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シル・ストア~第1部 風の通り道  作者:
第1章 巡礼道での出会い

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2/14

01_祝い膳

ジーンの童顔はこの頃から目立ち始めてます・・・

ムードもレノンの年からすると若いですが・・・

この時点でムードは20歳以上、レノンは18歳位

見た目は二人共-2歳以上

なのでレナ・カサルの同世代の人間に比べるとかなり若い

祝いの料理はちらし寿司だった。

新鮮な魚はムードとレノンがわざわざ港町であるアレストリアまで行って買ってきたものだ。

冷凍庫も城塞都市にはあるにはあるが、移動に使える冷凍庫付きの車両はハーレン大陸には無い。

大災害前はハーレン大陸でも使われていたらしいが今はレナ・カサルかエマルドでしか使われていない。

ハーレンではその手の生鮮食品は時間停止機能付きの収納持ちの異能者が運んでいる。


今回もヤーレからの依頼の品を届けるついでということにしている。

クランの代表であるガイの収納は時間停止可能で新鮮な肉や魚、野菜を大量に格納している。

そのガイから収納を習ったムード、レノン、ジーンの3人は既に時間停止をマスターしていた。

ジーンは更に時間加速まで開発し、その上収納空間内の温度管理も可能にしている。

熟成や発酵も自由自在となり、その技術はクラン内で共有されれていた。


「レイ兄さんに醤油と味噌を届けてきたか。」

祖父のゼンの言葉にムードが頷く。

「お返しにチーズとハムを貰ってきた。感想を聞かせてくれって。」

ゼンの両親はトライオッドの出身だ。

ゼン自身はヤーレの生まれだが、兄のレイはトライオッドの生まれで両親と共に街の復興に励んでいる。

ジーンの開発した収納に関する技術はトライオッドでも活用されていて様々な食品を生み出していた。

その種類だけで言えば全盛期のトライオッドを上回っている。

ただし、品質や量は大きく後れを取っており、品質や生産力の向上が課題となっている。


祝いの膳を構成する寿司や牡丹餅のお米は一般で流通している米とは異なりジャポニカ種の米だ。

かってトライオッド周辺で栽培されており、野生化していたそれをシル・ヤーレで栽培している。

切っ掛けはジーンがこちらの米を食べて味が変だと言ったことから。

その感想はトライオッドの住人だったゼンの両親も漏らしており、何が違うのか分かったのは夢のお陰。

「これってタイ米じゃない?」

こっちのお米を食べた翌日の佳澄の言葉である。

何晩かの情報交換を経て、ゼンはトライオッド周辺でジャポニカ種の米を探し、栽培に乗り出した。

育て方は夢を経由して佳澄に調べて貰った。

トライオッド周辺も状況の落ち着いてきているので今ではそちらでも栽培を再開している。


ちらし寿司には錦糸卵が散らされ彩も華やかだ。

「錦糸卵と出し巻き卵、伊達巻、茶わん蒸し・・・お祖父さんが食べたいものがやっと・・・」

テーブルに並ぶ料理はガイが祖父母から聞いていたものだ。

ハーレンでは養鶏場の鶏が大災害でモンスター化したことにより長いことまともに食べることが出来なかった。

牛や豚も同様であり、その結果としてトライオッドの名物だった数々の料理の作り方が失われている。

「これも全てジーンと佳澄ちゃんのお陰だね。」

マーサの言葉にテーブル囲む面々は頷いた。

「佳澄ちゃんはきっとトライオッドの守護神様の世界の人なんだろうね。」

そんな話をする中ゼンがジーンに酒を勧めてくる。

「ちょっと待った。ジーンはまだ・・・」

マーサはの言葉はしりつぼみになった。

ジーンは今日で15歳、ヤーレでは成人である。

ただし・・・外見は10歳~12歳位にしか見えない。

「ジーンも今日でDランク、これからは酒を勧められる機会は増えるぞ。」

「そうだけど・・・」

マーサの眼にはどう見ても子供である。

「まあ、ジーンは間違いなく辺境民、アナ・ハルナの側だな。」

ゼンがさらに続けて言った。

「アナ・ハルナじゃ50歳でやっと一人前、これからだ!って話だ。

バーンの連中もそんな感じだが・・・」

その言葉の続きはマーサである。

「私達はそうじゃないけど、レナ・カサルじゃ一般的に50歳を越えると老人よ。」

この違いは一体何なのか?

ヤーレも元はアナ・ハルナの住人が作った都市なので100歳を越えても矍鑠とした人が多い。

「先日引退したゼノバーン元首も100歳を軽く超えていたしなあ。」

ゼノバーンではレナ・カサル出身の難民を数多く受け入れている。

森に囲まれ、手強いモンスターが周囲を徘徊していていることから難民の受け入れを殆どしていないヤーレとは対照的である。

そのせいか治安の安定しているヤーレに対し、ゼノバーンでは良くない噂がちょくちょく流れていた。

「ここは皆若々しいですね。」

ジーンの言葉にガイが答える。

「私達は元々アナ・ハルナ寄りのトライオッドの出身だからな。

流石に50歳は無いが一人前って扱いになるのは30歳過ぎないとな。」

ガイからみれば20歳を越えたムードもまだまだ子供であった。


祝いの宴が終盤に近付き、デザートとして牡丹餅が出てくる。

砂糖の類も大災害で入手が難しくなったが野生化した甜菜の苗を元に各地の辺境の村の協力で流通が復活していた。

普通栽培種が野生化すると品質が落ちるのだが・・・ハーレンでは何故か巨大化という方向で変化した。

品質は落ちず、種としてタフになって病害虫に対しても強くなった。

お陰で生産量は年々増大の傾向を見せている。

その為、アレストリアとトライオッド、ヤーレでは大災害前の甘味の復活がブームとなっていた。

現在、ジーンを経由して佳澄から情報を得られるトライオッドが一歩リードしブームを牽引している。

「で、初仕事はどうするの?」

何でも屋の主な仕事は護衛、討伐、採取、調査だ。

迷子探しや清掃作業などはEランクまでの見習いの仕事でDランクになると基本しない。

ミオの言葉にムードが答える。

「今のところ、北方調査の予定。」

閲覧、有難うございます。

トライオッドは来訪者の料理人が育てた街です。

この3人組は日本人

トライオッドの守護神として祀られていました。

その内に彼らのエピソードも追加します。

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