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彼女の言い訳

 ――あの子が、近付いてきているのが分かる。


 どうしてこんな事になってしまったのか、それは、間違いなく私のせいだ。


 あの子に幸福になって欲しかった。それだけは嘘じゃない。


 全てが憎くて憎くて仕方が無いのに、それでも、やっぱり彼らに対する愛しさも捨てられなくて。


 そんな私の傲慢さが、優柔不断さが、あの子を冥府の底に叩き落すことになると分かっていたはずなのに。


 あの子が愛しくて、だからきっと私は、あの子と共に地獄に落ちる事になるだろう。


 ナイン。私の可愛いナイン。


 母性愛の飢えから逃れられず、未だに大人になれなかった、ナイン。


 本当のことを知ったなら、きっと貴方は私を許しはしないでしょう。


 それが怖くて、結局今の今まで私は貴方に本当のことを言えないままで。


 ……ああ、最早許しは請いません。


 だからせめて、貴方との約束だけは果たしましょう。


 それしか私には出来ないから。


 ……あの子が待ち遠しいのか、それとも来て欲しくないのか。


 それは、私自身にも分からないまま。


 ……でも、ナイン。貴方が、貴方があの時、あんなことを言わなければ。


 あんなこと、知りたくなかったのに、あんなことを私に教えるから。


 ……私にあの子を恨む資格は無いけれど。





 運命の分水嶺を越えさせたのは、間違いなく――



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