エレクトラ・ヴィラ・デトラ
lambda様にキャラクターのイメージイラストを描いていただきました。
誠にありがとうございました。
エレクトラ・ヴィラ・デトラ(作:lambda様)
――本文より抜粋――
――沢山、沢山人間を殺したとき。
セルフィに教わったように、死体を高く高く串刺しにして掲げて街道に並べたら、人間側の士気はぐんと落ちたらしい。
その土地はあっというまに私達の手に落ちた。
私は知っている。
私が人間からなんと呼ばれているのか、知っている。
『白痴』。私は『白痴』エレクトラ。
でもいいわ。私は何も知らない。
私達がなんで蔑まれなきゃいけないのか、知らない。
私をお馬鹿というなら、別にかまわない。
考えるのは別に、私の仕事じゃない。アロマがいる。
ただ、その負け惜しみがいつまで続けられるのかは、少しだけ楽しみ。
智者よりお馬鹿に殺されるほうが、よほど惨めなのにね。
あなた達は、ご立派なお題目を掲げながら、理由もなく死んでいくのがお好みみたいだし。
「大丈夫よ、安心して?」
私は言う。
絶滅なんてけっしてさせないわ、人間さん達。
だってセルフィの食べるものが、なくなっちゃうじゃない。
ね?
※なお、こちらは書籍化のお話をいただく前に、同氏に自分なりのイメージをお伝えした上で描いていただいたものなので、書籍版とデザインが異なる場合があります。何卒ご了承くださいませ。