一匹加入
前回のあらすじ アルフレッドの部屋で出会った自分と全く同じ見た目をしたショゴスが攻撃を仕掛けてきた。そのショゴスをトオルが資料から読み取った情報を元にキリトス、ラプターと協力し倒す。ハスマ達と合流すると、マーキュリーが倒れていたおり、ショゴスということがバレ、事情を話すことに
マーキュリーが泣きそうになりながらも必死に涙を堪えて話す。
「騙して、ごめんなさい。ショゴスロードに言われて、仕方なかったんです。逆らえないんです」
「ショゴスロードって、さっきトオルが言ってたやつか。逆らえないってなんで?」
「ショゴスは私たちを作った何かによって、ショゴスロードには逆らえないように作られてるんです」
「そのショゴスロードって奴はどんな命令をしたんんだ」
「仲間がレブルン家の男に攫われている。仲間の回収と男の殺害。誰かに見られた時は目撃者も処分しろ。って命令されました」
「仲間はお前だけなのか?」
「いいえ、他に三人というか、もっといたんですけど、ショゴスロードが統合して、強化しました。そして、全員をリンクさせることによって、変形ストックを増やしたんです。そのせいで、下のショゴスの感覚が私にきたんです」
「今もショゴスロードって奴と繋がってるのか?」
「いいえ、下のショゴスの燃える痛みで気絶してからからリンクが切れているので、ショゴスロードが自分から切ったんだと思います。後、とても痛かったです」
「それは悪かった。お前はもう繋がってないなら、敵ではないんだな?」
「はい、そうです。私は元々同族ってだけでどうでもよかったんです。言うこと聞くから殺さないでください」
マーキュリーが泣く寸前になりながらも、懇願する。
「殺すかはトオルに任せるけど、トオルが言ってた情報って化け物のか?」
「そうだ。最初は貴族として情報収集のパイプを作る予定だったんだけど、今やその化け物本体ってわかったんだ。だから、話してもらっていい?」
「はい言います。知ってること話します、話させてください」
「じゃあ、ショゴス以外に人に変形できる化け物っているのか?」
「ショゴス以外にはとても上位の存在にしかいないはずです」
「上位ってどういうこと?」
「そもそも私たちショゴスは大昔にこの世界にやってきた私たちを作った何か、ショゴスロードは古きものと呼んでいて。その古きものが私たちに与えた情報ではこの世界の外側にはあなた方が化け物と呼んでいる宇宙生物が結構な種類いるんです。そして、その宇宙生物は知能を待たないものから強大な力を持つ者までたくさんいて、変身自体できる宇宙生物はかなり上位か、私達みたいな変身専門の宇宙生物しかいないと思います」
マーキュリーが自慢げにいう。
「そ、そうか。じゃあ、あいつは何だったんだ」
トオルが困った顔で考える。
「トオル、聞きたいことは聞けたか?」
「ああ、大丈夫だ。他に何か聞きたいことがある人いる?」
「マーキュリーは宇宙生物自体に詳しくなさそうだから、俺はパス」
「それはまぁ、必要最低限だけの情報ですから」
「では僕が。あなた方ショゴスは教団と繋がっていますか?」
「教団が何かは知らないけど、ショゴスロードは基本一匹でいて、指示を飛ばすことが殆どだから、あまり他と協力する感じじゃないよ」
「そうですか。では僕もありません」
「てか、そもそも嘘じゃないってわかるのか?」
キリトスがトオルに向き直る。
「多分大丈夫。完璧に人をコピーしてるなら、仕草的にも発言的にも嘘ではないと思う」
「私は完璧です」
「ラプターは何かある?」
「...ない」
「オッケー。じゃあ、最後に俺らに依頼した理由と両親とマーキュリーさん本人の行方は?」
「まず、両親がいなくなったのは両親がショゴスロードに適合したからでして、ショゴスロードが適合者を探すのは私達ショゴスと違って、命令や統合するのに多くのエネルギーを使う必要があるからです。そしてマーキュリーの両親がたまたまショゴスロードのエネルギーとして適合したから攫おうとしたんですが、アルフレッドが両親を守っていたから攫えなかったんです。だから、その娘のマーキュリーをエネルギー補給とアルフレッドへ仲間を攫うのをやめなければ次はお前だ的な警告として使ったんです」
「なるほど。で俺らに頼んだのは?」
「私、自分以外がどうなっても基本どうでもいいんです。だから、仲間の救出とかどうでもよくて、あなた方に依頼をすれば仲間の救出、アルフレッドへの対抗、あわよくばショゴスロードを倒してくれるかなと。そしたら自由なので」
「じゃあもう、リンクは切れたし、ショゴスロードの討伐はいいんだのか?」
「いいえ、それが違うんですよ。ショゴスロードはリンクが切れても、離れててもまた集めて、リンク繋げるだけなんですよ」
「ふむふむ、じゃあマーキュリーはショゴスロードを倒したいと。じゃあ、倒すのを手助けする代わりに俺らに協力してくれないか?」
「えっ、いいんですか?トオルさん」
マーキュリーは泣き止み、マーキュリーの顔が明るくなる。
「うん、みんなもいいよね」
「ご自由に」
「...ん」
(最初マーキュリーはお淑やかな人だと思ってたら、人じゃないし、わんぱくだしでギャップえぐいわ。片鱗は見えてたけど)
キリトスがそんなことを考えながら苦笑いをしている。
「じゃあ、よろしく」
「はい、よろしくです。トオルさん」
「あっ、そうだ。マーキュリー、アルフレッドが守ってたって言ってたけど、どうやって?」
「ショゴスって、結構匂いに敏感で柑橘系の香りを嗅ぐと能力が著しく低下して簡単に殺せるようななるんですよ」
「猫かよ。でもそれだけ」
「いいえ、それとプラスに弱体化の魔術を家の周りに仕掛けてて、統合してなかったらやばかったです」
ハスマが魔術と聞いた途端、血相を変えて、マーキュリーに迫る。
「魔術?マーキュリーさん。今魔術と言いましたか?」
「えっ、はい」
「彼は魔術をどこで手に入れたと?」
「それはわかりません。申し訳ないです」
「いいえ、僕こそすみません。取り乱してしまいました」
「じゃあ今日は一旦帰ってショゴスロードの討伐準備をしようか」
トオルがそういうと全員で近くの宿に向かう。
「あっ、そうだ。マーキュリーってさ、本名じゃないんだよな?」
「そうですけど。それが」
「いやな、マーキュリーって結構長めじゃん。もっと呼びやすいっていうか、親しみやすい感じの呼び方がいいなと思ってさ」
マーキュリーが困りながらも考える
「んーん。でも、私本名なんてないしな」
「たとえば、マキュとか?」
「安直だし、なんかやです」
「じゃあ、トオルにつけてもらいなよ。ネーミングセンスいいし」
トオルが立ち止まり考え込む。そして、トオルの視界にふと一輪の花が入る。黄色い花をトオルが摘み、マーキュリーの手に握らせる。
「この花の花言葉には信頼っていうのがあって、これから信頼を築きたいって意味でこれを送るよ。そして、このマリーゴールドからとって名前はマリーなんてのはどうかな?」
マリーが笑顔でトオルから受け取った花を握る。そして、笑顔で涙ぐむ。
「ありがとうございます。トオルさん私の名前はマリーです。今後ともよろしくお願いします」
「ヒューヒュー、キザだね。トオル」
「キリトスさん」
ハスマがキリトスの肩に手を置き、静かに首を振る。それを見たキリトスは黙ってトボトボ歩く。
皆が宿屋に着く
「女将さん。四人で行ける」
「あいよ。飯は部屋に持ってくから」
ベットが四つ並んだ部屋だ。
「おお、結構広いね」
「トオル、そんなことよりいいのか?」
「何が?」
「何がっていうかさ。マリーの分払ってないじゃん」
「人数カウントじゃないから大丈夫でしょ。嘘はついてない」
「それでマリーさんは?」
ハスマがそういうとトオルの服が波打ち、服からマリーが出てくる。
「ふぁー、疲れた」
「そんなところにいたんですね」
「おうおう、トオル。傷心中の俺への当てつけか?」
「人じゃないけど」
「そうで、ございあしたね。お前は後でコ●す」
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ショゴスの説明はオリジナルと違いますので、ご注意を