天使の記憶
「お前・・・ホントに記憶喪失か?」鞠谷 翔大(高一)
俺は小さい公園の小さい土管の中でそう聞いた
「え・・・何言ってんの?僕は記憶喪失だよ」
「名前は?」
「だから!覚えてないってば!」
「・・・そうか悪かった」
「ただ・・・変だったから」
「え?」
「戦う方法覚えてたりアイツは敵だって知ってたり」
「お前本当は覚えてんじゃねぇの?」
「って思ったからさ」
俺はそう言って歯を見せて笑った
すると
「ゴメン!」
頭は下げられなかったけれどそう謝られた
「本当は・・・僕」
「覚えてるんだ!」
「でも・・でも・・・」
「今は言えない!」
「だからだから」
「いいよ」
「そういいよって・・・えぇ?」
「別に言いたくねぇ事を無理に聞こうとは思わねぇさ」
「でも」
「一つ教えてくれ」
「な、何?」
「名前」
「名前教えてくれ」
「ホラなんて呼べばいいか分からないじゃん」
「だから教えてくれよ」
「・・・」
「ウン!教える教える!!」
「僕の名前は」
「ミカエル・フランシス」
「ミカって呼んでほしいな」
「そうか・・・ミカか・・・」
「分かった」
「家に帰ろう〝ミカ〟」
「ウン!」
――翌日―――
「よぉーっす」劉台 聡明(高一)
「相変わらずウルせぇな」
「お前は相変わらずいらついてんのか?」
「いや」
「超楽しかった」
「あ?何だ?彼女か?」
「バーカ俺に彼女は必要ねぇよ」
「え、カッコイイ事言うねぇ」
「ありがとよ」
「でもガチで彼女欲しいな」
「勝手に告って振られろ」
「あっひどーい」
「別にそんなことねぇだろ」
「ムムム」
「1035×228=」
「235980」
「気持ち悪いわ!!」
「何でそんなに頭いいんだよ」
「う~ん」
「考えたことねぇな」
「この世が終わりそうになったら考えるわ」
「おぉ考えながらシネ」
「バカ人間そんなこと言われたぐらいじゃ死なねぇよ」
「かもな」
ハハハと笑い声が響く教室の扉を開けると
――――――いた
天使が存在していた
「オイオイてめぇうちの大事な大事なクラスメートは?」
「知らない」
「何だ?アレ誰だよ」
(?――見えてんのか?)
「何故見える」
「俺か?おれにいってんの?」
「おめぇしか居ねぇだろ」
(でも・・・何で)
(見えてんだ?)