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シル・ストア~第1部 風の通り道  作者:
第1章 巡礼道での出会い

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09_巡礼道の巡回

一種の富山の薬売り

売っているのは薬だけではないですが・・・

あの後、いくつかの野営地を通り抜けた。

管理人の居る野営地では情報交換と不足物資の納品を行う。

「薪5束に毛布3枚、薬・・・」

お互いに納品内容を確認してサインをする。

取引内容を見て、ムードは首を傾げた。

「・・・誰か来たのか・・・」

「ああ、3日程前に草原(ステッペ)(リオン)の連中が来たな。」

「そうか・・・?草原の狼?何でこんなに薬が減っているんだ?」

「手前の管理人のいない野営地で集団食中毒が出たって言っていたな。」

なるほどとうなづくムードはジーンが首を傾げていることに気付く。

「そいつらはトーラを拠点に活動している。

本来なら薬を納める側なんだが。」

北の城塞都市トーラは水の加護を持つところで医神の眷属神を崇めているものが多い。

特産品は豊富な薬草と薬でハーレンだけでなく他の大陸のギルドにも多くの薬を納めている。

そこを拠点にする何でも屋のチームは野営地を巡回して常備薬を納めている。

「予備も使い切ったとかでこちらのを買っていった。」

「ランクは確かリーダーがCだったはず。

そこそこ経験の積んでいるトーラの連中が薬を切らすってどういう状況なんだが。

ヤーレには滅多に来ないチームだからジーンは会ったことないだろうな。

そうそうこいつは前に話したジーン。先日Dランクになった。」

初めましてと管理人と挨拶を交わす。

「よろしく、ジーン・・・てレノンの時も思ったけどホントに15歳?」

疑わし気な管理人にムードとレノンは首を横に振る。

「こいつは俺達よりもバーンの連中に近いからなあ。」

「はははっ、成程納得した。」

ここで管理人は笑顔を収めて真顔になった。

「済まんがここから先は薬が不足義気だと思うでよろしく頼む。」

管理人と別れ、野営地の様子を窺う。

既に1組巡礼団が野営準備を開始していた。

「管理人となるものは俺ら何でも屋や行商人が来なくても1ヶ月は持つ位の量の備品を収納している。」

「ま、ギルド側も月に2度は誰かしらが野営地に顔を出すようにしているがな。」

納品に対する金銭の支払いはギルドに戻ってからまとめて受け取る契約だ。

年数回監査が入り、偶に着服などの不正が検挙されている。


そうやって野営地を巡り、日が陰ってきたので宿泊予定の巡礼宿の村に入る。

幸い空き部屋があったので一部屋確保して雑貨屋に向かう。

何でも屋ギルドと商業ギルドの認識票を見せて取引開始。

ヤーレ特産の木の実類に手前の巡礼宿で手に入れたキノコ類をこの地域特産の山菜と交換する。

諸々の取引の差額を商業ギルドの認識票で清算。

宿に戻って簡易キッチンを借りて食事を用意して部屋の戻る。

テーブルを囲む彼らの前にはどう見ても3人前とは思えない食事が並んでいた。

「巡礼宿って食事付きかと思っていた。」

ジーンの言葉にレノンが答える。

「そうでもない。

体調は人によって様々だし、食事の量も異なるんでね。

大半は素泊まりだよ。」

代わりに簡易キッチンや洗濯場所が充実している。

あちらのコインランドリーではないが洗濯機が幾つもあるので驚いた。

「今回は寄らなかったけど洗濯屋もある。

天気次第だが朝預ければ夕方に綺麗になって戻ってくる。」

会話しつつもテーブルの料理はどんどん減っていく。

「そう言えば何で商業ギルドに登録しているんだ?と思ったけど。」

「納得したか?」

「うん。何でも屋ギルドだけだと売れるのは何でも屋ところだけになるからだったんだね。」

「俺達の仕事の一つに行商があるかなあ。覚えておけ。」

モンスター達のお陰で戦う力を持たない商人は街道沿いに移動する。

そうなるとどうしても街道から外れた村々は取り残されるのでそれを補う役目を担う必要があるのだ。

それとは別に巡礼道は特に利用者が多いので不足しやすいものを巡回と言う形で補っている。

「そう言えば草原の狼さん達の関わった食中毒事件・・・」

「時期的に見て陽動の一つだったんだろうな。」

騒ぎを起こしてエセルから目を逸らさせる。

「騒ぎが起これば俺達が出張ることになっただろうし。」

「幸い近くにあいつらが居て助かったよ。」

トーラ所属の何でも屋は医療系に優れた異能持ちが多い。

草原の狼は採取がメインのチームだがメンバーには医療系もいたし、調合が出来る奴もいる。

話を聞くと彼らが居なければ複数の死人が出ていた筈だ。

「なりふり構わずになっているな。」

「それだけ大物の依頼だったのかな。」

そうこうする内にテーブルの食べ物は綺麗に空になった。

「さて、飯も食ったし風呂屋に行くか。」

3人は空になった皿を抱えて簡易キッチンに向かった。

風呂を出たら食事処で情報収集だ。

「ここのご飯は美味しいの?」

ジーンの言葉にムードは答える。

「美味いところもあるが話を聞くのがメインだからな。」

「そこそこなんであまり期待するな。」

「そっか、残念。」

「でもレナ・カサルよりはずっとうまいぞ。

デ・カサルやゼ・ドナは除くけど。

マーデ市民は特に酷いらしい。」

「えっ?エセルさんマーデ市民だったよね?

あの人の話じゃ普通に食べていると思ったのに。」

「色々聞いたけど、あの人あっちじゃかなり特殊な部類みたいだよ。」

ジーンはマーデの人は一体どんなものを普段食べているんだと慄いた・・・

閲覧、有難うございます。

この頃のマーデ城塞内ではエナジーキューブが主食です。

ハーレンで言うところの普通の食事は農村地区で辛うじて食べている位。

エセルは普段は城塞の外の領地で過ごしているので普通の食事を食べていますが・・・

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