?…」
僕は近くを通った先生に訪ねた。
「先生!教室に僕しかいないし、机と椅子が1つしかありません!」
すると先生はクスクス笑いながら
「なにいってるの、あなたの教室なんだから当たり前じゃない。」
「へっ?…」
僕は意味が分からなかった。
「パンフレット読んでなかったの?この学校では一人につき一つの教室があたえられるのよ?」
「そ、そうなんだ…」
やけに広い学校にたくさんあった教室はこのためだったのか…
その後先生が学校のパンフレットをくれたのでそれをもらい教室にはいった。
「あーぁ、変な学校に入学しちゃったなぁ…」
と、少し落ち込んでいたが、ふと教室に黒板がないことに気づいた。
その代わりにとても大きいディスプレイがあった。
「なんだろ、これ」
なんとなくつついていたら画面がついた。
あ、これおこられちゃうかなー?と思い消そうとしたら
「おい」
と声が聞こえ、僕は、先生が来ちゃつてばれちゃったか、と思いドアの方をむくけど誰もいなかった。
「あれ?気のせい?」
僕はとりあえずまたディスプレイを消そうとしたら、
「おいって!」
「あ…」
僕は気づいたのだ。その声の主が目の前にあるディスプレイだということに。
「ぎゃああああああああああ」
僕は悲鳴をあげた、だってディスプレイに犬みたいな顔が写ってしゃべってるんだよ?
「落ち着け人間。話を聞け。」
ディスプレイが僕を諭すように語りかけてきた。
「俺は学校に作られた電子プログラム。いわばロボットだよロボット。各教室に一台あるんだよ。んで俺がお前の担任。分かったか?ユーアーアンダースタン?」
「た、担任?」
ここ大学園は設立されたばかりだからすごい進んでいるのか…と、自分を納得させた。
いや、まて、もしかしてこのディスプレイにもしかして三年間勉強を教わったりするのかな?それはいやだなぁ…
「いやだとはなんだ!それに普通の授業は全て移動教室だしもちろん他の生徒達と一緒だ!」
「え?何で心の声を…」
「そりゃあ制服に意思を共有して離れていても俺と話せるようになっているからな。なに考えてるかとか丸わかりだぞ?」
「それって人権とか侵害してませんか?…」
「別にいいんだよ!だってこの学校無法地帯だし警察これないし」
「さらっとすごいこといったよね!?ここすごく危ない場所じゃん!!!」
「冗談だ、ちゃんと国に許可をとってあるさ、もちろん無法地帯でもない」
「機械にもてあそばれてる…何か悔しい」
「大丈夫だお前ら人間の何億倍も知能が上なんだからお前では話にならんよ。」
「機械に嫌味までいわれた…(泣)」
悔しいよお母さん…
「 お前マザコンなのか…?」
「いちいち人の心読むな!てかマザコンじゃないし!!!」
「あぁ、てかいい忘れてたがもうお前帰っていいんだぞ?今日は担任に挨拶すればもう帰っていいって校長の話があったはずだぞ。もうお前しかがっこういない。」
「うそ!?そんなこといってたっけ?」
「お前が話聞いてなかっただけだと思うが…」
「ぬぅ。ま、まぁもう疲れたし帰るね」
「あぁ、また明日な」
そっかまた明日もこの人…じゃなかったこのロボットと会うのか…
「お前それきこえてるからな…?」
とりあえず帰宅した。
シャワーを浴びた。
ご飯を食べた。
そしておもった。
入学しなけりゃよかったあああああああああ
もう手遅れですけどね(笑)