21. 自信
公園でエリオットとアンナが去った後、エヴァンはゆっくりと歩きながら寮の自室へと戻っていった。
部屋でリラックスしていると、ドアのノックが聞こえた。
扉を開けると、怒りをにじませたエリオットが立っていた。
「なんだよ」
「俺は今、自分でも信じられないくらい怒ってるんだ。なぜだかわかるか?」
「はあ? 自分の彼女を信じてあげなかったお前が悪いんだろ」
「それだけじゃない」
「は?」
「何度も魔法具屋や部屋に行って、アンナに会ったり、惚れ薬をかけたりしてたらしいな」
「惚れ薬は事故だ! てか、お前、やけに詳しいな」
「アンナの記憶を見たからな」
「はあ!? 記憶を?」
「もう、彼女に近寄るな」
「……それは無理だ」
エヴァンは真剣な眼差しではっきりと答えた。
「なら、こっちは勝負したっていいんだ」
エリオットは杖を取り出した。
エヴァンはため息をつき、しばらく黙った後に言った。
「お前、自信無いんだろ?」
その言葉に、エリオットの目が一瞬だけ揺れた。
「アンナのことを本当に信じてるなら、俺が近づこうが何しようが、関係ないと思うぜ。まあ、公園で抱きついたりしたのは確かにやりすぎた。悪い」
エヴァンは続けた。
「でも、それでも俺はアンナを諦めない」
エリオットの顔が一瞬険しくなる。
「もういいか? じゃあな」
エヴァンはその言葉を最後に、ゆっくりと扉を閉めた。エリオットはしばらくその場に立ち尽くし、何も言わずに去っていった。




