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四人のクズとおかしな依頼  作者: ペンバブル
依頼その1 ショゴス
9/20

四人無事

前回のあらすじ トオルの過去が明らかになり、半身が吹き飛んだトオルをマリーがショゴスの力で自分を犠牲に救った。

活動報告で知らせた通り、諸事情で休みました。すみません。引き続きお楽しみください

トオルが左手を動かし、動作確認をする。以前から自分の物のように滑らかに動く。その動きは失ったマリーの悲壮感を強める。

「マリー、、、」

「大丈夫か?トオル」

「なぁ、キリトス。マリーとまた会えるかな」

「会えるよ。マリーがそう言ったんだろ。信じようぜ」

「そうだな、、、」

トオルがラプターを抱え、上を向き立ち上がる。

「キリトス。ハスマを運んでくれ」

「アイアイ、サー」

キリトスがハスマを背負いトオルを追いかけるように近づく。

「なんにせよ。四人無事だな」

「ああ、そうだな。別れはあったが四人無事だ。みんな疲れただろうし、帰って早く寝よう」

皆が宿に着く。各々がベットに入りシーツに包まる。全員にとって彼女は光だった。暗い道を照らしてくれるような。

短い時間だった。けれども、そんなことは関係ない。彼らが彼女に居場所を与えたように彼らも彼女に光を貰った。決して大きなものじゃないけど、それは確かに彼らに影響を与えた。

各々が悩み考える。だが、立ち止まることは許されない。やるべきことがあるから。失ったものは簡単には戻らない。それでも人は、前を向かなければならない。生きているから。

皆が眠りについた後、ショゴスロードの燃えカスに何ものかがが近づく。それは黄色の衣を纏っており、大きさは3mほどある。一見人にも見えるが衣から覗く触手はタコのようで、衣の端々から無数に見える。

「所詮は古きもの失敗作か。ロードといえど、正規品には勝てないのだな」

その衣を纏う者の後ろにマリーにマーキュリーのフリを頼まれたショゴス近づく。

「なんだ。主を失ったからと我に縋ろうというのか」

「いいえ、私はただあなた様にロードの権能を与えていただきたいのです」

「お前ごときが我に望むのか。で、私にはどのような利益が?」

「私はルルイエの発見の鍵になる。情報を持っています」

「ほーう」

衣を纏う者が相槌を打つと同時にショゴスの右腕が吹き飛ぶ。

「粋がるなよ。失敗作にすらなり得ないゴミが我と対等に交渉できると思うなよ」

「ぐっ、すみません」

「まぁいい。他と違い身の程を弁えてはいるようだ。で、どうする。我に譲渡の力はないぞ」

「あなた様の力でそこの肉片を復活させて下さいあとは自分でします」

「そんなことでいいのか。なら、おまけをくれてやろう」

衣を纏う者は衣から肉塊を取り出し、ショゴスロードの上に落とす。すると、玉は溶けるようにショゴスロードの中へ消える。すると、ショゴスロードは動き始める。

「生き返らせたが意思はないぞ」

「ありがとうございます。それの方がずっと好都合です」

ショゴスがショゴスロードの周りの陣を描き自身にも似たような陣を刻む。

「これは意識の入れ替えか。ずいぶん古いものを知っているな」

「これでも最初期品ですから」

「なんだそうであったか」

ショゴスが不可解な言語を発し、手を叩くと陣が光り、ショゴスが倒れる。そして、ショゴスロードはショゴスの体に向かって動き出す。

「なるほど。よく考えた」

ショゴスが元の肉体に触れると融合し、マーキュリーの形になる。

「ありがとうございます。ハスター様」

「御託はいい。情報を言え」

「はい、ルルイエへの道を示すとされているダゴンを確保したと」

「なるほど、礼だ。おまけはもう少し大きくしておこう」

ハスターがマーキュリーの頭に手を差し出す。森に不気味な笑い声が響く。


ショゴスロードの一件から二週間がたった日、トオルとキリトスは再び会っていた。この国一のカジノで。

「俺の勝ちだ。フォーカード」

「ストレートフラッシュ」

「またイカサマかよ。どうやってやってんのそれ?最早超能力でしょ」

「熟練の技さ」

「で、本題は?」

「また依頼だ」

「俺は平気だけど、トオルは大丈夫なのか?」

「モーマンタイ。全然平気だよ」

「そうか。ていうか前回から大きく進んだけど、教団のことまだ直接わからない?」

「それが、名前すら出ないから困ったものだよ」

「まぁ、でっかい組織とかが絡んでんのかな」

二人が話し込んでいると、横からカードが置かれる。

「ロイヤルストレートフラッシュ、私の勝ちだね」

「こいつ誰?」

キリトスはトオルに小声で聞く。男は金髪で髪は長く、オレンジ色の瞳をしている。彼は白いタキシードに白い羽織りを纏っていてニコニコしながらキリトスを見ており、それが彼を不気味に演出する。

「彼は今回の依頼人だよ」

「そうなのか?」

「あっ、ごめん。私の自己紹介がまだだったね。私はこのレオタルト王国の王太子、アルタイル・レオタルトだ」

「えっ、王太子って違う人って決まってないんじゃないの?ていうか王子様なの?」

「驚かせてしまってすまない。私は王太子というより王太子になる予定だから、正確には第二王子さ」

「王子様ってのも驚きだけど、結局予定ってなんだよ」

「絶対王太子になるってだけ」

「夢みたいなもんか」

「そうそう」

「ていうか、王子様がこんなところいていいのかよ。狙われない?」

「大丈夫、大丈夫。私、王子兼王国の第三騎士団団長だから」

「俺の記憶だと、騎士団長ってバカ強い覚えがあるんだけど」

「そうだよ、見てみる?ちょうど人が集まってきたみたいだから」

キリトスたちの周りには盗賊のような見た目をした男達がいる。

「ほら、言わんこっちゃない。まぁ、お手並み拝見と行きますか」

「二人でくつろいでおいて」

「いや、そうは行かなそう」

男達は十五人ほどいて、人員がさっき立っている。

「おい。王子さんや俺たちにお小遣いくださいよ」

男達が一斉にアルタイル目掛けて飛びかかる。

アルタイルは動じず、的確にに足払いをし、三人を転ばせる。それに躓いた二人の鳩尾に一発、二人ダウン。戸惑う三人との距離を一瞬で詰め、一人は剣の柄で喉をもう一人は拳で肝臓目掛けて一発で気絶させる。そして、逃げた最後の一人の首を当身で気絶させる。

最初に転ばされた人たちが起き上がる時には全て終わっており、彼らもまたアルタイルの蹴りによってダウンする。

「あっ、キリトス。大丈夫、、、」

「おっ、ちょうどだな」

アルタイルが八人を倒した時とほぼ同時にキリトスが七人倒す。

「ちょうどいいな」

「すごいな、初めて見たよ。騎士でもないのに人を守りながらここまで戦える人」

「そりゃ、騎士学校は卒業してるからな。それよりお前こそ超強いじゃん」

「少し才能があっただけさ。それより、依頼確認のため前に場所を移そう。ここは人が集まりそうだ」

「て言っても、どこ行くんだ?」

「カジノの裏の別荘だろ」

「おっ、よく知ってるね。僕の家臣でも知らないのに」

「これでも情報通だからね」

三人が雑談混じりに話しながら、カジノの裏へと向かう。

「おかえりなさいませ殿下」

「ただいま」

「ここが私の別荘さ。広いだろ」

「さすが王族って感じだね」

「別荘なのにレブルン家の屋敷より大きい」

「じゃ、私の部屋に向かおう」

全員がアルタイルの部屋に着く。

「自由に座ってくれ」

「なぁ、アルタイル。その剣ってなんかある?」

「よくわかったね。そうだよ」

「なんでわかったんだ?キリトス」

「ハスマほどじゃないけど、俺も魔術は感じられるからさ」

アルタイルが剣を机に置く。

「これは世界に五振りしかない大元素の剣の一つ、混沌の主剣ノースだ」

「大元素の剣?なんだそれ」

「大元素の剣というのは四元素のうちの一つの力を強く封じ込めた剣のことだ」

「元素って、国家機密でしょ。言っていいの?」

「そっか、まぁ大丈夫でしょ」

「元素ってのは一体なんなんだよ」

「元素っていうのわね。君たちも宇宙生物は知っているだろ。その宇宙生物の内、不思議な力を持っている生物が僅かにいてね。そいつらが力を使うとその力の元がその場に残留するものが元素なんだ」

「なるほど。じゃあ、元素の剣はどうできるんだ?」

「作りか、私もなんとなくしか知らないけど、力を行使する生物の肉体にも元素はあってその生物の死骸や肉片を封じ込めるらしい」

「不思議な力が使えるなら、もっと簡単にあいつら倒せたんじゃ」

「この剣は色々縛られてて、説明すると国の成り立ちから始まるんだけど聞く?」

「いや、いいよ。それより、貸してみてくれないか」

「いいけど、抜けないよ」

「本当だ、硬ぇ〜」

混沌の剣はびくともしないか思えたが微かに鞘が動く。

「抜けねぇ〜」

(マジか。なんで動くんだ主剣)

「キリトス、貸してくれ」

「はい、重いよ」

トオルが剣を持つがピクリとも動かない。

「無理だ、ひっくり返しても落ちない。返すよ」

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