コント「人質を解放しなさい!」
犯人:人質を連れて立てこもっている(人質役の人はいない。そばにいるという演技で)
刑事「武器を捨てなさい!」
犯「うるせえ!
社長を呼べ! 社長を!
あいつだけは絶対許せねぇ」
刑「社長? 知り合いか?」
犯「知り合いじゃねえよ!
あいつが会社の不正をオレになすりつけやがったんだ。
それでオレは首を切られておしまい だ。
とにかくあいつをここに連れてこい!」
刑「よし、わかった」
(スマホを操作して)
「今、友達申請出したから」
犯「電話とかで呼べよ!
警察が呼べば慌てて来るだろ!」
刑「わかった、やってみるから。
そこの人は関係ないだろ、解放しなさい」
犯「こいつか?
こいつはあの会社の社員だ!
まさか社長は見捨てたりしないよな」
刑「ホントに社員なの?」
(ちょっと犯人に近づく)
犯「近づくんじゃねえっ!
こいつがどうなってもいいのか!?」(包丁を人質に近づける)
刑「やめろー」
犯「脅しで言ってるんじゃねえぞ・・・
なんなら、社長が来るまでこいつの指を1本1本落としていってやろうか?」
(典型的な殺し屋風に 包丁をぺろりとなめる)
刑「パシャッ!(スマホで撮影)」
犯「おいっ!!
何写真撮ってんだよ!」
刑「いやー、いまのインスタ映えすると思って」
犯「映えじゃねーだろ!
何インスタに上げようとしてんだ!
報道だろ、報道! ニュースだろ、これ」
刑(後ろ向きでスマホをかまえて)「パシャッ!」
犯「自撮りにすんじゃねーよ!!」
刑「報告書の写真を・・・」
犯「今、ピースしてただろ!!
絶対インスタ用じゃねえか!」
刑「とにかく、
人質を解放しろ!」(スマホをかまえて、ちらちら見ながら)
犯「お前、動画撮ってるだろ!
ふざけやがって」
刑「ちょっとまってろ」
(犯人の方に向けてスマホを操作)
「わっはっは!!!」(大ウケ)
(腹を抱えながらスマホを犯人に見せる)
犯「ん?
オレと人質の顔入れ替えてんじゃねーーよ!!!」
刑(笑い過ぎて涙を拭いた後 真顔に戻り)
「人質の気持ちが分かったか!?」
犯「わかるワケねーだろ!」
犯「ちきしょー!
こうなったら、こいつの指を一本いただくぜ」
刑「やめろーー!」
犯「うるせえ!
オレは本気でやってんだ!」
刑「刑を重くする必要はないだろ」
犯「もうこうなった時点で手遅れなんだよ!」
刑「誰だって、最初から犯罪者だったワケじゃない」
犯「はあ?」
刑「生まれたときはな、みんなオギャーって泣いてたんだ」
犯「何の話だよ?」
刑「どの母親も子供が将来しあわせになって欲しいと思ってた」
犯「よくある泣き落としだな」
刑「お母さんは泣いているぞ」
犯「知らねえよ!
もう何年も会ってねえし」
刑(スマホを操作して犯人に見せる)「ほら、お母さんだ」
犯「な、、なんでおふくろの写真持ってんだよ!?」
刑(スマホを指で操作して)
「お母さんは泣いているぞ」(犯人に見せる)
犯「お前が今 涙描いたんだろ!!!
なんだ、水色の線2本描いて、マンガか!?
ヘタクソッ!」
刑「お母さんは悲しんでいるんだ」(スマホを操作しながら)
「話してみるか」
犯「・・・・なんだよ、電話つながってんのか?」
刑「ビデオ通話にするからな」
(スマホを操作して犯人にわたす)
犯「おふく・・・・
なんでウサギの耳がついてんだよっ!!!
鼻のところも動物になってるし!
ふざけてんのか! 戻せっ!」
刑「えー? それお母さんが設定してんじゃないの?」
(犯人が持っているスマホをのぞき込み)
「ぎゃっはっはっは!!!
カワイーーじゃん!」
「ちょっと見て見て」(スマホを人質のいる方に向ける)
犯「何見せてんだよっ!!!
お前も見るんじゃねえ!」(人質を蹴っ飛ばす(演技))
「おふくろも 何やってんだよ!
今、それどこじゃねえんだよ!!」
(犯人がスマホで話をしている間に、人質はこっそり刑事の後ろの方に逃げる。
それを目で追いながら誘導する刑事(演技))
犯「ふざけやがって、どいつもこいつも!」
(スマホから顔を上げて、人質のいた方を二度見。すでにいなくなっている)
「あ・・・」
犯(あきらめたように周囲を見回して)
「・・・・」
(くるりと後ろを向いて ピースしながら自撮り)「パシャリ」
(スマホを刑事に返しながら)
「後でこの写真送ってくれ」