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四人のクズとおかしな依頼  作者: ペンバブル
依頼その1 ショゴス
7/20

終結絶望

前回のあらすじ キリトス達はショゴスロードを倒すために準備を始め、計画を立てる。そして、ショゴスロードを誘導しラプターが囮になる。

昨日は投稿できず、すみません。

ショゴスロードは一見普通のだが、怒りを感じさせる表情でラプターを追いかける。

「逃げるんじゃあないぞ。この下等生物が!」

逃げるラプターが木に飛び移れば、ショゴスロードは触手で木々を薙ぎ倒す。

「はっはっはっ、ゴミの分際でこの私から逃げられるとでも思っているのか」

(...こいつ、ラプターのこと舐めてる。ギリギリ狙ってる。その上速い。森に慣れてなかったら、追いつかれてる)

「チッ、ゴミクズが。ちょこまかと動きやがって、だがこれならどうだ」

ショゴスロードがラプターの前方方向に向かって触手を伸ばす。その触手の先端から数本の触手を伸ばす。

(...なっ、こんなこともできるのか。けど、この長さだからかコントロールが落ちてる)

「チッ、まあいい、構わん。触手はまだまだあるからなぁ〜」

ショゴスロードがそういうと背中からさらに多くの触手が出てくる。

「こういうのはどうだ?」

ラプターに向かって出した触手から針状の触手を一気に伸ばす。

(...危ない。こんなスピードと数、マリーにもできない。さすがロード)

「これも避けるか。気に入ったぞ下等生物お前は他とは少し違うようだ。頭を引きちぎって、さっきの無能の首とすげ替えてやろう。これに3分耐えられればな」

ショゴスロードの猛攻。圧倒的な数の触手と針は威圧感だけで死を感じさせる。

(...ダメだ。これじゃあ、あの場所に向かえない)

「どうした。下等種、動きが鈍いぞ。俺に集中しろ」

「...無理」

「やっと反応してくれたか。小さき者よ。さぁ、この死合を存分に楽しもう。まぁ、俺を殺すことは叶わないだろうがな」

(...よし、後少し。気づいては?なさそうだな)

「まだ俺から距離を取るか。だが、もう逃げられない」

地面が揺れる。地が割れ、上昇する。

「...なっ、地面ごと」

「今度は本気だ。地面に力を割く分が減ったからな」

(...こんなところで嫌だ)

ラプターが絶望しかけていた時、声が聞こえる。

「ラプターくん、撃ってぇー」

それはガラス細工の入れ物だった。ラプターはそれを射抜く。それと同時に広がる柑橘系の香り。

「なっ、このグズが何をしている。また私の邪魔をするのか。ただでさえ、何も出来ないというのにこれ以上何をしようというのだ」

ショゴスロードは悪態をつくがその態度とは対称的に触手の数は減り、勢いも弱まる。上昇した地面が落下する。

「まぁいい、小さき者よ。続けよう」

「...ごめん、無理」

「なっ、どこへ行く?」

ラプターがショゴスロードに矢を放ちつつ急いで例のポイントに向かう。

「すごい、音だな」

「お二人とも大丈夫でしょうか?」

「安心しなよ、ハスマ。君が思ってるほど、ラプターは弱くない」

「二人とも、ラプター来てる」

ハスマ、キリトス、トオルが木陰に隠れる。そして、トオルの合図と同時に油をかける。

「せーの」

「なんだ貴様らは?これは油か、、まさか貴様ら、この私を燃やすつもりか」

「ご明察通りさ。ラプター」

トオルがラプターに合図を送ると、ラプターは待ってましたと言わんばかりのスピードで矢を放つ。

「グァァァ、下等種が下等生物如きがこの私を、この私」

ショゴスロードが最後の悪あがきと触手を伸ばす。

「ショゴスロードだからか。数がすげぇな。いなすので精一杯だぜ」

「キリトス。早めに首を刎ねろ」

「あい、わかった」

キリトスが触手をいなしつつ、ショゴスロードに近づく。

「や、やめろ。来るな」

「悪いな。なんも思ってねぇけど」

キリトスが剣を振り被った瞬間、キリトスが後方に吹き飛ぶ。それはすでに火を消していた。

「驚いただろ、下等種。知らないのは無理もないショゴスロードは普通のショゴスと違って、一度喰らった攻撃には耐性を得るんだ」

キリトスが思考を巡らせ、口から血を垂らしながら近寄る。

「山火事か。宿屋で男が言ってたな。そんなの」

「待てよ。お前ら、まさか私の部下を燃やした奴らか。あれはかなり痛かったが、やけどへの耐性も上がったからな。感謝してやるよ」

ショゴスロードが余裕そうに立ち上がり、触手を伸ばす。それを間一髪ハスマが弾く。

「やるな、下等種。ん?貴様その力はなんだ?誰から貰った?」

「誰って教団ですよ」

「お前ら、教団の兵器かなら、殺しても構わないか」

「ハスマ。君のせいで余計な誤解された気がするんだけど」

「来い。白髪、戦いを楽しもう」

勢いよくぶつかり合う二人、ハスマはその膂力でショゴスロードと殴り合っている。

「おいマジかよ。一人だけ、生きてる次元が違うぞ」

「ほんと、それだ」

地面に潜らせていた触手がハスマの背後目掛けて伸びてゆく。

「危ない。ハスマ」

「キリトス。お前あれが何か見えるか?」

「どれだよ?もしかしてあれか、なんかの刺青?」

ハスマの破れた服の隙間から覗くそれは円の中心に陰陽マークが描かれており、円とその間を幾何学的な模様が描かれていた。

「白髪。それはなんなんだ?」

「ただの肉体強化です。よくあるでしょ」

「いいなぁ、お前。殺してコピーしてやる」

ショゴスロードが振りかぶる。その時ハスマがショゴスロードの懐に潜り込み、ショゴスロードを後方蹴り飛ばす。それをショゴスは呼んでいたかのように触手飛ばす。

「受けるか。白髪」

「ここからですよ」

ハスマがショゴスロードの触手を手で掴む。そして、ショゴスロードを振り回し、地面に叩きつける。

「グハッ。痛いなだが、毒は効くだろ」

ハスマの手が震える。

「まだ向かってくるか」

「毒なんて関係ないですよ。僕が止まる理由にはなりません」

ハスマがショゴスロードの前で立ち止まり、全力で蹴る。

「グフッ、さすがに消耗が大きいな」

「降参しては?」

「無理だ。白髪、俺はもっと楽しみ。主を甦らせる必要がある」

ショゴスロードの爪が鋭く伸びる。

「打撃がダメなら、斬撃はどうだ白髪」

ハスマは驚きつつも間一髪で防ぐが、腕についた掻き傷は深く。毒はさらに進行し、ハスマは膝をつく。

「クッ、視界が揺れる」

「どうした白髪。肉体強化を使いすぎて毒が回ってきたんじゃあないのかぁ」

「関係ないですね」

ハスマが立ちあがろうとするが震えて立ち上がれない。

「ハッ、もう終わりだな白髪」

ショゴスロードの背後に待機していた触手がショゴスロードの合図と共にハスマへ向かう。

「選手交代だぜ。ハスマ」

「ヒゲ如きに何ができる」

「さっきまでのお前だったら、俺なんて速攻でやられてるだろうが柑橘系、やけど、ハスマによるダメージ。そして、マリーの家にあった術式の描かれた石だ」

(な、なんだ。気分が悪い、吐き気がする)

「いやぁ、よかった。場所を動かしたら効かないんじゃないかと思ったんだが、時間差があるだけでちゃんと効いてよかったぜ」

「なんのこれしき。貴様程度なら」

「ハスマとの戦いはさすがに入れるようなもんじゃなかったが、今は俺だけじゃないぜ」

「粋がるなよ」

ショゴスロードがさっきよりは少ないが確実に殺す勢いで触手を伸ばす。

「どうしたよ。脆くなってるぜ」

キリトスが向かってくる触手を縦に裂き、ショゴスロードへと向かう。

「やむ追えないか。一時撤退だ」

ショゴスロードが触手でキリトスを足止めしつつ逃げる。

「言ったろ。俺は一人じゃない」

逃げるショゴスロードに向かって、ラプターが矢を放つと、ショゴスロードは倒れる。

「さよならだぜ。ロードさん」

キリトスが首を刎ねる。トオルがハスマに肩を貸しながら近づく。

「ハスマは大丈夫なのか?トオル」

「大丈夫だ。おそらくだがこの毒は野生毒草や毒虫の毒の複合物だ。けど、ショゴスロードに色々やったのとハスマの身体強化?のお陰で毒が回ったはいるが安静にしてれば問題ない」

トオルがラプターとキリトスにハスマを預けてショゴスロードに近づき、火つける。

「これで大丈夫、、」

ショゴスロードが触手を伸ばし、トオルの首を絞める。

「適当率は低いが足しにはなるるだろう」

トオルを取り込もうとした瞬間、トオルがショゴスロードの口に瓶を投げる。

「熱い。痛い。焼けるようだ。これは」

ショゴスロードが痛みでトオルを離す。

「へへッ、香水はついでだったんだ、本当はこいつを買う予定だったんだ」

ショゴスロードの肉体は人の形を保てなくなる。

「どうだ。自然界には基本ないだろ。酸なんてよ」

しばらく煙を上げた後、ショゴスロードは「テケレ・リ」鳴き動かなくなった。

「さすがもう大丈夫だよな」

「大丈夫か?トオル」

「大丈夫だ。問題ない」

トオルが冗談混じりに答える。

「よーし、念のため燃やすか」

トオルが最後のマッチを取り出し火をつける。

「トオル。ハスマ宿屋に連れてっとくぞ」

そう言ってキリトスたちが先に戻ろうとすると爆発が起こる。大きくはないが至近距離で喰らえば無事ではすまない。

『トオル』

3人が叫ぶ。煙が晴れ、トオルの影が見えてくる。全員は驚愕した。さっきまで喋っていたトオル。返事をしていたトオル。歩いていたトオル。そのトオルの左半身が吹き飛び、動かなくなっていた。

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ト、トオル、まじかよ
2024/12/08 22:07 健康的食生活嫌悪組
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