アリスの日記2
――アリス・クラックス諜報員の私的日記より抜粋。
『あいつはやっぱりガロン隊長を誑かしていた。たぶらか いた
私は、アロマ様に報告した できなかった。
何度も、言おうとしたら、口がパクパクして言葉が出ない ア
ロマ様に、変な目で見られた。
くやしい、かなしい
なんでわかってくれないのよ
また冷たくされた。あの宰相は信用できない。
加えて、ナイン様の脅威となりうると判断。
違う。あいつなんかどうでもいい
の
うそ そんなわけない
ひきつづき、アロマ様の為にナインの観察をぞっこうすることにした
その後、変化なし
うそつき
ピュリアは、あい
つはもう駄目 あの子可愛そう。可愛そう。
私かわいそう
馬鹿みたい。あんたの本音はどこにある?
…………
きょうはいいてんきでした。おひさまぽかぽか。
…………
妹様の の フィ・マーキ
ュリーの 続行不可。アロマ様に進言済み
アロマ様、なんであの人を
あの人、本当は、 なのか。まさか。
もしそうならアロマ様も
先代の陛下が
信じたくない
(ここから先、判別不可。及び、上記文章の一部に抹消痕跡有り)
ルールに抵触。
これは取得可能な情報ではない。
不適切な文言を削除すると共に、記憶の整合性を調節する。
アリス・クラックスに不具合の発生を確認しました。
ナインに接触して、メンテナンスを受けなさい。
了解しました 忘れます、 様。
さわらないで わたしの中にはいってこないで
私は人間が嫌い。人間が嫌い。人間が嫌い。あの人間が い
なんでこんなことに。なんで、私がなにしたっていうの
…………
本日、アロマ様と陛下が話しこんでいた。
陛下って、意外と子供っぽいところがあるみたい。
アロマ様の前だとあんな感じなんだな。
ちょっと可愛いって思っちゃったけど、やっぱり失礼だよね。
ちがう、これはいつ書いたの
おぼえてないよわたし こんなのしらない
様、私の体を勝手に使わないで、怖いの。
怖い。せめて、弟にお別れを
ナイン様への報告事項は現在無し。
今後も報告しなくて良い。良いの。私は、アロマ様のために
信じて アロマ様
いいわもう、お疲れ様。ゆっくりお休みなさい、子狐さん。
お邪魔しました。
お願い、信じて
だれかたすけて』
――以下、空白が続く。




