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えっさほいさエッセイ

モノラル天ぷらに御用心

作者: 葉月花日

 生まれて初めてニンニクを備えたのは、3月の秋の事だった。

 あの辛かった出来事を思えば、もはや何も怖くはない。

 滝登りの修行を怠った春も、様様な言葉に動きを宿したあの夏も、耳の感覚が拡張されたあの冬も、私が思うに最大級の敬意を払い、タコ足を凝視した。


 浜松の桔梗の華が咲き誇る今の季節に恐縮ではあるのだが、どうしようもなく心配が募り、失せていく。

 紹興酒に遺骨の要素を見出し、不思議な気分で彼女がマウントポジションを取ろうとするたびこの世の物とは思えない快楽に身を震わせた。

 震度32。

 目に見えて拉麺を食べに向かった喜多方の奥地の森林地帯で、ゆったりと温泉に浸かる麒麟の如く浮かれてしまう。

 お姉さまは何も恥ずかしくないと仰るが、脱ぐのは皮でほとほど呆れてしまう。

 ここであえて申し上げよう。


 羊羹の円形の中央は中二病のバスタオルに炊きつける。


 さて、一缶のロックをジョッキで飲み干し、手のひらから足がはみ出すペース配分がとても愚かしいので、グロスの味を忘れない。

 激しい嘔吐を掻い潜り、兄様を呼び出しハンドルを握ってみたものの、つい3秒間だけ眠りに落ちた。

 話は戻るがイチジクは咲き誇り、ヒョウタンの隅に動いた霞。

 一体どこへ向かうのだろうか? 

 父は空が綺麗なうちに、あまねく星空へ落ちてしまった。

 避けねばならぬハニートラップを受け入れて、母に最大限の謝罪を入れた。

 

「しばらくぶりだね」


 ぬいぐるみを抱きしめ接吻する先祖たちの歌声がオートマチックの結婚式に木霊する。

 なんど許しを請うとは言えど、羞恥心を忘れてしまった傀儡のわんちゃんには掛ける言葉も見当たらない。

 

「目の黒いうちは好きですわ」


 男の声が聞こえたのは自演なのか客演なのか、発情した個性を象徴するには至らなかった。

 信用してもいい思い出は結局のところなんでもない。

 意味深な言葉を並べあつらえ絡み合う。

 デリケートな魚はフェティシズムの象徴だ。


「人工的な香りはどこから来るのでしょうか」


 海を見て御覧なさいと血流を滾らせた時間を持て余すはじき者にあるまじき姿。

 これ以上幼くなったら水仙が迎えに来てしまう。

 嘘塗れの宣戦布告で心拍数に異常をきたし、可愛さ余って憎さ何倍だろうか。

 排水溝との性交渉は気持ちがいいから悍ましい。

 熱湯のありかを求めて逃げだしてしまった喧嘩腰の天使は息を合わせて勝手する。

 

「明け方の鳥は西の空へと口ずさむさ」


 鉄格子の半端者。

 踊り始めて早数十秒の赤ん坊と、もぬけの殻の子宮の中で、偶像崇拝の無脊椎動物たちは叫び出した。

 名無しが主張する胡瓜の道ではエンジンの誘惑に耐えられない。

 入道雲に願ったところで、また夏は来てしまう。

 ならば三次元に未練はなく、新時代は幕を上げる。

 

「冗談ばかり泣かないで」


 逃げまどう翼と迫りくる盆踊り。

 摩擦は意味を成しただろうか。

 ハロウィーンを言い訳に確認事項を天才的だと称えてみるが、京都県は新潟府に侵食されてしまった。


「親の仇と花いちもんめ」


 反省会なら図書室は使わせないだろう。

 杞憂は毒舌に垂れ流し、眠った五人目は忘れられてしまった。

 やさぐれて、愛らしさと色気を世代に置き去り、最後まで言わせてもらえない。

 早口にさらわれて酷い事をされた枕の中から自らの優秀さを唱えたところで、他人が見れば扇風機に過ぎず、臀部と腰が痛くなる。


「安産型の無駄遣いかな」


 好きならそう言い、照れも忘れるべからず。

 嫉妬は妄想に付き合った鼻血の副産物に他ならず、わかると言っても擦られる。

 可愛こぶった道標。

 映画館で迎える最期はタランチュラの様に捨てられた。


 最新家電の進化にうな垂れ、透き通った瞼でチキンがステップを踏んだ。


 右耳を失くした音楽家と、左目を失くした芸術家は、一体どちらが幸せなのだろうか。


 全てを手放し自由を手にし、日々早すぎる時の流れを噛みしめる。

 朝が来るのを恐れ、夜が来るのも恐ろしい。

 自らの生に他人の生を混同し、ひとごとの戯言すらも容赦なく頭を殴る。


 となりの席をくっつけて、気になる惨めなお家芸。


「まぁ、嘘の連続にも疲れてしまった」


 その者は本当に友達か、それが一番の問題だ。

 結局のところ、秋の終わりと冬の始まりに意味はなかったみたいだ。


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