かつて生きていた、狂人の手記
カイネ!
あの女、さながら腐肉を喰らう蛆虫だ!
いと高き精霊の御霊を、おのれ、邪なると言いふらす屑共は、まるで起きていながら盲いている。
けだし生ける亡者よろしく、蒙昧に世を彷徨う血肉の詰まった莫迦者ども、あの女には似合いの餌だ!
惨めな魔物、あれこそあの女に従って這い回るくだらん生物、いいや生き物であると言うも汚らわしい。あ奴の本質そのものではないか、あのザマは! 彼奴めら、どれほど品の無い魂! 虫唾も走るというものだ!
おお、見ていてください御精霊。私は殉教いたします。
あなたの怒りを鎮めたもう。
懐に抱いてくださいませ、いいえ、それすら! それすらも!
私は全くあなたに信服しているのです。
私ごときでよろしければいくらでも、何度でもこの身を捧げましょう。
お疑いに? それこそまさか! あなたは全く私の内心を全て見透かしておられるのに!
たった、たったの一つしか命なきこの身、不甲斐無さをどうぞお笑いになってください。一滴の水ほどでも哀れんでくださるのなら、望外の極み!
ああ、ああ、なんという不徳の至り。
私が百あれば、百の数捧げられましたものを!
ああ、大いなる因果そのもの!
ながき者、うつろわぬ者!
おお、――――様!




