プロローグ「忙しい。」
忙しい。
所詮は只の言い訳だ、と思ってるけど、それでも忙しいのは事実。しかも僕はこれをテスト期間まっただ中で書いている。なんてことだ!この少年にとってテストなど余裕だということか!なんてことは全くなく。全然、焦りはしている。しかし。自分の机でキーボードの横に教材を並べていても、何故かやる気が起きない。僕は元から怠惰な人間なのだ、好きでもないことを続ける胆力など強く持ち合わせてるわけじゃない、今まで面倒だった勉強を一日最低1時間はやるようになったことくらいが自分の変化だ。
そして今、どうしてここで、本にしたら一ページにも満たない様な物語を紡いでいるのかと言うと、理由は結構単純な物だったりする。随分前に小説投稿サイトに、ある小説を書き始めたのを思い出した。それの続きや、結末まで、案外考えていたつもりだけど、起承転結の起と結だけ思いついて中身が全くなかった。キャラクターの設定も詳しく決めてなかったので、もう書く気もなくなった。そうして今、私はその小説の存在をふと思い出したので、こうしてまた文字と向き合っている。たかだか500字にも満たないようなエッセイに近しい小説ではあるが、それでも紡いでいる。何故かって。「意味のない物語」を紡ぎたくなったからだ。ファンタジー、俺つえー、ハーレム、えとせとら。様々な妄想の具現化を、書いてみたくなったのだ。だから僕はこうしてこれを書いている、色んな意味のない物語に、しかし「読まれやすい物語」に、すこしだけ対抗心を燃やして。誰かの反感を買いそうだから、僕個人の感想である。と後で注意文をつけるつもりで、意味のない小説を書く、意味のないエッセイを書く。
此処から始まるのは、僕の意味のない物語だ。とてもとても短くまとまった、どうしようもなく怠惰で、しょうもない小説を書いている、文才も努力も何もない、怠惰な人間による怠惰な小説である。それをどうか、見守っていってほしい。明日台風が来ても、天地がひっくり返っても、それでも明日はやってくるのだから。
どうか、私を見つけてほしい。意味のない私の物語を。