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アロマ・サジェスタ

 ――私の母は、優しかった。


 お父さんはいなかったけれど、それでもお母さんが優しくしてくれたし、余り気にはならなかった。

 ただ、そのことについて一度だけ聞いてみた事があるけれど、母が悲しそうな顔をしたものだから、これは聞いてはいけないことだと子供ながらに分かった。



 生まれて来た時のことは、少しだけ覚えている。

 狭くて、だけど暖かいところから、明るく寒い場所へ飛び出す感覚。

 それが恐ろしくて、私はただ震えていた。


 だけど、いや、だからだろうか。


 私は、生まれた時に産声を上げなかったらしい。


 後に聞いた話だが、産婆が何度も背中を叩いてようやく上げた、とのことだった。


 父はそれを見て、どうせ強く育たないと思ったのだろう、私の事を見捨てたそうだ。


 どの様な事情でそうなったかは知らないし、特に興味も無いが、私は子供のいない貴族の名家に引き取られることになった。

 それがつまりは、私が母だと思っていた人の家……サジェスタ家であった訳だ。


 体が弱かったその人は、結婚と言う選択肢を自分の人生から除外して、跡取りを求めて私を引き取ってくれたらしい。

 特に性別で優劣を定めない魔族らしい考え方ではあると思う。

 もし万が一これが人間であったなら、私が男でなければその人もきっと私の事を貰ってはくれなかっただろうし、何より前述したとおり私を育ててくれた人は(ややこしいから今後は母と呼称を統一しよう)優しかったから、きっと私は幸運であったんだと思う。


 いや、間違いなく幸運であったし、幸福であった。

 そこに疑問の余地はおかないこととする。


 幸い、私の本当の父の思惑とは異なり、私自身は健やかに育った。


 だが、今更彼は私の事に興味など無かったのだろう、私はそのままサジェスタ家の跡取りとして相応しい教養を身に付けていくこととなる。


 ただ、やはり生まれが生まれであった。

 やんごとなき私の体を流れる血は、恐らく政争の種になるとでも思われたのだろう、私を引き取ったサジェスタ家は、名家ではあるが『シャイターン』が支配する地方に接しており、『ディアボロ』の中央には殆ど影響力を持たない家柄であった。

 更に、今後のディアボロとシャイターンとの関係も考慮された結果、私は人質としてシャイターンの領土で一時を過ごすこととなる。



 そこでの生活も、特に辛いことはなかった。

 シャイターンの人たちは皆優しかったし、土地柄も暖かく、ここでも特に病気などにもかからず、楽しい生活を送ることが出来たからだ。

 人質と言う名目ではあったが、元々そんなに仲が悪い勢力同士でもない事が幸いしたのか、私は大変丁重に扱ってもらった。


『ほれ、飴ちゃんやるでな、飴ちゃん。甘いもん好きやろ?』

『食い終わった包み、よこしいな。おばちゃんがほかしたるけんな』

『なんちゃーな、こんいたずらっ子め、ほれ、こっちゃこぉ』


 ……言っている意味が最初はいまいち分からなかったが、基本的にみんな優しかった。


 特に、かつてシャイターンの頂点にいたザッハークお爺様は私を実の孫のように可愛がってくれた。


 この方は、かつて人間の勢力が最大級に高まった時代、魔族が滅ぼされそうになった際には、人に化け、その余りある力により一国を支配し、内乱を誘発させて人間の力をこの上なく削ったという恐ろしい英雄であった。


 でも、今では好々爺としか言いようの無い人で、私はそんな姿しか知らないから、昔話の英雄とこの優しい人がどうしても一致せずに首を捻ったものだった。


『ワシの飯はまだかいのう』

『お爺ちゃん、ご飯は昨日食べたでしょ』

『そうだったかいのう』


 毎日食べさせてあげてよ!


 そんなツッコミを入れると、ボケたふりをしたお爺様が私の頭を優しく撫でるのだ。


『な、ひどい嫁じゃろ?』

『ウチの大事に取っておいたお菓子を食べるから悪いんです。ウチの人が言うとりましたわ、昔から先代様はそうだったって』

『人の物ほど美味しそうに見えるんじゃよなあ』

『このクソ爺』


 ……うん、みんな優しくて、楽しい人たちだった。



 そんな楽しい生活は、三年ほど続いただろうか。


 一度、魔王陛下のご家族がシャイターンに親善の名目で視察に来たことがある。


 ……今更取り繕うことでもない、私の本当の両親と、その娘……私より一つ歳が下の妹が、すぐ近くにいるという状況になってしまった。


 私を捨てた人達と、その娘。


 本当はもう一人いるらしいけれど、まだ赤ん坊だから城でお留守番をしているらしい。


 何故私がこんな事を知ったかと言うと、簡単な話だ、母が話してくれた。


 私は本当の母親ではないし、貴女の本当の両親には、会うのは難しいが、一目見ることは出来るだろう。


 どうする? と。


 ……繰り返すが、母は優しい人だった。


 しかし、私の事を腹を痛めて生んだわけではない。


 もしその時の私が今の年齢であれば、彼女に今まで育ててくれた恩を感謝し、それでも貴女が私の母です、と。

 そんな気の利いた事を、きっと言えたに違いない。


 そう言われた子供がどう思うかは推して知るべし、肉体的な母親になることが出来ず、ある種の気遣いを忘れてしまったその人に対し、今でも後悔するような言葉を吐いて、私は逃げ出した。


 寄らば大樹の影。

 お爺様に連れて来てもらったことの有る、シャイターンの城の中庭にある大きな木の下で、泣きながら蹲った私に声を掛けてきた女の子がいた。


 それが、クリステラ・ヴァーラ・デトラとの初めての出会いであった。


「かっこいい角だね」


 そんな風に、気安く声を掛けてきたのを未だに私は覚えている。


「あたしの羽のほうがかっこいいけどね」


 そんな風に、失礼な言葉を続けてきたのも。


 私のくるくるした角は、まだ頭身が低かったこともあり、妙に顔が大きく見えることもあってちょっとしたコンプレックスであったが、かっこいいと褒めてもらったことが嬉しくて、その子と素直に遊ぶことにした。


 かくれんぼ。

 追いかけっこ。

 おままごと。


 手ぶらであっても、彼女と全力で遊ぶのは充実した時間だった。

 自分と近い年齢の者と遊ぶ機会が少なかったのはその子も同じであったらしい。

 一通り色んな遊びをした後には、すっかり仲良くなれた。


「あたしのパパ、ずっと難しい話しててつまんないよ」

「いいじゃない、パパがいるだけでも。私なんて、パパがいないのよ」

「ふーん。ママは?」

「ママは……いるけど……」

「あたしのママも、あんまりあたしに構ってくれないし。ねえ、あなたのママは優しい?」

「……うん。優しいよ」

「へえ、いいなあ」


 いいなあ、と。

 そう言われた。


 そこで、やっと思い出せたのだ。

 私の母は優しくて、血の繋がらない私を大事に育ててくれた。

 当たり前どころではない、とんでもなく素晴らしいことを自分を育ててくれた人がこなしていたことに、不意に気付くことができた。

 それをこのタイミングで気付けたことは、自分の人生の中でもとびきりに優れたことだと、そう思う。


 父も母もいる人に羨ましがられる、そんな境遇であったのだ。

 私は幸福であった。







 ――へえ、羨ましい――


 ――で、その後はどうなったんです――?



 ――クリスとは、再会の約束をして、抱き合って、別れた。


 ともあれ、私は彼女のおかげで母と仲直りする気持ちになって、母に今までの感謝を伝えることが出来た。

 母は、涙を流して私を抱きしめてくれたし、私は母以上に顔をくしゃくしゃにしてありがとうとごめんなさいを繰り返し告げた。


 それだけの話で終われば良かったのだけれど。


 クリスの話を母にしたら、彼女は顔色を変えた。


「その方が、ディアボロのお姫様よ」


 ……ふうん、と。

 それだけを思った。

 ただ、自分の妹と仲良くなれたのであれば、それはきっと良いことである筈だ。


 その筈だったけれど、少しだけ、私の心に刺さった棘がある。



 あの子が、私のパパを奪ったんじゃないだろうか。


 あの子の場所にいるのは、本当は私だったんじゃないだろうか。



 ――くだらない考えだ。

 そんな事は分かっている。

 もう、自分は今の境遇に納得した筈だろう。

 そう、自分に言い聞かせた。




 つまり、言い聞かせる必要があった。




 ……自分の内面を晒すというのは、思った以上に気恥ずかしい。


 でも、私は所詮小娘だ。

 未だに賢者になどなれてはいない。

 エヴァ・カルマでは有るまいに、別にそんな長生きをしている訳ではないのだし。



 ……話を戻します。



 ……自分でも、あの時の私のモチベーションは凄かったと思う。


 再会を約束したクリス、彼女の傍に行く為に、私は有能な人間となるよう自分を磨き続けた。

 魔術は元より、軍事、政治、経済、法律、算術、歴史、その他諸々。

 十にも満たない幼児でありながら、幸い私は頭のつくりが良かったらしい、みるみる知識を吸収することが出来た。


 いずれ王となるであろう彼女の為に、私は自分を鍛え続けた。

 充実した日々だった。

 明確な目標があれば、誰だってそんな日々を送れる。




 そして、クリスとの約束の成就の日は思いのほか早く訪れた。


 シャイターンでの人質生活が終わり、母は私の意を汲んでくれたのか、ディアボロ領内の学校に進学させてくれたのだ。

 そこは、人間で言う大学のような場所であり、年齢こそあまり関係が無いものの、自分の学びたい講義等を選択できる。

 まあ、私が通った学校は身分の高い者しか入学は許されなかったけれど。


 そこで私はクリスと再会した。


 数年ぶりに出会った彼女は、一目で私に気付いてくれた。


「アロマちゃん、相変わらずいい角してる」


 クリスは、全然変わらなかった。

 あの頃の、優しい女の子のままだった。


 クリ坊、マーちんと呼び合う仲になり、楽しい学生時代を送ることが出来た。

 暫くしてから、自分の妹だ、とエルちゃんを紹介された。

 まだエルちゃんは、よちよち歩きの歳であったけれど。


 ……彼女の家に遊びに行くことは流石に無理があったので、私が住んでいた宿舎に彼女達が遊びに来る(というより、クリスが突撃してくる。エルちゃんを抱えて)のが、私達のスタイルだった。


 勿論、幼いエルちゃんが連れ出される度にクリスは、世話係であったセルフィに怒られていたらしいが。

 とは言え、その時分から声の小さかったセルフィの言うことを無視してクリスは相変わらずエルちゃんと一緒に私のところに遊びに来たし、セルフィはその度に涙目になっていた、とのこと。


 ――初めまして。私が貴女のお姉ちゃんよ。


 ……クリスに対しても、エルちゃんに対しても、こう言いたくなってしまった事があるのはあるのは否めない。

 しかし、それでも私はそんな事を口にせずに済んだのは、彼女達が大好きであったからに他ならない。


 私がそんな事を口にすれば、私と母の首が飛ぶだけでは済まないし、何より彼女達が悲しむだろうと思ったから。





 ――ああ、でも、やっぱり、父親がいないのは寂しいことで。


 言い訳なのは分かっているけど、いえ、だからこそ私は、あんなことを。


 あんなことをしてしまった。




 ……シャイターンとは、未だに良い関係が築けていると思う。

 それは、思い上がりでなければ、過去の私のコネクションのおかげでもあるだろう。


 何より、ザッハークお爺様がいまだに私の罪を明らかにしていないという事実が、彼がディアボロを支持してくれているという証左に他ならない。



 ……ザッハークお爺様の体液からは、魔族すら殺害しうる猛毒が抽出される。

 かつて世界を恐怖に陥れた、この世で最も強力な毒だ。

 それは、基本的に人間を殺傷する目的にしか使われたことがなかったものであったけれど。



 ――――――――――――



「アロマ・サジェスタと申します。貴方様に忠誠を誓います。お見知りおきを、陛下」


「うむ。以後励むが良い」


 自身の鍛え上げた能力を、ディアボロで、クリス達の為に振るおうと思った。

 ……私がディアボロに来たのには、それ以外の理由も、自覚はしていなかったと思うけれどきっとあったんだろう。

 だからこそ、先代の魔王陛下に自己紹介をした時に私は必要以上に緊張していたのだろうから。


 でも、名前まで名乗ったのに父は私に気付いてくれなかった。


 その時、やっと腑に落ちたのだ。

 自分が父に捨てられた、という事実が。





 ……後で聞いたが、陛下は私がどの家に養子に出されたのか知らなかったらしい。

 余計なことを考えないで済むように、と言う臣下の心遣いだったのだそうだ。


 ふざけてる。

 

 ――いや、それを知っても私はきっと。


 ――あの時の私の行いは、セルフィに知られた。共犯者といってもいい。


 ――私は、私の居場所が欲しかった。

 アロマ・サジェスタとして手に入れた場所が、他でもない、アルマイラでもない、この私が作った居場所が欲しかった。


 ――だから、わ、私は自分の弱さの所為で、あの方を目にするのが耐えられなくって……あんな、あんな恐れ多い……。

 ごめんなさい、ごめんなさい……。



 ――日に日に弱っていく陛下は、最後に私を呼んだ。


 ――『クリスとエルを、頼む』


 ――その言葉は、甘い毒。逃れられない。だって、貴方は私を見てくれなかった癖に。


 ――最期の最期に、そんな事を言うなんて、卑怯じゃない。


 ――男なんてもう信用できないから、私は女だけを重用して――




 ――それでも貴女は、お父さんが欲しかったんでしょう?



 ――ぱん。


 胸の前で、手拍子を一つ。

 そこで、アロマさんの過去を一区切りすることにした。

 ちょっと、負担が大きすぎたよね。アロマさんにも、ティア様にも。


 それにしても、この人も随分と重い荷物を背負ってきたもんだ。


「アロマさん、お疲れ様です」


「わ、私だって、私だって、あんなこと、した、し、したかった訳じゃ」


「……咎めないと言ったでしょう? 良いんですよ、アロマさん」


「ほ、本当の私は、あ、アルマイラ、そんな、酷いよ、名前も奪うなんて。ちゃんと健康に育ったじゃない、なんで捨てたのよ! なんで!」


「……」


「見たわ、見ちゃったのよ、本当のお母様の日記。私は、アルマイラって名づけようって。でも、捨てたの、あの人達、私を」


「……似たような名前を付けたのは、育ての親の方ですか?」


「そんな言い方しないで! 私のお母様はあの人よ! ……ええそう、そうです、せめて、本当の母親の愛情の欠片を、この身に少しでも残そうって心遣いよ。笑えるわね、笑いなさいよ!」


「あっはは」


「笑うな! 貴方に何が分かるの!?」


 滅茶苦茶だなあ。

 笑えって言ったのは貴女じゃないですか。


 笑えるよそりゃあ、アロマさん。


 貴女、ちゃんと愛されてたじゃあないですか。


 この欲張りさんめ。


 ……でもまあ、足りなかったんでしょ? 愛情がさ。


 愛が欲しいなら幾らでもくれてやるよ。


 お前がそんなに寂しいって言うんだったら、僕が幾らでも愛してやるさ。


 愛してあげる。

 愛させてください。


 アロマさん。


 愛してますよ。



「アロマさん」


 ……彼女の手枷を、アリスさんから預かった鍵で外しながら呼びかける。


「…………何です」


 一切の抵抗はなかった。彼女は項垂れたまま、聞こえるか聞こえないか、そんな蚊の鳴くような声で、呟いた。


「貴女が欲しかった『もの』、差し上げましょうか」


「……言ったでしょ。貴方に何が分かるって言うのよ」


「…………」


「答えなさいよ、答えろ! 私が、私の何が分かるって言うんだ! お前なんかに、人間の貴様如きが、私に何を与えられるって言うんだよ! 答えろ、このクズが!」





「『   』」





「……はあ?」


「だから、『   』って言ったんですよ、アロマさん」


「……ばっかじゃないの、そんな、何も知らないあんたが」


「話してくれたじゃないですか。貴女の罪。貴女が辛かった事。苦しかった事。寂しかった事。それに……愛されていた事も」


「……じゃあ、なんで」


「……」


「なんで、そんなことが言えるの……?」



 ――ぱん。



「僕が貴女のお父さんだからですよ、アロマさん」


「……馬鹿なことを言わないで頂戴」



 ――ぱん。



「寂しかったんでしょう? 頭を、撫でて欲しかったんでしょう?」


「……知った風な口を利かないで……」



  ――ぱん。



「褒めて欲しかったんだろう? 違うかい、アロマ」


「……やめて。分かったから、もう分かったから、それ以上はよして! ……あっちに行って!」



  ――ぱん。



「言ったろう、アロマ。『ゆるす』って」


「っ、嘘よ! 私がしたことは、許される訳が!」



  ――ぱん。



「ほら、お父さんが慰めてあげるから。こっちに来なさい、アロマ」


「…………」



 ――ぱん!



「今まで良く頑張った。お前は自慢の娘だ……」


「…………!」



 ――ぱん!



を殺した事も、『赦す』。クリス達に嫉妬したことも、『許す』。クリス達から父親を奪った事も、『ゆるす』……」


「……ぉ……お……!」




 ――ぱん!




「……もう、一人で無理しないでも良いんだよ。おいで、アロマ」



「お父様ぁ!」




 ――ぱぁん!






 ――――――――



「……じゃあ、奪ったものは陛下の部屋にきちんと戻しておきなさいね」

「了解しましたぁ、アロマさん」

「はいはい、良いお返事ね……あら、ピュリアはどこ行ったのかしら?」

「なーにを仰る、さっきご自分でお許しになられたじゃないですか。とっくの昔に逃げ出しちゃいましたよ」

「あら……そうだったかしら」


「ええ、もう『許された』んです。良かったですね」


「? ああ、そう……そうね」

「……それじゃ、失礼します」


「あ……ま、待って」


「はい」


 そう言って振り向いたこの男に、私は……。


 ……? 何を言おうとしたんだろう。


「どうなさいました?」

「え、ええと」

「…………」

「あの、うう、ええと」

「…………」

「あ、あのね」






 ――ぱん。



「アロマ」


「は、はい! お父様!」


 そうだ、私はアロマ、アロマ・サジェスタ。

 もう私は、アルマイラじゃない。

 そんなものいらない!


 この人は、私の事を分かってくれている!

 やっぱり、この人は私のお父様だ! 


「焦らないで。ちゃんと、貴方のお父さんになってあげますから」


 だから。


「ちゃんと良い子にして、待っててくださいね?」


「はい、お父様。アロマは、その日をお待ちしておりますわ」




 ――ぱん。




「それでは失礼しますね、アロマさん」


「ええ。またね、ナイン・・・





 …………ひひ。


           あっはははは。くひひひひ。



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