表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

耳は生きているー№4

蔦巻イチロー

作者: 種子火・たねび

 【蔦巻イチロー】

【逃がしはしない】【ツダマキ・イチロー】【シリーズ1】


【白づくめの・スズメ蜂男の巻き】

【逃げた凶器】               〇


〖銀行の自動ドアが開いた〗〖白づくめの服を着た男が、早足で入って来た〗〖白いマスクと黒のサングラスを掛けている〗

〖足早やに受付カウンターに近づくと、40㎝位の立方体の箱を置て〗

【大声で叫んだ】

【全員身動きするな・動くと死ぬぞ】

【ここまで、僅か10秒だ】〖箱の蓋を素早く取った〗

〖箱の中から2千匹位の、スズメバチ・が一斉に飛び出した〗


【ブンブンブン】【ブンブンブンブン】【刺すぞ・刺すぞ・刺すぞ】

【ブンブンブンブン】【刺すぞ・刺すぞ・刺すぞ】

【ブンブンブンブン】

【ブンブンブンブン】【刺すぞ・刺すぞ・刺すぞ】【動くと・刺ぞ】

〖蜂独特の羽ばたきが、銀行内に鳴り響いた〗

〖スズメバチは其々分散して、建物内に居る全員の頭上に待機した〗

【まだ刺してはい無い】

〖そして、大声で怒鳴った〗


〖いいか良く聞け・このスズメバチは俺が特別に訓練した

スズメバチだ〗

〖少しでも下手に身動きしたら、頭上のスズメバチが

【一斉に刺すぞ、解ったな 死ぬぞ】

〖お客様用のイスに座って居る、人々の周りにも5百匹位のスズメバチが目の前で待機して居る〗

【ホバーリングと言うやつだ】

〖一人の銀行員が、机の下のボタンを押そうと手を伸ばした〗

〖その瞬間頭上のスズメバチが、襲い掛かった〗

【手の動きより、スズメバチの方が早かった】


【うわーっ】【あっあーあ】【あっあー】【いてー-えー】

【あっあーあっ】

〖銀行員はボタンを押す前に、刺されてしまった〗

〖10数匹のスズメバチが刺したので、放って置くと死ぬ確率が

可成り高い〗

〖おいっ・女、これでも塗ってやれと、【ウナ・クール】を女子行員に投げつけた〗【いいか皆良く聞け・俺の言う通りにしないと、スズメバチ刺しまくるぞ】〖ここまで80秒だ〗

〖確かに、動か無いでじっとして居ると、周りでホバーリングして居るスズメバチ達は刺す様子が無い〗

【おいっ。頭取。このトランクに古札で1億詰めろ】

【いいか、早くしろ・少しでも下手な動きするなよ】

【スズメバチが刺しまくるぞ】【刺された馬鹿を良く観とけ】


〖無音の建物の中に、スズメバチの待機して居る、羽音だけが鳴り

響いて居る

〖頭取は無言でトランクに金を詰めると、恐る恐るトランクを

持って来た〗

〖白づくめの男は、トランクの中身の一万札を丁寧に調べた〗

『いいか、俺が出て行ってもスズメバチは待機して居るぞ』

『30分したら、窓を開けろ。スズメバチ達は出ていく』

と、『言いながら男は背を向けドアに足早に向かった』

【その時若い銀行員が、用意してあったペンキ玉に手を伸ばした】

〖その瞬間スズメバチ達が、若い銀行員に襲い掛かった〗


【うわーっ】【あっあっーあー】【うー-っ】【うー-っ】

【あっあー】

【ブン・ブン・ブン・ブン・刺した・刺した・刺した・

ブンブンブンブン】

【刺すぞ・刺すぞ・まだまだ・刺すぞ・刺すぞ】

【この野郎、動くなと言ったろう】

『ウナ・クール・はもうねーぞ』と言葉を残して出ていった〗

〖ここまで、わずか、5分の犯行だった〗

30分経って銀行員が窓を開けると、スズメバチ達は一斉に窓から

出て行った

〖パトカー20台が駆け付けて、現場検証はしたが、大きな手掛かりは残って居なかった〗

【凶器は窓から空へと、飛んで行ったのだった】

〖一人の若い銀行員は、ショック死だった〗

〖頼みの綱はビデオカメラだ。銀行内には10台のビデオカメラが設置して在った〗しかし〖録画映像を再生して全員びっくりした〗

〖カメラのレンズの前に、50匹位ずつがホバーリングしてスズメバチ達が、目隠しをして居たのだった〗

〖警察官一同唖然とした〗


〖全てのビデオカメラのレンズには、スズメバチ達の蓋が出来て

居たのだった〗

【写って居たのはスズメバチだけ】

〖犯人が写って居たのは、スズメバチが箱から飛び出してレンズの前に来るまでの約5秒間だけ〗

犯人の顔も写って居たが、正面の顔にはスズメバチが100匹位

群がって居る

〖顔の特徴等・りんかくすら解らなかった〗

〖銀行員全員とお客様全員は、白づくめの男の顔と背格好等、誰もが覚えて居無かったのだ〗

〖全員男を見ないで、目の前のスズメバチを見ていたからだ〗

【スズメバチの大群と白い服の男】

〖この言葉しか、頭に浮かんで来なかった〗


〖こんな銀行強盗事件が在ってから〗〖2年が経って居た〗

〖犯人は、まだ捕まって居無い〗

【蜂が好きに成った訳】

『蔦巻先生、この蜂は何と言う蜂なんですか』

『昆虫の標本を見ながら、種梨水海たねなしみずみは言った』

『それかい、それはね、オナガバチじゃな』蔦巻

『これは、何蜂ですか』水海

『それは、ジガバチじゃな・麻酔銃を持った蜂じゃ』

『獲物を見つけると、飛び掛かって針を刺すそうじゃ』蔦巻


『蜂って凄いですね』

『そうじゃなー、何キロも飛んで狩りをして迷わずに帰って来る』

『キンモウ穴蜂なんてーのも居るぞ』

〖鳥取砂丘等に生息〗【自分の体重の3倍の重さの獲物を銜える】

【全身が金色の毛で覆われた、きれいな穴蜂・力持ち・木に登る】

【高い木の天辺までよじ登り、3倍の重さの獲物を銜えて空を飛ぶ】


『方向音痴は人間だけ何でしょうか』水海

『そうじゃなー。そうかも知らんなー』

『蔦巻先生はいつから、蜂の研究をして居るんですか』

『もう25年位に成るなー。若い頃は昆虫採集によう行ったもんや』

『若いと言っても30代じゃったな』蔦巻

『蜂の研究の前は、何をしていたんですか』水海

『その前は富士フイルム系列の現像所に、勤務しておった』

『あの頃は仕事が一杯在って、忙しかったなー』

『夜の10時11時は当たり前で、帰りはいつも終電ギリギリじゃった』

『新所沢の駅に着くのはいつも12時頃、自転車で自宅まで20分それから風呂は5分で済ませて、寝て居る子供達の顔を見ながら一杯やるのが、幸せを感じたもんだ』

『そこで、正しい結論がでた。仕事が忙しい時程、子供が出来易い事が正しく解った【あいよっ・・・】


『子供達がかわいいのも、小学生までじゃな』

【中学生に成ると途端に、豹変・変貌・した】

『あー・チョット道が逸れてしまったな、余計な事を口走って

しまったなー』

『先生、中々良い話でしたよ』水海

『所で、どんな訳で蜂屋さんに成ったのですか』

『知り合いの、今田仁達郎いまだにたつろうさん言う人が』

『色々な昆虫の生態とか、面白い話を一杯してくれてなー』

『楽しかったし、随分勉強に成ったなー』


『その、今田仁達郎さんの影響で昆虫が好きに成り、そして蜂が好きに成ったのじゃ』

『その、今田仁達郎さんと言う人は、今はどうして居るんですか』

『実はな、今田仁さんは種子島の沖合12キロ位に在る馬毛島で、

行方不明に成ってしまったのじゃよ』

『あっちこっち探したんじゃが、結局見つからんで、馬毛島の海の底で眠っているとしか、考えられん、かったなー』

『おっ。所で質問は何じゃった』

『蜂の研究をする様に成った訳ですよ』水海

『一言で言うと、今田仁達郎さんとの出会いがキッカケじゃな』

『それから、蜂の研究をする様に成ったんじゃ』


『蔦巻先生は、蜂達に色々な芸を教えて、訓練していると聞きまた』

『本当ですか』

『蜂は利口でな、何でも覚える。先ず、最初は飼い主を刺してはいけない事を教えるんじゃ』蔦巻き

『どうやって、教えるんですか』水海

『一口じゃ言えんなー・相当むつかしいぞ』

『蜂は何と言っても、先ず餌付けじゃな。昆虫の幼虫を食べる様ゃ』

『ヒメ・スズメバチはアシナガバチの幼虫とか、サナギとか食べる様じゃよ』

『巣穴から、幼虫を引き抜く事もするらしい』

【まー。一言で言うと甘い物とか蜂蜜とかを、分け与えて蜂蜜と仲良くすると言う事じゃな】

『そうすると、自然と人間の仕草を見て行動すると言う事じゃな』

『ミツバチは頭が良いから、覚えも早いぞ』

『ミツバチは偵察活動とか、もっぱら、スパイ用じゃ』

【スズメバチはミツバチと違って、どう猛だ・戦闘用じゃな】

【弟の同級生の敵】


『蔦巻先生、2年前にスズメバチを使った、銀行強盗が在った事を覚えていますか』水海『大きく新聞に載ったから、よう覚えて居るぞ』

『ようあそこまで、訓練したもんじゃ』蔦巻

『犯人は捕まったのじゃろか』

【それが、まだ、捕まっていません。逃げっぱなしです】

『犯人は養蜂家ですかね。沢山のスズメバチを飼い慣らして居る様に見えますね』水海

『ミツバチなら兎も角、スズメバチの調教は可成り難しいぞ』

『蔦巻先生、犯人を探して見つけたいと思いませんか』水海

『種梨水海君、頭から決め付けてはいかんぞ、養蜂家じゃ無くても

蜂の訓練は出来るぞ、スズメバチは可成り難しいがな』

『蔦巻先生、ひょっとして犯人の心当たりでも、在るのではないか』

『今から、12年位前の話じゃ、在る時若い男がわしの研究所に

やって来た』

『こんにちは、僕は坂本良一と言います。是非こちらで働かせて欲しいのですが、どうでしょうか』

『しかし、わしの所では特別人手は欲しくなかったので、断った』

『そしたら、給料は要らないので蜂の育て方や、蜂の扱い方を勉強させて欲しいと言うのだ』

『しかし、まー、ただ働きと言う訳にもいかず、世の中の相場の半分の給料で働いて貰う事にした』

『住み込みが良いと言うので、離れを貸す事にした』

『そしたらこの坂本君が、実に良く働いてくれた』

『朝早くから、夜遅くまで実に良く働いた』

〖そのせいも在って、蜂の事なら何でも世話をして、何でも覚えた〗

『蜂の扱いもすっかり慣れて、蜂の方も坂本君を見るとまるで子供の様にじゃれついて居た』『もちろん、刺す訳が無い』

『3年間真面目に働いた』


『ある朝辞めたいと申し出て来た』

『わしは特別引き止める理由も無かった』

『今まで、働いてくれて有難うと御礼を言った』

『中々、惜しい男じゃったなー』

『蔦巻き先生そんな人が居たんですか。まさか彼が犯人ではない

でしょうね』

「水海君、簡単に人を疑ってはいかんぞ。蜂使いは一杯居るからなー

『坂本君は、別れ際にこう言った』

『おかげ様で一生の宝物を、頂く事が出来ました』

『御礼を言って辞めて行った』

『もちろん、せん別として3ヶ月分の給料を上げた』


『蔦巻先生、今現在養蜂園の皆さんはどの辺りで、蜂蜜収集をして居るんでしょうね』

『今の時期は、種子島の辺りで蜂蜜収集をしとる筈じゃ』

『スズメバチを一万匹2万匹も飼って居る人を探したらその人が犯人ではないでしょうか』水海

『正しい養蜂家だったらミツバチの筈ですよ』

『まさか、スズメバチで密集めはしないでしょう』

『蔦巻き先生、研究所で訓練して居る、ミツバチとスズメバチを使って、スズメバチを何万匹も飼って居る人を探しませんか』

【先生は暇でしょう】水海

【何を言って居るんじゃ君は、暇だけど忙しいんじゃよ】

『家の蜂達をワゴン車に載せて、日本中を探し回るのかい』

『種梨君も物好きじゃな』

『そういう事件は、警察に任せれば良いと思うがな』


『だって、手掛かりは全く無いそうですよ。殺人事件の場合は凶器の発見が第一ですよ』

『凶器のスズメバチは、窓から空へと飛んで逃げて消えた訳です』

『うーん、特別銀行からも、依頼が在る訳でも無いしねー』

『警察からも、何の依頼も無いしねー』

『何の依頼も無いのに探し回るのは、よっぽど暇な奴じゃな』

『犯人の顔も、全く特定出来て居無いそうですよ』

『ビデオカメラに写って居る、5秒間の犯人の顔の正面にはスズメバチが80匹から、100匹位群がって居たんですよ』

『スズメバチの下の顔は、白のマスクと黒のサングラスですよ』

『顔の特定は全く無理ですよ』


『蔦巻き先生、若い銀行員が一人死んで居るんです』

『スズメバチに刺されて、苦しみながら死んで行ったんです』

『実は僕の弟の同級生なんです』『弟の第一の親友が、スズメバチに刺されて死んで行ったんです』

『名前は金太郎君です、御家族の落胆振りは、痛々しい程です』

【何とか、逃げっぱなしの犯人を捕まえて、法の裁きを受けさせてやりたいのです】

『えーっ、何っ、種梨君の弟の第一の親友だったのかい』

『名前は何っ、フルネームで何っ、もう一回言ってくれ』

『一文無金太郎君(いちもんなし、きんたろう)です』


『金に縁が在る様な、無い様な不思議な名前じゃなー』

【銀行の面接で良く受かったな~~】【奇跡でも起こしたか~~】

『蔦巻き先生、今の発言は、差別的に聞こえますよ』水海

『個人の感想は要りませんよ』水海

『あーっ。そうかい。単なる直感で口走っただけじゃよ』

『先生の発言は時々癖の在る発言で、世間との道が少しずれて居る様に感じます』

『今のままですと、道を外れて側溝に落ちて、側溝を一生歩き続ける様に成る様な気がします』

『種梨君、君の今の発言も問題じゃないかい』

『その辺は読者の皆さんが、判断致します』

『けっ・・・』蔦巻きの声


『ところで、種梨君の弟の名前は何じゃった』『種梨武道と言いす』

『ちょっとまぎらわしいが、たけみち君でいいのかな』

『水海君には兄貴もおったな、確か3人兄弟と聞いておったが』

『名前は何と言う名前じゃ』

『はいっ。兄は、種梨柿太郎(たねなし、かきたろう)』

『おっと。長男らしい、名前じゃ』

『是非、蔦巻き先生に、弟の同級生の敵を打って貰いたいのです』

『よしっ。解った』

『そう言う事なら、準備するかい』と蔦巻は返事した

【逃げっ放しの殺人犯を捕まえるぞ】水海は言った

『今の言葉、わしのセリフじゃないかい』蔦巻

『先生の代わりに、口走っただけです』水海

『けっ・・・』 蔦巻の声


【怪しい方角はどっちだ】

〖蔦巻と水海は銀行強盗の在った、現場近くに着ていた〗

〖銀行強盗の在った銀行を中心にして、地図上にコンパスで円を描き半径2キロ位の地区から、探し始めて行く事にした〗

〖少しずつ段々と半径の距離を、広げて行く事にした〗

〖警察も近くの養蜂園は、回ったと思われる〗

〖さぞかし足を棒の様にして、探し回った事だろう〗

〖しかし蔦巻は、専門的なやり方にした〗


【蜂の事は蜂に聞けだ】

『先ず約130匹位の選ばれた蜜蜂を、先兵隊として放す事にした』

〖訓練されて居る蜜蜂だ〗

〖全員可成り高い潜在能力が在る蜜蜂達だ〗

〖2人でじっと、帰って来るのを待つだけだ〗

〖さて、どんな報告をしてくれるのだろうか〗〖約130匹の蜜蜂が、空高く舞い上がった〗

〖10メートル位舞い上がった所で、8つの方向に分かれた〗

〖一組が大体16匹だ〗

〖2人は空を見上げて、16匹ずつ組んで行く様子を見送った〗

〖蔦巻き先生どの位の時間を、待てばいいのですか〗


〖この範囲だと大体60分位じゃな〗蔦巻

〖車の中で待って、50分位したら車から出て待っていようか〗

〖双眼鏡で覗いて見ようかい〗〖50分近くに成った、2人は車

から出た〗

【先生、一組目が帰って来て居ます】


【南東の組です・16匹ちゃんと居ます】

【2組目も帰って来ました・南西の組です・16匹居ます】

【3組目も帰って来て居ます・東の組です・16匹居ます】

【4組目も帰って来て居ます・南の組です・16匹居ます】

【5組目も帰って来て居ます・西の組です・16匹居ます】

【6組目は帰って来たのは・4匹だけです・北西の組です】

【7組目も4匹だけです・12匹居ません・北組です】

【8組目は・14匹居ますが・2匹居ません・北東の組です】


〖帰って来た蜜蜂の体を全て、点検しながら巣箱に戻した〗

【特に、北西の組と北組と北東の組はルーペで体を点検した】

『先生どうですか、この3組は』


『体中に傷が在るな、この傷は戦った証拠じゃ』『何箇所か

、嚙まれて居る』

『北東の組は軽い傷じゃ』

『特に、北西の組の傷が大きい』『北組も大きい傷じゃ』

【よう、戻って来たな。深い、傷じゃ】

『南の組だけが、体中に花粉だらけじゃ』

『種梨君。車を北西の方向に5百メートル移動じゃ』

『磁石を観ながら、北西の方向に車を5百メートル移動した』

『先生、今度はスズメバチですか』『いや。まだじゃ』

『今度は・北と北西だけに放して見よう』


〖一組・32匹ずつに数を増やした〗〖合計64匹の蜜蜂が北西と北に分かれて飛んで行った〗

『飛ばす前に、先程の北西組と北組に分けて一緒にして置いた』

〖多分、多くの情報を伝えて居る筈だ〗

【そう言う風に訓練されて居る】

〖一緒に行けば一番良いが、体の傷が深くて無理だ〗

『先生今度はどの位の時間が掛かりますか』 水海

『多分、40分位じゃろう』

〖30分位車の中で待ってから、空を見上げた〗


『先生、北組が帰って来る様です』『そうかい、数はどうじゃ』

『北組は28匹居ます。4匹が戻って来て居ません』

『北西の組が見えて来ました、双眼鏡で見ると6匹だけです』

『26匹が戻って来て居ません』

『北西の方角に、可成り強力な集団が居る様じゃな』

『多分食われたな、正体はまだ解らんが』

『もう5百メートル、北西方向に車を移動じゃ』

『今度はスズメバチを120匹、北西の方角だけにとばすぞ』


〖先程の北西の組の、傷が軽い蜜蜂を8匹入れる事にした〗

〖混合チームだ 早速飛ばした〗水海

『今度はどの位時間が掛かりますか』水海

『大体20分から30分じゃろう』『30分もすると、スズメバチ達が

帰って来た』

『数が半分に減って居るなー』蔦巻

『帰って来たのは60匹だけですね』水海

【60匹は噛み殺された様ですね】水海

『種梨君、別の組の2匹のスズメバチに、白いヒモを付けてくれ』

『長さは、80センチ位じゃ、2匹供じゃ』


『この2匹は、先程飛んだスズメバチと一緒にして置いた』

【場所を聞いた筈だ】

〖飛ばすのは、ヒモを着けたこの2匹だけじゃ〗

『種梨君、少し走るぞ。足に自信は在るかい』

『えーっ。走るんですか。僕は、中学・高校と美術部だったので走るのは、チョットなー』

『そう言う事は、3日ぐらい前に言って貰えませんか』水海

『筋トレ無しで行き成りですか』 水海

『3日間位の筋トレじゃ、大して変わらんぞ』蔦巻


『当たり前じゃろが』蔦巻

【此の期に及んで、何を言いだすんじゃ、良いから早く走れ】

〖蜂を放すと、白いヒモを着けて飛び上がった』

〖2人は目印の白いヒモを、追いかけて走った』

〖2百メートルも走ると、大きな林が在った〗〖林の入り口付近で

2匹のスズメバチは待機した〗

〖先生が手で合図をすると、2匹のスズメバチは戻って来た〗

『腰にぶら下げた虫篭に素早く入れた』


『種梨君、20メートルの範囲内に巣が在るぞ』

『多分、スズメバチじゃ』

『君は戻って車を移動してくれ』

『また~~2百メートルですか~~』水海

『長い人生で走る事は、4回や5回は必ず在る』

【わしは車が来るのを待つ】

〖水海は車を移動して来た〗

〖近くを探すと、大きなスズメバチの巣が見付かった〗

〖研究所のスズメバチの死骸が在った〗〖戦った跡だった〗

〖体液を吸われとる、後は蟻の仕事だ〗

〖取り敢えず2人で、スズメバチの巣は撤去したが〗

〖結局スズメバチの巣の発見と、撤去だけで今回は空振りに

終っわた〗

『先生、今回は犠牲が多かったですね』水海

『まー仕方ないさ。こういう事も在るさ』

『明日からまた出直しですね』水海

『明日は、北東の方角をやってみるかい』蔦巻

【露花養蜂園】(つゆばな)


『今日は、銀行を中心にして、5キロの所から放しましょうか』

『種梨君、今日は打ち合わせ通り、北東の方角と、北北東の方角に

飛ばして見ようかい』蔦巻

『今日はスズメバチから、やって見ようかい』『まず一組80匹ずつ2組でやって見ようかい』蔦巻

〖30分位すると北北東の組が、戻って来た。80匹全員無事だ〗

〖体中に花粉が付着して居た〗〖近所に花が多く在る場所が

在るらしい〗

『先生、北東の組が帰って来て居ますよ』

『どうじゃ、数は』

『80匹全員戻って来て居ますよ』

『よーく、見てみよう。おーっ。全員口がふくらんで居る』

『口の中は蜂蜜で一杯だぞ』


『種梨君近くに、蜜蜂の巣箱が在るぞ』

『スズメバチに案内して貰いますか』水海

〖スズメバチに、白いヒモを着けると車で跡を追った〗

〖前回は可成り走って疲れた〗

〖7~8分すると遠くの方に蜜蜂の巣箱が30箱位程置いて在るのが

見えて来た〗


『蔦巻き先生、在りましたね』

『先導した蜂を巣箱に入れて、80メートル位手前で止まった』

『種梨君、双眼鏡で暫く観察じゃ』

『単なる、蜂蜜収集みたいですね』『当然の事じゃが、

全部蜜蜂じゃな』

『あの巣箱に侵入して、北東の組は蜜を吸い盗った様じゃな』

『養蜂家の車が来たら、跡をつけるとしよう』蔦巻

〖暫くすると、一台の白いワゴン車が到着した』

〖ワゴン車の側面に、名前が書いて在った〗

〖露花養蜂園と書いて在った。40分もすると蜂蜜収集も終わり車が

走り出した〗

〖近づくと不審に思われるので、蜜蜂に目印を着けて放ち蜜蜂に後を付けさせる事にした〗


〖我々は目印を着けた蜜蜂を追う事にした距離を長くとる事にした〗

〖30分位走ると、白い建物が見えて来た。建物の看板に露花養蜂園と書いて在った〗

〖敷地は千坪から千5百位は在りそうだ〗

〖緑が多い静かな場所だ、60メートル位手前で車を止めた〗

〖先ず蜜蜂に偵察させる事にした〗〖16匹の蜜蜂を放した〗

『双眼鏡で観察じゃ』蔦巻

『何処かに、蜂の出入口が在るじゃろう』


〖先兵隊の蜜蜂は、建物の周りを暫く飛んでいたが、出入りする穴を見つけたらしく、すっ~と中に消えた〗

〖5分位すると偵察蜂が物凄い勢いで、ぶっ飛んで出て来た〗

〖追われて居る様子だ〗

『蔦巻き先生、12匹の蜜蜂が追われて逃げて来ていますね』

『スズメバチに見付かったらしいな、直ぐにスズメバチの精鋭隊150匹を応援に出してくれ』

【強力なスズメバチを放て】

〖150匹の精鋭隊が、物凄いスピードで飛び出し・戻って来る味方の蜜蜂を目標に向かって突進した〗


〖2分もしない内に、戻ってくる蜜蜂とすれ違って、後ろの黒い塊に飛び掛かった〗

【すれ違って10秒で、戦いが始まった】

〖その塊の大きさを見ると、30匹位のスズメバチだ〗

〖30匹のスズメバチに対して、150匹のスズメバチは

圧倒的な強さだ〗

〖3分位戦うと決着は着いた。勿論こちらの勝利だ〗

〖相手のスズメバチ全員供に、嚙み殺した〗

〖戻って来た。巣箱に入れた〗

〖その時、蔦巻が叫んだ〗


【あっ大変だ種梨君、直ぐに退散だ・逃げるぞ】

【早く発進してくれ、アクセル死ぬほど踏んづけろ】

『如何したんですか先生。30匹全員、嚙み殺しましたよ』

『双眼鏡で良く見給え』【1匹が逃げ帰って居るぞ31匹いたんじゃ】

『逃げた1匹が建物に入ったら、スズメバチの大群が飛び出して来るぞ兎に角早く逃げるんじゃ』

『種梨君5000匹位は飛び出してくるぞ。8000匹かも知れん』


『水海は双眼鏡で観たあっ。本当だもう一匹居たんだ』

『不味いですね』

【何だ。まだ発進して無かったのか】蔦巻

【早く発進しろ】

【ギアなんかもう、どうでも良いからアクセルを踏み倒せ】蔦巻

【年寄りのどうでも良い、アクセルの踏み間違いが重大な交通事故を引き起こすそうですよ】 水海


【そう言う事は、車を発進してから、言い給え】蔦巻

【ドッドッー――ン】【アクセルを、死ぬほど踏み倒した】

【これでどうです】【一気に30メートルぶっ飛んだ】

【うわっっ~~~~~っ】【やっぱり危ね~~~な】蔦巻

【この野郎~~~】蔦巻【バック・ギヤ・に成って居た】

【これが町中だったら・重大な交通事故に繋がりますよ】水海

【けっ・・】蔦巻


『どうですか先生、何か見えますか』 

『スズメバチに決まっとる。やっぱりな、大群が飛び出してきたぞ』

『余計な喋りで、時間を食っちまったぞ』蔦巻

『追い着かれるぞ』『あー水海君・ギヤは正しく入れてくださいね』

【黒い塊が、追いかけて来てるぞー】蔦巻

『5000匹はいるなー』『4キロも走れば追跡も諦めるじゃろう』


『養蜂園がスズメバチを飼いますかねー。怪しく無いですか』

『そうじゃなー、暫くの間監視した方が良いかも知らんな』

『しかし先生迂闊に近づけませんよ、スズメバチが監視して居る様ですからねー』

『普通はそんな事はし無い筈じゃが、ちょっと怪しいかなー』

『種梨君、ビデオカメラ持っているかね』

『いやー、そんな高級な品物、持っていませんよ』

『コンパクトな、ビデオカメラがいいんじゃがな』

『明日早速、新宿のヨドバシカメラで、コンパクトビデオカメラを

買うんじゃ』蔦巻『お金は貸して上げるよ』蔦巻

『えーっ自分で支払いですか』水海

『撮影が上手く行ったら、全額わし持ちじゃ』蔦巻


『コンパクトで・小さなレンズで・隠し易いタイプじゃ』蔦巻

『どんなカメラか、想像着くじゃろうが』蔦巻

『ひょっとして、盗撮用ですか。カメラ屋の店員に白い目で見られそうですね』水海『少し位大きくても良いじゃ、無いですか』

『極一般的な、ファミリータイプはどうですか』水海

『何を言っているんじゃ、君は』蔦巻


『盗撮して警察に捕まる奴は、盗撮する被写体が間違って居るんじゃ『三角形で白い色の所とかな』『付け根付近とかな』蔦巻

『盗撮用を買うんじゃ正しく使えば問題無い』

『2日後に蜜蜂の買付業者を装うって、建物の内部を盗撮する

事に成った』

【アゴを摩るクセ】

〖水海は偽物の名刺を出しながら〗

『こんにちは須田巻物産と申します』(すだまき・ぶっさん)と

〖名刺を手渡した〗

『はいっ。どの様な御用件でしょうか』

『私共は、色々な食材を買付けて、売買して居る業者です』

『是非、露花養蜂園様の蜜蜂を、仕入れたいのですが』


『どうでしょうか』

『条件にも寄りますね、ご相談致しましょうか』係長さん

〖先ずは、建物内部を見学させて貰う事にした〗水海

〖1階から2階まで見学して回った、隠し持ったビデオカメラで丹念に撮影をした〗

〖しかし建物内には、スズメバチの巣らしき様子は見当たら

なかった〗

〖何処かに怪しい場所が在る筈だが、解らなかった〗

〖大勢の正社員が働いて居た〗

〖露花養蜂園は、まだ新しい会社で、設立してから丁度2年位

との事だった〗

〖買付の話は大まかに決めて、再度来社してから決める事にした〗

〖大体2万匹の、蜜蜂を買う事にした〗

〖そして、建物を後にした〗


〖蔦巻先生の研究所へ戻り、ビデオカメラの映像の分析をして観る

事にした〗

『あーっ。種梨君、ちょっと今の映像の所をちょっと、戻して』

『そこ・そこ・そこでストップだ』『良く観給へ右隅の上の所じゃほら穴が在るじゃろう』蔦巻

『きっと、此の穴から2階を通り越して、2階の屋根裏部屋に通じて居るぞ』『多分屋根裏全体に、スズメバチの巣が幾つも在る様じゃ』

『しかも、もう一か所も穴が在るぞ』蔦巻

『うーん。正しく解らんが3万匹から5万匹の、スズメバチが居るかも知れんな』蔦巻

『社長さんには会ったかい』蔦巻

『いえ。課長さんと係長さんと後は、受付カウンターに居た女性社員の方々です』水海

『社長さんに面会して、盗撮ビデオ撮影じゃな、それから銀行強盗のビデオと見比べじゃな』蔦巻

『しかし、先生今度行ったら契約しないといけない様になるかも知れませんよ』水海

『契約する前に、社長さんに会ってから決めたいとか、何とか言ったらどうじゃ』『社長さんに会って撮影が完了した所でもう一度検討して見ますとか、何とか言えば良かろうが』

『噓つくのは上手な筈じゃろう』


『先生そんな風に見てたんですか、こう見えても正直者で通って居るんですよ』水海『あーっ。それは失礼した』

【ほんの、直感で口走っただけじゃよ】蔦巻

【ま~た~直感ですか~~】

『僕の直感では、先生の直感は大きく、的が外れて居る様にしか聞こえませんよ』水海

【けっ・・・】蔦巻

〖水海は何とか社長さんに会って、ビデオ撮影に成功した』


『種梨君』

『弟の武道君は、確かパソコンが得意じゃったな』

『長年パソコンと、付き合って居ると聞いたが確かかね』

『そうですね、3歳の頃からパソコンの上で遊んで居ましたから』

『ほう、3歳からパソコンの打ち込みかい』

『それは凄いぞ。頼もしい弟じゃな』 蔦巻

『いや~、それが~、3歳の時にパソコンにまたがって小便

漏らした様です』水海

【それは話が全く、別次元・四次元の世界の話じゃ】蔦巻 

【今はもう、治って居るんじゃろうな~】

【まだ・四次元の世界でお留守番かい~~】

【4次元の世界で行方不明かい~~】

『研究所のパソコンを、操作して貰いたいのじゃ』

【時間を守って来る様に、四次元の小便小僧に言ってくれ~】

〖ビデオ映像の解析が始まった〗

『先生どうですか、銀行強盗の犯人の映像と、今回の映像と

見比べて見て』

『サングラスとマスクを取れば、似てない事もないが顔が』

『ちょっと決め手に欠けとるなー』

『しかし、顔のりんかくはそっくりじゃ』蔦巻

『昔、先生の所で働いて居た、坂本良一さんとはどうですか』

『背格好はほぼ同じじゃが、顔が全く違うなー』蔦巻

『こんな細面じゃ無かったなー』『もっと丸顔だったなー』

『別人ですか、先生』水海


『うー-ん。顔が違い過ぎるんじゃなー』

『社長さんは、タバコは吸っとったか』『いいえ、タバコは吸わないそうです』

『坂本君はタバコが好きじゃった。いつも缶ピーを持って居った』

『缶ピーですか。もしかして、ヘビー・スモーカーですか』

『いや・いや・好みは両切りじゃが、本数は一日10本と決めて

吸っとった』

『顔が違うんじゃ、やっぱり、別人ですかね』水海

『あっ。待て・待て・そこんところ、もう一回リプレイじゃ』

『どうしたんですか、先生何か発見ですか』

『坂本君にはくせが在ったんじゃ』

『今のアゴさすり方が、坂本君にそっくりなんじゃよ』


『ほら・ほら・右手の親指と人差し指で、アゴを挟んでス~ッ・

ス~ッと2回さするんじゃよ』

『人間の深層心理の現れ方じゃ、本人は全く気が付いとらんの

じゃよ』

『無意識の内にクセが出るんじゃよ』蔦巻

『坂本君は、困る様な質問を投げ掛けられると、必ずアゴを2回

さすって居った』

『この場面で、何と質問したんじゃ』

『社長さんは、どちらで蜂の扱い方を、勉強されたんですか』

と・『聞いた場面です』

『何と、返事をしたのじゃ』

『うー-ん、と言いながら、詳しい事は言え無いなーと』

『返事されました』

『困った顔が似とるのー』

『しかし、顔が全く違うからのー』

『もう少し、調べる必要が在る様じゃのー』

【蔦巻イチローの武器】〖2日後〗〖2人は法務局に出向き、露花養蜂園の登記簿謄本をコピーした〗

〖所有権移転登記の日付が、銀行強盗が在った一年後に成って居た〗

〖水増し国分寺不動産から、坂本良一に所有権移転の記載〗

【みずまし・こくぶんじふどうさん】

【大水増し国分寺不動産・所有権抹消の記載】

【原因・所有権・放棄】

【事項欄・所有者・坂本良一の記載】


〖蔦巻きは可成り驚いた〗

〖真逆さかとは思っていたが、坂本良一君とはなー〗

〖あの顔は整形したんじゃろうか、顔だけ見ると全くの別人じゃ〗

〖あのクセが無かったら、全く見破れんかったぞー〗

〖法務局を出て20分位して、狭い道に差し掛かった所で、横から飛び出して来た車が、目の前に行き成り止まった〗


【ギギギーーーッ】【ギュウギギーーーッ】

〖急ブレーキでタイヤが軋んだ、ぶつかる寸前で止まった〗

〖蔦巻と水海は車から降りた〗

〖目の前に止まった車のドアが、四方に開いた〗

【4人の男達が出て来た】

【ドタン】【バタン】【ドタン】【バタン】と勢い良く出て来た

〖その内2人は大柄だ。1メートル90位在りそうだ〗


『おめーら、何コソコソ嗅ぎ回ってんだ、この野郎』

〖どう見ても、ヤクザ風で、タトゥーもチラッと全員見えて居る〗

『そこの、若いの てめーの名刺はデタラメじゃねーか』

『何が、須田巻物産だ・この野郎』

『そんな会社、ねーじゃ・ねーかよー』『大噓付きやがって』

『この野郎』

〖適当な名刺の嘘が、バレてしまったらしい〗

『嗅ぎ回るのを、止めて貰らおうじゃねーか』

『おいっ、そこの、ひょこたんじじい』〖先生の顔を見ると

平然として居た〗

〖真逆さ、空手とかボクシングとかやって居たと、聞いた事は

無いのだが〗

『ひょこたんじじい、覚悟して貰らおうか』【この野郎】

〖少しずつ、近づいて来た〗『聞こえてんのかひょこたんじじい』

『腕の一本もへし折って貰いてーか』【おいっ】

『4人の内2人が刃物を取り出した』

〖水海は青ざめた・元美術部で全くひ弱な、単なる純真な青年だ。体力測定ではいつも、ビリッケツだ〗

〖4人との距離は3メートル位に成った〗〖どうする蔦巻先生〗

〖蔦巻はゆっくり懐から両手を出し、手のひらを上に向けた〗

〖何やら黒い物が動めいて居る〗

〖水海は蔦巻きの両手を見て、ギョッとした〗


【スズメバチだ】

〖4人のヤクザ風の男達も、手のひらを見て凝視した〗

〖4人の男達は逃げ腰風に見えたが〗

〖大柄な男の一人が〗〖なんだ、アシナガバチじゃねーか〗

〖横を向いて2人に〗

【おいっ。大弱虫早漏】(おおよわむし、そうろう)

【おいっ。御小蝶トンボ】(おこちょう、)

【叩きつぶせ】

【なんと、蔦巻の両手には12匹ずつの、黒い悪魔が円を描いて】

【ホバーリング待機して居た】

【大弱虫早漏と御小蝶トンボ供に、中々足が出ない】

〖後ろに下がりながら〗

『おもしれ~~じゃねーか~』【この野郎】と言った途端

【蔦巻の指がピクリと動いた】

〖24匹のスズメバチが、猛然と4人に飛び掛かった〗

〖飛んだ途端に男達は、車に乗り込もうとしたが、スズメバチの方が遥かに早い〗

〖ドアに手を掛けた所で、次々に刺されまくった〗

〖結局ドアは開けられず、車を置いて一目散に逃げたが〗

〖訓練されたスズメバチの方が、遥かに早い〗

〖逃げながらも、5回・6回・7回・8回・と刺されまくった〗

【蜂なので8回で打ち止め~~】

〖4人の男達の鳴き喚く悲鳴が、林中に鳴り響いて共鳴した〗

【あ~っ】【くそ~っ】【ちきしょう~】【あっ~~

【このやろう~】【いてて~~】【あっあ~~】【うわっっ~】

【折角のイケメン面が~】【ちくしょう~】【あっあ~~っ】

〖蔦巻と水海は、共鳴する悲鳴を後にゆっくりと、車を発進した〗


【ピ~ポ~・ピ~ポ~】【ピ~ポ~・ホイキタ・ドウシタピ~ポ~】

【ピ~ポ~・ホイキタ・ドウシタ・ピ~ポ~・ドウシタ・ピ~ポ~】

【ピ~ポ~ピ~ポ~・ホイキタ・ドウシタ・ホイキタ・ピ~ポ~】

【ピ~ポ~ピ~ポ~・ドウシタ・ソレカラ・ドウシタ・ピ~ポ~】


〖救急車4台とすれ違った〗

【気の利いた誰かが、119番通報をしたらしい】

『蔦巻先生、いつも懐にスズメバチを入れて居るんですか』

『毎日懐に居る訳では無い』

『必要だと思われる時だけ、準備する様にして居る』

『護身用としてな、その時状況に寄って数は違うがね』

『先生』

『あだ名を考えました』

【スズメバチの蔦巻】『どうです、中々良いでしょう』

【けっ・・・】蔦巻

【墓が在った】

『先生、この間は上手く行きましたね』

『また違った手を、使ってくるかも知れんがな』『油断大敵じゃよ』

『坂本良一君も、ヤクザもんとつながりが在るとは、相当な悪に

成っとるな』蔦巻

『どういう経緯で、あんな風になったんでしょうね』水海

『坂本君の両親供に既に他界しとるが、弟が一人居った様じゃ』

『先ず、弟さんを探して、当たって見るのはどうです』水海

『確か弟は、種子島の病院でレントゲン技師をして居ると聞いた事が在る狭い島じゃ直ぐに解るじゃろう』

『種梨君、君一人で行って来てくれ』『旅費は出してくれ』え~~っ

〖水海は一人で種子島へと飛んだ〗【Y・S・11】だ


〖警察で、何軒かの病院の場所を聞いた〗

〖一軒ずつ当たる事にした〗〖4軒めで、種子島中央病院に行った〗

〖病院での話に寄ると、確かに坂本勇二と言う男がレントゲン技師として働いて居たそうだ〗

〖アパートで兄弟2人で、暮らして居たらしいが〗

〖ある時、溺死体が浜辺に打ち上げられたそうだ〗

〖それが兄の、良一君だったのらしい〗

〖警察では事故死扱いに成って居た〗

〖弟が墓を建てた後、埼玉県児玉郡に帰ったらしいとの事だった〗

〖墓が在るので、見に行くと良いと言ってくれた〗

〖水海は、教えられたお寺に行き、住職に墓を案内して貰った〗


〖確かに、坂本良一の名前が刻まれて居た〗

〖直ぐに埼玉に帰った〗

『蔦巻き先生おかしいですよ』 『坂本良一さんは既に死んで

居るんです』

『死んだのが3年前ですから、2年前の銀行強盗の犯人は良一さんでは無いですね』

『兄の良一さんを殺ったのは、弟の坂本勇二じゃ無いでしょうか』

『顔は整形じゃ無くて、弟の顔なんですよ』

『兄弟だったので、クセがそっくりだったのですよ』

『種子島中央病院に勤めて居た坂本勇二は、タバコは吸わなかったそうです』

『露花養蜂園の登記簿謄本には、所有者・坂本良一と記載

されて居ます』

『詰まり、勇二が良一に成りすまして居ると言う事です』

『兄に成り澄ます事は簡単です』『お互い良く知って居ますから』


『種子島に墓を建てたのも、説明が付きます』

『埼玉で墓を建てると、良一に成りすました時に、見つかる可能性が高く成ってしまう訳です』

『真逆さ自分の名前を、刻む訳に行け無い』

『建てないのも兄が可哀想に成る』

『そこで、種子島の静かなお寺に、ひっそりと建てるのが都合が

良かった』

『種子島までわざわざ、墓を探しに行く人は居ませんからね』

『蜂の扱い方は、兄の良一に教えて貰ったんでしょうね』

『それで僕の質問にも、答えにくかったんです』

『兄の良一に、教えて貰ったなんて、言えませんからね』

【良一に、成りすまして居る訳ですから】

【答えに困って、そこで思わずアゴをさすってしまった】

『どうして兄の良一に、成ったんじゃろか』蔦巻

『僕の推測ですが、多分坂本勇二の過去を消したかったのですよ』

『勇二の過去を調べれば、解ると思います』


『勇二はヤクザもんと関係が在る様ですから、ヤクザもんが勇二の全てを知って居ると思います』

【この間の連中は、何組じゃろか】蔦巻

『先ず、そこから調べる必要が在る様じゃな』

『先生簡単ですよ』『あの連中は』

【スズメバチ・刺され組ですよ】

『種梨君、君も随分上手く成ったね』【座布団3枚じゃな】


【ガセネタの元】

〖5日後〗

『蔦巻先生すっかり謎が解けました』

『どうして、勇二は兄の良一に成りたかったのか』

『勇二は18才位から、ヤクザもんと付き合う様に成って居て』

茂戸木組もどきぐみと言う組の組員に成って居た様です』

『在る時、ちょっとした口論から、相手を刺殺してしまい』

『刑務所に服役して居た様です』

『12年間服役して出て来てからも、茂戸木組みの連中と会って居た様なんですが』

『兄の良一に、何度もさとされて、組から足を洗った様何ですが』

『偶には会ってつながって居た様なんです』

『勇二が刑務所に服役中にも、良一は刑務所に何度も面会に出向き勇二を色々とさとした要です』

『面会時間も15分と限られて居ますから、毎月3回12年間続けた

様です』


『良一は勇二と、簡単な世間話に応じて居た様です』

『勇二に楽しみは何だと、聞いたら髭剃りと答えたそうなんです』

『良一は勇二のそう言う話を、笑って聞いて居たそうなんです』

『服役が終わってから』

『良一と勇二は、時々酒を飲んで居たそうなんです』

『しかし、酒を飲むと俺も兄貴の様に真面目に生きてみたいと漏らして居た様です』

『自分の過去を消せるものなら、消してみたいと、泣く事も

在った様です』

【兄の良一の生き方を、うらやんで居た様です】

『情報源は確かじゃろうな』蔦巻

『仕入先は何処じゃ』蔦巻

『茂戸木組みと深い関係が在った、別の組の男の証言です』

『この男は信用出来る男です』 水海

『この間の4人組が、茂戸木組とよう解ったのう』蔦巻

【スズメバチ刺され組・4人衆】と言ったら【茂戸木組】と

『ヤクザ業界では、可成り有名な事件に成って居た様です』

【4台の救急車で、搬送された様です】

【ヤクザ業界では、驚愕と戦慄】が【稲妻の様に駆け巡った

そうです】

『4人のヤクザもんは、救急車の中で、糞と小便を漏らして救急車の中に撒き散らした様です』

『救急車の天井・うんちん席までもがウンチまみれ』

【常識では計り知れない、驚愕・驚嘆・四次元の世界に突入】

『4人の男のクソ小便は、ベッドはおろか車内全てに染み込み』

『4台の救急車は余りの臭さに、60日間使用不可能に成った様』

『90間経った今でも・デタラメ・に臭さく』

【この4台の救急車で駆けつけると、必ず乗車拒否】


〖本庄市の救急車はどうしてこんなに、糞臭いのかと苦情が殺到〗【無理やり乗せられて0.5秒で気絶者続出】

【付き添いの人までも0.5秒で気絶】

〖救急隊員はバケツ一杯の塩を投げつけられる始末〗

【ナメクジ・見たいな対応を余儀なくされて居る】

【鼻をつまんで・しっ・しっと・玄関払先で追い払う】

【本庄市では、この四台の救急車をバキュームカーに改造】

【児玉清掃に、払い下げを議会で決定】【反対議員無し】

【改造費は200万円かかり、払い下げ価格は驚嘆と怒号の価格50万円】


『蔦巻き先生、7・8回刺されましたよ』

『大小便を漏らして、救急車の中にまき散らした様です』水海

『痛みは相当じゃないですか』

『少し数を減らした方が、良いかも知れませんね』水海

『解った 今度は23匹にしとく』

『人間擬きの集団じゃ・良いだろう』蔦巻

『先生、今の発言は差別的表現です』水海

『口走っただけじゃ』

【けっ・・・】【話は続きます】


『しかし、良一に成り澄まして居るだけで、警察が動いてくれる

じゃろうか』

『何かもっと決め手が欲しいぞ、銀行強盗の犯人にそっくりです

だけでは、逮捕出来んじゃろう』

『あっそうだすっかり忘れてた種梨君、弟の武道君にD・V・D・デジタル処理を頼んで居たんじゃが、そろそろ結果が出ているじゃろう』

『進行状況を聞いといてくれ』

『種子島警察で、司法解剖の詳しい検死結果を、見る必要が在るな』

『単なる溺死だけじゃ、どうも不に落ちんぞー』

『司法解剖やって居ますかねー』水海

『やっているじゃろう。いくら田舎の警察でも』蔦巻

『種梨君、もう一回種子島へ飛んでくれ』『旅費は半額持つ』えっあ

〖2日後〗

『蔦巻き先生、色々な事実が解りました』

『坂本良一さんの死因は、溺死じゃ無いそうです』

『肺の中・胃袋の中には海水は無かったそうです』

『アルコール反応は、在ったそうですが』水海

『そうじゃろうなー。おかしいと思ったぞ、坂本良一君は高校の時は水泳の選手で国体で2度も優勝した、男じゃったぞ』

『溺れる訳が無いぞー』蔦巻


『この間、溺死と言ったじゃないか、何処で聞いたネタじゃ』蔦巻

『居酒屋、串政の御主人が、言っていました』水海

『そりゃーガセネタじゃ もっと正しい情報を仕入無いとなー』

『判断が狂って来るぞ』

『先生、串政の御主人は正直者で通って居る人で、噓等つく人では無いそうですよ』水海

『そうじゃろうなー、串政の御主人に噓の情報を垂れ流した奴が不正確な奴じゃな』蔦巻

『種梨君、話がちょっとずれた、所で死因は何じゃった』


『後頭部打撲に寄る、頭蓋骨骨折が直接の死因です』

『鈍器で殴られたのか、足を滑らせて岩で頭を打ったのかは特定出来て居ませんでした』水海

『単なる事故死扱いに、成って居ました』水海

『坂本良一さんが浜辺に打ち上げられる、前の晩には兄弟2人で飲み屋に居る所が、目撃されて居ます』水海

『ちょっとした、口論にも成って居たらしいです』水海

『怪しいがあくまでも、状況証拠じゃな』

『よしっ。弟の勇二に直接問い詰めて見るしか無い』

『種梨君明日、露花養蜂園へ出掛けるぞ』

『大丈夫ですか。ゴロツキ共が居ますよ』水海

『真逆さ会社の中には、ゴロツキ、はおらんじゃろう』

【嘘つきは、居るかも知らんがな】


〖2日後〗

〖2人りで、出向く事にした〗

『先生、先ず警察に電話してから出向いた方がいいんじゃ

無いですか』水海

『銀行強盗の犯人らしい男が、居るだけじゃ警察は動かんぞ』

『坂本勇二がシッポを出して、銀行強盗を認め、兄の良一君を殺害した事を認めた時に、キッチリ掴んで警察に通報する事じゃ』

【弟の武道君の腕次第じゃな】

『出向く前に弟の武道君の、デジタル処理の確認じゃ』

『3人で、デジタル処理の成果を、確認する事に成った』

『前回観た時は、白いマスクとサングラス、しかも、顔の正面にスズメバチが100匹ほど居た』

【蔦巻は叫んだ】


【おーっ。凄いぞ、これは日本警察のデジタル処理技術を、遥かに

飛び込えているぞ】

『日本警察が見たらぶったまげるぞ、これは凄いぞ』

『武道君、明日君は、東京警視庁にスカウトされるぞ』蔦巻

『しかも、無試験、面接試験免除、給料言い放題』蔦巻

【まだ、独身かい、そりゃーいいぞ】蔦巻

『東京警視庁の、デジタル部長にばってきされるぞ』蔦巻

【超ムッチリ美人、超ミニスカートの婦警さんと尻愛に慣れるぞ】

【先生、漢字3文字違うような気が、するんですが】水海

【けっ・・・】蔦巻

【何を言っとるんじゃ。この漢字の方が、現実的且つ神秘的じゃ】

【2人仲良く・曼荼羅・桃源郷・神秘的四次元の世界に突入じゃ】


〖5秒間の映像を、デジタル処理した映像を見た〗

【スズメバチ無し・サングラス無し・白いマスク無しの顔が

写って居た】

〖2人は可成り驚いたが、武道は別に驚く事は無かった〗

『種梨水海君、この顔は誰れじゃ』蔦巻

【露花養蜂園の社長と、全くの同一人物です】水海

【まぎれも無く、坂本勇二ですね】水海

【これを見たら、言い訳出来んじゃろう】

【小便小僧も、大したもんだ】蔦巻

〖明日、蔦巻と水海は2人で、露花養蜂園へ出向く事にした〗


【勇二の薄笑い・そして】

〖露花養蜂園へ着くと、社長さんに面会を申し込んだ〗

「しかし、この建物には居無くて別の建物に案内するとの事だった」

〖露花養蜂園の車で案内するとの事だったが、自分達の車で行く事にして先導して貰う事にした〗

〖車で10分位で着くとの事だった〗

〖車が発進してから3分もすると、蔦巻は4匹の蜜蜂を窓から放した〗

〖それらしき建物が見え始めて、後一分位で着く所でまた

4匹の蜜蜂を窓から放した〗

〖先生、今の蜜蜂達は何の為ですか〗水海

【万が一の時の用意じゃ、相手の出方にも寄るがな】


【人間信用出来んぞ】【時間が経てば解る事じゃ】

〖車が着くと2人の男が立っていた〗〖連絡されて居たらしい〗

〖2人の男達が無言で社長室に案内した〗

〖2人の男は部屋から出ると鍵をかけた〗

〖ドアの外で立っている気配だ〗

〖部屋に入ると、坂本良一ならぬ勇二が座って居た〗

【君は良一君じゃ無くて、弟の勇二だね】

〖行き成りの挨拶だ〗〖解ってしまいましたか〗


【良一君の死因は、後頭部打撲に寄る頭蓋骨骨折が、直接の死因らしいが君は頭蓋骨骨折の原因を、知って居る様じゃね】

【岩から落ちた様ですよ】本当にそうかね、銀行強盗の件は

どうじゃね〗

〖やったのは君じゃろう〗

〖いや、全く身に覚えが在りませんね、それは、言い掛かりですよ〗

『証拠が在るぞ、ビデオカメラに君の顔が、鮮明に写って居るぞ』

『デジタル処理で、サングラスとマスクを取ったら、正に君の顔に

成ったぞ』蔦巻

『レンズの前に、スズメバチ100匹ずつが、蓋を作って居る

筈ですが』

『写って居るのはスズメバチだけで、顔は写って居無いでしょう』

『どうしてスズメバチが、蓋をして居たと解るんじゃ』蔦巻

『ビデオカメラの映像を見ないと、解らん筈じゃ、それとも現場に居たか犯人としてな』蔦巻


『それを知って居るのは、君自身が蓋をする様に、スズメバチを訓練したからじゃろうが』蔦巻

【あらかじめ知って居るのは、犯人の証拠じゃ】蔦巻

【今の発言は、犯人しか知り得無い秘密の暴露に該当する】蔦巻

〖坂本勇二は、急に黙った〗

【右手の親指と人差し指で、あごを挟み2回摩った】

【例のクセが出た】

『警察に自首したらどうじゃね、少しは罪が軽く成るぞ』蔦巻

『兄の良一君殺害の件も、正直に喋るんじゃ』蔦巻

【殺したんじゃろうが、意見が対立して邪魔に成って殺した】蔦巻

【銀行強盗の話を持ち掛けて、断られて、諭された】

【そうじゃ無いかね勇二君】


【全てを解ってしまったらしいですね】

【先生のおっしゃる通り、兄は私が殺害しました】

【銀行強盗も私が実行しました】

『兄は蜂達を本当に愛して居ました、蜂達を犯罪の道具にするなと

激しく私を責めました』

『あの大人しい兄が私に、掴み掛かって来ました』

『背を向けた瞬間、側に在った石で頭を数回殴りました』

『銀行強盗の動機は何じゃ、ヤクザもんへの借金かね』

『茂戸木組みに、3千万円の借金を作って居ました』

『しかし全てを話した以上、生きて帰す訳には行きませんよ』

『折角来て頂いたお礼に、スズメバチの大歓迎と致しましょうか』

【軽く5千匹は居ますよ】

【ハッハッハッ】【アッハッハッハッ】【アッハッハッハッ】


『勇二君、儂を蜂使いの名人と知っての言葉かね』

【絶対絶命】

【勿論ですよ、しかし、いくら名人でも5千匹のスズメバチには対応出き無いでしょう】【100匹は追い払っても、残りの4900匹のスズメバチは、如何にも成りませんよ】と

【笑いながら、指で合図した】

【アッハッハッハ】【アッハッハッハ】【アッハッハッハ】

〖すると、天井の隅に在る2つの穴から、ゾロゾロとスズメバチ達が出始めたしかも、ゆっくりと〗

【100匹・500匹・千匹・と増えていき50秒もすると】

【左右の穴の下に確かに2500匹ずつが出て来た大きな塊に成った】


 【水海君じっとして居ろ・動くなよ・動揺するなよ】蔦巻

〖勇二が静かに指を動かした、スズメバチ達がゆっくりと平たく

広がった〗

〖左右に大きく広がった〗〖波の様に押し寄せて来た〗

〖しかし、行き成り刺すような気配は無い〗

【羽音だけが大きく鳴り響居ている】

【ブンブンブンブンブン】【ブンブンブン刺すぞ刺すぞ】

【ブンブンブン刺すぞ刺すぞ・ブンブンブン刺すぞ刺すぞ】

【ブンブンブンブン・刺すぞ刺すぞ・動くと刺すぞ刺すぞ】

【ブンブンブンブン・刺すぞ刺すぞ・動くと刺すぞ刺すぞ】


【遂に2人は頭の天辺から、腰の付近まですっぽりとスズメバチの大群に包みこまれてしまった】

【体とスズメバチとの空間は、50㎝位だ】

【スズメバチ達の羽音が、鼓膜を突き破って、頭蓋骨の中までも鳴り響き水海は恐怖の余り】【冷凍人間状態に成った】

【どうするんだ、蔦巻き先生】【水海は心の中で叫んだ】

【この数じゃ、即死だ、蔦巻き先生】水海

【横を向いて、先生の顔を見た。平然として居る】

【冷静にして居る】【こんな時に、それでいいのか】水海


【勇二が、勝ち誇った様に笑って言った】

【ハッハッハッ】【アッハッハッハ】【アッハッハッハ】

【蔦巻き先生、どうしました、どうします】

【蔦巻き先生、余りの数に、声も出ませんか】

【蔦巻き先生、べろが、喉の奥に引っ込みましたか】

【くそっいつの間に】

【勇二は体を大きくゆすって笑った】

【アッハッハッハ】【アッハッハ】【もう、如何にも成りませんよ】

【蔦巻は静かに言った】【ハッキリと】

【このスズメバチ達は、我々2人を刺せないのじゃよ】

〖勇二はキョトンとした顔に成った〗【何故だと言う様な顔に

成った】

【水海もサッパリ訳が解らず、何故だと思った】

〖蔦巻は続けて言った〗

【君は自分の所で飼っているスズメバチと、他で飼っているスズメバチと見分けが付かんのかね】蔦巻


【まだまだ修行が足りん様じゃな】蔦巻

【よーく、見てみろ、今、目の前に居るスズメバチ達は、わしの訓練を受けたスズメバチ達じゃ】蔦巻

【スズメバチの顔と模様を、良く観察して見ろ】蔦巻

【同じ様に見えても、良く観察すると、顔と模様が全く違う

じゃろうが】

【蔦巻が、指先を動かして勇二方に、人差し指を向けた】

【途端に勇二の顔から、血の気が引いて青ざめた】

【ハッキリと違いが解った様だった】【5000匹のスズメバチ達が勇二の体を2重3重と頭の天辺から腰付近まで飲み込んだ】

【もう微動だに動け無い】【動くと、間違い無く即死だ】

【いつの間に入れ替えたんだくそっ】

【勇二の声が虚しく弱弱しく聞こえた】


【勇二君の飼っていたスズメバチ達は、全て嚙み殺されたんじゃよ】

【天井裏に送り込んだスズメバチの数は、12万匹じゃよ】

【君の飼っていたスズメバチ達は、到底太刀打ち出来無い】

【窓の外を良く見てみろ】

【いつの間にか窓の外にも、5万匹のスズメバチの大群が

ホバーリングして居た】

【あのスズメバチ達も、家のスズメバチ達じゃよ】

【車で先導されて来る時、窓から放した蜜蜂が研究所の仲間達を連れて来て居たのだった】

【3人で喋って居る間に屋根裏部屋に侵入して、一斉に襲い掛かって

居たのだった】

【12万匹のスズメバチ達が襲い掛かった】

【不意を突かれた、勇二のスズメバチ達は、逃げ場を失い全て嚙み

殺された】

【圧倒的な数の差に成すすべは無かった】

『勇二君、君が先ほど喋った内容は全て、このボイスレコーダーに録音されているぞ』と〖ボイスレコーダーを勇二に見せた〗

〖身動き出来無い勇二はすっかり観念した〗

【スズメバチの怖さは充分に知って居る】

〖警察に連絡すると、直ぐにパトカー8台が到着した〗

【パトカーに近かずき、ボイスレコーダーとS・D・カードと小便小僧がデジタル処理した、D・V・D・を渡した】

〖勇二とその仲間が連行されるのを見届けると〗

〖蔦巻と水海は建物後にした〗

【車に乗り込むと】

【バック・ギヤ・じゃないね】蔦巻

【ギヤと嫁は正確に】【あっ・あっ・うっ・・・】

【蔦巻一郎】

【研究所のスズメバチ達も、空高く舞い上がると静かに

帰って行った】

『走行中に蔦巻き先生が』

『水海君、武道君の同級生の弟の墓参りをして、報告するじゃろう』

【一文無し金太郎君、君の敵は捕まえたよと、言って上げると

いいね】

『蔦巻き先生は何処かへ』

『種子島に行って、坂本良一君の墓参りじゃ』

【良一君の好きじゃった、芋焼酎を掛けてやるんじゃ】

【良一君】

【君が愛した蜂達が弟を捕まえたよ】と【言ってやるんじゃ】

【今日は直感の口走りは無いんですか】

【在る訳な・・・・・】

【けっ・・・】


【主な登場人物】

【蔦巻イチロー(つだまきイチロー)】

種梨水海たねなしみずみ

種梨武道たねなしたけみち

種梨柿太郎たねなしかきたろう

今田仁達郎いまだにたつろう

坂本良一さかもとりょういち

坂本勇二さかもとゆうじ

一文無金太郎いちもんなしきんたろう


【この物語はフィクションです・登場した人物名・団体名は

架空です・存在しません】

続く種子火たねび


【蔦巻イチロー】

【逃がしはしない】【ツダマキ・イチロー】【シリーズ2】

【指定暴力団虻野組の巻き】(あぶのぐみ)

【刑務官猿真似烏と組長虻野玉五郎】

【さるまね・からす】【あぶの・たまごろう】

【超ウルトラ級の新種蜜蜂誕生】

『蔦巻き先生、この蜂は何と言う蜂何ですか』

『昆虫の標本を観ながら・種梨水海は聞いた』

『それかいオオㇵキリバチじゃな』蔦巻

『ああ、あの葉っぱを皆で運ぶので有名な蜂ですね』

『この蜂は何と言う蜂ですか』水海

『それはね、ハナバチじゃよ』蔦巻

『高い学習能力あるそうじゃよ』


『何か凄い能力を持った蜂は居ますか』水海

『良くぞ聞いてくれた、実はな2ヶ月位前に新種の蜂が誕生したんじゃよ凄いぞこれは』蔦巻『是非聞かせて下さい』

『偶然の産物じゃった。ハナバチとミツバチの掛け合わせを何回も繰り返したんじゃ』蔦巻

『そして、チョット目を離した透きにキゴシ・ジガバチが交わってしまって、新種が誕生したんじゃよ』蔦巻

『本当ですか』

『自然界では在り得ない事じゃが、出来ちまったもんは仕様が無い』

【儂が勝手に名前を着けた・スーパー・蜜蜂と名前を着けた】

『如何いう能力何ですか』 水海


『普通は蜂に刺されると痛いのじゃが、しかしこのスーパー・蜜蜂は刺されても痛く無いのじゃよ』

【しかも何回刺されても、人間も動物も死ぬ事が無い、刺した蜂も針が抜け無いので死ぬ事は無い】蔦巻

『このスーパー・蜜蜂の針を観察すると、解ると思うが』

『普通の蜜蜂に比べて、針の太さが15分の壱以下針の細さじゃ』

『痛みを感じ無いので、刺されても全く気が付かんのじゃよ』

『刺されても痛く無いんじゃ、何の為に刺すんですか』水海

『所が一つ大きな特徴が、在るんじゃよ』

『これが素晴らしいと言うか、恐ろしいと言うか』蔦巻

『刺されて10秒位で体全身麻痺して、来るんじゃ』蔦巻


『けいれんする事も無く、ただ手足が動か無く成る訳じゃ』

【要するにスーパー・蜜蜂に刺された人間は、刺されたのに全く気が付かずに、いつの間にか体が麻痺してしまうんじゃよ】

【凄いじゃろが】蔦巻

『しかもじゃ、目はつぶったままじゃ。意識はもうろうとして居る様

『凄いですね、世界中に発表するんですか』水海

【真逆さ、そんな事をしたら世界中の、極悪非道の犯罪者共が埼玉県本庄市に押し寄せて来るぞ】蔦巻

【その内殺されて、周り人間全員が誘拐されるぞ】蔦巻

【あくまでも、わしの秘密兵器じゃ】蔦巻


『体の大きさは普通の蜜蜂の16分の壱以下じゃが、飛ぶスピードは

スズメバチより早いぞ』

『ハナバチの学習能力の5倍の能力じゃ、優秀な血を受け継いで居る

ようじゃ』蔦巻

【麻痺能力は信じられない程の、超ウルトラ級じゃよ】蔦巻

『交尾は終わったんですか』水海

『もうとっくに、何10回も試して居る』蔦巻

【そうじゃ、この間産卵しとったぞ、楽しみじゃな】


【スーパー蜜蜂が沢山産まれて来るぞ、訓練が楽しみじゃ】

【猿で何10回も実験したから、人間でも大丈夫じゃろう】蔦巻

『刺されて10秒で麻痺して、倒れてから30分後に起き上がった』

『キョロ・キョロしとった、何が何だか解らんじゃろう』蔦巻

『倒れて居る間はやはり、意識はもうろうとして居る様じゃった』

【多分、突然変異でしょうか】水海

【そうとしか、思えんのう、偶然とは、死ぬ程恐ろしか~~~】

【弟・山形迂闊やまがた・うかつ


【蔦巻き先生、僕の同級生に山形剛直やまがた・ごうちょく

言うのが居るのですが、その弟の山形迂闊君と言う、20歳の弟の事で相談されて居るんです】(うっかり成ってしまった)

【実は指定暴力団山口組系傘下に在る、虻野組の構成員に成ってしまった様何です】

『おいっ。えんちゃんチョット都合付けて欲しいもんが

在るだがよ』

『えっ。また何か。どんなもんですか』猿真似烏

『スマホをよ、頼みてーんだがよ』虻野玉五郎

『スマホですか。チョット難しいかなー』猿ちゃん

『そこんとこをよ、何とか頼まあ、いつも通り礼は弾むよ』玉五郎

『絶対にバレない様にして貰えますか。バレたら私も務所入りに成りますので』猿ちゃん

『そりゃー。百も承知だ、高性能タイプで頼まあ』

〖2日後〗

『虻野さん、これでいいですか』猿ちゃん

『おうっ。上等・上等・・・』玉五郎

『防犯カメラのスイッチOFFに、成っていますからOKですよ』


『小学生の子供が2人居たなあ、家族でよう、皆でさ』

『ディズニーランドに行って来なよ、4号棟に佐渡島金メッキが

居るだろう』

(さどがしま・きんめっき)

『あいつの名前でよ、ディズニーランドのチケット4枚とホテルの予約して在るからさ、行って来なよ』

『ホテルの日時はよ、フリーに成って居るからさ、都合のいい時に』

『電話すりゃー、いいぜ。おいっ』

『おいっ。猿ちゃん。またよう都合付けてくんねーか』

『今度は何ですか』猿

『4号棟と6号棟に3人居るだろう、その3人がようスマホの都合付けてくれってよう、ガタガタ言ってんだよう』

『3人の名前を言うからよう、コッソリ渡してくれねーか』


【4号棟の佐渡島金メッキ】【6号棟の黒猫チュウタロ】

【6号棟の跡空発角】(あとから・はっかく)

【防犯カメラのスイッチOFFにしてな・発覚しねー様によ】

〖2日後〗

『虻野さん。3人にスマホ渡しましたよ』 猿真似烏

『おーっ。早速S・N・S・で返事が在ったぜ』

『声出さなくてもいいからよ、こりゃーバレねーぜ』

【便利だぜ、重宝するぜ】虻野玉五郎

〖猿真似烏は、府中刑務所に刑務官として、看守の仕事をして居る〗

〖虻野は恐喝罪で服役中だ。虻野組の組長でも在る〗

〖手に入れたスマホで獄舎から、組員に色々と指示を出して居る〗

【猿真似烏は、家族旅行の旅費・交通費等全てを虻野から出して貰って居る】


〖猿真似の車は虻野玉五郎の妹、虻野玉突嬉あぶの・たまつきの車を安く譲り受けた車だ〗

〖相場で約800万位の車だが、約30万で譲り受けた〗

〖虻野は若い頃から、刑務所に出入りし、そこで猿真似烏と知り合いに成り、腐った関係に成った〗

〖こんな関係はもう、3年も続いて居る〗

〖お互い、ウィン・ウィン・の関係だ〗

〖虻野玉五郎の獄舎生活は至って快適だ、猿真似烏が何かと便宜を図ってくれる〗

〖その度に猿真似烏は、虻野玉五郎から色々な贈り物を貰って居た〗


【山形迂闊君の話に戻ります】

【虻野組に乗り込む】

『兄の剛直は、弟を組から足を洗わせたいと思って、虻野組に何度も面会に行ったそう何ですが、会ったのは最初の一回だけでその後は何回行っても、門前払いに成って居るそう何です』

『何とか弟の迂闊を虻野組から引き離したい、何とか名案はないかと相談されて居るんですが』

『暴力団か難しいのう、人数も多いしなー』

『何とかしてやりたいがのう』蔦巻

『まだ20歳ですから早い内に、何とかしてやりたいです』 水海

『30歳を過ぎると縁か深く成り、足を洗うのは相当難しく成って

しまうのでは無いでしょうか』

『最初の一回目の時の様子はどうじゃった』

『剛直の話に寄りますと、何だか元気が無かったそうです』

『兄貴分が2人も、側で見張って居たそうです』

『それで迂闊君も、何か言いたそうにして居たんですが、結局本心は喋ベられ無かったそう何です』

『弟の迂闊君は、虻野組から抜けたい様な素振りだった様です』

『そしてもう既に、タトゥーが両腕に入って様です』

『虻野組に乗り込んでも、袋叩きじゃな』


『君は全く便りに成らんな、美術部じゃ頭しか掻けんじゃろう』

『この際腕っぷしの強いのに、協力して貰らわんと、儂一人じゃ

如何にも成らんぞ』

【誰か知っとるか】

『実は兄の柿太郎なんですが、僕と全く正反対で可成りの猛者です』

『おおーつ。まだ会った事が無いのう。強いのか』

【ええ・柔道・剣道・空手・テコンドー・レスリング・

何でもやります】

【国体で何度も優勝して居ます】

〖2日後〗

『蔦巻先生、兄の柿太郎を連れて来ました』

『おおーっ・君か水海君のお兄さんの、柿太郎君は』


『始めてお目に掛かります。兄の柿太郎と申します』

『弟の水海君と違って、随分ガッチリした体格じゃな』

『身長・体重は、どの位じゃ』

『1m95㎝・体重105㎏です』

『柿太郎君、今度儂と虻野組に乗り込むぞ』

『わしの事は大体聞いておるかい』

『ええ、弟の水海から大体の所は聞いております』

〖2日後〗

〖虻野組の事務所に行った〗

『蔦巻一郎と申します、組長さんに面会したいのじゃが、組長さんいらっしゃるかな』『私は、種梨柿太郎と申します』

『組員が8人出て来た。全員刺青もろ出しだ』


『組長は忙しいんじゃ、見ず知らずの人間に会う訳なかろう』

『帰って貰いましょうか』組員

『そこんとこ何とか、取り次いで貰えませんか、是非お願いしたいんじゃが』蔦巻

〖後ろから、兄貴分らしい男が出て来た〗

『わしは兄貴分の、五十磯満額いそいそ・まんがく

と言う者じゃ』

『御用件の内容を、お伺い致しましょうか』五十磯満額

『山形迂闊君の事で、出向いて来申うした』蔦巻

『なにっ。あの小僧の事かい。あの小僧がどうかしたかい』

『迂闊君はまだ20歳で将来の在る身じゃ、迂闊君の本心を確かめたいのじゃが、もし本人がどうしても虻野組の組員に成って居たいと、言うのなら黙って引き下がるが、しかし、もう止めたいと言うので在れば、連れて帰りたいのじゃ』蔦巻


『何だと、連れて帰りたいだとこの爺』五十磯満額

『なにっ、ふざけた事、抜かしてんだ。えーっ。爺』

『会うだけでも、どうですか』柿太郎

『話しをさせて貰えませんか』柿太郎

『おうっ。マッチョな兄ちゃんよう、会うだけでもどうですかだと』

『とっと、と帰って貰いましょうか』五十磯満額

『玄関口で押し問答と成った』


〖後ろからもう一人の男が出て来た、おいっ。おいっ。静かにしや』

『儂は片金鶴太郎と言う若頭代理じゃが(かたきん・つるたろう)』

『ま、良いだろう、一回だけ会わせてやろうかい』

『面会時間は30分以内だぜ』と奥へ引っ込んだ

『そうですか申し訳け無いですね』蔦巻

〖組事務所の在る部屋に通された〗そして

〖迂闊君が連れて来られた・部屋の広さは12畳ぐらいだ〗

〖テーブルを挟んで、イスが6脚置いて在った〗

〖迂闊君は元気が無かった〗

〖向かい側に、迂闊君を挟んで3人が座った〗

〖反対側に蔦巻と柿太郎が座った〗

『済まんが迂闊君と、我々3人だけにして貰えんじゃろか』蔦巻

『何・俺たちが居たんじゃ、邪魔で話が出来ねーってかい』

『怖いお兄さんが2人も居たんじゃ、迂闊君も本当の話が喋りにくい

じゃろうて、なあ迂闊君』


『何だとこの爺、図々しい爺だ』一人が

『俺は出てやるが、一人は残すぜ』

【おいっ、大御小蝶おおおこちょう】(御小蝶の義理の兄)

『ちゃんと、見張っとけよ』 と部屋を出て行った

〖テーブルを挟んで、2対2で向かい会った〗

〖大御小蝶は、後ろのソファーに移動した〗

『迂闊君、今日は君の本心を聞きたいんじゃよ』

『あんまり、元気が無い様じゃなー』と言いながら

〖柿太郎の足を軽く蹴った〗〖合図だ〗

〖柿太郎は、大御小蝶満月(おおおこちょう・まんげつに話掛けた〗


『お兄さん強そうだね、今まで、何人位の人間を刺した』

『何だとう、この野郎・ふざけた事言いやがるぜ』と

〖言いながら目線をそらした〗

〖その瞬間、蔦巻の手が素早く動いて、テーブルの下から一匹の

スーパー蜜蜂を放した〗

〖スーパー蜜蜂はテーブルの下を通って、ソファーの後ろに回り

大御小蝶の首に止まった〗10秒が経過した

〖大御小蝶はソファーで、体全体が麻痺してうつろに成り、意識がもうろうとして、眠っていった〗〖迂闊はビックリした〗

〖3人はイスから立って席を外し、部屋の一角で話し始めた〗


〖色々喋ったが結論として、剛直の言う通り止めたいのが

本心だった〗

『解った、本心が解ればいいんじゃ、任せて貰おうかい』

『先生、ど言う段取りでやりましょうか』

『成り行きでどうじゃろう』

『もうそろそろ30分じゃ、大御小蝶の目が覚める頃じゃ』

『兄貴分の五十磯満額に、迂闊君を帰して貰う様に頼んで見るか』

〖ドアが開いた〗

〖五十磯満額とその他2人が、一緒に部屋に入って来た〗

『おいっ・大御小蝶、おめ~え、何居眠りこいてんだ・この野郎』

『えっ・あっあ~・あれっ・キョロキ・ョロして居た』猿と一緒だ

『しっかりしろ・ボケてんじゃね~ぞ、しょうがね~野郎だな』

『所で、話は終わったかい』五十磯満額

『迂闊君を連れて、帰りたいのじゃが』蔦巻

『おいっ。迂闊、この野郎、止めて―のか、この野郎』五十磯満額

『すみません、ほんのチョットだけ、向いて無い様です』迂闊

『何が向いてねーんだと、やって見なきゃー、解かんねーだろうが』

『まだ、3ヶ月だぜ・この野郎』五十磯満額


『はいっ、3ヶ月で充分向いて無いのが、肌に染みて解りました』

『はいっ、パンツの奥まで尻の奥まで充分染み込みました』迂闊

『寝小便したのはお前か、てめーえ、この野郎』五十磯満額

【パンツどころか、布団の奥まで染み込みませやがって、この野郎】

【布団のクリーニング代・クソ染み抜き代・破格の金額に跳ね上がったぞ、洗濯屋の若造に途方も無い金額請求されて足元見られたぞ

この野郎】

『ふざけた野郎だ、入れてくれと頼まれたから、入れてやったんだ』

『今更向いて居ませんでしたで、済まねーぞ・この野郎』五十磯満額

【五十磯満額と取引】

『本人が止めたいと、言って居るんですから、どうですかね』

『止めさせて貰えませんか』柿太郎

【このガキにはよう、金がたんまり掛かってんだ、2日以内に800万円を用意して貰おうか】五十磯満額

【800万円と引換だ、それで手を打ってもいいぜ】五十磯満額

『800万円は法外じゃ無いですか、幾ら何でも3ヶ月ですよ』柿太郎

『こいつにはよう、極上焼肉とか極上寿司を腹一杯、食わして

やったんだ』五十磯満額

【またこの迂闊の野郎が大食いでよう、極上焼肉カルビ一人で20人前

極上握り寿司18人前・【アールス・メロン】一人で12玉も

喰いやがって】

【このガキ一人で、一か月の食費が300万円に跳ね上がって台所が

火の車に成っちまったぜ】【台所燃えちまうぜ・台所放火する気か】

【組事務所全焼させる気か、焼け跡からピストル出てきたら

とんでもねーぞ】

【大食い選手権を一人で毎日始めやがって、この野郎】五十磯満額

『一か月15万円の計算で、3ヶ月で45万円プラスおまけ

5万円で50万円でどうじゃろう』蔦巻

『何だとう、この爺、800万円を50万円に値切るのかよう話に

成らねーな』五十磯満額

『確か組長の虻野玉五郎さんは、服役中じゃったのう』蔦巻

『何だ知って居たのかよう、トボケタ爺だぜ』五十磯満額

『噂に寄ると、玉五郎組長と刑務官猿真似烏は、

出来とるらしいのう』

『まだバレて無い様じゃが、黙ってやるからのう、50万円で手を

打ってくれんかい』蔦巻

【懐から50万円入りの茶封筒を、テーブルに置いた】

『何の証拠が在るんじゃ爺』

『ちゃんとした情報じゃよ、確か後半年で出所予定じゃが、バレると

もう8年服役延長じゃよ、いいのか、それでも』蔦巻

『本当は知っとる、じゃろうが』蔦巻


『この爺デタラメ言いやがって、この野郎』五十磯満額

【デタラメじゃ無いぞ、毎日1回獄舎から、スマホで指図が

在るじゃろが】

『S・N・S・も毎日来るじゃろが、トボケても無駄じゃよ』

【スマホ押収すれば、全てがバレれるじゃろが】

『お前の兄貴分3人』

【佐渡島金メッキ・黒猫チュウタロ・跡空発角・この3人から

毎日S・N・Sが来るじゃろが、この3人も同罪じゃ】

【8年間服役延長じゃ】

【この件はこれで・満額】

【くそっ・くそー-っ】【じじいめがっ】五十磯満額

【組長の玉五郎と兄貴分3人のスマホは、猿真似烏が準備した物じゃ】

【迂闊君を50万で帰してくれれば、新聞社に黙っとるぞ、

どうじゃ】

【服役が後8年も延びると、兄貴分3人から【ボコボコ】どころか】

【金槌でキン玉叩き割れるぞ、竹輪竿チョン切られるぞ】

【一晩で五十磯オカマに、されちまうぞ】蔦巻

【新宿オカマバーに・売り飛ばされて・毎月給料半分天引きじゃ】

【ま、手術代金は浮くがな】

【渋々ながら、五十磯満額は承知した】

【帰り際に蔦巻が・五十磯満額に】

【領収書は要らんぞ、この50万円で【スシロー】にでも、行って皆で腹一杯寿司食ってくれ】

【この件は50万円で・満額手打ちじゃ】

〖3人でワゴン車に乗り込むと、直ぐ発進した〗


【虻野組待ち伏せ】

〖約30分走った頃だった。一本道の雑木林を抜ける途中だった〗

〖前方に、2台の車が止まっているのが見えて来た〗

『先生あれは』

『先程の虻野組の連中じゃ、如何やら先回りしたらしいな』

『柿太郎君、君は何人相手出来るかのう』

『そうですね、3人・4人位ですかね』『8人は居る様じゃのう』


『迂闊君、君は黒のTシャツ脱いで、そこに在る白い作業服に着替えてくれ、万が一スズメバチに刺されない様にな』

『車から出るんじゃ無いぞ』

『30m手前で止まると、2人は車から降りた』

〖蔦巻は直ぐに車の後ろに回り、スズメバチの用意をした〗

〖柿太郎は、ワゴン車の4メートルに前に立った〗

〖蔦巻はスズメバチを放ったが、スズメバチ達は前方じゃ無く空高く舞い上がった〗

〖スズメバチ達は正面から行かずに、背後と側面に分かれて回った」

『おいっ。この野郎、先っきは、なめたマネしてくれたなー』

『覚悟しろや、じじいめ』

『仕返しとは大人げ無いのう』

〖10メートル位に近ずくと、速足に成った。この時、側面の40匹のスズメバチ達が、襲い掛かった〗


【あーっ。ちきしょうー】【くそっ・この野郎】【いててー-っ】

【ちきしょう・あー-っ】【いてー-っ】【あー-っ・くそーっ】

【うおー-っ・あっあーっ】【あっーうっー】【このやろうー-】


〖刺されながらも、4人が向かってきた〗

〖他の4人は、スズメバチから逃げるのが精一杯で、逃げまくって居る

〖柿太郎は素早い動きだった〗

〖一人目は、木刀を振り回して向かって来たが、身を躱すと柿太郎の正拳が、顔面に炸裂した〗

【ゴギッゴッ】【グワーッ・ゲゴー】

〖一人目の男を、2人目の男に突き飛ばしながら蹴って、

アゴを砕いた〗

【ボッーゴーン】【グッワーーツ】

〖3人目は右腕を掴み、ねじじ曲げて強く絞った〗

【ウゲー-ッ】【ギュギュギュギーュー】

〖3人目の男を盾にしながら、4人目の男の後頭部に回し蹴りを

見舞った〗

【ドッゴー-ン】【アッーゲーグワーッ】

【一人目も2足り目も起き上がったが、すかさず、肘打ちと回し蹴りを2発ずつ食らわした】

【3人目と4人目も、再び向かって来たが・顔面・あご・脇腹と2発ずつ食らわした】


【後の4人は、スズメバチに刺されて動きが鈍く、倒れた4人を車に乗せるのが精一杯だった】

【倒れた4人を車に乗せるのに、ドアを触った瞬間、後方待機して居たスズメバチ達に、再び刺されまくった】


【うわーつ・くそーつ】【あっあー-っ】【いってー-あー】

【ちくしょうー・いってー】【いてーっつー】【このやろうー】

【いててーつつー-あー-っ】【うあーつつー-あー】


【この分じゃ、また、仕返しが在る様じゃな、柿太郎君これからも

大変じゃよ】

『そうですか、我々も考えましょうか』

【迂闊君は一時身を隠す必要が在る様じゃな】

【良い隠れ場所を思い出した。いい気候で温暖な所じゃ】

【気に入るじゃろう】


【ピ~ポ~ピ~ポ~・ドウシタ・ドウシタ】【ホイキタ・ピ~ポ~】

【ピ~ポ~ピ~ポ~・ホイキタ・ドウシタ】【ドウシタ・ピ~ポ~】

【ピ~ポ~ピポ~・痛いか・痛いか】【何だ・何だ・ピ~ポ~】

【ピ~ポ~・何だ・何だ】【ピ~ポ~・ドウシタ・何だ・ピ~ポ~】

【ピ~ポ~ピ~ポ~・まだ・まだ・着かない・着かない・ピ~ポ~】

【ピ~ポ~ピ~ポ~・渋滞・渋滞・待ってろ・待ってろ・ピ~ポ~】

【ピ~ポ~ピ~ポ~・迷った・迷った・遅れる・遅れる・ピ~ポ~】

【ピ~ポ~ピ~ポ~・車がどかない・このやろ・免停・・ピ~ポ~】


【放たれた刺客】

〖8台の救急車とすれ違った〗

【本庄市は8台の救急車を、再びバキュームカーに改造する破目に

成ってしまった】

『迂闊君、君は種子島で働くんじゃ、わしの知り合いが種子島で

スキューバダイビングの店をやって居る、そこで働くんじゃ』

『水上バイクもやって居る』蔦巻

『そうですか、是非お願いします』山形迂闊


『飛行機チケットは、取って在るから直ぐ出発じゃ』

『迂闊は、種子島へと旅立った』

『柿太郎君要注意じゃ、在る筋の情報に寄ると儂ら2人に虻野組が刺客を放ったらしいぞ』

『先生何人位でしょうかね』

『人数は解らんが、腕の立つ奴が数人らしいぞ』

『刃物は当然使うじゃろうな、君は何か使うかい』

『剣道をやって居ましたので、木刀ですかね』

『後ヌンチャクやります、常時木刀を持ち歩く訳にはいけませんし』

『懐に忍ばせるのは、ヌンチャク位ですかね』

〖在る夜の10時頃、人気の無い市道をワゴン車で走らせて居た〗

〖道幅は6m位だろうか、すると道を塞ぐ様にして一台の乗用車が

止まった〗

〖ワゴン車を20メートル位手前で止めた〗

『蔦巻先生例の刺客ですね』

『そうじゃな、人数は2人じゃが一人は運転手じゃ』

『一対壱でやると、言う事じゃろうな、多分腕に自身が在るん

じゃろうな』蔦巻

『柿太郎君、気を付けた方が良いぞ』

〖一人の男が車から出て来た。日本刀を持って居る〗

【柿太郎は特木を持って降りた】

【特木とは、柿太郎手製の木刀で、鉄の太い芯が中に入って居る】

【一般的な木刀寄り、3回り太く作って在る・重い木刀・1m95㎝の人間が振り回すには手頃な重さだ】

【木の部分が割れても、鉄の太い芯はビクともしない、

頑丈な代物だ】


『待って居た理由は、解って居るだろうな』と男は言った

『お前も覚悟が居るぞ』 柿太郎

〖2人は8m位の間を空けて立った〗

【男は八双の構えだ】【柿太郎は正眼の構えで立った】

〖2人はじりじりと間を詰めた〗

〖こいつは、出来ると柿太郎は思った〗


〖呼吸をして居ないと、思う程静かだ〗〖寸分の隙も無く〗

〖間合いを詰めて来る〗

〖柿太郎も、じりじりと間合いを詰めた〗

〖剣先は全く動かず、可成りの気迫が感じ取れた〗

〖やはりな柿太郎は感じた〗

【男の剣先がピクリと動いた】

【来る・柿太郎は思った】その瞬間

【男は鋭い踏込で、八双の構えから上段の構えへと成って

打ち込んで来た】

【打ち合いの間合いに成った】

【柿太郎も素早く動いて、打ち合いと成った】

【真剣の刃を見るのも久し振りだった】

〖お互い打ち合うと、2人は少し離れた〗

〖男は八双の構えに戻って居る〗

〖柿太郎は中段の構えから、ゆっくりと上段の構えと成った〗

〖柿太郎は鋭く踏み込んだ。激しく振り下ろした〗

〖男は振り払ったが〗〖柿太郎の体が深く沈んだ〗

【ズボッ】

〖重たく鈍い音がした〗〖男がよろけた〗

【柿太郎の横払い胴が決まった】

【柿太郎は透かさず面を打ち下ろした】

【ドッゴン】

〖男の頭から血が噴き出して倒れた〗

【木刀とは言え、太い鉄の芯が入って居る】【男は気を失った】

〖運転手が無言で男を乗せると、立ち去った〗

〖さすがじゃな、柿太郎君〗

【中々出来る奴でしたよ・油断したら殺られて居ましたよ】 と

【脇腹を指した】

【柿太郎の脇腹から血が出ていた】【男の剣先が掠った傷が在った】

〖後3㎝、深く当たって居たら、可成りのダメージに成って居た〗

『さあ、帰って芋焼酎でも飲むかい』蔦巻


【口を割って貰おうか】

〖7日後〗

〖蔦巻と柿太郎は、とんかつ屋で夕食を摂って居た〗『先生、相手が来るのを待つだけ、と言うのも気が疲れますね』

『何か名案でもないかのう』 蔦巻

『先制攻撃するのは如何でしょうか』柿太郎

『誰を刺客として雇って居るかを、調べるのかね』蔦巻

『調べるのは難しいでしょうか』

『虻野組の幹部連中は知っとると思うが、乗り込む訳には、

いかんしな』

『今度は間違い無く袋叩きじゃろうな』蔦巻

『もう少し考えを練り直しますか』柿太郎

〖2人は店を後にした〗


「もう直ぐ夜の九時に成ろうとして居た、ワゴン車を走らせて居た」

『蔦巻先生、乗用車か一台後を付けて来て居ますが』柿太郎

『このままだと、研究所まで付いて来そうじゃな』蔦巻

『適当な場所で止まって見ますか』柿太郎

〖車のスピードを落とした〗〖その時だった〗

〖前方から一台の乗用車が迫って来た〗

『柿太郎君今度は挟み打ちじゃ、ちょっと、厄介じゃな』

『どんな、段取りにしますか』

『そうじゃなー・相手を見てから決めるとするか』

『そんときゃー・合図をする』〖車を止めた〗


〖案の定、前の車からと、後ろの車から2人が降りて来た〗

〖距離は其々20m位だ〗〖前の2人は道着を着ている、如何やら

空手家らしい〗

〖少し笑って居る〗

〖後ろの2人は道着では無く、極一般的な服装だ〗

〖しかし、どこと無く格闘家の雰囲気だ〗

『柿太郎君、前の2人を頼む。わしは後ろの2人を相手じゃ』

〖既にスーパー蜜蜂を4匹放して居た。動いて居ると刺しにくい〗

【動きが止まった時がチャンスだ】

〖後ろの2人は短刀を握って居た。振り返ると柿太郎が一人の男と

戦って居た〗

〖蔦巻は特木を握って居た〗


〖2人の男が飛び掛かって来た。蔦巻は特木で応戦した〗

〖2人の刃物を躱すのは、至難の業だ〗

〖男達と3m位の間が空いた時、蔦巻が黒い(つぶて)を投げ付けた〗

【ビューッと男達の脇を掠めた】

〖男達は笑いながら避けた〗

『爺さんよー石なんか投げて、当たっても痛かねーよ』

『しかし、蔦巻は黒い礫を何回も投げた』〖男達は笑いながら

つぶてを避けた〗

【爺さんよう、今の時代に石投げかよー】


【ガラパゴス諸島の産まれかい】【へっ・へっ・へっ】

【銭形屁次の産まれ変わりかい】【へっ・へっ・へっ】

【更に、男達が近づこうとしたその時】

【黒いつぶてがÚターンして、戻って来た】

【黒いつぶては石で無く、スズメバチ達だった】


【男達は後ろから、不意にスズメバチ達に刺された】

【うわーつ・何だーっ】 【うおー-っ・いてーっつー】

【いてー-っ・くそーつ】 【何だー-っ・いてーっつー】

〖2人の男達はうずくまった、その時透かさずスーパー蜜蜂が2人

を刺した〗

【10秒で麻痺して道路に転がった】

〖柿太郎は前方の2人組と対面して居た〗

『兄ちゃんよう、ちょっと出来るらしいなー、ちょっと腕前見せて貰おうかい』『俺から先に相手して貰おうかい』

『胸がワクワクして来たぜ。へっ・へっ・へっ一人が迫って来た』

〖後ろを振り返ると、蔦巻が2人組と対戦して居た〗


〖男が空手ポーズから、正拳突き・回し蹴りとくり出して来た〗

〖柿太郎も空手で応戦した。脇腹に2発足に2発食らった〗

〖柿太郎も4発食らわしたが、まだ倒れそうに無い〗

【手強い奴だ】

〖もう一人の男は両腕を組んで、笑いながら見て居る〗

〖正拳突きの腕が伸びて来た。その時、柿太郎は相手の右腕をたぐり寄せるとひねり倒した〗〖腕十字四方固めに持ち込んだ〗

〖もう少しだ。そう思った時、背中に激痛が走った〗

〖片方の男が柿太郎の背中に、蹴りを2発入れた〗

〖男が2発目を蹴った、その時、男は突然倒れた〗

〖スーパー蜜蜂が刺したのだ〗

〖柿太郎は背中の痛みに耐えながら、男の右腕を渾身の力を込めて

硬く絞った〗

【ボギッ・ゴギッ・ギューッ】【ギギーグゲギー】

【ボギ・ボギ・ボギ】【グギッ・グギツ・ドギッー】

【うわーっ・くそーっ・あっあーっ】【うげーっつー】


〖男は、重たい声を出しながら失神した。序に中身を出した〗

〖後ろを振り返ると、2人組は倒れて居た〗

〖蔦巻がこちらへ来る所だった〗

『蔦巻き先生、こいつもスーパー蜜蜂で刺して下さい』

『腕へし折れた様です、麻痺させた方がいいでしょう』

『中々の強敵じゃったなー、もう少しで殺られる所じゃった』

『柿太郎君、腕をへし折った男は麻痺させん方が良いぞ』

『へし折った腕をもっと絞って、口を割らせるんじゃ』

『それは、名案ですね』

『おいっ、目を覚ませ』と数回殴った

【ドバチッ】【ドバチッ】【グガーッ】【バジッン】


〖男が正気に戻った』『お前の仲間は後何人だ、教えて貰おうか』

『知らねーな、俺たちは今日始めて会ったんだ』

『名前位知って居るだろう』

【グギゴギッ】【ガギゴキバッ】【ガゴギゴッ】

【あーっ・ちくしょう】【折れてんだよー】【止めてくれよー】

『早く口を割らないと』【ギガゲギッ】【ゴギッ】『絞るだけだぜ』

『ほらーっ』【グギゴギ・ゲゴギギッ】【グゲギッ】『ほら・ほら』

『あーっちくしょう。解った、知ってる事だけだぜ』

『さっきから、言って居るだろう。知って居る事だけ話せばいいぜ』

【若頭代理に寄ると後2人だ、名前は・腰巻魂三郎】

(こしまき・たまさぶろう)


『腕は立つらしいぜ、身長2m10㎝・体重150㎏の巨漢だ』

『あそこも巨根らしいぜ』

【ハッハッハッ】【アッハッハッハ】

『もう一人の男は、極普通の体格だがハジキを使うらしいぜ』

『こいつには、一人弟子が付いてくるぜ』

【名前は、葉月命中芯はづき・めいちゅうしん

【ちょっと、厄介な奴らしいぜ】

【ありがとよ、もう少し、眠って貰おうかい】

【ゴギガギッ】【ゲゴギギッ】【グギゲゴッ】【アーッ・ウエーッ】

【救急車を要請した】

【ピ~ポ~ピ~ポ~・何だ・何だ】【ピ~ポ~・ドウシタ・ピ~ポ~

【ピ~ポ~ピ~ポ~・コロナが優先・コロナが優先・ピ~ポ~】

【ピ~ポ~ピ~ポ~・あんたは2の次・あんたは荷の次・ピ~ポ~】

【ピ~ポ~ピ~ポ~・中々行け無い・直ぐに行け無い・ピ~ポ~】

【ピ~ポ~ピ~ポ~・直ぐに着かない・待っても無駄だ・ピ~ポ~】

【ピ~ポ~ピ~ポ~・場所はどこだ・決まらん無駄だ・ピ~ポ~】


【気に成る男】


『蔦巻先生、ピストルが相手じゃ厄介と言う寄り、不味いですね』

『考えを練り直さないと、いけ無い様ですね』柿太郎

『そうじゃなー、こっちもハジキと言う訳には、いけないしなー』

【葉月命中芯・この男は可成り要注意じゃな・こう言う男は】

【銃マニアな奴が多いぞ】

【ピストルでも変わった物を使うだろう】

『もう一人の男、2m10㎝の男も強そうですね』柿太郎

『話は変わりますが、この間の挟み打ちの時先生は、特木を使って

居ましたが、剣道をやられて居たんですから』

『ああ、中学から始めて・高校・大学と剣道部じゃったよ』

『それでこの間は特木を使ったんですね』


『しかし、あの特木は良う出来とるぞ、最初は可成り重たいが』

『慣れると相当な威力じゃよ』蔦巻

『練習用特木は、2倍の重さが在るんですよ』柿太郎

『そうじゃ無いと、簡単に振り回せ無いですよ』柿太郎

『そうじゃろうなー』蔦巻

【ひとつ、気に成る事が在るんですが、私の通って居るジムに大男が居るんですが、丁度2m10㎝位で体重も150㎏位在りそうなんですが、ジムで顔を合わせても別にこれと言った反応は無いですし変な気配も感じ無いないんですが』柿太郎


『何と言う名前じゃ』蔦巻

『顔見るだけで、名前は聞いた事が無いですね』柿太郎

『○○○三郎だった様な気がします、覚えて居ませんね』

『顔を合わせても知らんぷりか、見た感じはどうじゃ』

『相当強そうですよ。可成り太い腕です』柿太郎

『でも、まあ弱点は誰にも在りますから』柿太郎

『何時来るかじゃな』

〖3日後〗       【狙撃】

〖しかし意外に早く会う事と成った〗

〖昼食を終えて2人は、車を走らせて居た〗

【ハンドルを握って居るのは柿太郎、蔦巻は後部座席】

【バジッン】【バジッン】【バジッン】

【行き成りフロントガラスに、穴が空いた】

【あーっ・くそーっ】柿太郎の左腕から血が迸った

【うおーっ・くそーっ】蔦巻の右腕から血が迸った

【弾が当たった様じゃ】

【柿太郎君大丈夫かい、わしの方は軽い掠り傷じゃが】

【僕の方も、軽い掠り傷です】

【柿太郎君、車をバックして左の脇道に入ってくれ】


【救急箱を出してくれ】

【お互いに包帯を巻きあった】

〖周りは雑木林だ、お互いに見え無い〗

『柿太郎君、今日は一先ず退散じゃ』

『このまま、ここに居ても殺られるだけじゃ』

『少し、準備してから出直しじゃ』『また、狙って来るじゃろう』

〖研究所に着いた〗

〖蔦巻は座席にめり込んだ、3つの弾をとり出した〗

『柿太郎君、これは、ライフル小銃の弾じゃ』蔦巻


『5.56mmNAТО弾を使用している』蔦巻

『89式5.56mm×45NAТО弾の可能性が高いな日本製じゃ』

【自衛隊とか日本警察特殊部隊でも使用して居るライフル小銃じゃよ

【犯人は、元自衛隊員の可能性が高いなー】蔦巻

『解らんが兎に角出直しじゃ』

〖ライフルの発砲を受けた、雑木林を走る事にした〗

【柿太郎君今日は準備してきたぞ】【逃がしはしないぞ】蔦巻

『傷も治ったし、体調もばんぜんじゃ、葉月命中芯の奴め』

【本庄市の臭くて楽しい、救急車に乗せてやるぞ】

【車には女性の人形を2体座らせた】

【人形は美容室で入念に仕上げ、人間と全く見分けが付かない】

【特に下半身は太ももムッチリ仕上げを、入念に仕上げにした】

〖前回と同じ場所に近づいた〗

『柿太郎君気を付けろ』


【今日は、防弾チョッキを着用してきた】

【バジッン】【バジッン】【バジッン】

『柿太郎君脇道に入ってくれ』

『撃って居る場所は解りませんかね』 柿太郎

『この位置からすると斜め前じゃな』

【やっぱりライフル小銃の様じゃな】

『車から降りて双眼鏡で観察じゃ』

『ショートスコープを装着して居るから、良く見えるんじゃよ』

『立って居ると危ないぞ、伏せた方が良いぞ』蔦巻

【バジッン】【バジッン】【バジッン】

『また、撃って来た』

【ちょっと解り難いですね】柿太郎

〖2人は双眼鏡で暫く探した〗

『あっ。先生ビルの屋上の看板の下に、黒い人影が見えますね』

【距離は目測で220m位ですね、きっとあれですね】

【下手に動くと弾に当たるぞ】


『柿太郎君、車に座らせた在る人形2体を、車の前部から覗かせて

見よう』【弾が当たったら倒すんじゃ】

【必ず確かめにやって来る、そこを襲うんじゃ】

【柿太郎君、側に立って居る、沙百合ちゃんの(人形のこと)

(さゆり)パンティ脱がしてくれ】

【えっ、エロ作戦ですか、作戦そのものが変態ですね】柿太郎

【何だ、まだ脱がしてないのか、直ぐ脱がせろ、優しくずり下げろ】

【察しがいいね、ノーパン作戦じゃ】

【先生、相手は・5.56mm×45NAТО弾使用のライフル銃男ですよ】

【ノーパンで罠を仕掛けるんじゃ】【男のさがじゃ】

【ライフル銃に対抗してノーパンで捕まえたら、日本国中の女性達が全員ノーパンで町を歩く様に成りますよ】柿太郎

【4次元の世界に突入じゃ】蔦巻

【ノーパンは個人の自由尊重じゃ】蔦巻


【人形を車の影に立たせると、2体供に頭を貫いた可成りの腕前だ】

〖少し大げさに倒して、雑木林の中に隠れた〗

【人形は足の太ももの奥が少し見える様にして、車の下に置いた】

【人形はミニスカートを履かせ、太ももムッチリ・ノーパンにした】

【極細黒マジックで、極上最終仕上げを施して在る】

【美術部水海作】

【偽の血を撒いた】

【車の直ぐ側の雑木林に、スズメバチ達を20匹程待機させた】

〖10分程すると、一台の車が静かに近づいて来た〗


〖運転手ともう一人の男だ〗

〖もう一人の男が、ゆっくりと降りて来た〗

【右手には38口径リボルバーが握られて居た】

【男は血を見るとニャッと笑った】そして

【車から出ている足を見ると、しゃがみ込んで車体の下を真面に

覗き込んで】

【もう3回ニヤッ・ニヤッ・ニヤッと笑った】

【少し、頭を左右に振った・太もも・ノーパンの罠にハマった】


【その途端、10匹のスズメバチ達が車の下から飛び出して来た】

【男は慌てて立ち上がったが、遅かった】

【雑木林で待機して居たスズメバチ達が、既に頭上で

ホバーリングして居た】

【立ち上がった瞬間に、真面にスズメバチの攻撃を受けてしまった】

【逃げながらも、刺されまくった】

【うわーっ】【あっあーっ】【うわーっ】【ちくしょう】【いてっ】

〖運転席の男はハンドルを握って、相棒が来るのを待って居たが〗

〖リボルバーを持った相棒は、刺されまくってドアが開けられ無い〗

〖よしっ。今だ。柿太郎は車の後部座席の窓ガラスに向かってボウガンの矢を放った〗〖見事に窓ガラスに命中した〗

【ガッジャン】

〖大きな穴が空いた、車はやっと発進したが〗

【その穴から、20匹のスズメバチ達が車内に侵入した】


【車は10秒もしない内に、蛇行運転と成り20秒もすると、蛇行を通り越して、右へ左へと大きく曲り、飛び跳ねる様に跳ねとんだ】

【車は遠ざかって行ったが、50メートルもするとカーブを曲り

そこね、ガードレールを突き破って、猛スピードで下の田んぼに落ちた、ガードレールから田んぼまで、10m位は在った】

【黒い煙まで出始めた】【119番に連絡した】

【葉月命中芯は】【太ももムッチリ・ノーパン天国を満喫した】


【ピ~ポ~・ピ~ポ~・混んでる何だか・混んでるピ~ポ~】

【ピ~ポ~・ピ~ポ~・タイヤがパンクだ・どうした・ピ~ポ~】

【ピ~ポ~・ピ~ポ~・スペアが無い・タイヤが無い・ピ~ポ~】

【ピ~ポ~ピ~ポ~・遅れる・必ず遅れる・待ってろ・ピ~ポ~】

【ピ~ポ~ピ~ポ~・リヤカー調達・必ず行く・ピ~ポ~ピ~ポ~】


〖救急車が2台到着した〗

〖救急隊員もビックリした事だろう、何故顔が腫れて

居るのだろうか〗

〖スズメバチ達は、既に帰って居た〗

【車の中にはライフル小銃と38口径ピストルが在る】

【銃刀法違反で逮捕されるのは間違いない】【ライフル小銃の入手先の追求も可成り厳しい】

【柿太郎君、男が持って居た、38口径リボルバーは日本警察が

使用して居る銃じゃ、この銃の入手先の追求も可成りの厳しいぞ】

【服役中の虻野玉五郎も、内心肝をつぶして居るじゃろう】

『警察の虻野組家宅捜索も、時間の問題じゃ』

『そうですね、府中刑務所勤務の刑務官猿真似烏辺りが、可成りの

怪しいですね』

『虻野組の組長とは、まだまだ腐れ縁が続いて居るでしょうから』

【捕まるまでやるじゃろう】

【毒を食らわば皿までじゃろう】

『腰巻魂三郎を呼び出して、早いとこ決着付けますか』

〖柿太郎は腰巻魂三郎を呼び出した〗

『おいっ。お前虻野組に雇われて居るだろう』

『おめーえが、柿太郎か前々から顔は知って居たががな、お察しの通りだ頼まれて居るぜ』

『親指と人差し指で輪っかを作ると、こっちの方もでけーぜ』


【秘剣・必殺種子落し】たねおとし


『人目に付かない所がいいな』柿太郎

『解った、場所と日時を決めようぜ』腰巻魂三郎

【付き添いはお互い一人ずつと成った】

【ある日の夜8時と成った】

【柿太郎と蔦巻は約束の場所に、10分前に到着して居た】

【午後8時2分に腰巻魂三郎の車が着いた】

【車には魂三郎の他に3人の男が乗って居た】

【柿太郎は相当な殴り合いを予想し、また覚悟も決めて居た】


【所が車から降りた魂三郎は、日本刀を握って出て来た】

【予想外の出来事に柿太郎は戸惑った】

【てっきり、殴り合いかと思ったぜ】柿太郎は

【予想外だったかい、剣道は国体まで行ったかな】魂三郎

【特木ではとても太刀打ち出来無いと、柿太郎は思った】

【こんな太腕に日本刀を振り回されたら、上半身と下半身か

真っ二つだ】【この際だ仕方ない一端車に戻ると、特木の入った

箱の2重底の蓋を上げた】

【そして、日本刀を取り上げた】

【何だ、日本刀を用意してあったのかい】魂三郎

【柿太郎は正眼の構えだ・魂三郎も正眼の構えだ】

【2人は5m位の間を空けて向かい合った

【2人はじりじりと間合いを詰めた】

【やはり、こいつも出来るなと柿太郎は思った】


【無駄な動きも無く、隙なく間合いを詰めて来る】

〖魂三郎の剣先が【ピクッ】と動いた〗と同時に、

【上段の構えと成り激しく踏み込んで打ち下ろして来た】

【柿太郎は素早く払ったが、透かさず胴を打ち込んで来た】

【これも払ったが、また上段から打ち下ろして来た】

【どちらも引かず、打ち合いの応酬と成った】

【柿太郎の脇腹と左腕から血がしたたり落ちた】

【2人は間合いを取った】

【柿太郎が激しく踏み込んだ、正眼の構えから上段と成り打ち下ろし直ぐ胴を払った】

【魂三郎は胴を力強く払い退けた】

【その瞬間、柿太郎が深く沈むと】

【柿太郎の剣先が魂三郎の視界から一瞬消えた】


【ドブォッ】

【魂三郎は急に股間が生温かく成って行く感覚を覚えた】

【思わず魂三郎は股間を観た】

【真っ赤な血が滴り落ちて居た、と同時に赤黒い塊が】

【ボドッ】【ボドッ】【落ちた】


【魂三郎の睾丸だった】【2玉落ちた】

【あっあー】【うっうー】【あっうっー】【あっあっあー】

【魂三郎は、うめきながら股間を押さえてころげ回った】

柿太郎の【秘剣・必殺種子落し】が決まっ【勝負は着いた】

【3人の男が魂三郎を車に乗せて走り去った】

【男3人が付いて来た理由が解った】

【一人じゃ持てない】

【蔦巻と柿太郎はその場を後にした】


【ブレイキン・魂喋郎】(たましゃぶろう)

『蔦巻先生、虻野組の刺客は退けましたがまだ新手を打って

来るでしょうか』柿太郎

『もう止めるじゃろう、相当な使い手だったからのう、そうそう何人も刺客は居無いぞ』蔦巻

『38口径リボルバーの入手先が、ばれるじゃろう』

『虻野組に強制家宅捜索に入るじゃろう、そしたら虻野組の存在そのものが、危うい訳じゃ』

『我ら2人に構って居られんじゃろう』

〖その後、猿真似烏と虻野玉五郎の関係が発覚して、猿真似烏は刑務所に入り、虻野玉五郎は拘置期限延長と成った〗

〖遂に虻野組には、強制家宅捜索が入り、組の解散も時間の

問題と成った〗

【跡空八角が全てを喋って、虻の組の内情全ては丸裸になった】

【拳銃20挺も押収された】

〖風の便りに腰巻魂三郎の噂が流れて来た〗

【新宿2丁目のオカマバーで、無理やり厚化粧の大男がオカマに成って、男客を相手に歌を歌ったり踊ったり、して居るとの事だった】


〖大男のオカマが珍しく、店は大繫盛して居るとの事だった〗

【蔦巻き先生、腰巻魂三郎は意外と女ぽいと評判らしいですよ】

【魂三郎の居るオカマバーに、飲みに行って見ますか】

【真逆さと思うが、腰巻を巻いて、止まり木に座って居るんじゃ

無かろうな】蔦巻

【本物の玉無しに成りましたね】 柿太郎

【秘剣・必殺種子落しで手術代が浮いた訳じゃな】

【玉無しに成ったが、新しい人生の活路を見出したと言う事じゃな】

〖もうひとつ、オマケの話が在るんですよ〗

〖大きい体の割に運動神経が良く、ブレイクダンスを踊って

居る様です〗

【週2回・土・日にステージに上がる時は、芸名でステージに上がるそうです【芸名が】

【ブレイキン・魂喋郎】

【拍手喝采】


『柿太郎君これから種子島へ4人で行くんじゃ、水海君も武道君も誘ってな』

『鍬形迂闊君は元気にしてますかね、きっと南国の太陽の光で真っ黒に成って居るでしょうね』『目に浮かぶ様ですね』柿太郎

『5人で芋焼酎を飲むのも楽しみじゃな』蔦巻

『芋焼酎のつまみは、何がいいですかね』柿太郎

【ながらめ・きびなご・つきあげ・伊勢エビ・毛ガニ・サバ節】

【キダカの乾物・その他・海の幸じゅゃな】

【居酒屋串政で、種子島芋焼酎金兵衛を飲むとするかい】


続く

種子火たねび

【登場人物】

蔦巻一郎

種梨柿太郎

種梨水海

種梨武道

鍬形迂闊・鍬形強直・虻野玉五郎・虻野玉突嬉・猿真似烏

五十磯満額・大御小蝶満月・片金鶴太郎・跡空八角・

黒猫チュウタロ・佐渡島金メッキ・腰巻魂三郎・葉月命中芯

【この話は作り話です】【フィクションです】


【蔦巻イチロー】

【逃がしはしない】【シリーズ3】

【指定暴力団毛呂山組と伊奈川県警】【つだまき・イチロー】

(もろやまぐみ)(いながわ・けんけい)

『蔦巻き先生この蜂は何と言う蜂何ですか』

『昆虫の標本を観ながら、水海は聞いた』

『それは蜂に見えるが、実は蜂では無いのじゃよ』

『えっ。本当ですか。蜂に見えますが』

『それはな、スズキ・ナガハナアブとニトベ・ナガハナアブじゃよ』

『ハナアブですか、見分け付け難いですね』

『先生、蜂の話をもっと聞きたいのですが、今日は重大な話が在りまして次回にします』

【ひょっとして、また何か込み入った相談かい】

【謎の薔薇色学園】


【蔦巻先生、変な噂を耳にしたんですが、日本中から自閉症の子供達を集めて自立教育をやって居る、学園が在るんですが、どうもその学園の活動内容がおかしいのです】

『学園の近所に住んで居る、住民の話に寄りますと、非常に奇怪な出来事が起きて居るそう何です』

『種梨水海君何故君が心配するんじゃ、君には子供はおろか結婚もしとらんじゃ無いか』

『実は僕の友達から相談されて居るんです』

『中学一年生の女の子を預けたらしいんですが、心配に成って様子を見に行っても、会わせてくれ無いそう何です』

【向こうは何と言っとるんじゃ】

『まだ修行の途中の身だから、修行が終わるまでは合わせる事は出来無い、会わせられる時期が来れば、こちらから連絡するので

それまで、待って居て欲しいと言って居るそうです』

『近所の住民の話に寄りますと、時々その薔薇色学園から少年少女達が脱走して近所の民家に逃げ込んで来るそう何です』


『その時の様子が、余りにも可哀想らしいです』

『5分位すると、薔薇色学園の教師数人が、連れ戻しに来るそうです』

『連れ戻されるまでの5分間は、助けてとか家に帰りたいとか』

『中には殺されてしまうと、訴えて泣く子も居るそう何です』

『近所の住民が警察に連絡して、薔薇色学園まで来て貰った事も在ったそう何ですが、特別何の問題も起きては居無い、と言われて建物の中には入らずに、帰ったそう何です』

『警察の方も、何も問題は起きて居ないのだから、勝手に介入する事は出来無い、との回答らしいです』

【具体的な出来事は脱走だけかい】

『その薔薇色学園の園長は、何と言うんじゃ』

塚本叩吉つかもと・たたきちと言う名前です】

『ほう、いかにもと言う名前じゃな』

『蔦巻き先生、薔薇色学園を調査した方が良いのでは

無いでしょうか』

『そう言う事は、警察に任せれば良いのでは無いかのう』

『先生警察は宛てに出来無いですよ、犠牲者が出無いと動かないと思いますよ』


『園長の他に何人で、子供達は何人じゃ』

『教師は10人です、子供達は80人程です』

『敷地は1200坪位です、2階建てです』

『広い部屋が2部屋と、後の部屋は細かく仕切られて居る様です』

『敷地は2m40㎝位の柵で、ぐるりと取り囲んで在るらしいです』

『出入口は正面と裏口の2つです』

『蔦巻き先生、犠牲者が出てからじゃ遅いですよ』

『僕としては、嫌な予感がするんですが』


【謎の失踪】

【2日後】

『蔦巻き先生、遂に薔薇色学園で犠牲者が出てしまいました』

『3人の生徒達が救急車で搬送されて、3人供病院で死亡が確認』

『ちょっと遅かったかー。残念じゃが後は警察の仕事じゃな』

『新聞の報道に寄ると、その後の経過はこうだった』

【3人の死因は全身打撲に寄る、ショック死との事だった】

『直接殴打した教師4人が、傷害致死罪の容疑で逮捕された』

『園長の塚本叩吉は事件の前後2日間は、園に不在で出張中

だったらしい』

『事情聴取だけで終わった』

『警察の家宅捜索と成り、薔薇色学園は一時閉園と成った』

『残った生徒達は、其々各家庭に戻った』

『塚本叩吉は60坪位の土地に移り住み、教師4人と共同生活を

して居るらしかった〗

『これでこの事件は一件落着と成った』

〖しかし暫くした後、妙な事が起きた〗

『4人の家族が子供達が戻って来て居無いと、警察に訴え出たのだった

『警察は直ぐに、塚本叩吉を呼んで事情聴取した』

『塚本叩吉の話では、4人の子供達は殴打事件が起きる3ヶ月前に

既に、帰して居るとの答えだった』

【新幹線の切符の領収書も在った】

【生徒名簿にも5月2日退園と記載されて居た】

『帰してからは、全く接触は無いとの答えだった』

『警察は逮捕して居る4人と、残りの6人の元教師達にも事情聴取したが、全員が塚本叩吉と全く同じ意見だった

『結局拘置期限が切れて、証拠不十分で逮捕は出来ず現在は

保釈の身と成って居るとの事だった』

『少女達の扱いは、行方不明との事だった』


【4人の少女の足取り】

『蔦巻先生全く不に落ち無いですよね、現実に4人の女子生徒が親元に戻って居ない訳ですから』

『本当に可笑しいのう、怪しいが証拠が無い訳じゃな』

『4人の家族の親達は、捜索願いを出して居るらしかった』

『きちんと、調べて見たいんですが、何処かに何かしらの証拠が

在りますよ』

『そうじゃのう、4人の若い女の子の命が掛かって居るからのう』

【8日後】

『蔦巻き先生色々な事が解りました、実は4人の女の子達の共通点が、一つ見つかりました』

【全員横浜出身です】

【塚本叩吉の経営して居た、薔薇色学園は静岡じゃったな】

【静岡と横浜は新幹線で直ぐじゃな】蔦巻

『4人の女の子の内2人は15歳で、後の2人は16歳です』水海

【それと5月2日の退園日は、ゴールデンウイーク期間です】


『どの新幹線も満席状態何ですが、実はそれらしい映像が、新幹線の

ホームで写って居るんです』水海

『それらしい映像とは、具体的にどんな映像なんじゃ』蔦巻

『横顔何ですが、15歳前後の4人の女の子ホームの搭乗口で待って居る様子が写って居ました』

【しかし、おかしいのは4人の女の子の脇に並ぶ様にして、4人の男が立って居た事です】水海

『その4人の男達は、単なる別の客じゃ無いのかね』蔦巻

【そこ何ですが、普通4人組の場合、並列で2人ずつ並ぶのが本当だと思うんですが】

【ビデオ映像を見ると4人の女の子達は、4人の男達と対に成って並んで居るんです】水海

【どうも不自然です、まるで見張り役に見えてくるんです】

【成程その4人の女の子の顔は、間違い無いのかね】

【確かに確認して貰ったんじゃろか】蔦巻

【ええ勿論です、彼女達の両親にビデオ映像を確認して貰いました】

『ビデオ映像には、イスに座って居る所まで写って居ました』


【確かに女の子と男が、対に成って座って居ました】

【普通ですと、女の子2人ずつで座る筈です】

【確かに変です】水海

【5月2日に薔薇色学園を出て、家には戻って居ないと言う事じゃな】

【つまり、4人の男達と供に4人の女の子は、何処かへ消えてしまったと言う事に成りますね】水海

【その後の足取りは掴めたのかね】

【それ何ですが、静岡を新幹線で出てから横浜では、降りて居ない事が解って居ます】

【5月2日の横浜駅ではビデオ映像には、全くビデオには全く写って

 居ませんでした】


『その延長線上と言えば・東京駅・更に進と羽田空港・もっと行くと

成田空港と成ります』『真逆か、海外とは考えにくいですが』

『それと新しい事実として、4人の男達の中の一人は前科8犯の

男でした』

【その全ての犯罪が売春に絡む物でした】水海

【今回の事と重ね合わせますと、少女売春斡旋容疑が非常に濃厚と言わざるを得ません】

『その前科8犯の男を探すんじゃよ、多分その男は暴力団じゃな』蔦巻

【売春も暴力団の大きな資金源だ、他の3人も暴力団じゃろう】

【暴力団の資金源で、何が一番多いんですか】水海


【一番は・麻薬ビジネス・2番が占有屋ビジネス・3番が違法賭博】

【後は・密航ビジネス・拳銃密輸・等々で年間収入は】

【1兆6千2百50億円の推計と成って居る】

【それと別にヤミ金融業者の収入が・8千億円と成って居る】

【別に最近多いのが・オレ・オレ・詐欺の収入じゃ】

【これも・2千億と推定】

【飽くまでも推計で解って居る金額・解って居無い金も入れると

 この数字の何倍にも成る】

【古い新聞の・データです】


【暴力団が相手と成って来ると、兄の柿太郎にひと肌脱いで

貰う様ですね】 水海

【その通りじゃ、早いとこ・柿太郎君に連絡してくれ】蔦巻

【黒い霧・伊奈川県警】

『蔦巻先生、前科8犯の男の正体が解りました』

馬並勝うまなみ・まさると言う男で、指定暴力団毛呂山組の

組員と成って居ます』

【組長は毛呂山誠実もろやま・せいじつと言う人物です】

【何っ、毛呂山誠実っ・銀行の面接で、0.5秒で採用じゃのう】

【馬並勝は、競馬で大儲けじゃな、競馬御殿でも建てそうじゃ】

【馬並みじゃ・ハーレムむっ尻御殿でも造りそうじゃな】

『先生、余計な発言は控えて下さい』

『直感で、口走っただけじゃ』

『また~~~直感ですか』水海


【けっ・・・】蔦巻


『毛呂山誠実と薔薇色学園の塚本叩吉は、高校の同級生で仲も

良かった様です』水海

【つまり、薔薇色学園と毛呂山組は、古いつながりが出来とる

訳じゃな】蔦巻

【純真な少女を、食い物にするとは全くの悪党じゃのう】

【許るせん奴らじゃのう】

『先ずは、毛呂山組の関係する、飲食店・怪しい名前のマッサージ店

等も調べて見ましょうか』

『蔦巻先生、適当に店を選んで20件程探して見ましたがさっぱり解りませんでした』【国外の可能性も有ますか】水海


『馬並勝の後を、蜜蜂に着けさせて見ようかい』蔦巻

【蜜蜂にヒモを着けた】

〖蔦巻と水海は、毛呂山組の玄関口を、双眼鏡で見張る事にした〗

〖馬並勝の出てくるのを待ち続けた〗

〖3時間程して黒塗りの高級車一台が、玄関先で止まった〗

〖そして、馬並勝が現れて車に乗り込んだ〗

〖直ぐ側で待機して居た8匹の蜜蜂が、後を追った〗

『先生大丈夫でしょうか』

【大丈夫じゃ、信号で離れても、4匹が後を追い4匹は信号で

 ホバーリングしてワゴン車が来るのを待つ】

【そう言う風に訓練されて居る】

〖蔦巻と水海は車で蜜蜂の後を追った〗


【蜜蜂に白いヒモを着けて居るので解り易い(ヒモの長さ・30㎝)】

〖車で蜜蜂の後を追うのは素人では無理だ〗

〖1時間位走ると馬並の乗った車は、在る建物の駐車場へと入った〗

【5階建てのビルの3階程の表看板には・【黒薔薇・黒蜜の谷間】と

言うのが目に付いた】【1号店】

『蔦巻先生怪しい名前ですね』 水海

【そのものズバリの名前じゃのう、繫昌間違い無しの誘惑じゃ】

『あの店の中に、少女達が居るかどうかじゃな』

『水海君客を装うって、店に入るしか無い様じゃな』

【少女達の顔キチンと覚えとるじゃろうな】

〖店に入り、待合室のソファーに座ると10名の女の子達の顔写真が張って在った〗

〖やっぱり、指名制らしい〗

〖案内役の男が出て来た・爪を見せろと要求して来た〗

〖爪を見せるとヤスリを渡して引っ込んだ〗

〖行方不明に成った、4人の女の子の内2人の顔写真が在った〗

〖2人の内一人を指名した〗

〖5分位すると、案内役の男が個室に案内して、待つ様に言った〗

〖部屋で待って居ると、指名した女の子が入って来た〗


〖間違いなく、4人の女の子の内の一人だった〗

〖女の子は2分位すると喋りながら、スカートとブラウスを脱いだ」

〖ブラジャーとパンティだけに成った〗

【あっあー・あーっ】『僕はお客として来た訳じゃないんだ』

『スカートとブラウス着てくれますか』

『実は君達4人を探して居たんだよ。海外で無くて良かったよ』

『君達4人は、塚本叩吉の薔薇色学園の生徒何だろう』

『今日来たのは、今迄の詳しい経緯を知りたいんだ』

『教えてくれないかな』

『女の子の話はこうだった』

『18歳未満の生徒が、退園する時は学園の先生が同伴して送り届けるとの、決まりだったらしい』


『しかし、先生とは名ばかりで、本当は暴力団の組員と後で

解ったらしい』

『静岡を出発して20分経った頃に、まだ午前中で時間が早いから

ディズニーランドに連れて行って上げると、切符を見せられた』

『それで思わず4人の女の子達は、喜んでその誘いに乗ってしまった』

【ディズニーランドで遊んで、夕方近くに成って帰ろうとすると2台の黒塗りの車が待って居て、一台の車に女の子2人と男2人が乗る様に指示され、2台の車に別々に分かれて連れて来られたらしい】

【2台の車は途中で、一台ずつに分かれて連れて来られたらしい】


『組員に散々脅かされて、泣く泣く、いかがわしい行為をさせられて居るとの事だった』

『途中で分かれた2人が何処に行ったのかは、サッパリ解らないとの

事だった』

『此の【黒薔薇・黒蜜の谷間】は見張り役兼従業員の男が4人居るとの事だった』

〖店の女の子達は全員で8名との事だ。最初は14名居たが6人はいつの間にか居無く成ったらしい〗

『家に帰して上げるからね』水海

『早く帰りたいよう。もう嫌だこんな所女の子は泣きながら訴えた』


「後でさ君にも少し協力して貰うからさ、その時に成ったら話すからさ、もう少し待っていてくれる』 水海

『水海はスマホで蔦巻に連絡を取った』

『蔦巻先生どんな風にしますか、警察に事情を話して直ちに踏み込んで貰いますか』

【水海君、警察に話しても多分無駄じゃろう、そんな、いかがわしい

行為をさせて、未だに摘発されないで、商売をやって居る、と言う事は伊奈川県警の偉い幹部と、黒薔薇・黒蜜の谷間の社長が出来とる

訳じゃ】

【摘発される店は、県警本部の幹部とのつながりが無い店じゃよ】


【摘発の書類に、伊奈川県警本部の署長の押印がない限り、地元の警察は動けん訳じゃよ】

【今回は、警察は全く宛てに成らんぞ、我々でその2人の少女だけ

でも助けるしか無い訳じゃ】

『車で分かれた2人は、警察で証言をして助けるしか無い様じゃ』

【東京警視庁に駆け込むしか、方法が無い】


【伊奈川県警が追いかけて来ると思うが、振り払うしか方法が無い】

【蔦巻先生、この商売は儲かるんですか】 水海

【一か月の内15日だけ働いても、最低でも80万には成るらしい】

【しかも、5時間勤務じゃ、中には200万近く稼ぐ女の子も居る】

【そんなに稼ぐんですか】水海

【店に10人も女の子が居ると、一か月で3千5百万円以上も売り上る

らしいぞ】

【柿太郎到着】

『車で乗り込んだ、馬並と運転手と店の従業員4人と、女の子8名です

全員眠らせますか』

『客も数名居る様です』『蔦巻先生兄の柿太郎は呼んで有ますか』

『一人は人質に取りたいのですが』

【後、3分で到着すると連絡が在ったぞ】

【先生スーパー蜜蜂を、20匹程放して下さい】


【水海はトイレに行く振りをして、店の2か所の窓を1㎝位開けた】

【各個室のドアの下は1㎝位すき間が在った】

〖3分すると、スーパー蜜蜂達が侵入して来た〗

『あっ。なんか変な虫が飛んで来た』女の子

『あれっ、見えた。普通は気が付か無いんだけどなー』水海

『僕とさ、一緒に居ると刺されないから、大丈夫だよ』水海

『君さー2分位したら、ちょっと個室を覗いてくれ無いかなー』

【えっ。何を見るの】女の子

『この小さな蜜蜂に刺されると、眠ってしまうんだよ』

【皆が眠って居るか、どうかを確認して欲しいんだけどなー】

〖6分位すると、女の子が戻って来た〗

〖各個室のドアを開けると、全員寝て居るとの事だった〗


【しかし、従業員の個室だけは、2人の男が変な虫が来たと騒いで防虫スプレーを、撒き散らして居る最中らしく、男2人は刺されないで居るらしかった】

〖他の2人の従業員は、ソファーの上で横に成って居るとの事だった〗

〖水海はスマホを取った〗

【蔦巻先生、防虫スプレーで、スーパー蜜蜂を撃退したらしいです】

【兄の柿太郎を、店のドア付近で待機させて下さい】

【女の子が部屋まで案内します】

【君さー。ちょっと。店のドアを開けてくれる、ドアの外で大男が立って居るからさー】

【眠って居無い2人の部屋の前まで案内して、戻って来てくれる】

【実は僕の兄なんだ】

【女の子は出て行き、3分位すると戻って来た】

【本当に兄さんなの、随分違い過ぎるのねー、ガッチリした体格で

強そうだったわ】

【暫くすると、眠ってい無い個室から大きな物音と大声が聞こえた】


〖柿太郎は部屋ドアをノックした〗

【ドアがスーッと開いた・その途端、柿太郎が凄い勢いでドアを思い切り蹴とばした】

【ドッドォオー-ン】【男は激しく転がった】

【あーっ、何しやがるんだ、この野郎】

【しかし、柿太郎は無言で転んだ男の顎を蹴り上げた】

【ドッギゲゴッ】【グガッー-ッ】【うわーっ】

【男のあごが砕けた】

【もう一人の男は馬並勝だった】

【相棒が転んだ所で、柿太郎目掛けて蹴ったが空を切った】

【その瞬間柿太郎の正面蹴りが、馬並勝のキン玉に炸裂命中した】


【ドキンタマッ】【グジャ】【ウッウッウーッ】【オッオーッ】

【秘剣・必殺種子落しならぬ、必殺・種潰し潰しだった】

【睾丸がグチャ・グチャ・潰れ不妊の男に成る可能性】

【馬並勝が股間を押さえたが、透かさず肘打ちと膝蹴りが炸裂した】

【孤館の御宿の眠りに深酔した】【4次元の世界を彷徨い始めた】

【キン玉の手応えも馬並みだったな】柿太郎

【対決】

〖2人の内1人の少女は、スーパー蜜蜂に刺されて居たのでソファーの側で眠って居た〗

〖一緒に居る部屋の女の子と2人で、表の車に運んだ〗

【柿太郎は、4次元の宇宙の果てまで旅行中の、馬並みを車に乗せた】

〖6人は店を後にした、馬並勝が途中で目を覚まさない様にスーパー

蜜蜂で刺した〗

【先ずは2人の女の子を親元に帰すのが先決だ】

【女の子の其々の親に会って、きちんと事情を話して喜んで貰った】

〖暫くすると馬並勝が目を覚ました〗

〖馬並勝の両腕と体を縛って居た〗

『おいっ。馬並、薔薇色学園の後の2人は何処に連れて行った』

【白状して貰うか】


〖柿太郎は馬並勝の指を逆さに曲げた〗

【ゴギッ・ボギッ・グチャ】『どうした返事をしろ』【ボギッ】

【あーっ、イテテてーっ、ちきしょう】

【早く教えて貰うか、黙って居ると10本全部【ほらっ・ほらっ】

【ゴギッ・ボギッ】【あっあっあー】【ボギッ】

【この際だ10本無くなるぜ、大好きなオ○○―も出来なく成るぜ】

【ちきしょう、ふざけやがって解ったよう】

【あの2人は・2号店・【黒薔薇・黒い吸盤・蜜の味】と言う

店で働いて居るぜ、チョット前は3号店・4号店に居たんだ

3号店・【黒薔薇・底無し泉の黒蜜】

4号店・【黒薔薇・黒蜜の聖恥】

5号店・【黒薔薇・洞窟の怪尻】2号店・【黒薔薇・黒い吸盤・

蜜の味】まで案内して貰おうか

4人は【黒薔薇・黒い吸盤・蜜の味】へと向かった

【さっきの店と名前が似ているのう】蔦巻


【姉妹店だぜ】馬並勝

【お前らこんな事をしてタダじゃ済まねーぜ、毛呂山組は2百人も組員が居るんだぜ】馬並勝

【お前えんとこの、毛呂山誠実と薔薇色学園の塚本叩吉は同級生

だったな】

【それが、どうした】 馬並勝

【其のつながりでもって、少女を誘拐して軟禁状態にして、働かせて

居たのじゃろう】

【警察に行っても無駄だぜ】馬並勝

【其れは充分知って居る、摘発され無い様に金でも握らせて居るん

じゃろう】

【伊奈川県警署長の印鑑を、書類に押さない様にしとる訳じゃな】

【警察が動いてくれ無いんじゃ、世の中どう成るんですかね】水海

【如何いう段取りに、したらいいですかね】柿太郎


【あっはっはー・警察は動かねー・毛呂山組には狙われる】

【おめーらもアホな事やって居るぜ】馬並勝

【道はひとつしか無いのう【黒薔薇・黒い吸盤・蜜の味】に居る

【少女2人を助け出して、東京警視庁に直接4人の少女を連れて行き証人と成って証言して貰うしか無いのう】

【塚本叩吉の薔薇色学園の内情、毛呂山組の少女略取誘拐の事等全てを証言して貰うしか無い】


【そう成ると伊奈川県警の幹部連中の首も、危ないと言う事ですか】

柿太郎

【そうじゃな、毛呂山組との繋がりがバレて、少女を軟禁状態で働かせて居ると知りつつ、摘発の書類に印鑑を押さなかったと成ると事は一大事じゃ】

【伊奈川県警の署長の首も吹っ飛ぶぞ】蔦巻

【4人の少女の命が危なく無いですか、証人と成って証言されると

困る訳ですから】水海 

【さっきの2人の少女は、2時間も経ったら在る場所で、身を隠す様に指示して置いたから大丈夫じゃろう】蔦巻

【おいっ、馬並、【黒薔薇・黒い吸盤・蜜の味】の従業員は何人だ、正直に言えよ】柿太郎


【あの店は従業員は6人だぜ、体格のいい奴も居るぜ】馬並

【女の子は何人だ】柿太郎

【女の子はよう、12人かな】馬並

【其の中に16才の少女が2人居るんだな】柿太郎

【そう言う事だな】馬並

【40分走った所で【黒薔薇・黒い吸盤・蜜の味】の店の側で

車を止めた】

【そして水海が、客を装って店に入る事に成った】

【店に入ると】【従業員が話掛けて来た】

【何にコースが希望ですか】従業員

【コースの種類は幾つ有ますか】水海

【1・膜張コース・2・横綱コース】【1番・2万円・2番・3万円】

【3・殿様コース・4・大統領コース】【3番・4万円・4番・6万円】

【殿様コースは、2人の女の子が45分ずつで交代します】

【大統領コースは、3人の女の子が50分ずつ3交代制です】

【その他のコースは女の子一人だけです40分一発勝負】【内容が違う

【少し考えます】水海

【水海は指名用の写真を見ながら】水海


【この写真の他に、もっと若い子は無いかなー】水海

【どの子も25歳位だしなー、先週は確か15歳か16歳の女の子が

居た筈だがなー】水海

【先週まで居た、あの2人の少女の事かい、あの女の子達はよう幹部の命令で引き上げて行ったなー】

【何処に行ったんだい】水海

【何でそんな事聞くんだい】

【いや、チョット気に入って居ました、行先は何処かなー】水海

【そんな事は解らねーな、幹部しか知らねーよ】従業員

【じゃあー今日は止めとくかなー】水海

【そんなに若い子がいいのかい】

【水海が店を出る時背後から声がした】

【ロリコン趣味の変態野郎め】


【蔦巻き先生、2人の少女は何処かへ連れ去られて、店の中には

居ませんでした】

【おいっ。馬並、嘘つきやがったな】柿太郎

【そこまで、俺は知らねーよ、知って居るのは組長と数人の幹部

だけだなー】

【おいっ、馬並、女の子の行き先を知って居る幹部を、呼び出して

貰おうか、スマホで連絡しろ】柿太郎

【場所は【黒薔薇・黒い吸盤・蜜の味】の側の空き地だ、変な事喋べるなよ、腕をへし折るぞ】

【2人で来るように言え】柿太郎

【馬並は毛呂山組の幹部に電話した、30分で着くとの事だった】

【馬並には少し眠って貰う事にした】【おっ、何だ、この虫は~~】


【空き地の周りはちょっとした、林に成って居た60匹のスズメバチ達を林の中に待機させた】

【スーパー蜜蜂も20匹程待機させた】

【ところが黒塗りの車が5台も現れた】

【馬並の奴が、会話の中で合図を出して居たらしい】

【5台の車からゾロソロと、人相の悪い奴らが20人も降りて来た】

【ようー。3人さんよう、いい度胸してるじゃねーか】

【久し振りに袋叩きとしてやるかい】

【蔦巻と柿太郎は特木を持って構えた】

【最初の10人が短刀を持って急ぎ足で来た】その時

【待機して居たスズメバチ達が、両側の林の中から襲い掛かった】

【あっーあっ】【スズメバチかよー】【うわーっ】【うわーっ】

【イテテてーっ】【くそーつ】【イテテてーっ】【ちきしょう】

【うわおーっ】【あげーあーっ】【いててーあーあー】

【後の10人も走って来たが、動いたその時、両側の林から出て来た

スズメバチ達に刺された】


【うわー-っ】【このやろうー】【いててーあーあー】【うげーっつ

【その中でも刺されながらも、数人が向かって来た】

【しかし、柿太郎の強さの前には、毛呂山組の連中は簡単にやられてしまった】

【ドッゴッドン】【ガガギーゴ】【ドッゴン】【バジゴン】

【グゲギツ】【ガギゴッドン】【ドッバギン】【ゴザッギン】


【東京警視庁を目指せ】

【蔦巻先生、こいつ以外の19人をスーパー蜜蜂で眠らして下さい】

【柿太郎は幹部らしい男一人だけ捕まえた】

【19人の連中は横に成って転がって居る】

【幹部らしい男の腕をねじ切りながら】

【おめーの名前は何だ、言って見ろ】柿太郎

【噓山金柑だ(うそやま・きんかん)】

【何だと・このやろうー・早速嘘ついたか】柿太郎

【嘘じゃね~~・本名だ~~~】柿太郎

【黒薔薇・黒い吸盤・蜜の味】で働かせて居た少女の行き先を教えて貰おうか、喋らねーと腕がへし折れるだけだぜ】柿太郎


【その時だった、遠くの方からパトカーのサイレンが聞こえて来た】

救急車じゃ無い

【住民の誰かが男達の争いを見て110番したらしい】

【サイレンの音が段々と近づいて来た】

【サイレンの音からすると、10台以上のパトカーらしい】


【アッアー-・アアー-・どうした・どうした・トラブルかアー-】

【アッアー-・アアー-・何があった・何あった・トラブルアー-】

【アッアー-・アアー-・ほいきた・直ぐ行く・トラブルアー-】

【アッアー-・アアー-・待ってろ・直ぐ行く・こん畜生アーー-】

【アッアー-・アアー-・中々着かない・こん畜生・アッアー――】

【アッアー-・どけ・どけ・邪魔だ・早くどけ・アーーアー――】

【アッアー-・邪魔する車は・免停・免停だ゜・アーーアーーー】


【柿太郎君水海君直ぐ逃げよう、今捕まったら伊奈川県警に握り

つぶされるだけじゃ】蔦巻

【この嘘山金柑も連れて行くぞ】蔦巻

【女の子2人の事は、噓山金柑と馬並勝に警視庁で吐かせればいい】

【3人は、2人の男を連れてその場から立ち去った】


【伊奈川県警の管轄外に出るぞ】

【兎に角伊奈川県から出て、都内に入るんじゃ、伊奈川県警の管轄外に出ないといかん】

【水海君後何分位で都内に入れるかのう】蔦巻

【そうですね、後30分チョットで都内ですかね】水海

【10分走った所だった】

【噓山金柑を眠らせます、序に馬並勝ももう一回刺して置きます】

【あっ・】

【蔦巻先生検問です、パトカー2台が止まって居ますね】水海

【赤い棒を振っていますね】水海

【どうします、警察官は4人です】水海


【検問どうしのぐ】

【うーん、止まるしか無い様じゃのう】

【伊奈川県警の管轄内じゃのう】蔦巻

【車が警察官の前で止まると、脇道に入る様に指示をして車を

誘導した】

【ちょっと免許証を拝見してもいいですか】

【水海は免許証を差し出した】

【免許証を見ながら、伊奈川県警本部と連絡を取り始めた】


【こちら中原区上新城検問所、只今、争いの現場からの逃走車両

当該車両を発見確保しました】検問所

【どうぞ】

【はいっ】【了解・どうぞ】本部

【応援車両4台・どうぞ】検問所

【他の警察官が車内を覗き、眠って居る馬並勝と噓山金柑を眺めて

居たが】

【後部座席の2人の方は、眠って居る様ですが起こせませんか】

【この2人の男は、24時間営業の店で働いたら疲れたと言って】

【つい先程睡眠薬の錠剤を、何時もの2倍近く飲んだばっかりです】

【起きませんか】警察官

【そうですね、後8時間は起きないと思います】水海


【再び本部と連絡だ】

【こちら、中原区上新城検問所、当該車両の運転手、並びに3名・職務質問実行】【どうぞ】

【はいっ・了解】本部

【応援車両・到着予定は後何分ですか】【どうぞ】

【応援車両・15分後到着予定・どうぞ】本部

【15分ですか・はいっ・了解】警察官


【警察官は2台のパトカーに、別々に分かれて乗る様に指示した】

【蔦巻は歩きながら水海に耳打ちをした】

【そして在る物を手渡した】【水海は納得した】

【蔦巻と柿太郎は一緒に、水海はもう一台のパトカーに乗った】

【別々のパトカーに乗って、職務質問を受ける事に成った】

【パトカーの運転席に一人、水海の横に一人と2名の警察官が

同乗した】

【蔦巻と柿太郎の乗ったパトカーも、同じ様に警察官が同乗した】

【蔦巻と水海は職務質問に答えながら、警察官が目線を逸らすのを

待った】

【よしっ、今だ、と思った時に素早くスーパー蜜蜂を放った】

【警察官がスーパー蜜蜂に気付かない様に、大袈裟な身振り手振り

気を引き付けた】

【時計を見た、応援パトカーが来るまで後8分だ】


【そして20秒後、車内の警察官は2人供に眠ってしまった】

【2台のパトカー供に、4人の警察官を眠らすのに成功した】

【上手く行きましたね】水海

【さあ、逃げるぞ、都内に入るまで後何分位じゃ】

【多摩川を渡れば都内に入るじゃろう】蔦巻

【京浜川崎インターチェンジまで後3分です】水海

【第三京浜道路に乗ってから、10分か15分ですね】水海

【モタモタしていると、応援パトカーが来るぞ】蔦巻

【ぶっ飛ばそう】蔦巻

【アクセル・死ぬほど踏み倒せ・踏んづけろ】蔦巻

【先生、年寄りの無理なアクセル・ワークは危険行為ですよ】水海

【直感で口走っただけじゃ】

【けっ・・】

【実行はしとらん】蔦巻


【蔦巻達の乗った車は第三京浜道路に乗って、一目散に都内を

目指した】

【数分走ると多摩川を越えた】

【蔦巻先生遂に都内に入りましたね】水海

【玉川インターチェンジを降りた、312号の目黒通りを警視庁が在る千代田区へと向かった】

【もう少して東京警視庁ですね】 柿太郎

【その時だった、明治学院大学の近所だった】


【検問所だ】

【12台のパトカーが赤色灯を回転させて、ズラリと並んで居た】

【グルッピカッ】【グルッピカッ】【グルッピカッ】【グルッピカッ

【グルッピカッ】【グルッピカッ】【グルッピカッ】【グルッピカッ

【グルッピカッ】【グルッピカッ】【グルッピカッ】【グルッピカッ

【警察官が赤い棒を振って、停止を求めた】

【水海は車を止めた】

【車を止めると、別の場所へと車を誘導した】

【ちょっと免許証を拝見してもいいですか】警察官

【車のナンバープレートも確認しますね】警察官

【東京警視庁本部との会話が始まった】

【伊奈川県警手配の逃走車両発見確保・どうぞ】検問所

【人数は何人ですか・どうぞ】警視庁

【男5人です・どうぞ】検問所

【職務質問実行・終了後・5人全員パトカーに同乗警視庁まで搬送・

どうぞ】警視庁

【はいっ・了解・直ちに搬送実行・どうぞ】検問所

【はいっ・了解】警視庁


【蔦巻先生今度は逃げなくてもいいでしょう】水海

【そうじゃな、今度は素直に捕まるぞ】蔦巻

【警察に捕まるのが何だか凄く嬉しいですね】水海

【これで全てが解明されるぞ、伊奈川県警の幹部連中も真っ青

じゃろう】蔦巻

【おいっ・馬並・噓山金柑・目を覚ませ・寝た振りするな】

【ドッゴン・ドバチッ】【ドバチッ・ドッゴン】【柿太郎】

【あれっ・あっ・ここ何処】【あれっ・パトカー・いつの間に】

【噓山、おめー・正直に白状しろよ】柿太郎

【3人はパトカーで搬送された】

【馬並勝と噓山金柑も当然のこと事ながら、東京警視庁へと搬送され、厳しい取り調べを受ける事に成った】

【全員捕まる】

【馬並勝と噓山金柑の証言で、行方不明の2人の少女達も無事に警察に身柄確保された】

【4人の少女達の証言で、薔薇色学園の園長塚本叩吉は少女人身売買の容疑で逮捕された】

【取り調べの中で噓山金柑だけは、特別に厳しく何度も追求された】


【おいっ噓山本当の事を喋れ、噓つくんじゃねーぞ】検察官

【お前の証言は保身一辺倒だ・正直に白状しろ】検察官

【噓山、本当の事を白状すれば、罪はほんのチョットだけ軽く成る】

【噓山どうした急に声が出て無いぞ、黙秘か、この野郎】

【噓山、黙秘は犯人の証拠だ・この野郎】検察官

【噓山、黙秘すると国選弁護人に敬遠されて、いつまでも国選弁護人が着かねーぞ・時間が長引くのが国選弁護人は一番面倒臭くて嫌がるんだぞ】検察官

【検察の立件が遅れて、拘置期限が長引く成るだけだ】検察官


【カルロス・ゴーン・を見ろ、脱獄しない限り娑婆しゃばに戻る事は出来ねーぞ】検察官

【毛呂山組の毛呂山誠実も、少女人身売買の容疑と少女売春斡旋容疑と風営法違反容疑で逮捕された】

【未成年の少女達が働かされて居るのを、知りながら店の摘発を放置した伊奈川県警の幹部3人が免職と成った】

【毛呂山組の毛呂山誠実とのつながりも追求され、拘置された後

逮捕に至った】

【馬並勝と噓山金柑の2人も、少女略取誘拐容疑と売春斡旋容疑で逮捕された】

【伊奈川県警の署長・早咲空想哲治はやさき・くそてつじ

辞任を余儀なくされた】

【しかし今回の事件との関わり合いは無く、罪には問われなかった】

【しかし、3人の幹部が収監された日の朝、依願退職を提出した】

【そしてその帰り道、東横線に飛び込み自殺した】


【種子島で芋焼酎】

『蔦巻先生、4人の少女が無事戻って来て良かったですね』水海

『そうじゃな、悪い奴らは捕まった事だしな』蔦巻

『また種子島に行って芋焼酎を飲むかい』蔦巻

『何時もの串政ですね、それと何時ものおつまみですね』

『鍬形迂闊君も住んで居るんですよね』

『大丈夫じゃ、評判の美人姉妹を呼んでおるぞ』蔦巻

『真理子君と直子君じゃ』

『いつも、バイクとサーフィンに乗っ取るぞ』

【ピチピチ・ピョンピョン】飛び跳ねておったぞ

『まだ、独身ですか』水海

【遥か・昔・昔・その昔は】独身じゃった

【潜水が得意じゃった】

【馬毛島の海底奧深く潜った】


【竜宮城に行って、乙姫様からひょうたんを貰って帰って

来ておった】

【姉妹仲良く星の砂浜で、ひょうたんの栓を抜いた】

【ギュ・ギュ・ギュ・ギュ・ギュ】【スッポ―――ン】

【白い煙が竜巻のよう立ち昇り辺り一面ひろがった】

【ボワ~~~ン】【ボ~~ン】【ボワ~~ン】

【4次元の世界に旅立った】

【お互いに顔を見てビックリして名前を呼びあった】

【金ちゃん~~】【あいよっ~~】

【銀ちゃん~~】【あいよっ~~】


【けっ・・・】

【登場人物】

【蔦巻イチロー(ツダマキ・イチロー)】

種梨柿太郎たねなしかきたろう

種梨水海たねなしみずみ

種梨武道たねなしたけみち

早咲空想哲治はやさきくそてつじ

毛呂山誠実もろやませいじつ

噓山金柑うそやまきんかん】【馬並勝うまなみまさる

塚本叩吉つかもとたたきち

【金ちゃん・銀ちゃん】【元・真理子・直子】

【乙姫様・うつぼの化身】


【この物語はフィクションです、個人名・団体名は存在しません】

続く種子火たねび



【逃がしはしない】【シリーズ4】

【年寄りを狙う凶悪殺人鬼】【ツダマキ・イチロー】


『蔦巻き先生、隣の班に住む一人暮らしのおばあちゃんが、ある日

忽然と居無く成ってしまったんです』水海

『時々顔が会うと、ニコニコしながら挨拶されるおばあちゃん

でした』水海

『警察の調べに寄ると、おばあちゃんの銀行預金がA・T・М・から

数十回に渡り、引き出されて居るとの事だそうです』水海


『預金通帳には2千万円近くの残高が在ったらしかった』水海

『全額引き出されているとの事だったそうです』水海

『A・T・М・から引き出される様子が、監視カメラの映像に写って居るとの事だった』水海

『警察はA・T・М・から現金を引き出す様子を、一般公開して居る』

〖其の映像を水海が録画して、武道と2人で見た〗

『この犯人はどう見ても女に見えるな』水海

『本当にどう見ても女に見えるな』武道

〖ビデオ映像には黒のサングラスと、白いマスクをした犯人が写って居た、黄色い帽子を被っていた』

『武道、デジタル処理で、黄色い帽子と黒のサングラスと白いマスクを外して見てくれ』

1時間後

〖武道はデジタル処理の終わった映像を持って来た〗

【ハッキリ写って居た、やはり女】

『幾つ位かなー40才位に見えるかなー』水海

『そうだねー40才ちょっと位かなー』武道

『2人には特に見覚えが在る顔では無かった』

『間違い無く犯人の仲間で、お金の引き出し役だ』

【数日後・また事件が起きた】


〖2人暮らしの年寄りの家に侵入し、今度は拳銃で射殺すると言う痛ましい事件だった〗

〖部屋からは、銀行預金通帳とA・T・М・カードが無くなって居た」

〖近所の人の話では、誰も発射音は聞いては居なかった〗

〖殺害された翌日、A・T・М・から数十回に渡って引き

出されて居た〗

〖その様子がビデオ映像に写って居たが、前回の事件と同様に同じ女が写って居た〗

〖この様子も一般公開して居たが、まだ見つかって居無い〗


〖犯人は、拳銃を至近距離から発射して居るらしいが、変わって居るのは薬莢と弾丸が現場から見つかって居無いとの報告が在る〗

【弾は4発貫通して居る】

【犯人は殺害してA・T・М・カードと通帳を盗んだ後、薬莢と弾を

回収して居る】

【弾丸はナイフでほじって居る】

【詰まり拳銃の特定が出来て居無い】

【一般人は拳銃で殺害すると、可成り興奮して直ぐ現場から逃げるらしいが、犯人は拳銃の扱い方に慣れている男らしい】、


【2日後】

〖水海の知り合いの隣のお年寄りの遺体が、海で発見された〗

〖釣り人が海岸辺りで発見したとの事だった〗

〖首にはロープの様な物で絞められた跡が、在ったらしかった〗

【被害者の生活反応を鑑定した結果、死亡推定時刻は押し入った直後と見られ、胃袋には海水は無かった】

【しかし不思議なのはA・T・М・で引き出した女の顔が一般公開

されて居るのにも関わらず、容疑者の特定が出来て居無いと

言う事だ】

【元自衛官3人組と交通課】


〖また事件が起きた、また拳銃を使った犯行だ、同じ手口だった〗

【至近距離から拳銃を発射して居る】

【薬莢と弾丸は回収されて居た】

【前回同様キャッシュ・カードを盗んで居る、弾は2発発射して居る】

【拳銃の発射音も誰も聞いては居無い】

〖A・T・М・から金を引き出す様子もビデオ映像に写って居たが、前回2件と全く同じだった〗

【ロープで首を絞めたり、拳銃で殺害したり許せないですね】水海

【何だか、難しそうな事件じゃな、こう言う事件は警察に任せれば良いと思うけどなー】蔦巻


【蔦巻先生もう半年近く経って居ますよ】

【蜜蜂やスズメバチ達の力を借りて、犯人を捕まえましょう】水海

【逃げっ放しは許さないぞ】水海

【蔦巻先生、暇でしょう】水海

【暇だけど忙しいんじゃ】蔦巻


【現金を引き出す女の特定】

『先ずはA・T・М・から現金を引き出す女の特定じゃな』

『この女を特定出来れば、拳銃を使用した犯人との繋がりが見えてくるじゃろう』『よーしっ、やって見ようかい』蔦巻

【先ず金を引き出したA・T・М・の特定じゃ】蔦巻

『どこのA・T・М・じゃ』蔦巻

『現金を引き出したのは3回ですが、場所は1か所です』水海

『A・T・М・の在る現場を見に行くぞ』 水海

【アクセルゆっくり踏めよ、アクセル踏み倒すんじゃないぞ】蔦巻

『先生その言葉僕の言うセリフですよ』水海

『直感で代弁しただけじゃ』蔦巻

【ぱっ・・・】水海


『A・T・М・の在る現場に到着した』

『駐車スペースは40台分位在る、周りを見渡した』

『緑のかたまりが在った』

【おっ・在ったぞ】蔦巻【金木犀の木が在るぞ】(きんもくせい)

【しかも3・5m位の高さじゃ】蔦巻

【花が咲き初めている、金木犀はこれから蜂蜜がたっぷり摂れるぞ】

【アシナガ蜂の巣が在る筈じゃ、探すんじゃ】蔦巻

【先生在りました、直径25㎝位です】水海


【アシナガ蜂は友好的じゃ、近づいても攻撃して来ないから

大丈夫じゃ】蔦巻

【ましてや、蜂蜜がこれからたっぷり摂れる花がるから、蜜集めで

忙しいんじゃ】蔦巻

【人間なんか2の次・3の次・後回しじゃ】蔦巻

【金を引き出した女は、黄色い毛糸の帽子を被って居ったな】蔦巻

【9月半ば過ぎの気温は28℃から33℃位、この温度の中で野球帽は

被っても毛糸の帽子は被らんぞ】蔦巻【今年の気温は高めじゃ】

【蜜蜂8匹放して見よう】蔦巻

【アシナガ蜂に聞くんじゃ】蔦巻

【黄色い毛糸の帽子を被った女を見たかどうか】

【金を引き出した時間帯は午前中だったな、早起きアシナガ蜂は観て記憶しとるぞ】

【蜜蜂達はアシナガ蜂の巣の方へ向かった】

【アシナガ蜂達は巣から出てきて蜜蜂達をじっと見ている】

【蜜蜂達はアシナガの巣の端に停まった】

【会話が始まった】


【蜜蜂とアシナガ蜂はお互いに首を振ったり、お尻を振ったりして

居た、今回はお尻を振る方が多かった】

【蜂がお尻を振るのは・何か特定の場所・特定の様子等を説明する時の行動の様です】

【それを見た蜜蜂は、案内無しで目的地に迷わず辿り着くそうです】

【8分位すると蜜蜂達は戻って来た、色々な情報を貰ったらしい】

【8匹の蜜蜂達は、蔦巻に5百匹の蜜蜂達を放してくれと

言ったらしい】

【5百匹の蜜蜂達はアシナガ蜂の巣の周りを取り囲んだ】

【あっ、真逆さ】【戦いか】

【アシナガ蜂達がお尻を振りながら、ダンスを踊り始めた】

【5百匹の蜜蜂達が空中に模様を描き始めた】

【蔦巻と水海は、変った模様だなと思った】

【暫くすると】

【あっ、先生数字ですよ、数字に見えますよ】水海

【デジカメに撮影じゃ】蔦巻

【空中に数字と文字が描かれた】

【55・も・8383】

【先生何となく谷に見えますよ】

【谷があるとすれば、熊谷じゃないですか】水海

【蜜蜂達は・熊よりも谷の方が描き易かった様です】

【熊谷・55・も・8383】

【車のナンバー・プレートじゃ】【デジカメで撮影じゃ】

【黄色い毛糸の帽子を被った女は【熊谷・55・も・8383】の車から

乗り降りして居たらしい】


【蔦巻きは知り合いの刑事・遠藤さんに頼んでこのナンバーの車の

持主と住所を割り出して貰った】

【その場所は熊谷の万吉まげちと言う場所だった】

【蔦巻と水海は熊谷の万吉に到着した】

【約4百坪位の敷地にアパートが建って居た、大きな門が在って塀で囲まれて居た】

【表札には【独身寮】とだけ記されて居た】

【蔦巻は独身寮を囲んで東西南北に、蜜蜂の巣を小さく作るように

指示した】

【そして暫くの間、蜜蜂達に見張りと偵察する様指示した】

【そして2週間が過ぎた】

【蔦巻と水海は独身寮の蜜蜂達に、偵察の内容を確認しに行った】

【何と独身寮は警察官の独身寮だった】

【独身の警察官10名と、まかないの叔母さん風叔父さん一人と合計11名が住んで居るとの事だった】

【10名の内5名は熊谷警察署勤務、後の5名は行田警察署勤務との報告だった】

【しかし不思議だ】

【蜜蜂達はまかないの叔母さん風、叔父さんと報告した】

【まかないの叔父さんは、米を研いだり味噌汁を作って居たらしい】

【まかないの叔母さん風叔父さんとは】


【そんな中また殺人事件が起きた】

【前回の3件の事件と、全く一緒の犯行の手口だった】

【犯人は2人暮らしのお年寄りに向けて、4発の弾丸を発射して居た】

【拳銃の発射音は周りでは聞こえて居無かった】

【庭で飼われていた犬が吠えたらしく、犯人は少し焦ったらしく4発の内1発は探し損ねて現場に残って居た】

【弾丸は警察に回収された】


【そして弾丸は、38口径の拳銃から発射された物と判明した】

【蔦巻と水海は直ぐに万吉の独身寮に行った】

【そして蜜蜂達の報告を全て聞いた】

【事件当日非番だったのは3名の警察官と判明した】

【勤務先は熊谷署勤務で交通課だった】

【事件当日に非番の3名の行動は、3名一緒に車に乗って何処かへ出掛けて居る】

【10分位すると、まかないの叔母さん風叔父さんも、何処かへ車で出掛けたらしい】

【水海は独身寮を観察した、警察官10名は警察署勤務中らしく一人留守番の、まかないの叔母さん風叔父さんをデジカメに撮った】

【半身と全身を撮影したが、A・T・М・でお金を引き出した女とは

全く違う顔に成って居た】

【角刈りで少し筋肉質の体で、どう見ても女に見えなかった】

【今日も米を研いだり味噌汁のダシを摂ったりして居た】


【A・T・М・からお金を引き出した女は、一体何処かへ消えたの

だろうか】

【水海は武道を呼んだ】

【A・T・М・の監視カメラの映像とデジカメの映像を比べて分析して貰った】

【武道の説明に寄るとA・T・М・から金を引き出した女と、独身寮の叔母さん風叔父さんは同一人物と判定した】

【仕草等観察して居ると、何となく女の雰囲気も在る】

【独身寮の叔父さんにカツラを被せ、ちょっと厚化粧させると金を引き出した女と、全く同一人物に成るとの事だった】

【武道、間違い無いのかい】水海

【兄ちゃん間違い無いよ、しかしこの人は男の格好した女の人だよ】

【元々の性別では女の人だよ】武道

【戸籍謄本では女と成って居る筈だよ】武道

【オカマなのかい】水海

【兄ちゃん、オカマとは全く違うよ】


【この人は性別では女なんだけど、女として生きて行くのに違和感が在り男の格好をして男としての行動をして居る人だよ】

【何だか複雑だね】水海

【まあ・一言で言えば、男・女と言う所じゃろうか】蔦巻

【先生今の発言は、差別的表現・差別的発言です】水海

【今の発言の撤回を求めます】水海

【直感で口走っただけじゃ】蔦巻

【間違った直感と間違った口走りは、人の心を傷つける場合も

在ります】水海

【今後、間違った口走りは封印して下さい】水海

【け・・・け・・・け・・・】蔦巻

【止めとこ・・・】蔦巻

【ぱっ・ぱっ・・・】水海


【大幅設計変更・夢のリゾート暁・股歓の御宿】


【事件当日非番だった3人の警察官の顔写真は、知り合いの遠藤刑事さんに頼んで入手した】

【まかないの叔父さん・筒抜垂美つつぬけ・たるみ

【そして3名の名前・及び経歴・成績も調査して貰った】

大的誤発おおまと・ごはつ

弛井出発起貝たるむいで・ほっきがい

石寄田英之典いしよりだ・ひでのてん

【中でも注意するのは大的誤発・射撃の名手らしい】

【日本全国警察官射撃大会で2回優勝・5回準優勝して居る)】

【関東大会では1番の命中率を誇って居る】

【模造拳銃マニア・ライフル銃マニア】

【弛井出発起貝は資産家の次男坊だ(大金持ち)】


【石寄田英之典は先祖が砂金盗りで財を成したが、詐欺に合い性格がひねくれて居て、気分にムラが在りちょっとした事で直ぐに激高する恥知らず野郎】

【佐渡島出身】

【3人で共通した事が解った】

【3人供に陸上自衛隊に4年間在籍の経歴、3人供に千葉の習志野空挺部隊に2年間在籍の経歴】

【刑事の遠藤さんに頼んで、3人の勤務日報を調べて貰う事にした】

【1回目の殺人事件・2回目の殺人事件・3回目の殺人事件この3件供に3人は非番と成って居た】

【その他の休みは3人バラバラに取って居たが、事件当日事件発生の日だけは3人供に非番だった】

【益々怪しい】水海

【盗んだキャッシュ・カード・預金通帳等を隠し持っている

可能性が高い】水海

【独身寮に侵入して、探して見るしか無いな】水海

【武道、明日万吉の独身寮に侵入して証拠を探そう】水海

〖2人は万吉の独身寮に到着した〗

〖独身寮を観察した〗

【人数は何人居る】水海

【非番の警察官3人とまかないの叔父さん一人だね】武道


【その内一人は石寄田英之典だね】武道

〖みんな部屋に居るらしい〗

「皆の部屋にスーパー蜜蜂を、郵便受けから3匹ずつ放す事にした」

〖3分位待った〗

〖先ずはまかないの叔父さんの部屋に侵入した、寝て居た〗

〖壁に掛けている合鍵を取った〗

〖合鍵の下に名前が書いて在った〗

〖大的・石寄田・弛井出〗

〖先ずは弛井出・大的・の部屋を探そう〗水海


〖2人で15分位探したが証拠らしい物は何も出て来なかった〗

〖石寄田の部屋は散らかって居て、何か出てきそうだったが証拠に

成る様な物は出てこなかったが、エロ本とエロD・V・D・が

【段ボール10箱位、押入れに隠して在った】

【エロD・V・D・全てが大○○開きの恥知らず悪趣味物だった】

【今度~~産む~も500パック隠して在った】


〖兄ちゃん何も出て来なかったね〗武道

【出て来たのは、石寄田英之典の・助平D・V・D・惰毛だった】

〖しかし、盗んだ以上どっかに在る筈だがなー〗

〖警察署のロッカーとか机の引き出しとかに隠して在るとか〗

〖警察では抜き打ちでロッカー検査・手荷物検査をして居る〗

〖もし、抜き打ち検査で、他人名義のキャッシュ・カードが見つかったらアウトだよ〗水海

〖多分それはやらないよ〗水海


〖蜜蜂達に非番の日の、3人の行動を監視して貰おう〗水海

〖東西南北に居る監視蜜蜂達に、後を追い掛ける様に指示をした〗

〖2週間経った〗

〖万吉独身寮の3人の行動の報告を聞いた〗

〖3人供に非番の日が来ると、3人供バラバラに熊谷方面に必ず出掛けて居ると解った〗

〖万吉から熊谷市内まで車で約30分、熊谷の箱田に在るマンションに出入りして居る事も解った〗

〖時々、筒抜垂美も出入りして居るらしい〗


〖12階建ての高級マンションだ、マンションの名称〗

【夢のリゾート暁・股歓の御宿】

〖このマンションを管理して居る不動産会社の名称〗

【大風呂敷不動産株式会社】(おおぶろしき)

【不動明赤味噌】(ふどうみょう・あかみそ)【社長】と判明

〖4人は12階建ての最上階に部屋を借りて居るらしい〗

〖一部屋12畳で4部屋・その他・2部屋・24畳も借りている〗

〖客を装って大風呂敷不動産で入手した〗

〖研究所へ戻って4人で相談した〗

【先ずは、マンションの設計図の入手じゃ】蔦巻


【大風呂敷不動産へ居って、マンションを設計した設計事務所で設計図のコピーを貰う事じゃな】蔦巻

【それでその、設計事務所は何という名称じゃ】蔦巻

【ちょびっと水増し設計事務所】です

【何だか、疑っていいのか・信用していいのか不思議な

名称じゃのう】

【序に、社長の名前は何・大水増正確おおみずまし・せいかく

【またこれも・大水増なのか・ちょびっと水増なのか・どっちが本当じゃろうかのう】

〖早速蔦巻は、ちょびっと水増設計事務所へ行った〗

〖設計事務所の課長さんが名刺を出しながら応対した〗

小巾着曖昧こぎんちゃく・あいまいと名刺に在った】


〖自己紹介した後〗

〖えーと、実はですね大的誤発さんにですね、購入したマンションの

設計図を、設計事務所から持って来て欲しいと頼まれましてお伺いした次第なんですが』蔦巻

〖設計図のコピーを頂きたいのですが〗蔦巻

〖あ~っ、そうなんですか~~私には良く解りませんが~~へ〗

〖ちょびっと~~お待ち下さい~~直ぐ調べて見ますかね~~へ〗

〖あ~っ、在りました~~多分これですかね~~〗小巾着曖昧


〖2枚在りますが~~~どちらの方でしょうかね~~~へへ〗

〖2枚の設計図の内訳は、どんな風に成って居るのじゃろう〗

〖1枚は設計変更前の物で~2枚目は設計変更後の物ですかね~~〗

〖設計変更後の方を頂きたいのですが〗蔦巻

「設計変更前の物は~直ぐコピ~~してお渡し出来るんですが~~」


〖変更後の方はですね~~設計図コピ~~発行承諾書と変更後の

設計図の現物に~~~社長印が必要と成ります~~~~へへへ〗

〖従業員には~社長印は押す事は出来ません~~〗小巾着曖昧

〖早いとこ社長さんを呼んで頂けますかい〗蔦巻

〖その承諾書はそこの棚の引き出しの中かい〗蔦巻

〖はいっ、その棚の上から3番目の引き出しですかね~~~】


【社長印はこのでけ~~机の引き出しの中かい~~】蔦巻

〖社長の大水増正確が現れた〗

〖先程課長さんに御話しました内容は、課長さんから御聞きに成られたんでしょうか〗蔦巻

と、〖言いながら大風呂敷不動産からの紹介状を手渡した〗蔦巻

〖ええ、大体の事は解りました〗


〖実はですね、大的誤発さんとの間に約束が在りまして、変更後の

設計図は誰にも渡さずに、変更前の設計図とは別々に保管してくれと頼まれて居まして、保管料として5百万円を頂いて居るのですが〗

〖大水増正確が座ったでけー机の中に、社長印が間違い無く在ると

蔦巻は思った〗

〖その件につきましては先程課長さんから、大変御丁寧な説明を

伺いました〗

〖5百万円の御約束ですか、それはたいそう高額ですな〗

〖そう言う事でしたら、今回の所は諦めますかな〗

〖ちょびっと残念じゃが〗蔦巻

〖わざわざおい出下さって、お役に立て無くて申し訳ありませんな〗大水増正確

〖あっ、社長さんちょびっと喉が渇いた〗

『お茶を一杯頂きたいのじゃが』蔦巻

『ああー・それは・それは・気が付きませんでした』

『女の子にお茶を入れる様に言った』

『蔦巻はイスに座り直した』

〖従業員は6人居た、社長と合わせて7人〗

〖テーブルの下から8匹のスーパー蜜蜂を放った〗

〖お茶を飲みながら待った〗

〖一人ずつ寝ていった〗

【最後の一人の社長は、キョロキョロして居たが直ぐに寝た】

【直ぐに蔦巻は社長の机の引き出しを開けた、社長印を取り出した】

【先ほど確認した承諾書と変更後の設計図に、其々社長印を押した】

【これで万全じゃ】【文句無し】

【その2枚を手にすると】

【ちょびっと設計事務所を後にした】

【ちょびっと、悪かったな】と 呟いた


〖年が明けてもう6月半ばを過ぎた〗

【これはまるで要塞】


〖研究所で設計図の確認に入った〗

〖おーっ、凄いぞ、これは・皆見てくれ〗

【これはまるで要塞じゃ、12階ワンフロア全てが設計変更に

成っておる】


1・【大型自家発電機3台設置】2・【屋上大型ポンプ2台】

3・【屋上大型貯水槽3台設置】4・【地下大型貯水槽3台設置】

5、【天井全部5㎝の鉄板】6・【窓全て5㎝の鉄板】

7・【床全て5㎝の鉄板】8・【ドア2重ドア5㎝の鉄板・指認証】

9・【通風孔網目2㎝角から5㎜角へ】10・【各部屋大型換気扇3台】

11・【12階全ての壁5㎝の鉄板】12・【トイレ各部屋計4箇所】

13・【屋上1坪タイプ小屋2つ・5㎝の鉄板で囲む】【狙撃用】

14・【隣のマンションから地下を通って太いパイプ2本引かれて在る】


『蔦巻き先生、連中は一体何をやるつもりですかね』

『ここまで準備すると成ると自衛隊の出動を想定して居るな』

『その中でも、千葉県の習志野に在る空挺部隊も視野に入れておる』

『小屋と言っても鉄板の小屋、東西南北に狙撃用の穴が在る筈じゃ』


『使用するライフル小銃も記載・最新型日本製20式自動小銃』

『ライフル・5.56㎜NAТО弾・夜間戦闘用・フラッシュ・

ハイダー装着』

【フラシュ・ハイダー・装着すると発射炎を抑えて相手から見つかり難い装置・跳ね返りも抑える・夜間は可成りの効果】

『大的誤発が狙撃すれば百発百中じゃのう』

『ライフル銃はおろか・バズーカ砲・ロケットランチャー等も準備済じゃろう』

『24畳の部屋全てが武器倉庫に成っとるぞ』2部屋在る


『この連中が大暴れする前に、全員気絶させる事が一番じゃ』

『一番肝心なのは、スズメバチ達が部屋に入る侵入経路の確保じゃ』

『通風孔の網目は5㎜角に変更に成っておる』

『スズメバチ達の侵入は無理じゃ』

『郵便受けは塞いで居るじゃろう』

『この設計図に寄ると望みが在るのは、天井裏と屋上に在る狙撃用

の小屋じゃな』

『この天井裏は屋上に面した所は鉄板じゃが、部屋の天井に接して

居る所は材木じゃ』

『電気工事の為に鉄板と材木間は、80㎝のスペースが在る広い所は120㎝も在る』『屋上の狙撃用小屋は、下の部屋と自由に上がり下りが出来る様に階段で繋がって居る』

『屋上の小屋にはドアがひとつ在る、ここから侵入出来ればスズメバチ達に活躍して貰う』

『しかし、このドアは指認証システムに成って居る、警察官の内一人の指紋が必要に成る』

【指紋採取誰の指紋】


『刑事の遠藤さんに頼んで、3名の非番の日を日報で調べて貰った』

『弛井出発起貝が一番近い日程だった』

『水海と武道は万吉の独身寮に行った』

『9名の警察官は其々の勤務先の警察署に、出勤中で独身寮に居るのは筒抜垂美と弛井出発起貝だ』

『独身寮の塀の外からスーパー蜜蜂を4匹放った』

『スーパー蜜蜂達は、2つの部屋に郵便受けから侵入した』

『2分経った』


『水海が見張り役で、武道が弛井出の部屋に侵入した』

『弛井出はすっかり寝て居た』

『武道は両方手から指紋を採取した』

『2人は研究所に帰った』

『早速武道が指紋の型を作成した』

『指紋の型から更に透明フィルムに焼き付けた』

『指紋のフィルムを右指3枚左指3枚作成した』

『人差し指・中指・薬指・合計6枚作成した』

『多分この中から合致するだろう』

『真逆さ、親指・小指で押さないだろう』

『そして其の透明フィルムを指に張り付けて見た』

『右利きだったら右利き用、左利きだったら左利き用試す事にした』


『指に張って装着具合を試した、剝がれ無い問題ない』

『大的は右利き・弛井出右利き・石寄田左利きだ』

『2人で熊谷箱田に在る【夢のリゾート暁・股歓の御宿】に行った』

『武道が試す事に成り水海は残った』

『高級マンションなので、セキュリティが万全だ』

『表の玄関から2重ドアに成って居る』

『弛井出発起貝は右利きだ』

『武道は右手の人差し指・中指・薬指に透明フィルムを張った』

『先ず一番目のドアに人差し指を、認証システム読み取り器に指を入れた』『ドアが開いた』

『足早に2番目のドアの前に立った』

『指認証器に人差し指を入れた、ドアが開いた』

『エレベーターの前に立つとこれも指認証だ、人差し指を入れた』

『エレベーターのドアが開いた、中に入ると指認証では無く普通のボタンだ、しかし12階のボタンが無い』


『最上階は11階止まりで終わりに成って居る、11階を押して見た

11階で開いた』

『エレベーターを降りて歩いて居ると、12階に上がる階段が在った』

『12階へは徒歩で階段を上がる様に成って居る』

『12階に着くと各部屋のドアの前に立って見た、指認証だ』

『しかし各部屋のドアで試すのは止めた』

『用心深い連中だ警報装置でも鳴り兼ね無い』

『警報装置解除システムが在る筈だ、周りを見渡した』

【南州斎写楽】(なんしゅうさい・しゃらく)


【あっ、誰か階段を上がって来る、足音が響いて来ている】

【チョットまずい、直ぐそこまで来てしまった】

【顔が見えた、筒抜垂美だ】

【先手必勝だ、こっちから挨拶をした】

【こんにちは、今日は暑いですね、やっぱり熊谷ですね】武道

【今日も40度越えますかねー・アハハ~ハハ~アハハ~~】

『この際だ、どうでもいい話をするしか無い』

【私は11階に住んで居るんですが、お住まいは何階ですか】武道

【私は12階に住んで居るですが、どうして貴方は12階に

居るんですか】筒抜垂美

【実は私は写真が趣味でして】と一眼レフカメラを指した

【12階に上がってそれから屋上に上がって、熊谷市内の全風景を撮影しようかと思いまして、屋上に上がる階段を探していたんですよ

、丁度良かった、屋上に上がる階段は何処ですか】武道

【失礼ですが、お名前は何と言う】筒抜垂美

【え~~~と~まあ~【南州斎写楽】と言う者です


【11階に住んで2年目です、初めてですねお会いするのは】武道

【ひょっとして、絵がお上手とか】筒抜垂美

【ああー、良く解りましたね、中学・高校と美術部で美人画専門でした、こんどモデルに成ってみませんか】武道

【こう見えても私は男ですから、モデルなんて、とても・とても】

【私の直感で見立てますと、カツラを被って細かく厚化粧をすると

立派な女性に成りますよ、しかも妖艶な女性に】武道

【誰が見ても男とはバレませんよ】武道

【ひょっとして趣味でカツラを被ったり化粧したりとか】武道

【私にはそんな趣味は在りません】武道


【ああ、大変失礼しました。屋上に上がる階段は何処でしょうか】

【屋上に上がる階段は、右端の奥の方に在りますが、12階以下に住む人はドアを開ける事は出来ません】

【12階の人間だけが屋上に上がれるのです】

【ドアの指認証は12階の住人の指しか、読み取る事はしません】

と、〖言いながら12号の部屋に入る仕草をした〗


〖その時武道はどうやって部屋に入るのかを観察した〗

〖一眼レフカメラの動画撮影を開始した〗

〖テンキーがドアに在る、其の後、指認証をする様だ〗

〖テンキーで警報装置解除の様だ〗

〖怪しまれない様に窓から眺めたりして、ウロウロしながら下に降りる振りをしてその場で確認した〗

11桁だ【90084175183】

【よーしっ、もう用は無い】

【筒抜垂美が部屋に入る瞬間に振り返り】

【ちょびっとお世話に成りました~あ~~】武道


【大らかな社長代理・朝昼開花御姉様】

『蔦巻先生、指認証システムのテストをOKです』

『12階へも屋上にも侵入出来ます』

『しかし少し不安が在ります』武道

『12階に出入り出来るのは4人だけで、4人以外は立入禁止と

成って居ます』

『その階に私が居たので筒抜垂美が3人に報告すると思います』

『監視カメラにもバッチリ写って居ます』

『名前もデタラメです、用心するんじゃ無いでしょうか』武道

『11階の住人名簿でも、閲覧したら直ぐバレます』武道

『4人組が動く前に先手を打ちますか』武道

【逃げっ放しは許さないぞ】武道

『取りあえず安心出来るのは、マンションの住人名簿に名前を記載

して貰う事じゃ、11階に部屋借りて居る様にする事じゃな』蔦巻

『あっ、思い出した先日、ちょびっと水増設計事務所に行った時課長の小巾着曖昧君が言っとったな』蔦巻


『大風呂敷不動産の、社長代理兼秘書の朝昼開花さんは可成り大らかな人で無理な相談でも、融通を利かしてくれる女の人らしい』蔦巻

『よしっ儂が出掛けて見よう』蔦巻

『あらかじめ電話して、大水増正確が出掛けている時に行く

事にした』

『先程お電話差し上げました、所長の蔦巻一郎と言う者です』

『先程簡単に説明致しましたが』

『要するに、マンションの住民に成りすます事に、協力して下さい

ませんかと言う事なんですが』

『如何でしょうか』蔦巻


『はいっ、承知致しました、色々と事情がお在りの様ですね協力致しましょう』朝昼開花あさひる・かいか

【マンションの住人で、11階の803号室に住んで居て、独身で御名前が

【南州斎写楽様】で宜しいでしょうか

【早速住民名簿登録致しましょう】朝昼開花

【3日後】


【筒抜垂美と大的誤発が大風呂敷不動産を訪れ、11階の住民名簿登録を閲覧に来たらしい】

【勿論、登録年月日は2年前の表示に成って居る】


【決行日・8月20日】

『一応一安心じゃが油断大敵じゃ』蔦巻

【数日後】

『独身寮3人組の警察官が、おかしな行動に出て居る様にじゃ』

『刑事の遠藤さんに寄ると、独身寮3人組が同時に長期休暇申請を

提出して居るらしいぞ』

【3人同時の日程じゃ、期間は3週間の申請らしい】蔦巻

【怪しいと言う寄り、危険な行動に出る可能性が高いのでは無いでしょうか】柿太郎

【長期休暇申請の期間は、何時から何時までなんですか】

【9月2日から9月23日までと成って居る様だ】蔦巻

【今日が8月18日ですから、約2週間後ですね】武道

【まかないの筒抜垂美が8月3日で退職して居るぞ】蔦巻

【マンションで準備をして居る所でしょうかね】水海

【武器の準備は終わって、食料品の調達ですね】武道


【大型冷蔵庫(530ℓ)8台・冷凍庫(300ℓ)8台が既に搬入

されて居る】

【天然水(2ℓ×6本)300ケース搬入終了】

【食料品はコストコで大量仕入れ】

【筒抜垂美は既に、マンションに住んで居ますね】柿太郎

【今現在マンションには、筒抜垂美一人の可能性が高いですね】


【3日以内にマンションに侵入ですね、一人で居る所を狙って眠らせて証拠撮影及び物的証拠の押収】武道

【決行日は8月20日が妥当ですね】柿太郎

【独身寮3人組は既に出入りして居ると、思った方が間違い

無いですね】水海

【我々4人で一挙に踏み込みですね】柿太郎

【現場で鉢合わせする事も想定して居無いといかんぞ】蔦巻

【3人組は拳銃を常に携帯しているぞ、それも想定内じゃ】

【4人の内一人はサイレンサーを装着して居るぞ】

【我々4人は丸腰じゃ危険大じゃ、リスクが大きいぞ】蔦巻

【我々4人は防弾チョッキ着用じゃ、後で支給する】蔦巻

【天井裏にドリルで穴開け22箇所】


【先ず、準備する道具じゃ】蔦巻

【エアコン工事設置で使うドリル3台、直径10㎝の穴開け用刃3枚】

【侵入したら相手構わず、誰でもスーパー蜜蜂で眠らせる】

【直ぐに屋上に繋がって居る階段から、天井裏に侵入3人で手分けして部屋の天井裏に12箇所、廊下の天井裏に10箇所

に穴を開ける】蔦巻

【我々4人は刺されない様に、訓練しとるから大丈夫じゃ】

【問題は時間じゃ、どの位掛かるかやって見ないと解らん】

【3人で穴開けの間に、儂が見張りとスズメバチ達を準備する】

【穴開け作業が終わったら、部屋と廊下の天井裏にスズメバチ達を

待機させる】

【6つの部屋の天井裏に、1000匹、廊下の天井裏に500匹待機させる】蔦巻

【8月19日進行予定内容確認】

【8月20日に成った】


【朝の4時起床・各自準備を始める・5時出発・6時到着予定】

【車は有料無人駐車場に止める、マンションまで徒歩で15分

全員リックサックを背負って居る・手荷物一人3キロ以内】

【19日にシュミレーションをやった、段取りは手際よく手早く動く】

【黒のサングラスに白いマスクは、如何にも目立つので白いマスク

のみの行動と成る】


【あれっ・ドアがどうした】

【先ず武道だけ一人で1番目のドア・2番目のドアクリア残り3人は10分経ってから後に続く】

【武道は11階に到着した】

【監視カメラが3台在る蜜蜂80匹放す・其々の監視カメラに

蜜蜂達が蓋をする】

【武道は素早く、右端の奥に在る階段で12階に上がる】

【筒抜垂美の部屋は12号室だ、其々の部屋の番号は13号・14号・

15号・16号・17号と在る・合計6部屋だ】


【16号と17号は24畳の部屋だ、12号のドアの前で室内の物音を

確認して居ると後発の3人組が上がって来た】

【お互いの会話は小声でささやく様に、身振り手振りで会話する】

【4人は其々ドアの前で室内の様子を伺う】

【12号・13号・16号・17号の部屋の前に立った】

【警報装置解除のテンキーを操作する】

【90084175183】【解除OK】

【全員指認証システムに指を入れる】

【ドアが開かない・全く無反応だ】

【3回連続失敗すると、警報装置が作動する仕掛けだ】


〖ささやく様な声で叫ぶ・チョットむつかしいしい〗

【クソッ・モタモタ・出来ないぞ】水海

【4つのドアが全く無反応だ】

【どうした】柿太郎

【互いに顔を見合わせた】

〖ささやく様な会話〗

〖どうした武道、指認証システムが読み込みしないぞ〗水海

〖そんな筈は無い筈だが〗武道

〖指認証の焼き付けミスかい、こんな時に〗蔦巻


【武道は皆の指を見て閃いた】

〖ささやく様な声で〗

〖右指で無く左指だよ・左指〗

〖左指でドアが開く様に成っているんだよ〗武道

〖左指かよ〗水海

〖全員左指で操作した〗

〖1枚目のドアも2枚目のドアも開いた〗

〖筒抜垂美は多分12号室だ〗

〖柿太郎は17号室に侵入した・誰も居無い〗


この物語は1話から6話在りますが文字制限超えて105000文字に

成りました・4話の途中から後ろの5話・6話は削除致しました


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ