第9話 浮き輪の邪神ビビアンあらわる!
ホムラとトウカの前に
二体の邪神が現れる!
夜もふけ、宴が終わる。
「それではお二人とも、お気をつけて。」
「うん、ありがとう。」
宴に参加していた巡礼者たちがホムラとトウカを見送る。
「あー!沢山食べてー話してー楽しかったー!それじゃあ世界を救う続き、しよっか!」
「そんなゲーム感覚みたいなww」
パチパチパチパチパチパチパチパチ!
トウカとホムラが歩きながら話していると、どこからか拍手の音が聞こえた!
「やあやあ君たち!凄いねー?もうウチらの仲間を三体も倒したんだって?いやーホントすごいよぉ!」
「誰!?」
目の前に薄着で緑の浮き輪をつけた、二十歳くらいの少し日焼けしたお姉さんが現れる。
「ウチ?ウチはロードン十七柱十一番、全てを拒む浮き輪の邪神、ビビアン•ボイン•ビビ!」
「邪神......なのか!?」
人間と変わらない姿をしているビビアンを見て困惑するホムラ。
「それに三体?僕は、まだ......なんかウニみたいな奴しか倒してないぞ!ダルセロスは倒したとは言えないし。」
「私が二体倒したの!亀の邪神とオバケの邪神!」
「トウカが倒したのか!凄いな!」
トウカは既にホムラと出会う前に、二体の邪神を倒していた。
「十五番のテレンスと十七番のフンゾリガメを倒したのは君かー!てっきり少年がやったのかと!?君も中々やるねー。」
パチパチパチパチパチパチパチパチ
ビビアンが拍手をする。
「君たちどう?ウチらとも今ここでやり合わない?」
「言われ無くてもそうするつもりよ!」
ビビアンの言葉に笑顔で答えるトウカ。
「そうこなくっちゃ!さあ出ておいで!ロードン十七柱十四番!ツムツムブラーパ!」
地面を突き破って、5メートルくらいの黒い花が現れる。
「あーうぅパクパクパクパクパクパクパクパク!」
黒い花が鳴く。
「コイツは人間の言葉を話す事が出来ないからね、ウチが代わりに説明したげるよ!ツムツムブラーパは黒い花の邪神と呼ばれていて、凄く......硬いのよ。」
「なんで今、間をあけたんだ......」
ホムラは謎の間が気になってしまう。
「教えない!」
ビビアンはそう答えながら物凄い速さでホムラの方へと突進する。
「速い!」
ビョイーン!
ビビアンのつけている浮き輪に弾かれて、何十メートルか遠くに飛ばされてしまうホムラ。
「ホムラ!大丈夫?」
「あぁうぅパクパクパクパクパクパク!」
ホムラを助けに向かおうとしたトウカの邪魔をするようにブラーパが通せんぼをする。
地面を潜って移動してきたようだ。
「仕方ない!コイツを倒したら、すぐ助けに行くからねーホムラあああああああああああああああ!!」
ホムラが吹き飛んでいった方向へ、トウカが思いっきり叫ぶ。
「それじゃあトウカちゃーん!ウチはホムラくんと遊んで来るから、じゃーねー!」
「ああぁ。待てこらあ!」
トウカとブラーパ、そしてホムラとビビアンの戦いが始まった。
浮き輪でぷかぷかプールの上に浮かぶの気持ちいいぞ。